【男子ソフトテニス】浅見・安達組がダブルス第3位! 2年連続の入賞で強さを再証明/千葉インカレダブルス・シングルス

男子軟式庭球

全日本学生選手権、全日本学生シングルス選手権 9月1~3日 千葉県総合スポーツセンター庭球場ほか

 全日本大学対抗の余韻が残る中、9月1日から2日にかけて、全日本学生選手権が開催された。早大からは、計7組が出場。ゲームは4回戦までは7ゲーム、5回戦からは9ゲームマッチで行われ、それぞれが上位進出を目指して臨んだ。

 初のインカレ個人戦で、その実力に注目が集まった、一ノ宮大和(社1=茨城・霞ヶ浦)・伊藤幹太(法1=東京・早実)組。迎えた初戦(2回戦)では、近畿大の清水・前川組と対峙した。序盤は、サーブからの積極的な仕掛けが功を奏し、第1ゲームを先取。だが、中盤以降はボレーのネットミスが重なる苦しい展開に。一気に4ゲームを連取され、1ー④で無念の初戦敗退となった。1年生ながら今季を通じて多くの実戦経験を積んできた2人。彼らがチームを勢いづける起爆剤となる日も、そう遠くはないはずだ。

 小幡泰雅(スポ4=山口・宇部)・大澤真紗斗(社1=宮城・東北)組は、1回戦で金沢大の宮崎・花形組と対戦し、④ー1の快勝を収めた。続く2回戦の相手は、全日本大学王座決定戦に中国地方代表として出場する福山平成大学の飯田・山根組。シングルス・ダブルスともに中国地方では上位クラスのコンビを前に、小幡・大澤組は序盤から思うような展開をつくれない。粘り強く食らいつくも、流れを引き寄せるには至らず、悔しさの残るストレート負けで大会を後にした。今季はペアを組む機会の多かった4年生・1年生ペアの2人。小幡は「ぺアの大澤にいい結果を持たせてあげられるように」と語り、最後のインカレに臨んでいた。1年目から最上級生と共に戦った日々の中で、大澤は多くのことを吸収したに違いない。その貴重な経験を、今後の成長にしっかりとつなげてくれることを期待したい。そして、4年間にわたって早稲田でテニスをやり遂げた小幡に、心からの拍手を送りたい。

 根田大地(スポ2=北海道科学大高)・飯干開生(社3=東京・早実)組は2回戦で桃山学院大の寺田・松島組と対戦。試合を通じて終始落ち着いたプレーを見せ、盤石の勝利で3回戦へと駒を進めた。3回戦の相手は、関西の名門・関西学院大の神谷・中内組。序盤から互角のラリーを展開するも、勝負どころでのミスが響き、惜しくも2ー④で敗戦した。東日本大学対抗ではAチームの一員として戦った根田・飯干組。しかし、インカレの大学対抗ではその実力を発揮する舞台に立つことは叶わなかった。それでも、昨年から着実にレベルアップを遂げた二人は、代交代後、チームの軸へとなっていくだろう。2人のこれからに、大きな期待を寄せていきたい。

 浦濱大牙(教2=東京・早実)・大竹公陽(社2=千葉・昭和学院)組は、酪農学園大の武川・渡部組に④ー2で勝利し、2回戦を突破した。続く3回戦の相手は、東日本大学対抗準々決勝でも顔を合わせた野口・津島組(日体大)。浦濱が津島のストレートを豪快に打ち抜くなど、気迫のこもったプレーで2ゲームを先取。一時は主導権を握るかに見えたが、相手の地力に押されるかたちで逆転を許し、2ー④で惜敗。リベンジとはならずも、東日本大学対抗では0ー④で完敗していた相手に、今回は2ゲームを奪取。その内容こそが、彼らがインカレに向けてどれだけの練習を重ねてきたかの何よりの証明だ。ソフトテニスへの愛があふれ、練習豊富な2人は、来季こそ「強さ」を兼ね備えた選手になるだろう。

