打線の援護が好投につながり、準決勝へ

　特別ページシステム（※）で２位に輝き、確かな成長示している早大ソフトボール女子部。この日、全日本総合選手権東京都予選が行われ、早大は初戦に佐川急便東京と対戦した。対戦データの無い社会人チームだったが、先発を任された宮川眞子（スポ３＝福島・帝京安積）の安定した投球と積極的な攻撃を見せた打線が噛み合い快勝。危なげなく２回戦へと駒を進めた。続いて迎えるは春季リーグを２位で通過した強豪・東女体大。今月５日に行われた特別ページシステム制の決勝戦では、早大との接戦を制し優勝を飾った相手でもある。山内実咲（スポ３＝神奈川・向上）が初戦の試合でのアクシデントにより欠場。早大は打線を担う４番を欠いての対戦だったが、２回に打者１０人の猛攻で一気に５得点を挙げる。初回に先頭打者本塁打を浴びた常盤紫文（スポ４＝千葉・木更津総合）も２回以降は立ち直り、相手打線を寄せつけなかった。結局常盤は失点を初回の１点のみにとどめ、５－１で勝利。順調にあすの準決勝進出を決めた。

　試合は早くも２回表に動いた。５番の藤井美潮（スポ３＝神奈川・平塚江南）が右前安打を放ち出塁。相手守備の失策により生還し、１点を先制する。直後の回に先発の宮川が１点を失い振り出しに戻るも、味方打線が確実な援護を送り相手チームを突き放す。角頼遼香（社３＝千葉経大付）の左前適時打などで４、５回に得点を重ね、最終回にもダメ押しの２点を追加。好調の打線に、宮川も打たせて取る慎重な投球で応えた。６回に迎えた２死一、三塁のピンチも「自分のペースだけは乱さないように」（宮川）という言葉通り落ち着いて打者をさばき、無失点で切り抜ける。７回１失点という成績でまとめ、最後は空振り三振で試合を締めた。　

打撃で宮川を盛り立てた

　２回戦の東女体大戦では、両チームのエースが登板。先日の特別ページシステム制決勝戦のように、またもや手に汗握る接戦かと予想された。しかし常盤が初回にいきなり先頭打者本塁打を浴び失点。続く打者にも安打で出塁を許してしまう。後続をどうにか断ち切り、流れを再び引き戻したのは直後の２回の攻撃だった。アクシデントで欠場した山内の代わりに４番に座った武内有紀（スポ４＝埼玉・星野）の左前安打を皮切りに、相手の不正投球も絡んで５点を奪う。見事逆転に成功し、常盤を盛り立てた。それからは打って変わって投手戦となり、スコアには０が並ぶ。常盤は強打の東女体大打線に対して、３回から６回までそれぞれ打者を３人ずつで片付ける完璧な投球。一方の早大打線も、安打は放つもののなかなか後が続かない。結果、前半により多くの援護をもらった常盤に軍配が上がることとなった。

エース対決は常盤に軍配

　「バックに助けられた」（宮川）、「みんなが支えてくれたので勝てた」（常盤）。きょう登板した投手が共通して口にしていたのは、野手陣への感謝の言葉だった。春季リーグを通してさらに堅くなった守備と、つながりを意識した打線。点を失ってもまた取り返してくれる、打たれても捕ってくれるという信頼が投手陣を支え、それによって思い切り投げ抜くことができる。だからこそ、きょうの投打が噛み合った２勝は、全員で勝ち取ったという印象が強いのかもしれない。あすの準決勝、勢いに乗った早大の相手は、またも春季リーグで熱戦を繰り広げた東京富士大。今季の対戦成績は１勝１敗と、目が離せない試合になるだろう。チームが文字通り一丸となって、勝利を掴みにいくことを期待したい。

（記事　三浦遥、写真　加藤佑紀乃、三浦遥）

※特別ページシステム・・・リーグ戦終了後、その順位に応じてトーナメントが組まれ試合が行われる。特別ページシステムでの結果、上位５チームが全日本大学選手権への出場権を獲得する。

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コメント

常盤紫文（スポ４＝千葉・木更津総合）

ーーきょうの２試合目の投球内容、ご自身ではいかがでしたか

前回（４月１７日）に４失点してるので、きょうは抑えたいという気持ちで臨んだんですけど、初回１番打者から本塁打打たれて、「やばい！」って思ったんですけど守備とかバッティングでみんなが支えてくれたので勝てたと思います。

ーー２回以降、本塁打を引きずっていないように見える見事なピッチングでした

みんなが声かけてくれたのもそうですし、次の回で５点を取ってくれたのが大きいです。

ーーきょうは好守も多く見受けられましたが、野手陣の頼もしさはやはり投げていても感じられますか

はい。ポジショニングがちゃんと、私が投げたボールに対してバッターがだいたいどこに打つっていうのもみんなが把握してくれているので安心して投げられました。

ーーきょうは今季の対戦で２試合とも負けている東女体大との対戦でしたが

１番バッターと３番バッターがすごく打つイメージがあって、そこは抑えようっていう気持ちで臨みました。

ーーあしたの東京富士大との試合への意気込みをお願いします

（春季）リーグでは勝てたんですけど、やっぱりトーナメントで、準決勝ということもあるので勝てるように頑張ります。

宮川眞子（スポ３＝福島・帝京安積）

ーーきょうの１試合目の振り返りをお願いします

トーナメント制だったので、落としてはいけない試合の先発を任されて、私の中でも気持ちを引き締めていった面もありました。味方がいっぱい打ってくれて守ってくれて、バックに助けられました。

ーーきょうの投球内容、ご自身で点をつけるとしたら何点ぐらいでしょうか

きょうのピッチングは結構、自分の中でも良かったかなっていう風に捉えてて、何点だろ、６０点ぐらいかな（笑）。

ーー６回には２死一、三塁とピンチの場面もありました

とりあえず自分のペースだけは乱さないようにしようっていうのと、このバッターにどうすれば内野が捕りやすい打球を打たせられるかっていうのを考えて、逃げずに前に攻める気持ちで思いきり投げました。

ーー相手は社会人チームということで、何か意識したことはありますか

そうですね、パワーとかはやっぱり。このチームとは試合をしたことがなくて、情報が何も無かったので、一巡目の時点でこのバッターはどういうバッターなのかというのを自分の頭の中に入れて、なるべく緩急や横の変化だとか、あまり一定のボールは投げないようにというのは意識しました。

ーー最後に、あすの東京富士大との試合への意気込みをお願いします

良い流れできているので、このまま優勝に向かってチーム一丸となって頑張っていきたいと思います。