シーソーゲームを勝ち切れず　関カレは２回戦で敗戦/関カレ　山梨学院大戦

　前日は城西国際大にコールド勝利を収め、幸先よく関東学生選手権（関カレ）の初戦を突破した早大。この日は強豪・山梨学院大と対戦した。先発の八角美海（スポ１＝東京・神田女学園）は２回に先制を許すも、５回に小林千晃主将（スポ３＝千葉経大付）、関綾乃（スポ３＝千葉経大付）の適時打で逆転。しかし直後の５回に追いつかれると、６回には勝ち越され３点差となる。追い詰められた７回、関の適時打を含む３点を奪い同点でタイブレークに。８回に両者１点を獲得し、迎えた９回。表の攻撃を無得点に終わった早大は、無死二塁からサヨナラ適時打を浴び、関カレは２回戦で姿を消した。

　先発のマウンドには、前日の試合で６回を完封した八角が上がった。初回を３者凡退で打ち取ったが、２回、１死から５番打者に安打を許すと、６番打者の犠打で得点圏に走者を進められる。続く７番に一塁手・杉浦櫻子（スポ２＝愛知・岡崎北）への強襲となる適時打を打たれ先制を許した。

先発した八角

　１点を先制され追いかける５回、１死から八矢美幸（人２＝東京・創価）、松井紗香（スポ１＝兵庫・甲南女）の連続安打でチャンスメイク。さらに杉浦の死球で満塁となり、１番・小林主将の内野安打で同点に追いついた。さらに２番の瀧之上日向子（スポ１＝埼玉・花咲徳栄）が左前安打を放ち逆転。下位打線からつないだ好機をものにした。

５回に適時打を打ちハイタッチする瀧之上（写真右）と高美優（スポ４＝福岡中央）

　逆転した直後の５回裏の守備、９番に安打を許すと、２死から２番に左中間を破られる同点の適時打を浴びる。さらに６回、無死で４番に四球で出塁を許すと、５番の安打、６番の犠打で１死二、三塁のピンチを招く。続く７番の打球は二塁手・河井なごみ（スポ３＝埼玉・伊奈学園総合）へのゴロとなり、河井は本塁へ送球する。しかし本塁生還を試みたこのプレーはセーフに。これで勝ち越しを許すと、８番の犠飛、９番の適時打で３点のビハインドと苦しい展開となった。

　絶体絶命で迎えた７回、１死から９番・矢口明歌梨（人２＝東京・新宿）が安打で出塁。続く小林主将、瀧之上が敵失と四球で満塁のビッグチャンスを迎えた。ここで打席には３番の斎藤遥夏（スポ２＝千葉・習志野）。斎藤の打球は中堅手へのフライとなり刺殺。しかし、この後のプレーで中堅手の送球がボールデッドに。これで走者２人が生還し、１点差となった。さらに４番の関が右前適時打を放ち、同点に追いつく。後続は倒れたが、関の４番らしい働きで土壇場の展開から試合を振り出しに戻した。

７回に同点の適時打を放つ関

　無死二塁から始まるタイブレーク。先攻の早大は８回、先頭の八矢美幸（人２＝東京・創価）が犠打を決め、１死三塁に。続く松井が「何とか１点を返したい」（松井）と中堅手の前に落ちる安打を打ち、１点を加えた。表の攻撃であることから複数点を得たかったが、この後の杉浦、矢口は打ち取られた。１点差で迎えた裏の守備、先頭は犠打を試みるもポップフライとなり１死。続く打者の二ゴロの間に走者が進み２死三塁となる。あと１死でシーソーゲームを制する場面で打球は関へのフライに。しかし、関がこの打球を弾いてしまい、同点に追いつかれてしまった。

８回に勝ち越しの適時打を放つ松井

　８回に両者１点を加え、決着がつかず迎えた９回、先頭の小林主将は犠打を試みたが捕邪となり走者を進められず。続く瀧之上、斎藤も二ゴロ、中飛に打ち取られこの回の攻撃は無得点に終わった。良くない流れのまま守備についた裏の守り、打席にはこの日の４打席を無安打に打ち取っていた１番打者。無死でセオリー通りならば犠打かと思われたが、ヒッティングを試みる。振り抜いた打球は中前適時打となり、サヨナラ負けを喫した。

　「結果は負けてしまったが、勝てた試合だった」と八角は振り返る。互いに競り合いながらもあと一歩のところで勝利を逃した。それでも今日の試合も含めて、関カレでの２試合は東京都大学連盟秋季リーグ戦５位という結果から確かな成長が見られた。「春リーグ（東京都大学連盟春季リーグ戦）は全勝で優勝したい」と八角が意気込むように、早学戦、早慶戦を経て迎える春の公式戦に向け、これから鍛錬の冬を迎えることになる。新チームとしての可能性を見せた女子部は、実りのある冬季期間を過ごし、春には大輪の花を咲かせてくれるに違いない。

（記事　近藤翔太、写真　星野有哉）

コメント

松井紗香（スポ１＝兵庫・甲南女）

――今日の試合を振り返っていかがですか

　（関カレ）はトーナメントで自分にとっては初めてだったので、緊張していましたが、勝ちたい気持ちでした。負けてしまって悔しいです。

――一塁手から遊撃手にコンバートされて２試合を経験していかがですか

　ショートの方が動きも多くて、自分の中では難しい部分もあったのですが、試合でショートで出させてもらえてありがたいなという気持ちです。

――８回の適時打を振り返っていかがですか

　何とか１点を返したいなという気持ちで、運よく落ちてくれたのでほっとしました。

――今後の秋、冬の期間の課題を教えてください

　まだまだスイングスピードや守備でも足りないことが多いので、そういうところを練習して、春の大会ではしっかり打って、守ってをできるように頑張りたいです。

八角美海（スポ１＝東京・神田女学園）

――今日の試合を振り返っていかがですか

　 結果は負けてしまいましたが、勝てた試合だったと思います。何で勝てた試合を落としたのかをチームとして今後詰めていって、来年の春リーグに向けて、チームとしても個人としてもレベルアップしたいと思います。

――連投となりましたが、疲労はいかがでしたか

　自分が１人で投げるという気持ちだったので、疲労は感じる暇もなく投げていました。疲れていたとしても気合で乗り越えたという感じです。

――この２試合で得た成果と課題を教えてください

　課題としては今取り組んでいるドロップを春に向けてもっといいものにしていくことと、ドロップを使った配球を学んでいくことです。成果としては大学の試合で投げる経験が浅いのですが、その中でも強いチームと競った試合ができたことは成果だと思います。

――今後の意気込みをお願いします

　正直悔しいので、春リーグは全勝して優勝するために、この冬は自分を追い込んで、チームとしても個人としてもレベルアップして（春リーグは）挑めるように頑張ります。