 平岩稜将(教3=愛知・岡崎)・渡健博主務(スポ4=山口・徳山)組は2回戦で北翔大の田中・宮本組と対戦。ゲームカウント3-2から相手の粘りに押され、勝負はファイナルゲームへ。最終局面ではレシーブで2本を奪い、渡の鋭いボレーでさらに2本加点。相手のミスも誘い、あっという間に6-0とマッチポイントに。最後は7-2で振り切り接戦をものにした。3回戦も勢いは止まらず、桃山学院大の山本・髙谷組を相手に終始安定したプレーで④-0のストレート勝利。4回戦は竹田・安部組(日体大)と対戦し、激しいラリーの応酬に一歩も引かず攻防戦を展開したが、終盤は相手の攻め際の強さに追い込まれ、2-⑤で敗れた。2日目進出はならなかったが、どの試合でも2人の持ち味が存分に発揮された。特に、最後のインカレとなった渡の、誰よりも積極的に仕掛ける姿勢は見る者の心を打った。来季主務の意志を受け継ぐのはペアの平岩だ。彼が今後どのようなチームをつくり上げるのか楽しみでならない。

 髙田淳貴(政経3=東京・早実)・松本翔太主将(スポ4=香川・尽誠学園)組は、2回戦で坂本・髙橋組(札幌学院大)に快勝すると、続く3回戦では、中西・辻組とのファイナルゲームに及ぶ接戦を制した。4回戦でも川神・竹之内組(松山大)に⑤-3で勝利し、2日目に駒を進めた。2日目初戦となった5回戦の相手は、関西外国語大の濱本・黒木組。全日本大学対抗4回戦の一次戦でも対戦し、勝利していた相手であり、今回は挑まれる立場での一戦となった。髙田のキレのあるストロークと松本の緻密なプレースタイルが際立ち、再び⑤-3で快勝。圧巻の試合運びで、ベスト16進出をかけた6回戦へと臨んだ。6回戦の相手は、立大の奥田・豊田組。安定したプレーで流れを掌握し、ゲームカウント3-0と理想的な展開でリードを奪う。しかし、ここから相手が底力を発揮する。徐々に点差を詰められ、試合は最終ゲームへと突入。ファイナルゲームでは髙田・松本組がマッチポイントを握る場面もあったが、立大ペアの強気なプレーに押され、逆転を許してしまった。惜敗中の惜敗。あと一本を決められなかった悔しさが残る一戦となった。

 今大会は松本にとってソフトテニス人生の集大成。団体戦・個人戦ともに、彼にとっては満足のいく結果ではなかったかもしれない。しかし、華やかな実績を持つ選手が少ない中で、現実の厳しさと真正面から向き合い、なお「みんなで考え、みんなで戦う」チームをつくりあげてきた。その姿勢こそが、松本翔太という主将の真骨頂だった。今季、松本とペアを組み続けてきた髙田は、松本に対して「キャプテンとしても、ペアとしてもずっと引っ張ってくれていて、尊敬できる主将です」と語る。その髙田が、来季は新たなキャプテンとしてチームを背負う。誰よりも松本の背中を近くで見てきた男が、次なるチームをどう導くのかーー。再びチームを一つに束ね、早大をさらに強くしていってくれることだろう。

 浅見竣一郎(スポ2=宮城・東北)・安達宣(スポ2=奈良・高田商)組は昨年に続く快進撃を見せた。初戦の2回戦では、岡本・柴田組(桃山学院大)を相手に④-0で圧勝し、好スタートを切る。3回戦、4回戦も危なげない内容で勝ち上がり、試合ごとに完成度を高めていった。5回戦では明大の間庭・佐藤組を⑤-1で一蹴。さらに、6回戦では岩田・屋比久(日体大)を⑤-0と寄せつけず、圧倒的な強さを見せつけた。迎えた7回戦、関学大の三上・結城との一戦では、後衛同士の激しい打ち合いが続いた。緊迫した展開の中でも、浅見・安達組はサーブレシーブを武器に着実にポイントを重ね、徐々にリードを広げていく。試合は⑤-2で勝利し、準々決勝へと駒を進めた。

 準々決勝の相手は鈴木・関川組(中大)。ここでも冷静な試合運びで主導権を握り、⑤-1で堂々の勝利。これで2年連続の準決勝進出となり、ついに浅見・安達組はベスト4入りを果たした。準決勝の舞台で待ち受けていたのは、奇しくも昨年と同じ片岡・黒坂組(日体大)。序盤から相手の鋭いサーブに苦しみ、主導権を握られる展開に。1ゲーム目を落とすも、続く2ゲーム目で粘りを見せて取り返し、流れを呼び戻す。勝負の分かれ目となったのは第3ゲーム。長いデュースの末に競り負けると、試合の流れは日体大ペアへ傾いた。コートを広く使った粘り強いテニスで食らいついたが、反撃は及ばず、1-⑤での敗戦となった。決勝進出はならなかったものの、3位入賞を飾った浅見・安達組。昨年のインカレ以降、思うような結果を残せなかった彼らにとって、この入賞は大きな意味を持つ。自信を手にした2人が、来季どのような進化を遂げるのか、見守っていきたい。

