東京六大学リーグ戦 4月20日~21日 埼玉・早稲田大学所沢キャンパステニスコート
4月20日から21日の2日間にかけて、埼玉・早稲田大学所沢キャンパステニスコートで東京六大学リーグ戦が開催された。ゲームは、男子は7本、女子は3本による点取戦で行われる。女子は、1日目に全3試合をストレートで制し、流れをつかむも、続く2日目は、立大・明大に敗戦し、3位に。男子は、初日に明大に敗れたものの、法大を4-3で打倒し、4大会振りとなる優勝に輝いた。
ボレーを決めた松井
女子は第1戦で東大、第2戦で慶大と対戦。全ペアが1ゲームも譲らず、5-0のストレートで勝利した。続く法大戦でも、安定したプレーで3本を取り、流れを引き寄せる。2日目初戦の相手は、個人戦で優勝を果たした日笠・奥田組を擁する立大。1番手の高橋瑚子(スポ2=山口・岩国商)・松井菜摘主将兼主務(スポ4=愛知・岡崎城西)組は5-0で連続ストレート勝利を重ねる。2番手の日笠・奥田組(立大)と当たったのは、半田穂乃花(スポ3=宮城・東北)・佐藤心美(スポ1=広島翔洋)組。ダブル後衛同士の対戦となり、前後の動きが増える中で、角度の鋭いショートボールに翻弄(ほんろう)されてしまう。長いラリーが展開される中、しっかりと決め切る場面も多く見られたものの、ファイナルゲームで敗戦した。3番手は、山田菜乃葉(スポ2=埼玉平成)・青木夕佳(スポ1=愛知・岡崎城西)組。青木がスマッシュを決め、山田が前衛の隙を突くシュートボールを決めるなど、攻めの姿勢を見せたものの、繰り返されるデュースで決め切ることができず。4ゲームを奪われた後、1ゲームを返すも、敗北を喫した。続く明大との最終戦でも、全員で健闘を見せたが、流れを断ち切れず、総合3位という結果になった。
一方、男子は初戦で慶大と対戦。永原遥太(スポ4=島根・松江南)・平田泰一(教1=埼玉・川越東)組が相手の勢いにのまれるも、他6ペアが危なげのない試合を展開し、快勝を収めた。第2戦では立大相手に、小林裕仁郎(スポ4=福井・敦賀)・飯干開生(社2=東京・早実)組、小幡泰雅(スポ3=山口・宇部)・大竹公陽(社1=千葉・昭和学院)組が惜敗したものの、5ー2で順当に勝ち抜く。第3戦で当たったのは明大。「実践に近いようなかたちで練習をしてきた」という吉岡藍(社4=群馬・健大高崎)・三田村優音(スポ4=北海道科学大高)組は、相手前衛に攻められ、自分達らしいプレーができず、敗戦。藤崎・上田組(立大)との対戦では、石森崇大(スポ4=福井・敦賀)が、1ゲームにスマッシュ2本、ボレー1本を決めるなど、積極的なプレーで果敢に攻めるも、勝ち切れず、黒星で1日目を終えた。
サーブを打つ吉岡
2日目初戦は東大と対戦。前日の敗戦とは裏腹に、主導権を握るプレーで圧倒的な強さを見せつけ、6-1で下した。そして、迎えた最終戦。これまで1敗の早大と、負ければ1敗の法大による優勝の懸かった戦いとなった。1番手は今大会初出場の根田大地(スポ1=北海道科学大高)・渡健博(スポ3=山口・徳山)組。一進一退の攻防となる接戦を繰り広げるも、粘り切ることができず、相手に勝ちを譲ってしまう。それでも、続く2番手小林・飯干組、3番手矢野・端山組、4番手吉田樹(法4=東京・早実)・安達宣(スポ1=奈良・高田商)組が不安を感じさせないプレーで3本を取り、優勝に王手をかける。5番手は髙田淳貴(政経2=東京・早実)・石森組。髙田の鋭いストロークと石森の気迫溢れるボレーで2人で一本を懸命に粘り続ける。隣のコートでは、同時進行で6番手の吉岡・三田村組が、相手を寄せ付けない試合を展開。「自分たちから攻めていたり、ロブを打ったりという主導権が自分たちにあった」と吉岡は振り返る。その言葉の通り、2人で攻め続け、最後は吉岡の一打で優勝を決めた。髙田・石森組はファイナルゲームで、永原・平田組は1-5で敗れたものの、勝敗、コート内外関係なく、格上の法大相手に全員でつかんだ見事な優勝であった。また、矢野・端山組、吉田・安達組は5試合全てで白星を挙げ、全勝賞に輝いた。
