悔しい準々決勝敗退 打撃不振で得点ならず

男子ソフトボール
関東大学選手権
早大
国際武道大
○稲垣-白石
◇(二塁打)なし ◇(三塁打)なし ◇(本塁打)なし
関東大学選手権
早大
国士舘大 ×
○佐藤、稲垣-白石
◇(二塁打)なし◇(三塁打)なし◇(本塁打)なし

 23日に関東大学選手権(関カレ)が開幕した。昨年は新型コロナウイルス流行の影響で中止となり、2年ぶりの開催となった今大会。一昨年は優勝(雨天による決勝中止で2校同時優勝)、その前年も準優勝と、早大が結果を残している大会だ。抽選の結果、2回戦からの出場となった早大は、1回戦を勝ち進んだ国際武道大と対戦。打撃陣が苦戦するも、先発・稲垣拓朗(スポ1=群馬・新島学園)の完璧な投球で2-0の完封勝利を収めた。しかし続く3回戦では、その稲垣の被弾もあり、2-5で国士舘大に敗退。ベスト8で終える悔しい結果となった。

 初戦の国際武道大戦では先発・稲垣が圧巻の投球で試合をつくる。初回を3人で抑えると、その後も危なげない投球で、相手打線に付け入る隙を与えない。「自分の持ち味であるライズボールをうまく生かした投球」(稲垣)で三振の山を築き、終わってみれば7回被安打3、13奪三振と文句のない投球で相手打線を封じ込めた。一方の打線は、稲垣を援護したいところだが、なかなか得点することができない。「まだまだチャンスメークもできず、作ったチャンスもすべて返すことはできなかった」(尾松大輝主将、政経3=大阪・清風南海)というよう、打線がつながらずチグハグな攻撃に終始する。3回には2死二塁、三塁のチャンスに、4番・岡本元喜(商3=早稲田渋谷シンガポール)が左安打を放ち2点を挙げるも、その後は得点することができず、この2点しか奪うことができなかった。結果2-0で勝利を収めるも、打撃内容に不安を残したまま3回戦に駒を進めた。

 3回戦の相手は、先週行われた東京都大学連盟秋季リーグ戦で対戦し、2-0で勝利を収めていた国士舘大。試合は両先発の粘りの投球で、5回まで1-1と均衡した展開を見せる。試合が動いたのは6回表。先頭の5番・齋藤向陽(社1=群馬・新島学園)が右前安打で出塁すると、6番・中内俊太郎(スポ1=東京・筑波大付)の四球などで満塁のチャンスをつくり、押し出しで1点を勝ち越し。さらに相手の失策も絡み2点を勝ち越すことに成功する。このまま逃げ切りたい早大は、6回裏から稲垣を投入。順調に二者を打ち取るが、7番佐藤麻揮に中前安打を放たれると、続く8番・上地琉太は遊撃手の失策により出塁。一気に2死一、三塁のピンチを迎える。そうして迎えた9番・安池陸には甘く入った初球を左中間に運ばれ、これが逆転3ランに。さらに1番・井関綾人にも二者連続の本塁打を放たれ、この回で一挙4点を奪われる。「2試合目で疲れが出ていて、それによって自分の持ち味が出せなかった」(稲垣)というよう、本来の投球ができずに、一瞬にして逆転を許してしまった稲垣。打撃陣も7回表には得点することができず、早大は3-5で敗退。準々決勝で姿を消すこととなった。

 ベスト8に終わった今大会を「一人一人に実力が足りないというところと、我々3年生がチームをまとめ切れていないというところの未熟さが出た大会」と振り返った尾松主将。個人としてもチームとしても山積する課題を、ここからどう克服していくか。特に「どういう形で打席に臨んで、結果を出していくのかというビジョンが見えていない」(尾松)と不振に悩む打撃陣の立て直しは早急に求められるだろう。そうして投手力だけでなく打撃力も兼ね備えた早稲田を見せることができるだろうか。今後のチームの活躍に期待したい。

(記事 玉置理沙子)

尾松大輝主将(政経3=大阪・清風南海)

――関カレは3回戦敗退となりましたが、率直なお気持ちはいかがでしょうか

そうですね。まずはチームとして一人ひとりに実力が足りないというところと、我々3年生がチームをまとめ切れていないというところの未熟さが出た大会だと思いました。

――雰囲気は良くなっているとお聞きしていましたが

雰囲気はだいぶ良くなってきたんですが、どういう試合展開にしていくのかであったり、チームとしてどういう作戦で行くのかというのを明確にできていなかった部分がありました。盛り上がりという面では良くなってきたんですが、そこからもう一つ踏み込んで、勝つためにどうしていくのかというとこを明確にできていないというのが課題として挙がってきました。

