晩秋の早慶戦は猛打で快勝!

女子ソフトボール
TEAM
慶大
早大 15
○宮川、落合、藤井、坂―加藤
◇(本塁打)加藤、山下、川崎 ◇(三塁打)藤井、山下 ◇(二塁打)加藤

 早慶定期戦(早慶戦)が27日に行われた。リーグ1部に所属する早大に対し、慶大は2部。試合は早大が力の差を見せつけた。初回に加藤千陽(スポ2=愛知・星城)の本塁打などで3点を先制すると、3回以降は毎回得点を挙げる。本来は野手の選手がマウンドに上がり、マネジャーも出場したこの一戦。普段の公式戦とは違う雰囲気の中で進行した試合は、15-0の大勝で幕を閉じた。

 打線は初回から慶大に襲い掛かる。先頭の山下真歩(基理1=東京・桐朋女)が内野安打で出塁すると、暴投で二進し続く岡田夏希(社1=神奈川・厚木商)が適時打を放つ。ここまでわずか4球で先制点を挙げる速攻だった。その後、加藤が左翼線を破るランニング本塁打を放ち2点を追加する。さらに3回には川崎楽舞(スポ1=千葉・木更津総合)、5回には山下がランニング本塁打を記録。この日は外野フェンスが設けられていなかったため、野手の間を抜ける鋭い当たりを連発したことが大量得点につながった。また、4打数4安打の活躍を見せた山下は最優秀選手賞を獲得した。

ランニング本塁打を放ち、グラウンドを駆ける川崎

 投手陣は4人の継投だった。先発はエースの宮川眞子(スポ3=福島・帝京安積)。立ち上がりにいきなり連打を浴びるが、自身の好フィールディングもあり無失点で切り抜ける。宮川は3回を投げ被安打4、無失点でマウンドを降りた。その後登板したのはすべて野手登録の選手。落合未稀(人2=栃木・大田原女)、藤井美潮(スポ3=神奈川・平塚江南)とつなぎ、最終回は1死後に坂かれん(スポ3=愛知・星城)がマウンドに上がり試合を締めた。序盤は速球にタイミングを合わせられていたが、あとを受けた投手は打たせて取る投球を徹底し慶大を無失点に封じた。

4回以降はすべて野手登録選手の継投

 「絶対に勝たないといけないと思い、練習してきた」(加藤)。序盤から一方的な展開になったが、最後まで攻撃の手を緩めずに勝利を収めた。また、この日はマネジャーながらスタメン出場した鎌田彩花(文2=神奈川・平塚江南)が2安打を放つなど、普段は出場機会が少ない選手もきっちりと仕事を果たした。早慶戦は試合後に懇親会も開かれる。プレー以外でも交流を持ち健闘をたたえ合う選手の姿から、この定期戦の伝統が垣間見えた。 

(記事 石川諒、写真 石田耕大)

最優秀選手賞に輝いき、表彰される山下

コメント

加藤千陽(スポ2=愛知・星城)

――きょうまでどのような調整をして臨みましたか

伝統のある早慶戦でした。新チームの試合ですが勝たないと引退した4年生が祝勝会に参加できないので、絶対に勝たないといけないと思い練習してきました。

――試合は快勝でした

リーグでは慶大は2部ですが、そこは関係なく自分たちの力を出さないと勝てないので、チーム全員が全力を出した結果がきょうの勝利につながったと思います。

――打撃では猛打賞でした

きょうは5番という好打順に立たせていただいたので、しっかり打って結果を出さないといけないと思っていました。それと、この冬は思い切り振る練習をしているので、その成果を出そうと打席に立ちました。

――本来は野手登録の投手もマウンドに上がりましたが

普段投手をやらない同期や先輩が投手をやったので、とりあえず大きく構えて投げやすいようにと守っていました。

――今後に向けて強化したい点は

全ての面においてたくさん課題があるので、それを明確にしてひとつひとつクリアしていけたらなと思います。

鎌田彩花(文2=神奈川・平塚江南)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

気持ちの良いあたりが多く出た、というかたちではないのですが見逃しなどが無く、積極的に打ちに行けたのでよかったなと思います。

――普段はマネージャーをしていると思うのですが、試合に出場してみていかがでしたか

素直に楽しかったです(笑)。

――選手としての試合出場はいつぶりなのでしょうか

昨年の早慶戦も出場させていただいたので、それ以来だと思います。

――プレイヤーに復帰したいと思うことはありませんか

プレーするのも楽しいので、ことしの4月あたりから打撃練習にも混ぜていただいていました。一応、マネージャー業務と並行して練習には参加しているので、これからもチャンスがあれば積極的にいきたいと思います。

――2安打と、チームに大きく貢献されました。その2安打を振り返って

内容的に満足のいくものではなかったのですが、打った後にベンチに帰ってきた時に、先輩や後輩からお褒めの言葉をいただいてすごく嬉しかったです。なので、この気持ちを忘れずにこれからも頑張っていきたいなと思いました(笑)。

――これからもマネージャーとしてチームを支えていくと思うのですが、どういった意気込みをお持ちですか

マネージャーとしての仕事は当たり前にこなして、これからはそれに加えて、人の気付かないような、「知らない間に、やっていてくれたんだ」と言われるような、あまり目立たない部分で部員をフォローできるようなマネージャーになりたいと思っています。あと、マネージャーの後輩も入部してくれたのでその子と協力しながらチームを支えていけたらなと思います。

山下真歩(基理1=東京・桐朋女子)

――きょうの試合を振り返って

朝にスタメンを発表されて、その時点で1番セカンドということで、初めての1番バッターで少し緊張した。もとから早慶戦は1年生が出ることがあるということだったので、準備の方はしっかりしたんですが、最初の打席は緊張したんですが、自分の特徴を生かしてセーフティーバントという形で出塁することが出来ました。そこからは、自分の中で流れに乗れて、4打数4安打出来たので、自分の中ではよかったなと思っています。

――この試合でのMVPを獲得されましたが

MVPがこの試合にあることを知らなかったので、その場で発表されてびっくりしたんですけど、まさか取れるとは思っていなかったのですが、嬉しかったです。

――ホームランも出ましたが

2打席目にレフトのほうに大きな当たりを打てたのですが、3年生のベンチにいた方に打球が切れて、止まってしまっているという指摘をいただいたんですけど、打球的には飛距離が出てよかったなと思っていた。それを修正して、ホームランの打席では打球を切らさずにしっかりミートして、押し込めた結果がいい形のホームランになったなと思います。

――今後への意気込み

この冬トレーニングをしっかり行い、来年の夏にチームがインカレで優勝出来るように、チームの勝利に貢献できるように、自分の武器を一つでも磨いていければいいなと思います。