全日本大学選抜選手権大会 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 計 | |
中京大 | 2 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | |
早大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 | |
●増田、新宮-渡邊 ◇(二塁打)反町 |
4年生最後の大会であり、1番の大舞台である全日本大学選手権(インカレ)。今年はコロナ禍で全国大学選抜女子ソフトボール選手権大会(インカレ代替大会)としておよそ2か月遅れで開催された。一昨年、昨年とインカレ初戦敗退が続き、何としても初戦を突破したい早大。だが、先発・増田侑希(スポ3=香川・高松南)は、初回から連打を打たれ先制を許す。その後は好機を作りつつも点差が縮まらないもどかしい展開。3点ビハインドの最終回、堀奈々美(スポ4=千葉経大付)の遊撃強襲打で1点差に詰め寄るも反撃はここまで。早大は無念の初戦敗退に終わった。
先発の増田
先発の増田は初回、2番片岡僚子(中京大)に安打で出塁されると、4番武富沙耶(中京大)、5番川口茉菜(中京大)に連打を浴び、2点の先制を許す。「ボール自体は走っていたが変化球の精度、緩急をつけるタイミングが悪かった」(増田)と振り返る通り、持ち味である力のある速球は光ったものの、単調になった投球が相手打線に対応されてしまった。一方の早大は2回、先頭の渡邊佳子(スポ2=東京・学習院女子)が安打で出塁し、増田の右前安打で三塁に進む。続く田中彩絵(スポ2=福岡・三瀦)の打球はセンター前へポトリと落ち、渡邊が生還。1点を取り返した。
2安打の活躍をする小野寺
しかし、増田は3回に四球で出塁した3番・中川幸音(中京大)に盗塁と5番・川口の二塁打で生還を許し再び2点にその差を広げられる。また5回には先頭の1番・高瀬沙羅(中京大)に「変化球が打者の一番好きなところに行ってしまった」(増田)と、ソロ本塁打を打たれてしまう。6、7回は増田に代わり、期待のルーキー新宮怜美(スポ1=京都西山)が登板。いずれの回も三塁に走者を負うピンチを招きつつも、粘りの投球で無得点に抑える。点差を詰めたい早大だが、4回の小野寺詩織(スポ4=千葉経大付)の安打と四球、死球による二死満塁の場面、6回の小野寺、渡邊の連打と原田理子の犠打による一死二、三塁の場面でいずれも後続が倒れ無得点。好機をものにできない。
ハイタッチをする反町
最終回の早大の攻撃。4年生最後の大会、このままでは終われないと奮起する早大打線。先頭の田中が四球で出塁、続く反町結佳(スポ2=愛知・瑞陵)が二塁打を放ち、前主将で今大会は選手兼監督代行としてチームを引っ張る堀に打席が回る。「私の仕事はここで打つことだ」(堀)と打席に入ったという堀の打球は、ショートを強襲する意地の2点適時打となった。しかし後続が倒れ、1点差のまま試合終了。早大のインカレ代替大会は初戦敗退で終わった。
集大成となる今大会で悔しい結果に終わった早大。だが、『4年生の意地』は見ることが出来た。最後に意地のヒットを打って点を返した堀、秋季リーグ戦では不振に苦しんだが今日はマルチヒットの活躍を見せた小野寺の両選手のプレーからは、『チームを勝たせたい』という思いがひしひしと伝わってきた。また、下級生の確かな成長も感じられた。2年生が中心となる打線は、相手を上回る8安打。増田、新宮の両投手の球にも力があった。一方で攻撃面では長打力や走塁の正確性、投球面では変化球やコースの精度が課題として残った。4年生が引退し、増田主将率いる新チームがどのように課題を克服し、どんな成長を見せてくれるのか。来年のインカレの舞台では勝利をおさめ、はじける笑顔を見せてほしい。
(記事 新井万里奈、写真 小山亜美、長村光、杉崎智哉)
コメント
堀奈々美(スポ4=千葉経大付)
――今日で引退ということになりますが、今のお気持ちをお聞かせください
このまままだ続くんじゃないかなとも思うんですけど、終わったというのはあんまりなくて。でも本当に楽しい試合をさせてもらったなと思います。
――今日の試合を振り返っていかがですか
ずっとひやひやする試合で、やっててすごく楽しかったんですけど、個人的にはもうちょっとチームのみんなを勝たせてあげられるようなプレーもしたかったんですけど、でも後輩のみんなもすごく頑張ってくれて、すごく楽しい試合でした。
――7回はショート強襲の当たりで2点を返しました。どんな気持ちで打席に向かいましたか
もうここで返すしかないと思って、前の打席では打てなかったんですけど、私の仕事はここで打つことだと思って打席に入って。意地のヒットだったのですが、良かったです。
――打てた時は嬉しかったですか
嬉しかったです。ホッとしました。
――結果としては負けてしまいましたが、秋季リーグ戦と比べてよくなっているところが多いように見受けられました。チームとしてよい準備はできていたと思いますか。
はい。後輩たちもすごくやる気があって、今日の試合も2年生で活躍してくれる子もいっぱいいたので次が楽しみです。
――同じく4年生の小野寺(詩織、スポ4=千葉経大付)選手は2安打の今日で引退ということになりますが、今のお気持ちをお聞かせください。 活躍でしたが
さすがだなと思っていました。今日が負けたら最後の試合になるわけですけど、そういうところでしっかり結果を出せて、頼もしいなと思ってみていました。
――4年間全体を振り返っていかがですか