賞状を手に、笑顔を見せる4年生
山口皓太郎主務(政経4=東京・早大学院)は「チームが良い方向に進んでいることを示すような結果であった」と優勝を振り返る。男子主将の矢野も、個人としてもチームとしても「負けにくいテニス、勝負強い試合ができてよかった」と安堵の表情を浮かべた。団体戦としては、5月に関東学生春季リーグ戦が控える。その先の大会に進むためにも、「絶対に優勝をしたい」と矢野は意気込む。インカレ(全日本大学対抗選手権)優勝に向けて、『奪還』の旅はまだまだ続いていく。
(記事、写真 佐藤結)
結果
◇男子
▽第1戦
対慶大 ⑥-1
小林・飯干⑤-3山根・樋口
永原・平田3-⑤宇津木・岡田
矢野・端山⑤-①小池・村田
吉田・安達⑤-3武藤・住吉
髙田・石森⑤-0松本・関根
小幡・大竹⑤-0横田・後藤
吉岡・三田村⑤-0加納・初田
▽第2戦
対立大 ⑤-2
小林・飯干3-⑤奥田・北爪
永原・平田⑤-3團野・後藤
矢野・端山⑤-1小田切・白幡
吉田・安達⑤-0小平・五味
髙田・石森⑤-2飯原・桐原
小幡・大竹2-⑤浦田・保住
吉岡・三田村⑤-1笹井・小田
▽第3戦
対明大 3-④
吉岡・三田村2-⑤金山・大辻
矢野・端山⑤-2間庭・木内
小林・飯干⑤-3辻花・中原
髙田・石森3-⑤藤崎・上田
永原・平田3-⑤小宮・半澤
吉田・安達⑤-2米川・佐藤
小幡・大竹1-⑤中村・岡田
▽第4戦
対東大 ⑥-1
小林・飯干⑤-1犬井・清水
永原・平田⑤-1児玉・髙橋
矢野・端山⑤-0中澤・小林
吉田・安達⑤-0冨田・荻原
髙田・石森⑤-1渡辺・内谷
小幡・大竹2-⑤鈴木・小八木
吉岡・三田村⑤-0児玉・髙嶋
▽第5戦
対法大 ④-3
根田・渡3-⑤遠藤・桑山
小林・飯干⑤-0田中・田村
矢野・端山⑤-1内藤・初鹿
吉田・安達⑤-1大久保・稲林
髙田・石森4-⑤橋場・菊山
吉岡・三田村⑤-0森川・野本
永原・平田1-⑤高橋・広岡
◇女子
▽第1戦
対東大 ③-0
山田・青木⑤-0中村・川上
半田・村上⑤-0今西・芝野
高橋・松井⑤-R中村・川上
▽第2戦
対慶大 ③-0
高橋・松井⑤-0五十嵐・藤村
佐藤・青木⑤-0野村・津藤
山田・村上⑤-0波田野・林田
▽第3戦
対法大 ③-0
高橋・松井⑤-0鴨志田・関口
佐藤・青木⑤-2辻・重松
半田・村上⑤-0久郷・青山
▽第4戦
対立大 1-②
高橋・松井⑤-0石田・若林
佐藤・半田4-⑤日笠・奥田
山田・青木1-⑤寺川・廣瀬
▽第5戦
対明大 1-②
高橋・松井3-⑤前田・大野
佐藤・半田⑤-3西山・北川
山田・村上0-⑤日高・中谷
コメント
矢野颯人主将(社4=奈良・高田商)
--今大会でのご自身のプレーを全体的に振り返っていかがですか
ずっと合宿などが続いていて、あまり体のコンディションもよくなかったですが、その中でも結構要所要所に集中していいプレー が出せたので、負けにくいテニスができたと思います。
ーー意識していたことはありましたか
来週に世界選手権予選(世界選手権大会日本代表選手予選会)という大会があるのですが、その時にサーブで攻めるということをずっと練習してきたので、この大会でも、ダブルファーストというのに挑戦して、 ファーストサーブをまず意識しました。
ーー法政戦を振り返っていかがですか
(法大は)自分たちよりも結構格上のチームなので、向かっていって勝てればいいなという感じでいました。絶対どこかで1個だけ厳しい試合を勝たないと優勝できなかったので、 それを吉岡が勝ってくれたので、そこには感謝したいです。
