東京六大学リーグ戦 10月12~13日 埼玉・早稲田大学所沢キャンパステニスコート
強い日差しの中、今秋も東京六大学リーグ戦が行われた。早大は1日目に3勝を挙げるも、2日目初戦で立大相手に初白星。最終戦では、法大との接戦を制したが、松本翔太主将(スポ3=香川・尽誠学園)の初陣は、4勝1敗で準優勝という結果に終わった。
レシーブをする松本
試合は9ゲームマッチ、7ペアによる点取り戦で行われた。早大は初戦で東大、第2戦で慶大と対戦。危うい展開も見られたが、ゲームを優位に進め、両大学を7-0で制した。第3戦の相手は早大と同様に、強い4年生が抜けた明大。互いに新チームの力が試される試合となった。1対戦目の浦濱大牙(教1=東京・早実)・蛯谷誠也(法1=静岡・清水東)組は、ネットプレーをスマートに決めてくる相手前衛に苦戦するも、相手の甘い配球やモーションを見逃さず、ファイナルゲームへ。蛯谷のアタック止めで先制すると、レシーブやラインギリギリのショットで得点を重ねる。最後は蛯谷がサービスエースを2本決め、5ー4(7-1)でゲームを締めた。浦濱は「ファイナルゲームは1本目から集中して、 勝負どころで頑張り切れた」と振り返った。平田泰一(教1=埼玉・川越東)・近江一真(スポ1=福井・北陸)組は相手後衛のネットやアウトミスを誘う、ダブルフォワードの攻撃を展開。髙田淳貴(政経2=東京・早実)・松本組も貫録のストレート勝利を挙げる。連戦が続く浅見竣一郎(スポ1=宮城・東北)・安達宣(スポ1=奈良・高田商)組は前衛に翻弄(ほんろう)され、2ー5で敗北。平岩稜将(教2=愛知・岡崎)・渡健博主務(スポ3=山口・徳山)組は渡がサーブレシーブを生かした広範囲に及ぶネットプレーを見せ、5-1でチームの勝利を決めた。6対戦目は根田大地(スポ1=北海道科学大高)・大竹公陽(社1=千葉・昭和学院)組。明大の主力を担う中村・岡田組との対戦となった。ゲームカウント2-4とリードを奪われていたが、2-3からデュースに持ち込み、1ゲーム差に迫る。勢いそのままに8ゲーム目をものにし、ファイナルゲームへ。2-0から2-2、3-3と拮抗(きっこう)したカウントとなったが、大竹がボレーを決め切り、7-5で勝利した。根田は、「確実に格上の、昨年から成績を残している相手」だったが、「途中からはリラックスして、向かっていくことができた」という。7対戦目の小幡泰雅(スポ3=山口・宇部)・飯干開生(社2=東京・早実)組はカットサーブに苦戦するも5-3で勝ち切り、全体として6-1で連勝した。
明大戦を制した根田・大竹組
第4戦では全日本学生大学対抗選手権(インカレ)に出場した面子のそろう立大と対戦した。好調の浦濱・蛯谷組が1勝目をチームに持ち帰ると、2対戦目の平岩・渡組はファイナルゲームに及ぶ善戦を展開。勝ち切ることはできなかったものの、代わって浅見・安達組がファイナルゲームを制す。しかし、小幡・飯干組、平田・近江組が序盤から相手に圧倒され、2連敗を許してしまう。髙田・松本組がストレートで勝利し、大将の役割を果たすも、7番の根田・大竹組が接戦の末、敗北し、3-4で惜しく悔しい敗戦となった。最終戦・第5戦は法大と対戦した。浅見・安達組、平田・近江組、平岩・渡組は経験値の高い相手に向かい、粘りのあるテニスをするも、3連敗を喫する。悪い流れを変えるべく、続く4対戦目には小幡・飯干組が出場。互角の戦いとなったが、確実に仕留める決定力でファイナルゲームを制した。髙田・松本組、浦濱・蛯谷組も立て続けに勝利し、7番根田・大竹組に勝敗は託された。再び実力者・高橋・広岡組との対戦となった二人だが、狙いを定めて打つのがマイプレースタイルという根田のシュートボールと大竹のボレーでファイナルゲームの末勝利した。結果として4-3で法大に勝利したものの、立大への惜敗が響き、準優勝で今大会を終えた。また、髙田・松本組、浦濱・蛯谷組が全勝賞を獲得した。
ラケットを振り切る浦濱
ライバルとなる明大や法大に勝ったものの、立大に惜敗し、優勝まであと1勝届かなかったが、ファイナルゲームで勝ち切るなど、下級生の活躍が光った大会となった。また、4年生が抜け、大幅に人数が減ったが、大きな声援で会場を熱気に包んだ。浦濱は「2、3年生が結構声を出して盛り上げていて、いい雰囲気」だと新チームの様子を語る。まもなく迎える関東学生秋季リーグ戦での優勝には下級生の本領発揮が不可欠になることは間違いない。松本を中心に、万全な準備をして臨みたいところだ。
(記事・写真 佐藤結)
コメント
根田大地(スポ1=北海道科学大高)
ーー新チームの雰囲気はいかがですか
4年生が抜けて寂しいという思いもあるのですが、3年生中心に「元気を出そう」と声かけをし合って、頑張って元気よくやっています。
