打線振るわず惜敗…10年ぶり優勝の夢途絶える

女子ソフトボール
TEAM
早  大
日本文理大 ×
●宮川、常盤―大内

 山内実咲(スポ3=神奈川・向上)の放った打球が、相手遊撃手のグラブに収まる。試合終了となったその瞬間、歓喜に沸く日本文理大ベンチとは対照的に、早大ベンチからは静かに選手たちが整列へ向かっていく。ロースコアの緊迫した接戦を展開したが、早大打線は相手投手の前にわずか1安打に抑えられた。このメンバーで戦う最後の大会、全日本大学選手権(インカレ)。10年ぶりの優勝を目指した戦いも、準々決勝で夢が途絶える結果となった。

 前の試合でサヨナラ勝ちを収め、投打ともに勢いに乗っていたはずの早大。しかし、相手先発がその前に立ちはだかった。手元で伸びてくる直球にタイミングが合わず、内野ゴロの山を築いてしまう。攻撃にも焦りが出始め、淡白に回が終わっていく。走者すら出せないまま、7回2死。完全試合を達成されるまであと1死、絶体絶命の状況だった。代打で登場した峯口和沙(人4=東京・富士見)は主務として1年間、選手としても裏方としても尽力してきた苦労人。放った打球は内野を転々とし、執念の内野安打となった。「これが4年生最後の峯口の力」(髙橋あゆみ副将、教4=神奈川・厚木商)、「さすがカズだなと少ししみじみしました」(武内有紀、スポ4=埼玉・星野)。皆が喜ぶ一打に、この日一番の盛り上がりを見せた早大ベンチ。しかし、反撃もそこまで。最後まで自分たちのペースを展開できず、鍛えてきた打撃も思うように発揮させてもらえなかった。

インカレ優勝への思いは後輩たちに託した

 「非常に素晴らしい投球をしてくれた」。そう大内佳那女子主将(スポ4=千葉・木更津総合)が語ったように、この日の先発・宮川眞子(スポ3=福島・帝京安積)の投球は完璧といえる出来だった。安打こそ許すものの、相手打者の裏をかくチェンジアップで空振りを量産。0点に抑えるたびチームは盛り上がり、4回まで無失点に抑える。しかし5回、2死から連打を浴び失点。この1点が、結果的に勝負を決める1点となってしまった。「自分の甘さが出てしまったので、申し訳ないです」(宮川)。宮川の後を受け6回から登板したエース常盤紫文(スポ4=千葉・木更津総合)は、速球で押していくスタイルで三者連続三振。早大生としての最終登板を、エースらしく圧巻の投球で締めた。常盤の下で成長してきた宮川も、来年は新エースとして投手陣を引っ張ることになる。この敗戦をバネに、次こそインカレ優勝の立役者となれるか。

宮川は大内女子主将も納得の好投を見せた

 
吉村正総監督(昭44教卒=京都・平安)、長谷川誠監督(平5文卒=長野・松商学園)という新体制の下、インカレでの勝利を追求し日々練習に励んだ早大。下級生時から活躍してきた選手が多い4年生は、合計5人と比較的少ない中でもそれぞれの役割を全うした。苦労してつかんだ勝利も、力及ばず喫した敗北も、全てがこのチームにとって貴重な糧となってきたことだろう。スタメンの半数以上は3年生以下。今回の敗戦を、後輩たちがこれからどう生かしていけるか。「自信を持って、のびのびとやってほしい」(大内女子主将)。先輩が目指した夢をかなえるべく、後輩にバトンが渡された。

(記事 中丸卓己、写真 廣田妃蘭、石田耕大)

吉村総監督(中央)と4年生、そして保護者の方々

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コメント

大内佳那女子主将(スポ4=千葉・木更津総合)

