難敵・国士舘大に完敗を喫す

男子ソフトボール
東日本大学選手権
早大
国士館大 3×
投手…●稲垣-尾松 ◇(二塁打)荒川、尾松 ◇(三塁打)なし ◇(本塁打)なし

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 夏の激しい日差しが照りつける中、早大は東日本大学選手権(東日本インカレ)準決勝・国士舘大戦に臨んだ。3試合連続の先発登板となった稲垣拓朗(スポ2=群馬・新島学園)は初回、適時二塁打で先制を許すと、3回と6回にも3点ずつ追加点を奪われる。打線は相手先発を攻略できず、わずか2安打に封じられ、0-7でコールド負けを喫した。

 今回の相手・国士舘大は5月の全日本総合選手権大会(全総)東京都予選会でこそ勝利したものの、昨秋のこのチームの発足以降、公式戦では2勝2敗という結果になっている難敵である。「結構攻略されていて僕も得意な相手ではない」と稲垣は前日の試合後に語ったが、その国士舘大打線が稲垣に襲いかかる。初回、1死から安打で出塁を許すと、4番・大城賢輝(4年)に右中間を割る適時二塁打を浴び、先制を許す。2回は連打で無死一、二塁のピンチを招くも、三者連続三振で脱し、稲垣は立ち直ったかのように思われた。しかし、3回、四球と安打、重盗で2死二、三塁のピンチで6番・赤嶺吏玖(4年)に中越えの適時三塁打を打たれると、続く安池陸(2年)にも左前に弾き返されこの回3点を失った。

力投する稲垣

 前日は2試合で16得点を挙げた打線だったが、この日は快音が聞こえず。相手先発・大坪優也(2年)の緩急自在の投球に翻弄され、4回の荒川健祐(スポ3=神奈川・柏陽)、6回の尾松大輝主将(政経4=大阪・清風南海)の二塁打の散発2安打に封じ込まれた。「全くもってやりたい攻撃ができなかった」と尾松が振り返ったように、三塁を踏ませない完璧な投球を許す結果となった。

6回、二塁打を放つ尾松

 4、5回は無失点に抑えた稲垣だったが、6回に制球力の高い稲垣には珍しい連続四死球で無死一、二塁のピンチを迎える。内野安打で満塁とすると、大城の犠飛で追加点を許す。続く打者を打ち取り2死までこぎ着けるが、赤嶺にこの日2本目の適時打を浴び、万事休す。規定の7点差となり、尾松組の公式戦で初となるコールド負けを喫し、ベスト4で東日本インカレを終えた。

 投打の柱・佐藤慶弥(スポ3=静岡・飛龍)、正捕手・白石健祐(スポ4=東京・小平)という2人の主力を欠くこととなった中での戦いとなった今回の東日本インカレ。真夏日の晴天の下、2日間で3試合を戦う過酷な日程の中、3試合目で実力校相手に力尽きたという形となった。しかし、早大が目指す全日本大学選手権(インカレ)優勝を果たすには3日間で5試合というさらに過酷な日程を戦い抜く必要がある。様々な課題を突き付けられた今回の東日本インカレを糧に、さらなる鍛錬を積み、2か月後に迫ったインカレでは大輪の花を咲かせてくれることに期待したい。

(記事 星野有哉、写真 是津直子、藤田珠江)

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コメント

尾松大輝主将(政経4=大阪・清風南海)

――今年公式戦で1勝1敗の国士館大相手でしたが意識したところはありますか

やはり「国士舘に勝つ」というところはかなり意識していました。特に、毎度苦戦する相手ということで、国士舘に勝ち切るというのがひとつ、チームのキーポイントだったので、東日本の第一の山場かなと考えていました。

――稲垣投手は3試合連続の先発でしたが疲れを感じる部分はありましたか

試合序盤は特に感じませんでしたが、中盤、終盤辺りにはドロップボールが抜けてしまったりと、疲れが出てきたのかなと思います。ただ、足場が悪そうだったので、そこで疲労がたまりやすかったのかもしれません。