ーー主将として、チームの結果はどのように評価しますか
キャプテンとしてずっと言ってきた勝負弱さというか、 大事なところで負けてしまう選手が結構多いので、そういう話をミーティングでしていて。今日は勝負強い試合ができて、 4勝で勝てたので、そこは結構よかったかなと思います。結構人数はいて、強い人もいるんですけど、飛び抜けて強い選手がちょっと少ないので、 もっとこれからチーム内で切磋琢磨してインカレ優勝までいきたいなと思います。
ーー次の試合に向けて意気込みをお願いします
次は団体は関東リーグ(関東学生春季リーグ戦)なので、そこで絶対に優勝をして、 そのまま王座(全日本大学王座決定戦)という大会に行くんですけど、そこで1個日本一を取っておきたいなと思っているので、関東リーグで優勝したいなと思います。
吉岡藍(社4=群馬・健大高崎)
ーー先週の個人戦を経て、どのような練習に1週間取り組んできましたか
個人戦では相手のシュートボールが速かったりして押されてしまって、自分自身の得意なプレーができなかったというところの反省がありました。球出しのスピードを上げたりとか、実際に仲間に前衛として立ってもらって、実践に近いようなかたちで練習していました。
ーー今大会でのご自身のプレーを全体的に振り返っていかがですか
負けてしまった明治戦はやはり受けてしまっていました。相手の勢いだったり、相手前衛に攻められてしまって、自分たちの思うプレーができなかったというのが反省です。でも、最後の試合、法政戦は自分たちから攻めてたり、ロブを打ったりという主導権が自分たちにあったことが勝因かなと考えています。
ーーご自身で優勝を決めた時の率直な気持ちを教えてください
目の前の敵に勝つというところと、あとは4年生で最後だしというところも考えながらプレーはしていたのですが、あっという間だったかなという1試合の印象です。あとは、素直に後ろで喜んでくれている同期だったり後輩だったりが力にもなったし、勝ててよかったなと率直に思います。
ーー次の試合に向けて意気込みをお願いします
まだ六大学というところで、大事な大会、1番大事な大会というわけではないのですが、次は関東リーグだったり東カレからインカレとつながっていくので、やはり最後まで優勝、優勝、優勝でいけたら、有終の美を飾れる02世代になれるのではないかなと思います。
山口皓太郎主務(政経4=東京・早大学院)
ーーチームの雰囲気はいかがですか
矢野キャプテンを先頭に、全員がインカレ優勝という同じ目標を持ちながら活動できていると感じています。また、今年のチームは仲が良く、和やかな雰囲気のチームです。その分、メリハリをつけられないことが課題でしたが、大会シーズンに近づくにつれ、全員の意識が高まり、お互いに良い影響を与えられる環境が出来上がってきていると思います。
ーー個人戦と団体戦合わせて、今大会のチームとしての結果をどのように評価しますか
団体戦での優勝は、チームに勢いをもたらしました。チームが良い方向に進んでいることを示すような結果であったと感じています。しかし、個人戦や団体戦1日目は、ライバルの法大や明大との接戦を勝ち切ることができませんでした。個々の勝負強さを鍛えていかなければならない、そのような課題が見つかる、収穫の多い結果だったようにも感じます。
ーー個人、そして、チームとしての今後の目標を教えてください
主務としてチームメートの地道な努力をこれまで支えてきたからこそ、これからもみんなが気兼ねなく努力を重ねられる環境を作ります。チームにとっての「当たり前の水準」を上げていきたいです。チームとしてはインカレ優勝を常に意識しながら全ての大会に臨みます。