――最後の大会であるインカレが終わりましたが、率直な今のお気持ちはいかがですか

勝ちたかったんですけれども、2試合ともいい試合をしたなと思っています。

――悔しい気持ちとやり切った気持ち、どちらが強いですか

入り混じっていますね。一番いいかたちは優勝して終わることなんですけど、自分が終わった後にどういう気持ちになるのかなというのは一つの楽しみでした。何とも言えない気持ちというか、今はまだ表せないですね。

――1試合目は同点適時打を放たれました。ガッツポーズも出ていましたがあの場面は振り返っていかがですか

本当にああいう場面で(打席が)回ってくるんだなというのが率直な感想で(笑)。あの時は本当にいろいろなことを考えたというか。ベンチで応援してくれる後輩も目に入りましたし、その隣に新井悠馬コーチと先生(吉村正総監督、昭44教卒=京都・平安)が座ってくださっていて。どんと構えていらしたので、ベンチを見て自分でも少し冷静になったというか。そうしたら保護者の方からの「意地を見せろ」という声がたまたま耳に入ってきて、これは10番として見せるしかないなと。とにかく後悔のないスイングで決めるということを心に決めていたのでフルスイングして、そうしたらちょうどいいところに行ってくれたので良かったなと思います。

――緊迫した場面でしたが、緊張やプレッシャーは感じられなかったのですか

あの時は本当にいろいろなことを回想していて。ソフトボールを始めた時のことも頭に入ってきたりして。たまたま今回は母と姉も来ていたので、ソフトボールをやらせていただいた10年間への感謝とか、本当にいろいろなことが出てきて。緊張というよりは自分でも驚くほど冷静だったと思います。

――日本文理大戦ではなかなか相手投手を打てませんでしたが、どういった要因があると思われますか

思ったより手元で伸びてくる球に対応し切れずに、自分たちが思っていたような打撃ができなかったというのが一番の敗因かなと思います。

――5回、相手に先制を許した場面は捕手としてどうでしたか

次の打者が右打者だったので、勝負はその右打者でもありかなとは思っていました。厳しいところを攻めて、結果次の打者で満塁となってもいいと思っていました。ただ最初から避けることはやめようと思っていて。初球インコースを要求してそれが打たれてしまったんですけど、あの配球に関しては後悔していないので、宮川(眞子、スポ3=福島・帝京安積)もよくあそこに投げてくれましたし、あれは仕方なかったかなと思います。

――宮川選手はチェンジアップで空振りを多く取れていましたが、きょうの投球はいかがでしたか

そうですね、非常に素晴らしい投球をしてくれたなと思います。なかなか打者陣が打てない中で三者凡退やきれいに抑えてくれて。ランナーを背負う場面でもしっかり投げ切ってくれたので、非常にいい投球をしてくれたと思います。

――宮川選手の後を受けた常盤紫文選手(スポ4=千葉・木更津総合)は、最後の試合で三者連続三振という圧巻の内容を見せてくれましたね

いやあ、もう圧巻ですね。あれがエースというか。本人は初戦で打たれてしまったという思いを抱えていたので、そういった場面で登場して三者三振というのは本当に見事としか言いようがないですね。

――これで4年間の競技生活が終わりました。今あらためて振り返るといかがですか

この4年間はすごく濃いというか充実していましたし、何よりも最後の1年間は吉村先生の下でやらせていただいて、自分が人間的にも非常に成長したと感じています。

――これから共に戦ってきた後輩たちがチームを作っていきますが、後輩に向けてメッセージなどはございますか

ことしは4年生が5人だったので後輩たちにはたくさん支えてもらいましたし、その分負担を掛けてしまうこともあったと思います。でも、この1年間後輩たちが支えてくれたということは、この1年間が来年に向けて生きてくると思うので、思う存分思い切ってやってほしいです。自信を持って、伸び伸びとやってほしいです。

