【連載】2021年度インカレ直前対談『大成』第6回 増田侑希×石原伶奈×Chiu Yuet Ting

男子ソフトボール

 インカレ直前対談最後の登場となるのは女子ソフトボール部4年生の増田侑希(スポ4=香川・高松南)、石原伶奈(創造4=東京・富士見)、Chiu Yuet Ting(スポ4=香港・St. Paul’s Convent School)の3人だ。最後の全国の舞台となる全国大学選手権(インカレ)への意気込みを伺った。

※この取材は8月20日に行われたものです。

課題が見えた(Chiu)

東京都大学連盟春季リーグ戦を振り返るChiu

――初めに東京都大学連盟春季リーグ戦(春季リーグ戦)を振り返るといかがでしたか。

増田 チームとしては、リーグ戦前はコロナ禍で練習が満足にできず、不安に思っていたのですが、チーム一丸となって戦えたと思います。チームとして成長できた大会でした。

Chiu 課題があらためて見えた大会だったと思います。打力が足りず、思わず負けもあった大会だったので、秋リーグでは攻撃の方も成長していけたらいいなと思います。個人としては、みんなと同じく試合に出たいと思う気持ちはあったのですが1打席も立てずに悔しいというのが正直な気持ちです。なんとも言えない複雑な気持ちを抱えていました。

石原 Chiuと同様に最後のリーグを1打席も立てなかったので悔しかったです。インカレの出場権がかかった大会の中で、チーム全体に緊張感がありました。結果として見れば、良かったのですが…

Chiu 結果が良かったから満足して欲しくないよね(笑)

増田 ひやひやどきどきって感じだったね(笑)

――チームの雰囲気はいかがですか

増田 上が3人しかいないというのがあって、下から盛り上げてくれるチームになっていると思います。いいチームなんじゃないかなと思います

Chiu 良い面から言うと…

増田  良い面だけでいいよ(笑)

Chiu 打線も元気のあるチームで、大会の結果も上手くいかない部分もありますが、前よりも打線はいいと思います。それぞれ自分の特徴があってそれぞれが考えているところが成長に繋がるのではないかと思います。ただ、チームとして良い面と悪い面がはっきりとしていないのが良くないのではないかと思います

石原  私たちの頃は、先輩は強豪校出身の方ばかりだったので練習も実戦が多かったりして、私みたいな強豪校出身じゃない人は練習に入れないということが多かったです。でも今は大学から初めた初心者も2人いて、チーム全体として全員で練習出来ていると思います。初心者もまとまって一丸となって練習が出来ているチームだと思います。

――コロナ禍で大変な中、どのようにチームをまとめたのでしょうか

増田 こまめなみんなと接触するところでマスクを着けるように指示したり、水分をしっかり取れるように指示したり健康面について気を付けていました。精神面では、個人的に心配だった子に大丈夫か個人個人で話して状況を把握していました。

Chiu 去年は練習が3ヶ月くらい出来ない中で、オンラインで出来ることをしていました。久しぶりに練習に帰ってきて、いつも以上に元気を出して練習に取り組むことを意識していました。周りもそれを見て、勢いが出たと思います。

石原 コロナ禍で行事が無くなってしまうことが多かったので、まずはコミュニケーションを大切に考えていました。面談だったり、紙に皆のいい所を書いてもらったり、アンケートも多く実施して皆の意見を多く集めることを多く実施しました。コロナ禍で無くなった行事を途絶えさせないようにしたいと思っています。

――増田さんにお聞きします、投手陣の状態はいかがでしょうか

増田  投手一人一人でタイプが違い、調整方法も人それぞれなので各自に任せているのですが、全体として見ればいい状態になっていると思います。

――打撃が課題と言われていますが、その調子はいかがでしょうか

Chiu 小技の練習をしているのですが、それを活かせていない部分が多いと思います。大会の雰囲気に持っていかれずに、一つ一つプレーを考えることが大切だと思います。また、打率がとても低く、2割を超えていないので、自分のスイングをどのように活かすのかを皆に考えて欲しいです。インスタとかYouTubeとか様々なリソースがあるので、それで自分で研究して課題を克服出来ればいいなと思います

