関東インカレ3位!早稲田の持ち味を存分に発揮する

女子ソフトボール

  10月23日から関東大学選手権が行われた。早大は、惜しくも準決勝で東京国際大に敗れ3位という結果となった。素晴らしい結果を出し、様々な収穫を得た早大の関東インカレを振り返る。

 

秋季リーグ戦
筑波大
早大 ×
〇新宮―原田 ◇(二塁打)なし ◇(三塁打)なし ◇(本塁打)なし

 1回戦の相手は筑波大学。この試合は先発の新宮怜美(スポ2=京都西山)が驚愕の投球を披露する。なんと相手に一塁すら踏ませず、完全試合を達成したのである。東京都大学連盟秋季リーグ戦から絶好調の頼れる新宮が、大舞台で最高の結果を出した。そして一方打線は2回、4番・渡邉佳子(スポ3=東京・学習院女)が四球で出塁すると、すぐさま盗塁を決め二塁へ、チャンスを広げる。1死二塁で打席には6番・関綾乃(スポ1=千葉経大付)が立つ。「甘く入った球を逃さずに捉えることが出来た」と話す通り、相手投手の浮いた球を逃さずに中前打を打ち、渡辺がホームへ生還、1点を追加しこれが決勝点。圧倒的な結果を出した新宮と、期待の1年生の活躍で初戦を1対0で突破した。

 

秋季リーグ戦 10
早大
淑徳大
〇増田―渡邉 ◇(二塁打)なし ◇(三塁打)反町 ◇(本塁打)なし

  10月24日、この日は2試合を行うハードな日となった。2回戦の相手は淑徳大、先発は増田侑希(スポ4=香川・高松南)が務めた。増田は、前日の新宮同様に、8回まで淑徳大打線に対してわずか1安打のみに抑える抜群の投球を見せつけた。しかし一方の打線がつながらず、相手投手を攻略することができない。そしてお互い無得点で迎えた9回、相手のエラーや盗塁で無死二、三塁とチャンスを作ると8番・高美優(スポ2=福岡中央)が遊ゴロを放ち、その間に走者が帰還。先制点を奪う。しかし相手打線も粘りを見せ、同点に追いつかれて10回を迎える。ここで1番・井田菜摘(スポ3=群馬・健大高崎)が内野安打で出塁すると、すぐに盗塁を成功させチャンスを広げる。そして1死二、三塁で打順は3番・反町結佳(スポ3=愛知・瑞陵)に回る。「最高の形ができたので、私は内野の間を抜くだけ、と気持ちを楽に打席に入れました」と話す通り、右方向へ抜ける三塁打を放ち、走者が帰還。主将の一振りで貴重な2点を追加した。その後1点を返されるもそのまま逃げ切り3対2で勝利した。

 

秋季リーグ戦
東京富士大
早大 ×
〇新宮―渡邉 ◇(二塁打)なし ◇(三塁打)なし ◇(本塁打)なし

  続く準々決勝の相手は東京富士大。秋季リーグ戦では勝利を飾っている相手だ。先発の新宮は、1回、先頭打者に三塁打を浴びると、その後の打者に適時打を打たれ1点を奪われる。すぐさま追いつきたい早大だが、なかなか相手投手を捉えられず5回まで無失点に抑えられる。そして6回、またしても相手打線が奮起し1点を追加されて迎えた裏、早大打線が底力を見せつける。まず9番・松本日和(スポ2=東京・日本大学第二)が左前打で出塁すると相手のミスで井田も出塁、そして2番・河井なごみ(スポ1=埼玉・伊奈学園総合)も中前打を放ち一死満塁のチャンスを作る。ここで打席には4番・渡邉が入る。渡邊は甘い球を見逃さず中堅手の左に落ちる安打を放ち、この間に走者2人が帰還。そして5番・鈴木茉菜(スポ3=東京・鷗友学園女)も中前打を放つと河井が帰還し、逆転に成功する。7回は新宮が打者3人で切り試合終了、逆転勝利で準決勝に駒を進めた。