――ずっと一緒に過ごしてきた同期の4人にはどんなお言葉をかけたいですか

一番はやっぱり感謝ですね。4年間一緒にやってきたので。最後に峯口(和沙、人4=東京・富士見)も打ってくれましたし、常盤も抑えてくれて、武内(有紀、スポ4=埼玉・星野)もきのう打ってくれて、髙橋(あゆみ副将、教4=神奈川・厚木商)も緊張する場面で何度も守ってくれて。本当に4年間一緒にやってきて良かったと思いますし、一言で感謝しかないです。

――吉村総監督に対してはどんな思いがございますか

吉村先生は自分にとって恩師以外の言葉では言い表せないくらいに感謝しています。吉村先生と出会えて、吉村先生の下でやらせていただいて、いろんなことを学んで、それが今の自分のベースにあるので。難しいですね、言い表すのは。感謝以外の言葉が見つからないくらい、本当に感謝しています。

――これから競技を続けられるご予定はございますか

いえ、自分は続けずに1年間留学の方に行きます。

――最後に、大内主将にとって早大ソフトボール部とはどんな場所でしたか

難しいですね(笑)。ここは、これから先の人生で間違いなく自分の原点になる場所だと思っています。4年間先生の下でやらせていただいた経験というのは非常に大きいですし、他のみんながどう言ったのかは分からないですけど、ワセダでしか経験できないことをたくさん経験させていただきました。負けてはしまったんですけど、人生で勝つために非常に重要なことはここでしか学べないと思うので、なくてはならない場所だと思います。

高橋あゆみ副将(教4=神奈川・厚木商)

――本日の試合目を振り返ってみていかがですか

前日雨の中でやっていたこともあって、ワセダ有利の状態から始まり、向こうは不利な状態で、完全に捨て身な状態できてるので先生(吉村正総監督、昭44教卒=京都・平安)からも「強い気持ちであたってくるから、こっちもその気持ちでいかないといけない」と言われていたので、気持ちの作り方というのは先生からお話をいただいていて気持ちを整えて試合に臨むことができました。ただ、最初の攻撃で自分に打席が回ってきたときに最後見逃してしまったというのは4年生として情けないなと思いました。次の試合に関しては相手の投手が力強い球、ストレートを投げてきて、みんな完全につまった打球になっていて。最後の峯口(和沙、人4=東京・富士見)まで完全ピッチングされてたんですけど、最後峯口が安打を打ってくれて。それでも最後なので4年生らしく打てたらいいなと思ったんですけど、1年間通してきて悔いなくはできましたね。もっとこうしてればよかった、ということも練習でもないですし、全く悔いはないですね。

――7回に代打で出場した峯口選手がチーム初ヒットを打たれましたが、高橋選手自身はどのような気持ちで見ていましたか

何ですかね、やっぱり1、2、3年生がヒットを打ってくれるのももちろん嬉しいんですけど、主務としてチームを本当に支えてきてくれた峯口が最後に安打打ってくれて嬉しいを通り越して「ああ、やってくれたな」っていう染みるような嬉しさというか。これが4年生最後の峯口の力なのかなと。嬉しいというか言葉では表せない気持ちでした。

――インカレ自体を振り返ってみていかがですか

そうですね。昨日は初戦ということもあり、やはり初戦は怖いなというのはありました。相手もどういったチームなのかわからない中、情報も少ないですし、ああいうタイブレーカーの結果になったんですけど、インカレというのは思いが違う、普段の大会も気持ちを常に入れてプレーをしていますけど、1球1球「これが最後だぞ」と思う気持ちで。やっぱり4年生になると違いますね。2年生の頃からインカレでプレーさせてもらってるんですけど、今回は1球の重みが違いました。色々な意味で集大成なので。普段持っているものも出せますし、逆に悪い面も出てしまいますね。そのことを実感しました。きょうを迎えるまでに1人も手を抜かずにやってきて、良いチームに恵まれましたし、吉村先生などの良い指導者にも恵まれたなと感じています。