――1年生の雰囲気はどうでしょうか

石原 新入生は、練習後とかにも5人で自主練したり、とても仲良い様子が見て分かります。強豪校出身の人と、初心者の人とごちゃ混ぜでいるので、教え合ったりして互いに高め合っていけるような子たちだと思います

Chiu みんな可愛いよね(笑)

――日本代表が、女子ソフトにおいてオリンピックで金メダルを獲得しましたが、モチベーションにつながったのでしょうか

増田 日本が優勝したのもあって、こんなにすごい人たちのいる日本でプレーさせていることを改めて実感して、頑張らなきゃと思いました(笑)試合見てると、自分も早くやりたいなと思ってうずうずしていました

Chiu 日本出身じゃないのですけど、競技人口が多く、上で活躍出来る人が少ないので競争が激しいと思います。地元が香港で、オリンピックの予選で負けてしまい出場が出来なかったです。部活でもソフトボールがあまりなく、指導者も少ないのでそれがなかなか強くなれない理由だと思います。国の間と交流が出来ればもっといいなと思います。

石原 オリンピックを見て、ソフトボールという競技がやっぱり好きだなと思いました。社会人になったらソフトボールをこの頻度でできることはなくなると思うのですが、社会人になってもソフトボールをやりたいなと思いました。ソフトボールは人生のような競技だと思っていて、負けていたとしても次の回で逆転できたり、挽回できる点で人生のようなものだと思います。

Chiu 好きなのに理由は要らないよね(笑)

3人全員がかけがえのない存在

それぞれへの思いを語る3人

――次にみなさんの趣味や最近はまっていることを教えてください

増田 漫画が好きで、ドクターストーンを最近読んでいて、科学とか得意では無いのですが面白いなと思って読んでいます。

Chiu 音楽を聴くことが好きで特にR&Bとクラッシックにハマっています。

増田 歌うのも好きだよね(笑)

Chiu そうだね(笑)わかるものはいつも大声で歌っています(笑)

石原 私はモーニングに行って、課題とかやることで朝から頑張ろうって言う気持ちになることがマイブームです。

増田 初めて聞いたんだけど(笑)

Chiu カフェとか好きなのは知ってたけどね(笑)

――次にお互いの印象についてお伺いします、まずは増田さんについてお願いします

Chiu 3個下と思えないような、超強気で、いい意味で自分のことが大好きだと思います。色んなことがあっても乗り越えて成長できる人で、目上の人にも自分の意見を言えるのがいいと思います。

増田 恥ずかしくなってきたんだけど(笑)

石原  第一印象で言うと、私は恐れ多いなと思っていて、同期の中で唯一U-19に選ばれていて、こんな人と私が話していいのかなと思ったりしました。

増田 そんな?(笑)

石原 そんな人とも仲良くなれるこの環境に感謝していました。キャプテンとしては、あまり自分の思っているとこを言わず、みんなのために背中を見せるというか、プレーで見せる人だと思います。

――次にChiuさんについてお願いします

増田 最初私はひとりで、留学生が来ると聞いてどんな子が来るか楽しみにしていました(笑)第一印象はすごく元気で、年上だと思えないくらい、行動一つ一つがすごい元気で明るくていい人だなと思いました。色んなことを考えていて、話している中でそういう見方もあるんだと勉強になるような場面も多く、いい同期だなと思います。

石原 第一印象は覚えていないですが、Chiuと1番練習したと思います。ソフトに対する考え方だったり、物事の見方が凄くて、日本の大学に学びに来ているんだと改めて実感させられた人です。