 

秋季リーグ戦
早大
東京国際大 ×
●増田―原田 ◇(二塁打)なし ◇(三塁打)なし ◇(本塁打)なし

  10月25日、準決勝を迎えた。対戦相手は東京国際大である。この試合の先発は増田。増田は3回まで完璧な投球を披露し、相手を抑えつけるも、3回に相手打線に捕まり2点を奪われる。一方打線は1回に井田が内野安打、反町が右前打でチャンスを作るも後続が続けず無得点に終わる。4回には田中彩絵(スポ3=福岡・三瀦)が中前打、増田も自ら安打を放つも得点に結びつかない。増田が「全体的に残塁が多く、得点に繋がらなかったこともそうですが、4回にランナーを出してしまい、結果として得点されてしまったことが敗因だ」と言う通り、投打が嚙み合わず、0対2で敗れ、準決勝で敗退が決まった。

関東インカレで3位入賞した早大

 関東インカレを3位で終えた早大。準決勝は悔しい内容となったが、この大会を通して多くの収穫を得ることができたのは大きい。そして強敵ばかりのこの大会で3位という結果で終われたのは、早大の強さを証明することとなっただろう。いよいよ11月に行われる全国大学選手権が近付いてきた。インカレへ向けて早大ナインのさらなる飛躍を期待したい。

(記事 阿部優歩、写真 早稲田大学ソフトボール部女子部提供)

コメント

関綾乃(スポ1=千葉経大付)

――1試合目を振り返っていかがですか

新チーム初めてのトーナメントの初戦ということで、緊張やプレッシャーもあり、攻撃陣は得点したい場面で得点できずに苦しい展開になってしまいました。しかしピッチャーである新宮さんがランナーを1人も出さない完全試合を作り上げてくれたので、試合に勝つことが出来たと思います。ただ、課題がたくさん見えた試合でもあったので、新チームとして成長するための貴重な経験になりました。

――1試合目の得点シーンを振り返っていかがですか

甘く入った球を逃さずに捉えることが出来たので良かったです。しかし結果だけを見たら良いかもしれませんが、その前の役割を果たせていなかったのでそこは反省点です。

――初めての関東インカレですが、緊張等はあったのですか

試合自体には慣れてきたのですが、いつもと環境が違うことで良い意味で緊張感が持てました。緊張して固くなることは特になかったです。

――秋季リーグも含めたバッティングの調子はどうですか

あまり良いとは思っていません。チャンスで回ってきても返せていないことが多いですし、それでチームを苦しい状態に招いてしまうこともあります。1年生で出させてもらっている立場なので、少ないチャンスをものにしていきたいです。

――ご自身の改善点があれば教えてください

沢山ありますが、特にバッティングの波が激しいので、安定したバッティングでチームに貢献したいです。また、守備では始めたばかりのサードですが、思い切ったプレーをしていきたいです。

――関東インカレを通してどうでしたか

厳しい試合展開が続いていましたが、そこを勝ち抜き、3位として入賞出来たことは本当に嬉しかったです。早稲田の持ち味である集中力が存分に発揮でき、初めて東京都リーグ以外での公式戦で、ここまで戦えたことはチームとして自信にも繋がりました。これからの練習で、関東インカレで出た課題と向き合いながら残りのリーグ、そしてインカレを、早稲田らしい戦い方で勝ち抜きたいと思います。

反町結佳主将(スポ3=愛知・瑞陵)

――2試合目を振り返っていかがですか

両チーム得点したのが9回からという、完全に投手戦といえる試合でした。勝因は、増田ー渡邉バッテリーの安定感、ファールで粘り、フォアボール、デッドボールをもぎ取ったことで相手ピッチャーに球数を投げさせたこと、集中力を切らさず良い雰囲気で最後まで戦い抜けたこと、この3点だと思います。