――以前高橋選手は教員志望ということで、「ソフトボールの指導者になりたい」とおっしゃっていたのですが、理想の指導者像などはありますか

そうですね。私自身、中高、高校はとても厳しい環境でやってきて、怒られてもそれを跳ね除けるといった指導者に恵まれてきたのですが、ワセダに来たら全然違って、先生がアメとムチを使い分ける感じで、怒るときは怒りますし、褒めるときは褒めるといったバランスでやっていただいて、どちらも経験できました。私は怒って伸ばすというよりは、褒めて生徒を伸ばしてあげたいなと思います。やはり、ずっと褒めてばかりではいけないんですけど、吉村先生のように締めるときは締める、その代わり褒めるときは思いっきり褒めるといった指導をして生徒に寄り添える教員を目指してやっていきたいです。

――これからご自身は競技はされないということですか

そうですね。しない予定ではあります。

――先ほど後輩には恵まれたとおっしゃっていたのですが、その後輩たちに向けてコメントをお願いします

3年生を筆頭にしっかりとした後輩たちなので、この悔しさをバネに来年のインカレこそは優勝してほしいなと思います。全力で応援しています。

――4年間共に戦ってきた同期に向けてのコメントをお願いします

ありがとうございましたとしか言いようがないです。個性の強い5人でやってこれてよかったです。特に峯口はこのチームの心臓みたいなものなので。峯口がいないと機能不全ぐらいで、本当にしっかりしているので、スーパー主務ですね(笑)。本当に感謝しています。

――最後に高橋選手の思う早大ソフトボール部とは何ですか

成長させてくれる場所ですね。

常盤紫文(スポ4=千葉・木更津総合)

――きのうの試合についてはいかがでしたか

きのうは最終回に打たれて、逆転されてしまい、みんなが打って守ってくれて、宮川も私もあとにいるよと言ってくれて、試合で実際に抑えてくれて、チームのみんなにすごく感謝しています。

――きょうの6回の登板では三者連続三振という結果でしたが

マウンドに行く前にブルペンで受けてくれていた捕手と、これって大学生活最後の投球になるかもねという話をしていて、最後かもしれないという気持ちでマウンドに向かい、3者三振を取ることが出来て悔いなく終われました。

――きょうの宮川選手の投球についていかがでしたか

十分頑張ってくれたと思います

――下級生の頃から主力としてやってこられたと思いますが、それについてはいかがでしょうか

先輩達がいる頃から出させてもらって、インカレでも投げさせてもらっていて、優勝したことがなかったので、ことしは優勝したいなと思っていたんですが、それが出来なくて悔しい部分は少しあります。

――これからもソフトボールを続けていくつもりですか

実業団で続けさせていただくことになりました。

――これから早稲田のソフトボール部を引っ張っていく後輩達へ一言

ずっと優勝しようって頑張ってきたんですけど、出来なかったので来年こそ優勝を目指して頑張って欲しいです。

――宮川選手へ一言

ことしはきょねんと比べてすごく成長してくれたので、自信を持って頑張って欲しいと思います

――同期へ一言

同期にはたくさん迷惑をかけてしまったので、最後まで見捨てないでよく面倒見てくれたなと思います。

――ソフトボール部について

早稲田のソフトボール部に入ったおかげでソフトボールだけではなく、人間的な部分でも成長できて、自立できるようになりました。とても成長のできる場所だったと思います。

武内有紀(スポ4=埼玉・星野)

――きのう、きょうとインカレを振り返っていかがですか

負けた原因となると、振り切れなかったり決め切れなかったところがあるので、そういうところは来年に向けてつなげていってもらいたいなという思いです。

――きのう同点に追い付いてきょうサヨナラ勝ちを収めた1試合目についてはいかがでしたか

どんな相手でも自分たちのスタイルを崩さないということでやっていたので、追い付いたのは良かったですが、その前にもっと点を取るという自分たちのスタイルができなかったのをきょうも引き継いでしまったなという感じです。