――チームの攻撃を振り返っていかがですか

全くもってやりたい攻撃が出来なかったです。例えば、初回、二者続けて犠打を試みてアウトになりました。この状態から抜けるのには、強打で出塁する必要がありましたが、それが出来ずに結果2安打完封になってしまいました。まだまだ、戦術以前の地力が足りないのだと痛感しました。

――国士館大戦をどのように評価しますか

課題が全て出た試合になったと思います。攻撃では、秋からの課題である振る力、守備では、稲垣の力任せになりがちな投球、この辺りの課題がはっきりと出た試合になったと思います。また、先制された時の、攻守での踏ん張りができなかった弱さも出てしまいました。

――今回の東日本インカレベスト4という結果をどのように評価しますか

インカレ前の前哨戦としては、物足りないというのが正直なところです。まず、インカレが3日で5試合という体力勝負の側面もある中で、東日本インカレでは2日間で4試合するというのが最低限出すべき結果だったと思います。また、インカレ前に公式戦で日体大と勝負をしてインカレ優勝までの形を作り上げていくという目標に対しても達成出来ず、やりたいことが出来なかった大会でした。その点では、何段階もギアをあげて成長していく必要があると示すような結果だと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

まず、急遽、白石の欠場を受けて捕手に入りましたが、先発捕手に相応しくないキャッチング、スローイング、配球の組み立てになってしまったと思います。最低限捕逸だけは無くそうと考えていましたが、各試合捕球ミスをしたので、準備不足だったのかもしれません。また、打撃については、精度の低さがはっきり出たと思います。やろうとしてることは間違っていないのですが、結果が出ていない。その点で、プレーの方向性をもっと練度高く作り上げて、綿密に練習メニューを組んでいかなければならないと思います。

――インカレに向けて取り組みたいこと は何ですか

チームとしては、国士舘大学にリベンジできるような、地力の底上げに再度取り組みたいと思います。戦術の練習をする必要もありますが、インカレで勝つためには、地力を高めて一気にレベルアップするべきだと考えています。個人としては、プレースタイルから実際のケースにおけるプレーに至るまでもっと解像度高くイメージしていく必要があると思います。より精度を高めてプレー出来るようにします。

――インカレに向けての意気込みをお願いします

今回の敗戦が、収穫のあった試合だと振り返ることが出来るよう、残りの2ヶ月間走り抜けます。インカレでは、全試合コールド勝ちを収められるように着実に、より高速に成長していきます。残り短い期間となりましたが、尾松組が成功に終われるように練習していきますので、皆さまご声援のほどよろしくお願いいたします。

荒川健祐(スポ3=神奈川・柏陽)

――初めての東日本インカレだったと思いますがいかがでしたか

課題と収穫が両方出た大会だと思います。個人的には課題が多く出て、これからインカレまでしっかりその課題を潰していけるようにしたいと思います。

――今大会は中堅手での出場でしたがいかがでしたか

練習試合でも守っていたので、特に不安はなかったです。周りも見ながら、しっかり指示も出せたのでそこはよかったところだと思います。

――前回の対戦では本塁打を放つ活躍を見せた国士館大相手でしたが、意識はしましたか

意識はしました。自分が打たないといけないと思っていましたが、そう思っていたところで6回のチャンスで凡退してしまい、あそこで流れがまた国士舘に行ってしまったので、本当に申し訳ないと思っています。

――チーム初ヒットを放ちましたが、打撃の調子はいかがでしたか

正直そこまで良くないです。安打はある程度出ているのですが、自分の中でしっくりこないというか、納得する打席が少ないです。

――インカレに向けて取り組みたいことは何ですか

打撃の内容をもっと良くしていくことです。打席内でのオプションがまだまだ少ないので、今までの強打のスタイルは残しつつ、もっと小技や打撃の仕方を工夫していきたいと考えています。

――インカレに向けての意気込みをお願いします

あとインカレまで2ヶ月弱というところで、残りの期間は少ないですが、やれることはまだまだあると思います。残りの期間、やれることをやり切って、必ず日本一になりたいと思います。