【男子ソフトテニス】明大に敗北しベスト8 連覇逃すも早稲田らしい戦いを貫いた/千葉インカレ大学対抗

男子軟式庭球

全日本大学対抗 8月30~31日 千葉県総合スポーツセンター庭球場

 灼熱の太陽が照りつける千葉県総合スポーツセンター庭球場。全日本大学対抗(インカレ)が開幕を迎え、今年も各大学の熱い戦いが繰り広げられた。試合は3 ペアによる殲滅(せんめつ)戦トーナメント方式がとられ、7ゲームで勝敗が決する。昨年、沖縄でのインカレで日本一を奪還した早大は、優勝の記録をつなぐべく、連覇に挑んだ。

 第1シードとして迎えた初戦(2回戦)の相手は酪農学園大。注目の一戦で先陣を切ったのは、一ノ宮・伊藤のルーキーコンビ。先輩たちとの競争を勝ち抜いて出場権をつかんだ2人は、その勢いのままに④ー1で勝利を収め、チームに流れを引き寄せた。続く浅見・安達組も安定したプレーで④ー2と快勝。最後は大黒柱・髙田・松本組が④ー1の圧倒的な内容で締め、白星スタートを飾った。

 続く3回戦の相手は松山大。第1対戦には再び一ノ宮・伊藤組が登場。拮抗(きっこう)した攻防の末に、試合はファイナルゲームにもつれ込んだが、土壇場で勝負強さを発揮し、見事に勝ち切る。勢いに乗った髙田・松本組は、1ゲームも落とさぬ完璧なプレーで相手を圧倒し、連勝を重ねた。最後に登場した浅見・安達組も④ー1で快勝し、堂々たる3連勝で3回戦を突破した。

 4回戦では関西外国語大と対戦した。 今年の西日本大学対抗で3位に輝いた、西日本を代表する勢いのあるチームだ。第1対戦では、一ノ宮・伊藤組が序盤からアグレッシブなプレーで主導権を握り、ゲームを先取。しかし、細かいミスが響き、流れを引き戻される苦しい展開となった。勝負は再びファイナルゲームへともつれ込むが、白熱のラリーの中で果敢な攻めが光り、接戦を制した。第2対戦の髙田・松本組は、序盤、後衛・濱本の鋭いストロークに苦しむ場面も見られたが、冷静に対応し流れを修正。ゲームカウント3ー2とリードしたところで、日没により試合は一時中断となった。

 翌日、第2対戦の6ゲーム目から再開。不慣れな状況下ながらも、立ち上がりから積極的に攻め込み、相手に反撃の隙を与えず。ファイナルゲームに突入させることなく、④ー2で勝負を決めた。第3対戦には浅見・安達組が登場。一次戦で試合を締めたいところだったが、西日本学生選手権3位の森・野口組の攻撃力に苦戦。主導権を握ることができず、2ー④で二次戦へと突入した。二次戦では再び一ノ宮・伊藤組がコートに立つも、勢いに乗る森・野口組に主導権を奪われ、流れを変えることができないまま、痛恨の0ー④で敗北。後がない三次戦、勝負を託されたのは髙田・松本組。終始落ち着いた試合運びを見せ、堅実なプレーで相手をねじ伏せる。貴重な1勝をもぎ取り、無事準々決勝への切符を手にした。

 続く準々決勝は明治大学と対戦した。早大のオーダーは、1本目から順に、一ノ宮・伊藤組、浅見・安達組、髙田・松本組。一ノ宮・伊藤組は尽誠学園高校出身のスーパールーキー・坂口・小山組と対戦した。一年生ルーキー同士の対決となった第一対戦。向かってくる力強いプレーに対応しきれず、1ー④で敗戦を喫した。第2対戦では、浅見・安達組が中村・岡田組と対戦。相手を翻弄(ほんろう)する配球で主導権を握ろうと試みるも、苦手意識のあるダブルフォワードに苦戦し、惜敗。勝負は第3対戦へと託された。すべてを背負ってコートに立ったのは大将の髙田・松本組。辻花・上田組との一戦は、まさに一進一退の死闘。互いに一歩も譲らぬ攻防が続き、勝負はファイナルゲームにもつれ込んだ。緊張感が漂う中、髙田・松本の両選手は覚悟を胸に、渾身のプレーを展開。気迫のこもったラリーを制し、④ー3で見事な勝利を掴み取った。

 勢いに乗って挑んだ二次戦。再び対峙したのは坂口・小山組。相手は一年生とは思えぬ果敢な攻撃で、序盤から一気に押し込まれる。流れを変えたい場面、松本が主将としての意地を見せ、鋭いボールに喰らいつき、1ゲームを奪い返すも、なおも勢い止まらぬ相手の自由奔放なプレーに押し切られ、1-④で敗戦。勝利への執念を見せるもあと一歩届かず。最終スコアは1-③。明大に軍配が上がった。

 王座の死守を目指して臨んだ今年のインカレだったが、結果はベスト8。1年間積み重ねてきた努力は、結果としては結実しなかった。しかし、プレーヤーと応援が一体となって戦う、「早稲田らしいテニス」は、間違いなく最後まで貫かれていた。松本主将をはじめ、洲﨑一眞(創理4=新潟・長岡)、渡健博主務(スポ4=山口・徳山)、奥山航平(スポ4=東京・早大学院)、小幡泰雅(スポ4=山口・宇部)ーー4年生5人が築いてきたチームの土台が、確かにチーム全体を支えていた。日本一への返り咲きは次の世代へと託される。決勝の舞台で仲間と喜びを分かち合った経験も、ライバルの歓喜をただ見届けることしかできなかった悔しさも、後輩たちは胸に刻んでいる。まだまだ終わることのない早稲田の挑戦を、これからも見届けていきたい。

(記事・写真 佐藤結)

結果

▽2回戦

対酪農学園大 ③ー0

一次戦

一ノ宮・伊藤④ー1鈴木・谷島

浅見・安達④ー2大野・清水

髙田・松本④ー1工藤・松本

▽3回戦

松山大 ③ー0

一次戦

一ノ宮・伊藤④ー3高本・小倉

髙田・松本④ー0神田・杉原

浅見・安達④ー1川神・竹之内

▽4回戦

関西外国語大 ③ー2

一次戦

一ノ宮・伊藤④ー3中山・菅原

髙田・松本④ー2濱本・黒木

浅見・安達2ー④森・野口

二次戦

一ノ宮・伊藤0ー④森・野口

三次戦

髙田・松本④ー1森・野口

▽準々決勝

明大 1ー③

一次戦

一ノ宮・伊藤1ー④坂口・小山

浅見・安達2ー④中村・岡田

髙田・松本④ー3辻花・上田

二次戦

髙田・松本1ー④坂口・小山