――日本文理大戦ではなかなか相手投手を打ち崩せませんでしたが、ご自身の打撃を振り返っていかがですか

どんな投手でも自分のやることは決まっているので、そのスタイルを崩さないでやろうと思っていたんですけど、相手の方が上手でしたね。

――最後は完全試合になるかという場面で峯口和沙選手(人4=東京・富士見)が安打を放ちましたが、その場面は見ていて何を感じられましたか

もう、さすがカズだなと少ししみじみしました。練習でも打ててはいたんですけどレギュラーを張るほどではなくて、ああいう時に結果を出してくれるのはうれしいを通り越してしみじみしましたね(笑)。

――今の気持ちは率直に悔しいでしょうか

悔しいんですけど、結構楽しんで試合をやっちゃいました(笑)。

――これで4年間の競技生活が終わりました。今あらためて振り返るといかがですか

負けたんですけど、やっぱり競技力だけじゃなくて人間力もワセダで学べました。小学5年生からやっているんですけど、最終的にワセダに入ってプレーできたことは大きかったのでとても良かったです。

――4年間を共に過ごしてきた同期には今どんな思いがありますか

みんな高校もいいチームから入ってきて知っていたので、最初はすごく敵対心というかライバル心があったんですけど、最後となるといい感じにまとまってはいたのかなと思います。同期にはすごく感謝しています。

――下級生時から主力打者として活躍されていましたが、打撃については

先生(吉村正総監督、昭44教卒=京都・平安)から「お前は長打を打つように」と言われていたんですけど、結果的に最後の試合はあまり打てなかったんですけどそんなに悪くなかったんじゃないかなと思います。バッティングを変えたのは悪くなかったので、先生には感謝しています。

――共にプレーしてきた後輩たちがこれからチームを作っていきますが、後輩に向けて何かメッセージはございますか

私たちを踏み台にして次勝ってくれれば私は満足だと思っているので、頑張ってほしいです。

――これから競技を続けるご予定はございますか

ないです。これでおしまいです。競技をしてきた中でうまくいかないこととか、新井悠馬コーチもおっしゃっていたように理不尽なスポーツということを分かってプレーしてきました。頑張ったのにうまくいかないという経験も今後社会に出た時に生かせると思うので、そういう意味では良かったと思います。

――最後に、武内選手にとって早大ソフトボール部とはどんな場所でしたか

それすごい難しいですね(笑)。私がお年寄りとかになった時に思い出すと、一番輝いていた時になるのかなと思います。今はまだ思っていないですけど、人生の基礎となるところだったのかなって思います。

峯口和沙(人4=東京・富士見)

――インカレ全体の振り返りをお願いします

4年間の集大成だったんですけど、「自分たちがやってきたことを信じよう」というのをインカレの初戦の前に大内が言っていたので、それを信じてプレーしてこの結果なら、自分は悔いはないです。

――昨日から引き続きのサスペンデッドゲームとなりました。代打で出場されましたが

自分は7回で増子(奈保、スポ1=東京・日出)が(塁に)出てから代打で出て、センターのほうに打って(中飛)。長打になればいいなという気持ちはあって、あの打球だったんで。結果的に進塁打になって、そのあと大内が(点を)追加してくれて延長に持ち込めたので、自分としては悔いのない一発でした。入ったらかっこよかったんですけどね(笑)。(27日は)誕生日だったので、「バースデイホームランじゃね?」みたいな感じで自分で勝手に思ってて。打った瞬間に結構手応えがあったのでいけたかなあと思ったんですけど、ちょっと伸びが足りなかったなと。

――主務としてやってきた1年間でした

先ほども先生(吉村正総監督、昭44教卒=京都・平安)のところに「ありがとうございました」を言いに行ったんですけど、「峯口がいろいろ仕事してくれたから」というお話を伺えたので。チームのために自分が、裏方ではあるけども支えてこれたのが良かったといいますか、自分がチームにできた貢献(の仕方)だったなと思います。

