格下相手に苦戦 打撃面で課題

男子ソフトボール

 この日、東京都大学連盟春季リーグ兼インカレ東京都一次予選会(春季リーグ)の3戦目が行われた。新型コロナ感染症の感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令により、リーグ戦は24日をもって中断、この日の試合も無観客での開催となった。相手は昨年まで在籍した主力が抜け、格下の相手と言える中大。3ー1で無事勝利を収めたものの、本来ならコールドで勝ちたい相手。打撃面で課題の残る試合となった。

 「全くダメでした」。そうチームの打撃に関して振り返った主将の澤優輝(人4=東京・国学院久我山)。この試合では、格下とも言える中大から3点しか奪うことができなかった早大打線。初めに好機を迎えたのは1回。先発・佐藤慶弥(スポ2=静岡・飛龍)がしっかりと3人で抑えた直後だった。先頭打者の安孫子徹(スポ3=東京・昭和)が四球を選ぶと、続く2番・尾松大輝(政経3=大阪・清風南海)も死球で連続出塁を果たす。その後相手投手・橋本新太の暴投により無死二、三塁 とチャンスはさらに広がるが、3番・白石健祐(スポ3=東京・小平)は投手ゴロに倒れると、続く4番・澤、5番・西村悠太郎(スポ4=福岡・筑紫丘)もそれぞれ三振と左飛に打ち取られ、クリーンアップで走者 を還すことができない 。結果この回は無得点に終わり、絶好のチャンスをものにすることはできなかった。澤は「この試合で一番の悪かったこと」と振り返った。

 その後2回、3回ともに3人で抑えられ、迎えた4回。橋本の制球が定まらず、先頭の白石が一球もバットを振ることなく四球を選ぶ。続く澤は中飛に打ち取られたものの、5番・西村の左中間への当たりが二塁打となり、一気に白石がホームイン。その後中堅手の失策でもう1点を追加し、この回で2点を奪うことに成功する。続く5回も先頭の竹村侑大(スポ4=埼玉・早大本庄)が死球で出塁し、さらに橋本の暴投で二塁に進塁。続く1番・安孫子は三振に倒れたものの、代打の駒谷理央(国教3=米・バッファローグローブ高)の中安打で1点を追加した。この2回の攻撃についても、「理想とする内野の間を強いゴロで抜くという攻撃ではなかった。この点の取り方に関しても不満が残る」と答えた澤。全体を通して自分たちのやりたい攻撃が思うようにできず、流れをつかめないように見えた試合だった。

 一方、守備の面では投手二人が安定した投球を見せた。先発は先週に引き続き佐藤。5回を投げ被安打4無四球1失点と上々の投球で中大打線をしっかり抑えた。1週間前の登板ではドロップに課題が残った佐藤だったが、「先週から今週にかけてより一層ドロップに磨きをかけてきた練習してきました。その中で今日の試合では、ドロップで打たせて内野ゴロを打たせてアウトを取るというテーマを持ちながら配球を決めたんですが、かなりドロップの落ちがよくなってきたことが結果にも表れてきたと思う 」(澤)というように、ドロップを有効に織り交ぜた投球で着実にアウトを重ねた。6、7回を投げた稲垣拓朗(スポ1=群馬・新島学園)も持ち味の三振を奪う投球で中大を圧倒し、きっちりと試合を締めた。

 宿敵・日体大との対戦で手ごたえをつかみ、順調なスタートを切った先週から一転。一蹴(いっしゅう)して当然の相手に、思わぬ苦戦を強いられた早大。日体大を倒し日本一をつかむためには、こんなところで足踏みしている場合ではない。春季リーグ戦が再開するまでに状態を戻したいところだ。

(記事 玉置理沙子)

コメント

澤優輝主将(人4=東京・国学院久我山)

――今日の試合を振り返ると

まず初回に関して、佐藤が3人でしっかり抑えた流れで、1回の裏、いきなり2人四死球で出たんですが、そこを3(番)、4(番)、5(番)で返すことができず0点でいってしまったことが、この試合で一番悪かった点かなと思います。その中でピッチャ―2人に関してはかなり良いピッチングをしてくれて、守備も白石が一つエラーをしただけで、いい守備ができていたので、守備に関しては非常に良かったです。ただ打撃に関しては全くダメでした。

――先発を務めた佐藤投手の調子はいかがでしたか

先週から今週にかけてより一層ドロップに磨きをかけて練習してきました。その中で今日の試合では、ドロップで内野ゴロを打たせてアウトを取るというテーマを持ちながら僕と佐藤慶弥の中で配球を決めて戦ったんですが、かなりドロップの落ちがよくなってきて、結果にもすごく表れてきたのかなと思います。

――今日の得点を振り返ると

理想とする内野の間を強いゴロで抜くという攻撃ではなかったので、この点の取り方に関しても不満の残るというか、不完全燃焼で終わってしまった点の取り方なのかなと思います。

――ご自身の打撃を振り返るといかがでしょうか

過去最悪の結果だったんではないかと思うぐらいひどい内容でした。 僕も原因は分かってないところも多いんですが、自分の体の感覚と実際に出てきているバットの軌道が全然一致していなくて、自分の中でもなかなか整理ができていないんですけど、さすがに不甲斐なさすぎますね。

――練習でもかみ合っていないのでしょうか

いや、比較的練習などではいい当たりも出ていたので、本当に何で今日こうなったのか、自分の中でも本当に理解できていない状況です。体の調子なのか、いろんな原因があると思うんですが、早急に解決しなければいけないと思います。

――明日からリーグ戦が中断されますが、その間で取り組んでいきたい課題はありますか

コーチの方からもご指摘いただいたんですが、ホームランを狙いすぎている大きな振りになってしまっているので、来たボールに対してそのコースに応じたコンパクトなバッティングというのをやっていかなければならないと思います。逆に試合がなくなった分、量という面では確保できると思うので、そこで自分の感覚を少しずつ取り戻していきたいです。ヒットの延長がホームランというぐらいの感覚で、練習に打ち込めれば治ってくるものなんではないかと思います。

――チームとしての課題は見つかりましたか

プレーに関してはやっぱりバッティングではないかなと思います。それに関しても強いゴロで内野の間を抜いてグラウンドで勝負するというのを大切にしているんですが、今日の試合に関してもそういったヒットがほとんどなくて、日体大に勝つにはこういった打撃をしようと掲げているのにも関わらず、試合になるとそれができていないので、そこがまだまだ課題としてあります。どうやったらそういう打球を打てるのかというところまで突き詰めていく必要が今後はあるのかなと思います。

――今季初対戦となった中大の印象は

去年良い選手がいたんですけど、その選手が抜けられて格下として見てしまっているところがあるので、自分たちのやりたいソフトボールができれば絶対に負けることはないと思ってますし、本来であれば4回コールドとか、コールドゲームにしなくてはいけない相手だと思うので、その点今のチームは足りないところ、未熟なところが多いと思いますし、不甲斐ないなと思います。

――では今日は反省点の多い試合だったんでしょうか

そうですね。もう最悪ですね。

――先週はいい滑り出しだったと思うんですが、ここまでのリーグ戦を振り返ると

そうですね、日体大と良い試合をできたのはすごく大きかったですけど、それとは別に、しっかり勝ち切らなくてはいけない相手にこうやって苦戦するというかたちになってしまったので、もう一度気を引き締め直して試合に向かっていくということをしなければいけないと思います。