東日本学生大学対抗 7月5〜6日 千葉・白子町テニスコートほか
全日本学生大学対抗(インカレ)前哨戦と謳われる(東日本インカレ)。今年も、千葉県白子町にて熱戦が繰り広げられた。ゲームはインカレ同様のダブルス3本による殲滅戦方式。早大Aはベスト8決めで国学院大Aに1ー③で敗退し散るも、早大Bは1年生の一ノ宮大和(社1=茨城・霞ヶ浦)・伊藤幹太(法1=東京・早実)組の活躍が光り、ベスト8まで上り詰めた。

試合中の奥山(写真左)・洲﨑組
早大Dは奥山航平(スポ4=東京・早大学院)・洲﨑一眞(創理4=新潟・長岡)組、八木澤明秀(法1=東京・早実)・杉山賢太(政経3=東京・早実)組、矢追翼(政経1=東京・早実)で構成。初戦は法大Aと対戦した。1対戦目の奥山・洲﨑組は田中・初鹿組と対戦。奥山は振り回されてもラリーをつなぎ、洲﨑も強気のネットプレーで得点を決める。1ー④で負けてしまったが、実力のある2人から1ゲームを奪い、4年生らしく盛り上げた。2対戦目の八木澤明秀(法1=東京・早実)・杉山賢太(政経3=東京・早実)組は森川・野本組にゲームを支配され、ストレート負けを喫したが、1年生の八木澤にとっては大学入学後初の公式戦での団体出場となり、新たに経験を積んだ。早大Dは5人のため、3対戦目は不戦敗で、全体0ー③で初戦敗退となった。

試合中の渡
早大Cのメンバーは平岩稜将(教3=愛知・岡崎)・渡健博主務(スポ4=山口・徳山)組、髙須賀祥也(教2=愛媛・新居浜西)・蛯谷誠也(法2=静岡・清水東)組、平田泰一(教2=埼玉・川越東)・近江一真(スポ2=福井・北陸)組の3組。1回戦は城西大Bと対戦した。1対戦目でダブルフォワードの平田・近江組がストレートで勝利しチームを勢いづけると、平岩・渡組が接戦の末にファイナルゲームを制する。続く髙須賀・蛯谷組もファイナルゲームにもつれ込み、惜しくも敗れたが、二次戦で平田・近江組が仇を討ち、2回戦へ進出した。2回戦の相手は法大C。1対戦目には髙須賀・蛯谷組が入ったが、1回戦に続きファイナルゲーム勝負に。猛暑のなか、集中力を切らさず、粘ったが、再び勝ち切ることはできなかった。続く平田・近江組もファイナルゲームになったが、要所でのミスが響き、敗戦。最初の2本で法大Cに流れをつかまれてしまい、平岩・渡組も1ー④で敗北し、全体ストレートで2回戦で敗退した。

試合中の一ノ宮
早大Bには小幡泰雅(スポ4=山口・宇部)・大澤真紗斗(社1=宮城・東北)組、浦濱大牙(教2=東京・早実)・大竹公陽(社2=千葉・昭和学院)組、一ノ宮・伊藤組の顔ぶれがそろった。メンバーの半分が1年生で、初の東日本インカレであったが、1回戦で東経大D、2回戦で千葉商科大A、3回戦で駿大Aと対戦し、3試合すべてでストレート勝利を挙げ、難なく1日目を通過。2日目は東北福祉大Aとの対戦から始まった。1対戦目に入ったのは浦濱・大竹組。序盤から浦濱の強気なプレーが光り、1ゲームをリード。2ゲーム目は返されたが、3ゲーム目では今度は大竹がサービスエース、ポーチボレーを次々に決め、2ー1に。4・5ゲーム目を連続で失うも、ファイナルに持ち込んだ。しかし、ファイナルでは1ー4と最初にリードをつけられたのが痛く、4ー7で惜敗した。続く2対戦目には一ノ宮・伊藤組が登場。出だしから、一ノ宮がサービスエースを2本決めると、伊藤もスマッシュで点を取り、好調な滑り出しを見せる。それ以降のゲームも相手に隙を与えず、終始笑顔で快勝を収めた。3対戦目の小幡・大澤組も、最初の1ゲームを落としたが、息のあったプレーで吉川・続橋組を崩し、1ー④で勝利。二次戦では一ノ宮・伊藤組がファイナルで勝利する活躍を見せ、早大Bを準々決勝に導いた。ベスト4を懸けた準々決勝の相手は日体大A。1対戦目の浦濱・大竹組は攻撃的な相手からなかなかチャンスをつかめず、0ー④で敗北。ストレート負けであったが、4ゲーム目は非常に長いラリーを粘り、最後まで立ち向かった。2対戦目では、一ノ宮・伊藤組が勢いそのままに竹田・安部組を下した。3対戦目は小幡・大澤組。サーブから始まった1ゲーム目で3点連続でリードするも、デュースに持ち込まれた挙句、ゲームまでとられてしまう。ミスをしても次の1本で必ずリカバリーしてくる片岡・黒坂組に苦戦。0ー2で迎えた3ゲーム目では2-3から追いつき、デュ-スをモノにする。粘るプレーが多く見られたが、1ー④で敗北。頼みの綱であった一ノ宮・伊藤組も、二次戦で敗れ、ベスト8が最終結果となった。