――選手との両立は簡単なものではなかったと思います。苦労されたことなどは

仕事で怒られてそのまま練習に行くとか、練習中に仕事のことで怒られてまた練習に戻るというのがあって、切り替えが自分の中では難しかったというか。切り替えられずにプレーに支障が出たりというのも、結構あったので。それもこのインカレでは出さずにといいますか、ふっ切れて、そういうのも含めて最後ああいうふうに(27日の代打で)打てたのは、やっぱり自分かな、と。主務として、人として成長できたかなと思います。

――大学4年間を振り返って

大学4年間は、そうですね、あっという間のようでいろいろありましたね(笑)。自分の場合は1年生や2年生での下積みで、練習やプレーにおいてみんなの高いレベルについていくので必死でした。必死になっていたのであんまり記憶がない。なのであっという間だったなあ、というのが強いんですけど、振り返ってみると、高校まで知らなかったことをいろいろ吸収できたなと。ソフトボールの知識だけじゃなくて、仕事の面でも先生からいろいろご指導頂いたりしたので。あっという間ではあったけど密度の濃い4年間でした。

――大学を卒業された後は競技を続けられますか

もうしないですね。たぶん競技を続けるのは常盤だけです。何らかの形でソフトボールには関わっていこうかな、とは思っています。母校の指導に行ったりですとか、親戚の子どもたちにソフトボールやティーボールも含め、楽しさとかを伝えていけたらなと。

――同期へ一言

恥ずかしいですね(笑)。少ない人数で手が回らない中で、ここまでやってこれたのは本当に同期がいたからなので。ありがとうっていうのが一番大きいですけど、ちょっとベタすぎて嫌ですね(笑)。みんなも思ってることですが、自分らの場合(同期の)5人でまとまるというよりは、5人が別の意見を持ってて、それをまとめていくというか。バラバラだけどまとまる。勝ちたい気持ちというのはみんな同じなので。バラバラですけど、向かっていくゴールは一緒だったかなというのは感じます。だから、こんなに1年生と4年生が交流をとれてる代ってなかったんじゃないかなと思えるぐらい。まあ人数が少ないのもあるんですけど、チームっていうまとまりができたのも4年生が5人で引っ張り上げていって…人数の少ないなりに頑張ったという感じです。

――後輩へ一言

後輩には自分の場合、本当にありがとうというのしかなくて。自分は主務をやっているんですけど、ティーボール委員も同時にやっているんで。手が回らない仕事というのを3年生の角頼(遼香、社3=千葉経大付)、山内(実咲、スポ3=神奈川・向上)、西本(彩香、文構3=大阪・早稲田摂陵)、宮川(眞子、スポ3=福島・帝京安積)はじめその4人がティーボールの面で中心で支えてくれたり。主務の仕事としては、いま選手でやってますがマネージャー志望で入ってくれた鎌田(彩香、文2=神奈川・平塚江南)や最近は1年生の山羽(沙季、スポ1=愛知淑徳)とかもいろいろ手伝ってくれたりとか、裏方でやってくれている。同期が手が回らないので後輩に頼むしかないというか。4年生が5人しかいないために半分以上は後輩が試合に出るという状況で、ここまでいろんな仕事を手伝ってくれたことにほんとうに感謝してます。

――峯口選手にとってのソフトボール部とは

人生において大事なことをいろいろ学べたので、人生の教科書かなと思います。

角頼遼香(社3=千葉経大付)

――インカレを振り返ってみていかがでしたか

4年生と一番長くやってきたのが自分たち3年生なので、そういった意味ではほんとうに何か少しでも恩返しができればなと思っていたんですけど、悔しさのほうが強いかなと思いますね。

