2年ぶりにインカレが開幕 打線爆発でコールド発進!

男子ソフトボール
全日本大学選手権
早大       16
神戸大 0×      
投手…〇佐藤、稲垣-澤 ◇(三塁打)西村 ◇(本塁打)澤2ラン(1回)、安孫子ソロ(1回)

 2年ぶりの開催となった全日本大学選手権(インカレ)。今大会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、無観客で行われることとなった。日本一を目指す早大は、初回から猛攻を見せる。澤優輝主将(スポ4=東京・国学院久我山)と安孫子徹(スポ3=東京・昭和)の本塁打などで5点を先制する。2回にも3点を追加すると、4回にはこれまで試合経験が少なかった下級生が躍動。川﨑晴(スポ2=東京・早稲田)や小出拓実(人1=東京・杉並)に適時打が飛び出し、一挙8点を挙げた。投手陣も、相手打線を2安打に封じる完封リレー。投打がかみ合い、4回コールド16―0で初戦突破を果たした。

 序盤から相手を圧倒する見事な攻撃であった。打線は初回、1番・畠山陸(スポ1=高知西)が四球を選ぶと、盗塁と進塁打で三塁へ進塁。すると、3番・白石健祐(スポ3=東京・小平)が、左前に適時打を放ち1点を先制する。続く打席には、4番の澤を迎える。「インカレの1打席目をすごい大切にしょうと思っていた」という澤が放った打球は、打った瞬間にそれと分かる2ラン本塁打となった。その後も、6番・安孫子に右翼へのランニング本塁打が飛び出すなど、この回さらに2点を追加。2回にも敵失に乗じるかたちで3点を追加して、試合の行方を決定づけた。

昨年の東京都大学連盟秋季リーグ戦で本塁打を放つ澤主将

 4回には、試合経験の少ない下級生たちがビックイニングを呼び込む。その口火を切ったのは、荒川健祐(スポ2=神奈川・柏陽)。無死一塁の場面で、追い込まれながらも中前に打球を運び、チャンスを広げる。「チームのみんなが喜んでくれた」(荒川)と、一塁上でガッツポーズを見せた。その後、1死一、二塁の場面で、川﨑が中前に2点適時打を放ち、2点を加えると、上級生たちも続きさらに4点を追加する。そして、猛攻を締めくくったのは、1年生の小出。「初球から甘かったら振っていくのが1年生らしいバッティング」(小出)。初球を振り抜くと中前への2点適時打に。うれしい大学初安打となった。この日の早大は、強打だけではなく、磨き上げてきたバントや相手の隙を逃さない走塁、そして控え選手の活躍も合わさった、理想的な攻撃を展開した。

 一方の投手陣も、安定した投球を披露した。「自分の得意球をど真ん中に思い切り投げてきていい」という澤の言葉通り、先発の佐藤慶弥(スポ2=静岡・飛龍)、4回から救援した稲垣拓朗(スポ1=群馬・新島学園)は、共にストライク先行の投球で、相手を圧倒。特に稲垣は、三者連続三振を奪い、相手に付け入る隙を与えなかった。

 ベンチ入りメンバー全員が出場したことも踏まえると、大事なインカレの初戦としては、文句の付けようがない試合になった。迎える明日は、一日に2試合が待ち構える山場。特に準々決勝で対戦が予想される福岡大は、多くの選手たちが警戒する相手に挙げていたチームだ。7年ぶりの優勝に向けて、主将の澤は「目の前の敵に勝って最終日につなげなければいけない」と気を引き締める。一戦必勝で目の前の敵を打ち破り、栄光をつかみ取れるか。早大の日本一への挑戦は、まだ始まったばかりだ。

(記事 杉﨑智哉、写真 小山亜美)

コメント

澤優輝主将(人4=東京・国学院久我山)

――今日の試合を振り返るといかがでしたか

去年(の全日本大学選抜選手権で)1回戦負けしてから、初戦をすごく大切に考えていた中で、全員の選手が試合に出られて、なおかつコールド勝ちできたことが、一番の収穫かなと思います。

――先ほどもお話がありましたが、全選手が試合に出たことをどのように捉えていますか

スタメンで出ている選手が1打席目で結果を出して、1、2回で大量得点できれば、控えの選手に出番を与えられるということで、スタメンの選手が(個人の)結果だけでなく、そういうところまでこだわれたのは、よかったです。