ーーご自身のプレーを全体的に振り返っていかがですか
1試合目と2試合目は余裕をもってできたので良かったのですが、3試合目の途中までは少し力んで固くなっているところがあったので、いい意味でリラックスして最初からいけたらいいなと思いました。
ーープレー中に意識していたことはありますか
(コースを)決めて打つのが僕のプレースタイルなので、 決めてそのコースにしっかり集中して打つというのと、3試合目はダブルフォワード相手で、自分たちがミスらなければ点数取れる可能性が高いので、打ってすぐに構えてボールをとりあえず拾うというのを意識していました。
ーー明大戦ではファイナルで勝ちました。その試合を振り返っていかがですか
確実に格上の、昨年から成績を残している相手だったのですが、いい感じで向かっていって、結果的に勝ててよかったです。もう1回やっても勝てるように頑張りたいです。
ーー課題点や収穫点を教えてください
課題はロブで走らされた後のボールの処理とバック全部と、あとロブですね。ロブをしっかり深いところに収められるようにしたかったです。収穫点は、最近サーブ練習ではあまり入っていなかったのですが、試合では集中していいコース、いい速さで入れたのでよかったです。
ーー関東学生新進大会に向けて意気込みをお願いします
新進は個人戦で、先にいった人が負けたとか、後の人がどうとかあまり関係ないので、とりあえず自分が勝つということに集中して、初戦から向かっていきたいです。
浦濱大牙(教1=東京・早実)
ーー新チームの雰囲気はいかがですか
1年生が多いので、1年生が仕事をしっかりして、2、3年生で結構声出して盛り上げてみたいな感じです。結構盛り上がってていい雰囲気だと思います。
ーーご自身のプレーを全体的に振り返っていかがですか
ラリーの中で、相手前衛を見てコースチェンジとか抜くプレーがところどころあったので、 良かったのかなというふうに思っているのですが、1カ月前から肩をケガしていて、3日前にやっと初打ちでこの大会だったので、ペアとも初めて組んだんですけど、連携が意外と取れたのでよかったです。
ーープレー中に意識していたことはありますか
慶応大学の相手や明治大学の相手は結構ストローク力があって、パワフルなボールを打ってくるので、それで押されないように何本も何本も後衛とラリーしながら、蛯谷が動きやすいようにロブで展開していくというプレーを心がけていました。
ーー明大戦では1本目で出場し、ファイナルで勝ちました。その試合を振り返っていかがですか
ゲームの取り合いでファイナルゲームまでいって、五分五分なラリーだったかなと思うのですが、最後のファイナルゲームは1本目から集中して7ー1で抑えられたので、 勝負どころで頑張り切れたなという印象です。
ーー課題点や収穫点を教えてください
課題点は1本目の動き出しが遅いのと、ロブでバックアウトが何本かあったので、そこは改善していきたいと思っています。 あと、サーブでエースを取りに行くときに入らなかった時があったので、サーブの確率と精度を上げていきたいです。
ーー関東学生新進大会に向けて意気込みをお願いします
新進は1、2年生以下の大会でチャンスだと思っているし、新しいペアになって初めての個人戦なので、結果にこだわっていきたいです。ベスト8とかを本気で狙っていきます。
結果
▽第1戦
対東大 ⑦-0
平田・近江⑤ー3冨田・清水
根田・大竹⑤ー0石原・萩原
浅見・安達⑤ー1芦田・小林
髙田・松本⑤ー0和田・幸川
小幡・飯干⑤ー0福田・奥田
浦濱・蛯谷⑤ー2渡辺・髙嶋
平岩・渡⑤ー2中澤・小八木
▽第2戦
対慶大 ⑦-0
浦濱・蛯谷⑤ー1宇津木・岡田
髙田・松本⑤ー2松本・村田
平田・近江⑤ー4山根・樋口
平岩・渡⑤ー3小池・後藤
浅見・安達⑤ー0加納・初田
根田・大竹⑤ー0熊谷・関根
小幡・飯干⑤ー3武藤・住吉
▽第3戦
対明大 ⑥-1
浦濱・蛯谷⑤ー4間庭・中原
平田・近江⑤ー1 辻花・木内
髙田・松本⑤ー0小宮・大滝
浅見・安達2ー⑤藤崎・佐藤
平岩・渡⑤ー1中山・貝瀬
根田・大竹⑤ー4中村・岡田
小幡・飯干⑤ー3是枝・半澤
▽第4戦
対立大 3-④
浦濱・蛯谷⑤ー1清水・桐原
平岩・渡4ー⑤佐藤・五味
浅見・安達⑤ー4笹井・白幡
小幡・飯干1ー⑤小田切・小田
平田・近江0ー⑤奥田・北爪
髙田・松本⑤ー0浦田・西宮
根田・大竹4ー⑤團野・保住
▽第5戦
対法大 ④ー3
浅見・安達4ー⑤田中・初鹿
平田・近江3ー⑤髙崎・桒原
平岩・渡2ー⑤橋場・野本
小幡・飯干⑤ー4高橋・原田
髙田・松本⑤ー1森川・菊山
浦濱・蛯谷⑤ー3久住・田村
根田・大竹⑤ー4高橋・広岡