今までやってきた野球・ソフトボール人生の中で1番楽しい 4年間だったと思います。その最後の1年間、主将をやったりコロナ禍でできない時間があったり色々ありましたが、もちろん悔しい思いもしたし、逆にすごく楽しい1年間でもあったのですごく濃い4年間でした。
――後輩の皆さんに一言
今日のこの思いを忘れずに次のインカレで勝ってほしいなと思います。
小野寺詩織(スポ4=千葉・千葉経大付)
――今日の試合、どのような意気込みで臨まれましたか
昨年、一昨年と初戦負けしていたので、今年はどんな形でも勝てればいいなと思っていました。
――試合を振り返っていかがですか
とても良い試合ができたなというのが1つの感想で、チャンスの場面で4年の堀と私に回してくれて嬉しかったです。ただ、最後打てなかったのは申し訳ないなって思っています。
――2安打を放ちましたが、打席ではどのようなことを考えていたのですか
4年生ということもあって、毎打席毎打席「あと何打席かな」と思いながら打席に立っていました。また、少しでも後悔しないようにということを考えていました。
――これで引退となりますが、どのような4年間でしたか
私の4年間は、ずっと試合に出してもらっていて、それはとてもありがたかったなというのと、期待されているよりも結果が残せなかったので、そこは申し訳なかったなと思います。
――最後に後輩に向けてメッセージをお願いします
今日対戦した中京大はかなり良いチームだったので、そこを相手に良い試合ができたのは良い経験にもなったし、勝てるんじゃないかと思えたのは良かったと思うので、この試合を忘れないで頑張ってほしいなと思います。
増田侑希主将(スポ3=香川・高松南)
――今日の試合を振り返るといかがですか
今日の試合を振り返ると、(バットの)芯にボールを当てられてしまったことが痛かったなと思います。ですが、最後の方に打線もつながって点を取ることができたので、4失点してしまいましたが、みんなでつないで3点取ることができたのは、良かったと思っています。
――ご自身の調子はいかがでしたか
ボール自体は走っていたのではないかと思うのですが、まだ変化球の精度が良くなかったです。そこを今後の課題として、来年にはレベルアップしていきたいなと思った試合になりました。
――先ほどお話にもあった変化球の精度について伺っていきます。今日は緩急を使った投球ができていたのではないかと思ったのですが、緩急について手応えは感じましたか
緩急は使えていたのではないかと思うのですが、使うタイミングが悪かったという反省があります。直球ではないのですが、割とスピードのあるボールで押しているところで、チェンジアップなどの緩くてそれほどスピードのないボールを投げるべきだったのに、ちょっと(速い球で)押してしまったりしました。(緩急を使うタイミングが悪くて)打たれてしまったところがあるので、今後はその辺も頭に入れて投球したいです。
――初回に連続適時打を打たれてしまった場面が、緩急をうまく使えなかった場面ですか
そうですね、そこは(緩急の使い方が)悪かったなと思います。
――5回の本塁打は初球を打たれてしまったと思うのですが、打たれた球は失投でしたか
変化球から入ろうと思ったら、その変化球が打者の一番好きなところに行ってしまって、(バットの)芯に当たって飛んで行ってしまいました。
――今日で4年生全員が引退となってしまいました。4年生に向けてのメッセージをお願いします
4年生の皆さんからはたくさんのことを学ばせていただきました、特に自分は投手なので、(投手のことを)伊藤さん(貴世美、スポ4=千葉経大付)、チームの運営の仕方を堀さん(奈々美前主将、スポ4=千葉経大付)や小野寺さん(詩織、スポ4=千葉経大付)から教えていただきましたし、その他のことも4年生の方々から教えていただきました。いい先輩に巡り合えたなと強く思いました。最後に(すでに)引退された先輩も応援に来てくださって、みんなでそろって終わることができて、すごく良かったなと思っています。
――主将として来年はどのようなチームをつくっていきたいですか
今年の目標が『一戦必勝』だったのですが、来年も『一戦必勝』で大事に取り組んで、粘り強いチームにしていきたいなと思います。
新宮怜美(スポ1=京都・西山)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
まず、今日はレフトでの出場だったのですが、いつでも(投げられるように)準備しておいてと言われていました。ただ、自分がピンチを多く作ってしまったので、しっかり最後まで抑えようという気持ちで無失点に抑えられて良かったと思います。
――粘りの投球でしたが、どのようなことを意識しましたか
とりあえず点数を取られなければ返してくれると思っていました。スピードで勝負してもパワーで勝ってきていたので、コースをついて緩急をつけながらの投球を意識しました。
――今日の投球をどのように評価していますか
まだまだ詰めが甘いと思いました。たしかに無失点では抑えましたが、自分の中での課題があって、ピンチになると野手も守りにくいので、ヒットを打たれないピッチャーを目指していきたいと思います。
――どのような課題がみつかりましたか
今回でスピードだけでは勝負できないと思ったので、変化球の質を上げることとコースにしっかりと投げるために練習したいと思います。
――初めてのインカレでしたが、感触はいかがでしたか
結構このような経験はしてきているので、特に緊張したというのは無くて、すごく楽しめたと思います。4年生を勝たせることはできなくて悔いはありますが、素晴らしい4年生と試合ができて良い経験になりました。
――来シーズンに向けて抱負をお願いします
必ず全国制覇できるように頑張っていきたいと思います。