――2試合目の得点シーンを振り返っていかがですか

1点目は鈴木の攻めた走塁と相手のミスによりノーヒットで点が入り、早稲田らしい泥臭い攻撃ができました。2点目の1番の鍵は、井田がスラップを1発で決めたことです。これにより最高の形ができたので、私は内野の間を抜くだけ、と気持ちを楽に打席に入れました。

――バッティングの調子はいかがですか

三振が多いのが問題点です。リーグより出塁率が上がった点では、少しはましになったとは思います。

――ご自身の改善点があれば教えてください

低めのボールをしっかり引きつけて見極めること、無駄なファールを減らすこと、走塁の判断です。

――チームとしての改善点はありますか

たくさんありすぎますが、大まかに言うと送り、ミート力、走塁です。

――関東インカレを通してどうでしたか

遠征で4試合できたことはとても貴重な経験になりました。1試合ごと、1日ごとにできたこと、できなかったことを明確にし、冷静に課題に向き合ったことで、選手全員が大きく成長して帰ってくることができました。インカレをどう戦うか、そのイメージを掴めた点でとても実りのある大会になりました。

鈴木茉菜(スポ3=東京・鷗友学園女)

――準々決勝を振り返っていかがですか

初回に相手に先制されてしまいましたが、こちらはなかなか点が取れない中、新宮が粘り強いピッチングをしてくれていたので、チームは良い雰囲気を作れていたのかなと思います。点が取れないながらも、チームの雰囲気の良さもあり、焦りはありませんでした。 最終的に6回まで点が取れませんでしたが、とても学びの多い試合でした。

――準々決勝の得点シーンを振り返っていかがですか

6回に松本から始まり、前の打者の渡邉の打席で1アウト満塁から同点に追いついたことで、少し気持ちが楽になりました。打席に入る前に角頼コーチに「バスターでピッチャーの足元に強いゴロ」とアドバイスを頂き、イメージに近い打球を打つことができました。さまざまなラッキーが重なり、得点に繋がったのではないかと思います。

――バッティングの調子はどうですか

良いですと言い切ることはできません。 関カレでは自分のイメージと実際のスイングにズレがあったので、今後のインカレに向けてズレを無くしていきたいと思います。

――チーム内でのご自身の役割はなんだと考えていますか

攻撃面では、出塁したい場面で打席が回ってくることが多くあります。自分が出塁すればチームに流れがくるという場面で確実に出塁できるよう、出塁率を上げていきたいと思います。今のチームは、増田さんと新宮の2人の投手の力に助けられる試合が多くあります。インカレ以降を考えると投手として戦力になっていきたいと思います。

――改善点等があれば教えてください

ボール球に手を出して三振してしまうことが多いので、ボールを見極め出塁に繋げていきたいと思います。

――関東インカレを通してどうでしたか

個人的には反省がとても多く、学びが多い大会でした。今大会で自分の役割を果たすことは出来なかったので、秋リーグ最終戦となる東女体戦、インカレに向けて、この4試合の経験を繋げていきたいと思います。

増田侑希(スポ4=香川・高松南)

――準決勝を振り返っていかがですか

この準決勝は、正直悔しいという一言です。全体的に残塁が多く、得点に繋がらなかったこともそうですが、4回にランナーを出してしまい、結果として得点されてしまったことが敗因だと思っています。

――ご自身の投球を振り返っていかがですか

捕手の原田は2年生ながらリードが良いので、得点された4回以外は安定した投球だったと思います。

――投球の調子はいかがですか

3回まではテンポよく投げていただけに、4回で思い通りのパフォーマンスができず、テンポを崩してしまい2失点してしまったのは自分の力不足だったと思います。

――改善点等があれば教えてください

やはり、どんなに苦しい場面でも修正して安定感のあるピッチングができるように日々練習に取り組んでいこうと思います。

――関東インカレを通してどうでしたか

私個人としては力不足で悔しい敗戦もありましたが、この関東インカレは新体制での大会だったので、新主将の反町を中心にチーム一丸となって戦い、3位という結果を残せたことは素晴らしいと思います。