――1試合目の国際武道大戦を振り返られると

まずはピッチャーが良く投げてくれたなというのが率直な感想ですね。稲垣が三安打完封してくれたので、勝てるというのはわかっていました。ですが、一方で打撃陣がまだまだチャンスメークもできず、作ったチャンスも全て返すことはできなかったので、その辺の課題がはっきりしたなと思います。

――2試合目の国士舘大戦は、先週も戦われた相手でしたが

先週の試合はピッチャーが0に抑えてくれたので、守り勝てたんですが、先週も今週も打てていないという感じですね。そのうえで今回はピッチャーも打たれてしまったので、負けてしまったと感じています。

――相手投手に対して対応しきれてないのでしょうか

早稲田の選手一人一人が、どういう形で打席に臨んで、結果を出してくのかというビジョンが見えてないという状況で、国士舘だけでなくそのレベル全般の投手に対応できていないと思います。

――今日は投手も打たれてしまいましたが、その原因というのはどう考えていますが

全体的に相手が強襲してきたなかで、甘い球を投げてしまったというところですかね。配球的に問題があるのか、ピッチャー陣に決めきる場面で決める球がなかったのかなという風に感じています。

――尾松選手自身の打撃の調子はいかかでしょうか

前回のインタビュー(10月10日)でも悪いと話したと思うんですが、今回もまだ悪いですね。どういうバッティングをしていくのかというビジョンが僕自身も見えていないなというところですね。

――これからの課題と意気込みをお願いします。

今回もこれまで通りピッチャーに頼りきりの試合展開をしていたので、打撃陣がどれだけ伸びていけるか、コールドゲームの持ち込める打力をもって試合に臨めるかというところと、ピッチャー陣が打撃不振のチームをそれだけ支えられるかというところが成長してくると、また一風変わった早稲田になるのかなと思います。

岡本元喜(商3=早稲田渋谷シンガポール)

――2回戦の国際武道大学戦で4番先制タイムリーを放たれましたが前のバッターたちが二、三塁というチャンスを作ってくれて、2アウトだったので、ここで打たないとせっかくのチャンスを無駄にしてしまうし、ここで打たなければ4番にいる意味もないと思っていました。せっかく試合で使っているのにも関わらず結果を残せないというのは、悔しいことですが、今回はそこで打てて自信にもなりましたし、単純にうれしかったです。

――2試合目にも安打が出ていて、先週のリーグ戦でも安打を放たれていますが、最近の調子はいかがでしょうか

正直最近良いとは感じていないです。でもやりたいことを自分の中で明確にして、それをただ実践するというような考え方にして、ある程度やりたいことをやれるようになってきていると思います。ただそれがまだ完全に実ってはないので、上り調子中という感じです。

――具体的にはどのようなことでしょうか

主にバッティングで、低めの球を振らないということと、甘い球をしっかり振りきるということです。この2点ですね。

――チームとしては
リーグ戦で勝っていて、いざ関カレで当たって、ちゃんと負けたという点で凄い悔しいですね。チャンスは何度か作れていたんですが、あと一本が出なかったり、逆に相手が一本出せたという感じですね。

稲垣拓朗(スポ1=群馬・新島学園)

――1回戦の国際武道大戦は完封して勝利しましたが、振り返るといかがでしょうか

自分の持ち味であるライズボールをうまく生かした投球ができて、よかったなと思います。

――2試合目は5回から登板されましたが、振り返るといかがでしょうか

2試合目で疲れが出ていて、それによって自分の持ち味が出せなくて、それがスリーランやソロホームランにつながったのかなと思います。

――体力面での課題があったのでしょうか

そうですね。あとは集中力もですかね。

――新体制になってからしばらく経ちましたが、ここまでを振り返るといかがでしょうか

自分が周りに流されて、自分がやるべきことをできていないなと思います。周りのあまり乗っていかない雰囲気とかに飲まれてしまっているのが良くない点だなと思います。

――それはチームの雰囲気ということでしょうか

そうですね。チームの雰囲気が乗っていかない中で、そこに乗っかってしまったという感じですね。僕は僕でやることをやればよかったんですが、それができていなかったなと思います。

――来週末には雨で順延した桜美林戦がありますが、そこに向けて意気込みを教えてください

そうですね。あまりまだ整理ができていないんですが、自分のやることをやるというのを徹底できればいいかなと思います。