――全選手を試合に出すことは、試合前の目標のようなものになっていたのでしょうか

そうではないです。控え選手まで出してあげられる試合展開は理想的なものですが、そこまでは追い求めずに、自分たちのやることをやって点数を稼いでいけば、そういう展開に自然となっていくものだと思うので、あまり意識はしていませんでした。

――ご自身の打撃を振り返るといかがですか

インカレの1打席目をすごい大切にしょうと思って、この大会を戦う上でも忘れられない打席になると思っていました。それくらい気合い入れて臨んだ結果が、ホームランになったので、自分では満足しています。

――打った球は低めの難しい球だったと思うのですが

自分的には、球のスピードを考えるとそこまで厳しい球ではないと思っていました。来たボールを、自分のポイントで芯で打てれば必ず打てるという自信はあったので、それができたのかなと思います。

――投手陣の出来をどのように感じていますか

二人共(佐藤慶弥、スポ2=静岡・飛龍と稲垣拓朗、スポ1=群馬・新島学園)持っているものはすごくよくて、相手を圧倒できる能力を持っているので、自分の得意球をど真ん中に思い切り投げてきていい、という話をしていました。結果的にストライク先行で投球できていたので、よく投げてくれたのかなと思います。

――明日の試合に向けての意気込みをお願いします

もちろん日本一を目標にしているのですが、目の前の敵に勝って最終日につなげなければいけません。目の前の敵である京都産業大学に集中して、今日のような相手を序盤で圧倒して、決め切るゲームができればなと思います。

荒川健祐(スポ2=神奈川・柏陽)

――今日の試合を振り返るといかがですか

チームとして初回から全力で5点以上取ろうという話をしていたので、それがまず実践できたのはよかったのではないかと思います。

――インカレということで、試合に向けての緊張は感じていましたか

それは特になかったです。自分はファーストコーチャーという役割があるので、それを全うしようと思っていました。その上で出番があれば、しっかり結果を残そうと思っていました。

――ご自身の打撃について伺います。安打を放たれた瞬間を振り返ると、いかがですか

代打で出させてもらって、結果が重要なことは自分でも分かっていたので、とてもうれしかったです。しっかりとセンターに良い打球が打てたのかなと感じています。

――安打を打った際のガッツポーズや、ホームインの際に大きな声を上げていたことが印象的でした。リアクションを大きくすることで、チームを盛り上げようと、意識しているのでしょうか

ガッツポーズはチームのみんなが喜んでくれたので、それに応えるかたちでガッツポーズしました。ホームインの時の声は正直意識していなくて、単純にホームインして点が入ってよかったということで、つい声が出てしまったかたちです。

――明日の試合に向けての意気込みをお願いします

チームとしては、次の京都産業大学さんとの試合に勝つことが重要だと思っているので、チーム全員で向かっていきたいなと思います。個人としては、一塁コーチャーとして役割を全うすること、そして代打として出番があれば結果を出すことを意識してやっていきたいと思います。

小出拓実(人1=東京・杉並)

――今日の試合を振り返るといかがですか

インカレの初戦だったので、1年生の自分が率先して声を出して、先輩たちが動きやすい環境をつくってあげようと思っていました。

――ご自身の打撃について伺います。初球を振っての適時打になりましたが、初球を振ることは決めていたのですか

代打を言われた時に、初球から甘かったら振っていくのが1年生らしいバッティングだと思ったので、初球からガンガン振ることは決めていました。

――今日の安打が大学初安打ですか

そうですね、まず試合に出たこともなかったので、驚きはあったのですが、うまく打つことができてよかったと思います。

――初の試合ということで緊張は感じていましたか

ベンチワークを円滑に進めようと思っていたので、試合に関する緊張はそもそもしていませんでした。ですが、急に代打を言われたので、そこで少し緊張をしました。

――話が少し前後しますが、安打を打った瞬間を振り返っていただけますか

甘いコースを振ることができて、打球も良い方向に飛んだので、率直によかったなと思います。

――これからの試合に向けての意気込みをお願いします

明日が一つの山場になっていて、京都産業大学と福岡大学に勝っていけるように、ベンチワークをしっかりとやって、先輩たちの環境を整えてあげられるような一日にしていきたいと思います。