――最後に石原さんについてお願いします

増田 石原は、最初すごい大人しい印象で、心配なってしまうくらい大人しかったのですが、今は元気で明るくていいなと思います。主務も同時にやっていて、マネージメント面もいろいろ気を使ってくれたり、すごい優しい子だなという印象です。

石原 恥ずかしいこれ(笑)

Chiu 一言で言うと強いです。

石原 強い?(笑)

Chiu  いつもキャッチボールだったりティーバッティングだったり組んで練習してたのですが、すごい成長を実感出来て、自分まで嬉しくなってしまいます。自分と同じようにスタメンではないので、結果を出せる場面がないのがないというのが自分にも石原にも悔しい場面はあるのですが、それでもしっかり努力を続けるのがいいなと思います。部のことをしっかり考えてくれていて尊敬できると思います。

――同期に言葉をかけるとしたら何を言いたいですか

増田 今までは同期と一緒に試合に出ることが多かったのですが、大学ではなかなか2人が試合に出れないというのがあって、それでも練習を一生懸命やっている姿を見て負けてられないなと影響を受けました。2人がいたからこそ私はここまでやってこれたと思うし、頑張れたと思います。

石原  この3人はどの人が抜けてもダメだったなと思っていて、3人なのにすごい個性が濃くて、考えもそれぞれ違い、一人一人の比重が大きい分、かけがえのない存在だと思います。

Chiu みんなそれぞれ異なる意見を持っているのですが、全員がその意見を強く言えることが凄いなと思います。社会人になっても今のように芯を持って恐れずに頑張って欲しいと思います。

ひとつひとつ目の前の試合を(増田)

インカレへの意気込みを語る増田

――インカレに向けて打撃面をどのように練習してきたのでしょうか

石原  いつもより基礎練習を多くして、自粛期間で動けなかった部分をカバーしようとしていました。

――インカレでのキーマンとなる選手を教えてください

増田 高じゃないかな。

Chiu 高だね。

増田 打撃が、チームの中でも飛び抜けて打っている印象があって出塁率も打率もリーグの中で1番高いので、打撃が課題のチームとしては1番キーマンになっていると思います。

――インカレでの意気込みを一言で教えてください

増田 私は一戦必勝を書きました。優勝という上ばかり見ては勝てないので、一つ一つ目の前の試合を勝っていきたいです。

Chiu Have faith! Before life’s tent is furled Your recompense shall comeという言葉で、Hungering Heartsという歌の歌詞です。インカレの道は険しいと思いますが、いいことがあると信じて希望を持ってやって行きたいです。

石原  雨奇晴好という言葉にしました。LINEの一言もこれで(笑)。雨があっても絶対晴れるという意味で、嫌なことがあっても絶対にいいことがあるということを指します。劣勢であっても挽回できるという意味があるのでこの言葉を胸に試合に臨みたいです。

――ありがとうございました! 

(取材・編集 阿部優歩 写真 新井万里奈)

笑顔が素敵な頼れる4年生でした! 

◆増田侑希(ますだ・ゆうき)(※写真左)

1999(平11)年6月29日生まれ。香川・高松南高出身。スポーツ科学部4年。投手。インカレで主将を務める早稲田の絶対的エース。一戦必勝を掲げ、目の前の試合に集中し、常に全力投球でインカレでもその実力が発揮される。

◆石原伶奈(いしはら・れな)(※写真右)

1999(平11)年4月22日生まれ。東京・富士見高出身。創造理工学部4年。外野手。常に周りに気を配る頼れる4年生。最後まで試合をあきらめない熱い心を持ち合わせ、ソフトボールを人生とし、その愛は誰にも負けない。

◆Chiu Yuet Ting(チュウ・ユッティン)(※写真中央)

1996(平8)年10月13日生まれ。香港・St. Paul’s Convent School出身。スポーツ科学部4年。内野手。常に明るく、チームを鼓舞するムードメーカー。ソフトボールに対する考えの深さで、チームを引っ張る。