――初戦(昨日からのサスペンデッドゲーム)ではサヨナラ打で試合を決めました。打席に入るときの気持ち、打った時の感触は

私はああいうときに回ってくることが多くて(笑)、これまでの公式戦でも、緊張とかもなく。やってきたものがあるので、それを信じてという感じでした。打った感触は、もう少しパコーンといきたかったですね(笑)。ちょっと詰まっちゃったので。

――きょうの試合の自己評価は

やはり負けるということは、個人にもチームにも隙があって、負ける試合は負けるべくして負けてるんだなというのをひしひしと感じました。私たちはあと1年ありますが、コーチの方にも言われたんですけど、この試合を少し重く味わってから、また新しく頑張りはじめられたら良いかなと思います。

――来年は4年生ということで人の上に立つ側になりますが、どのようにして後輩を引っ張っていきたいですか

私は来年主将になることが決まっているんですけど。もちろん勝つためにやっていって、勝利ももちろんですが、やはり勝ったあとにみなさんに感動してもらったりとか、そこにファンがいっぱいいたりとか、そういうことを目指したいなと思っています。それには最上級生の人格というのがすごく関わってくると思うので、それは最上級生として相応しい背中が見せられるように頑張りたいなと思います。

――チームを引っ張ってきた先輩へ一言

さんざん迷惑をかけてわがままもたくさん言ってきて、ぶつかることもあったし、うまくいかないこともありました。そういうことがあるというのもそれだけ深い部分でいつも付き合えてるってことだったと

宮川眞子(スポ3=福島・帝京安積)

――きのうの投球を振り返って

きのうはタイブレークから任せていただいて、雨の中っていうのとナイターゲームっていうので私の中で慣れない場面だなというのがあって、投球も乱れてしまったところがあったのですが、バックがしっかり守ってくれたので、きのうは0点で凌いでいいムードで終われたのでよかったなと思っています。

――きのうからの延長となりましだが

きのうの夜からずっとイメージはしていて、二塁走者をどうやって生還させないかというのを考えた中で、やはりうちのチームとしてはなるべく内野で処理できたらいいなっていうように思っていて、私もやはり下へのボールが得意なので、得意球と内野外野との連携がうまく出来たらいいなっていうイメージの通りに入れたのでよかったなと思います。

――日本文理大との試合での投球について

4年生に申し訳ないなという気持ちでいっぱいです。エースの常盤さんにもっと気持ちよく投げさせてあげたかったなと思います。先発を任せてもらったということはそれだけチームを背負ってマウンドに上がったということなので、私としても責任を持ってマウンドに立って自分の投球をすることで役割を100パーセント果たしていきたいということで臨んだのですが、点を取られた5回はボールが後半になるにつれて甘くなりがちだったところを打者に狙われてしまった。自分の甘さが出てしまったので、申し訳ないです。

――この大会で引退となった4年生へ一言

4年生とはずっと一緒にソフトさせていただいて、私のソフトボール人生の中でも4年生は人間としてもソフトボーラーとしても素晴らしくて学ぶ面が本当に多かったので、勝たせてあげたかったんですけど、最後の最後まで私を信じて守ってくれた打ってくれたことに本当に感謝しています。

――常盤投手から教わったことはありますか

常盤さんは投手として私がこの3年間ずっと目標としてきて、投球術であったり、投手はどういうことを考えるべきなのかという内面の部分もですし、投手としてやるべきことをそんなに多くは語らないんですけど、プレーで見せる先輩だったのでそれを見て、それをずっと追いかけてきたので、今まで悩みをぶつけてきた常盤さんの投球を私たちの代でしっかり受け継いでいきたいなと思います。

――来年への意気込み

来年は角頼(遼香、社3=千葉経大付)が中心となってまた新しいチームが始まっていくんですけど、私たちはは下級生とも仲が良く、そういったところが一番の強みだと思うので、私たち4年生が中心となって、また下級生の力も借りながらことし以上の結果を優勝を出来るように努力していきたいと思います。