試合中の松本
早大Aは髙田淳貴(政経3=東京・早実)・松本翔太主将(スポ4=香川・尽誠学園)組、根田大地(スポ2=北海道科学大高)・飯干開生(社3=東京・早実)組、浅見竣一郎(スポ2=宮城・東北)・安達宣(スポ2=奈良・高田商)組の3組で挑んだ。早大Aは東経大E、帝京大B、東洋大B相手に、1〜3回戦までストレート勝ちを収め、2日目へ。4回戦の相手は国学院大A。1対戦目には大将の髙田・松本組が出場した。最初の3ゲームをモノにした後、2ゲームを返されたが、④ー2で勝利。しかし、2対戦目の浅見・安達組が1ゲーム目を先行するも、なかなか二人らしいテニスができず、2ー④で敗北を喫してしまう。3対戦目の根田・飯干組も、飯干の積極的なネットプレーが随所に見られたが、2ー④で敗れ、大将の3本回しに望みが託された。二次戦、髙田・松本組の相手は大和・岩崎組。髙田と大和の威力ある打ち合いに両前衛が絡む試合となった。二人は1ゲーム目を落としたが、相手に1点も与えずすぐに2ゲームを取り返す。再び3ゲーム目を許すと、4ゲーム目を奪い、拮抗(きっこう)した展開に。5ゲーム目をモノにしたのは、大和・岩崎組。2ー3で6ゲーム目を迎え、ファイナルゲームへ持ち込みたいところであったが、6ゲーム目は0ー4で取られ、黒星となった。早稲田のAチームにしてベスト16止まりと、物足りない結果に思うかもしれない。しかし、この試合で、昨年はメンタルに苦しみ試合中に笑顔を見せなかった松本が、常に声を出し続け、負けに傾いてしまいそうなチームを鼓舞し続けた。松本が引っ張ってきたチームならインカレではやってくれるーーピンチな状況でも、笑顔で突き上げたガッツポーズに、そう感じた試合だった。インカレでは、誰が出場するのか、レギュラー争いにもぜひ注目してほしい。
昨年は早大Aが3位という成績を収めた東日本インカレ。今年は準決勝以降に進むチームが現れず、厳しい現実を突きつけられた。しかし、インカレだけは負けられない。残された日々は限られているが、一球一球を大切に、チーム全員で全力で向き合っていくことだろう。ディフェンディングチャンピオンとしてーートップの座だけは絶対に守り抜く。
(記事、写真 佐藤結)
結果
▽早稲田大学A
1回戦
対東経大E ③ー0
一次戦
根田・飯干④ー0南雲・田部井
浅見・安達④ー0片桐・依田
髙田・松本④ー0那須・佐々木
2回戦
対帝京大B ③ー0
一次戦
浅見・安達④ー0岩田・真下
髙田・松本④ー0佃・吉野
根田・飯干④ー0火山・髙橋
3回戦
対東洋大B ③ー0
一次戦
髙田・松本④ー0佐藤・伊澤
浅見・安達④ー3佐藤・金井
根田・飯干④ー0神馬・結城
4回戦
対国学院大A 1ー③
一次戦
髙田・松本④ー2須田・金井
浅見・安達2ー④大和・岩﨑
根田・飯干2ー④飯田・吉村
二次戦
髙田・松本2ー④大和・岩﨑
▽早稲田大学B
1回戦
対東経大D ③ー0
一次戦
浦濱・大竹④ー0木村・髙嶋
一ノ宮・伊藤④ー0百澤・原田
小幡・大澤④ー0尾花・小島
2回戦
対千葉商科大A ③ー0
一次戦
浦濱・大竹④ー1永嶋・坂入
一ノ宮・伊藤④ー0永嶋・野澤
小幡・大澤④ー1坂下・岩森
3回戦
対駿大A ③ー0
一次戦
浦濱・大竹④ー0小室・舘野
小幡・大澤④ー1峯岸・峯
一ノ宮・伊藤④ー2前岡・榊原
4回戦
対東北福祉大学A ③ー1
一次戦
浦濱・大竹3ー④村田・石田
一ノ宮・伊藤④ー0齋藤・藤井
小幡・大澤④ー1吉川・続橋
二次戦
一ノ宮・伊藤④ー3村田・石田
準々決勝
対日体大A 1ー③
一次戦
浦濱・大竹0ー④野口・津島
一ノ宮・伊藤④ー2竹田・安部
小幡・大澤1ー④片岡・黒坂
二次戦
一ノ宮・伊藤2ー④野口・津島
▽早稲田大学C
1回戦
対城西大B ③ー1
一次戦
平田・近江④ー0菊地・深井
平岩・渡④ー3大和田・林
髙須賀・蛯谷3ー④渡邊・宮崎
二次戦
平田・近江④ー1渡邊・宮崎
2回戦
対法大C 0ー③
一次戦
髙須賀・蛯谷3ー④髙崎・稲林
平田・近江3ー④鈴木・桒原
平岩・渡1ー④久住・松元
▽早稲田大学D
1回戦
対法大A 0ー③
一次戦
奥山・洲﨑1ー④田中・初鹿
八木澤・杉山0ー④森川・野本
No.1・矢追Rー④橋場・菊山