 続いて、9月2~3日に行われた全日本学生シングルス選手権には、安達、伊藤、髙田の3人が出場した。2回戦から登場した安達は接戦を演じたが、前日の疲労も影響したか、惜しくもファイナルゲームで敗戦した。髙田は初戦で工藤康治朗(星城大)をストレートで下し、好スタートを切る。しかし、3回戦で同志社大の2年生エース清水駿にストレート負けを喫した。そんな中、シングルスで躍動を見せたのが伊藤だ。2日目へと駒を進めた伊藤は3回戦で日体大の片岡暁紀と対戦。相手は実力者だが、強みを存分に発揮し、④ー2で勝利した。さらに4回戦は山根寛人(福山平成大)をストレートで押さえ、5回戦へ。準々決勝の相手は、シングルス王者奪還を狙う橋場柊一郎(法大)。伊藤は巧みなプレーで立ち向かったが、地力に勝る橋場の壁は厚く、ストレートで敗れた。1年生で挑んだ大舞台でのベスト8入りは堂々たる戦績。今後の飛躍を大いに予感させる大会となった。

 シングルスでは伊藤がベスト8、ダブルスでは浅見・安達組が3位入賞と、それぞれが現状の力をぶつけた千葉インカレ個人戦。出場が叶わなかった選手たちもエールを送り、サポートに回るなど、個の戦いでありながら「チーム早稲田」としての力が随所に光る大会となった。その中で銅メダルを手にした浅見は、表彰後に「来年は金色に」と力強く語った。その言葉どおり、浅見・安達組なら、必ずや頂点に辿り着くはずだ。そしてきっと、彼らに続くペアたちも次々に頭角を現し、個の強いチームへと進化していくだろう。来年、このチームがどんな色に染まり、どんなメダルを首にかけるのかーーその答え合わせの瞬間が、今から待ち遠しい。

(記事・写真 佐藤結)

ダブルス結果

▽1回戦

小幡・大澤④ー1宮崎・花形(金沢大)

▽2回戦

浅見・安達④ー0岡本・柴田(桃山学院大)

髙田・松本④ー2坂本・髙橋(札幌学院大)

平岩・渡④ー3田中・宮本(北翔大)

根田・飯干④ー1寺田・松島(桃山学院大)

浦濱・大竹④ー2武川・渡部(酪農学園大)

小幡・大澤0ー④飯田・山根(福山平成大)

一ノ宮・伊藤1ー④清水・前川(近畿大)

▽3回戦

浅見・安達④ー2天野・植松(四国大)

髙田・松本④ー3中西・辻(桃山学院大)

平岩・渡④ー0山本・髙谷(桃山学院大)

根田・飯干2ー④神谷・中内(関学大)

浦濱・大竹2ー④野口・津島(日体大)

▽4回戦

浅見・安達⑤ー3岡田・入口(西日本工業大)

髙田・松本⑤ー3川神・竹之内(松山大)

平岩・渡2ー⑤竹田・安部(日体大)

▽5回戦

浅見・安達⑤ー1間庭・佐藤(明大)

髙田・松本⑤ー3濱本・黒木(関西外語大)

▽6回戦

浅見・安達⑤ー0岩田・屋比久(日体大)

髙田・松本4ー⑤奥田・豊田(立大)

▽7回戦

浅見・安達⑤ー2三上・結城(関学大)

▽準々決勝

浅見・安達⑤ー1鈴木・関川(中大)

▽準決勝

浅見・安達1ー⑤片岡・黒坂(日体大)

 

シングルス結果

▽1回戦

伊藤幹太④ー1岩井亮樹(天理大)

▽2回戦

伊藤幹太④ーR石川伊吹(中京大)

安達宣3ー④藤澤玲空(石川高専)

髙田淳貴④ー0工藤康治朗(星城大)

▽3回戦

伊藤幹太④ー2片岡暁紀(日体大)

髙田淳貴0ー④清水駿(同志社大)

▽4回戦

伊藤幹太④ー0山根寛人(福山平成大)

▽準々決勝

伊藤幹太0ー④橋場柊一郎(法大)