【連載】インカレ直前特集『打破』第7回 織部雅之×杉本亮太×中畑友博

男子ソフトボール

 今回登場するのは、織部雅之(スポ4=宮崎南)、杉本亮太(教3=神奈川・柏陽)、中畑友博(スポ3=愛知・清林館)の三人。ここまでは、主に代打とDP(指名打者)での出場がメインとなっている。全日本大学選手権(インカレ)で三人に求められているのは、チームを勝利に導けるような一打を放つことのみ。インカレを前に、彼らがどのような心境でいるのか迫ってみた。

※この取材は8月27日に行われたものです。

「一本出せてたら」(織部)

東日本決勝で代打で登場した打席を印象に残ると挙げた織部選手

――秋のリーグ戦を振り返って

中畑 秋か、俺1打席しか立ってない。授業TAがあって、土曜日の試合と被っていけなかったです。日曜の試合が東大戦と国士舘大戦の2試合くらいしかなく、東大戦で1打席に立ったという感じです。

織部 秋リーグは結果4位で日体大や国士舘大、そして中大にボロボロにやられ、結果というよりもチームとしての記憶があります。去年のエースと正捕手が抜けてから、バッテリーにすごいチームとしての不安がある中だったので、いきなりうまくいくとは思ってなかったです。今まで勝っていた中大にボロボロにやられたので、自分からするとことしのチームは去年に比べて厳しい、戦力的に劣ってしまうのかなというのがありました。個人というよりはチームとしての不安が大きかったイメージがあります。

杉本 自分はあまり覚えてなくて、それも現状で負けた国士舘や中央に勝てるようになり、負けた結果が上書きされたのかなというのがあって、秋や冬の記憶はなく勝てるようになってからの記憶があります。

――それでは記憶が鮮明な春リーグを振り返ってもらえますか

織部 春リーグはチームとして勢いに乗っていたのかな。4年間自分がいた中で初めて、リーグ戦で全勝。結局その後のページで日体大に負けましたが、リーグで全部勝てたのは初めての経験だったので良かったなと思います。

杉本 リーグ戦はチームとしての状態も良かったし、投手陣の活躍が光ってました。秋に打ち込まれたという中で、春先に出てきて、冬を超えて頼もしいなと。守っていて守りやすく見てても安心できる投手陣になったなと。

中畑 全勝だったのですが、またTAがあって中大戦と東大戦の2試合しか出れなく。あとは早スポの記事を見たりして、勝ったんだと確認してました(笑)。チームなのにチームでない感じで、東大戦で始めてホームランを公式戦で打てたので、それは自分の中でいい方向だなとは感じました。

――代替わりしてからの、良かったプレーと悔いが残るプレーを挙げてもらえますか

織部 どっちかというと悔いが残るプレーとしては東日本の決勝の日体戦の時に、小山投手相手に代打で出て、結果として見逃し三振。一本出せてたらという思いがすごいあって。自分が三振したこともそうなんですが、その前に仕留めきれなかったことが一番悔いが残っています。最後の見逃し三振した球はどうあがいても打てない球だったので、その前に打てればなと。今のチームでも1球で甘い球を打っていくことは常に言っているのですが、そこの部分で集中力や1球で仕留める力があれば東日本の決勝も違った展開になったと思うので悔いはあります。

杉本 悔いは残ったプレーはそんなに。どちらかというと、忘れてしまうタイプなんで(笑)。印象に残るプレーは、ことしから小技、バントを初めて、(東日本の)日体大戦で初めて小山投手からバントを決めることができた。まぐれの部分も大きいのですが、そこは自信になったかな。そこが1番印象に残っています。

中畑悔いが残っているのは東日本の国士舘の2打席目に2アウトからチャンスで打席が回ってきたのですが、早いカウントから打ちにいって甘い球を打ち損じた。初回から点数を取ろうと言ってる中で凡退したのは悔いが残るプレーでした。インカレではそういうことがないように、きっちり仕留めることをしていきたいです。良かったのは東日本の1回戦になるんですが、(3回の打席で)結果を残せた部分です。

代打やDPでの出番

杉本選手は走塁からチームに流れを引き寄せてくれるだろう

――三人は代打やDPで出番がある中ですが、どのように集中力を高めて打席に入っていますか

織部 ここにいる三人は基本的に打つ専門。DP、代打での出番だと思うのですが、初回から相手が投げるボールのイメージを持ち、どういうボールだったのか、投手なのか、どのコースを攻めてきたのかを聞いて、あとは素振りしながらボールを打つイメージを常に持っています。いつ出てもいいように、初回からスタメンの人と同じように準備しています。どの球を打つかまで全てを意識して打席に入っています。

杉本 僕は代打で出される場面だと結構中盤のノーアウトかチャンスの時だったりするのですが、基本的にランナーを返そうとは考えてないです。打つよりはバントの方が次の人につなげる自信もあるので、打順にはよりますが自分がアウトにならないことを最優先にし、打席に入る前からバントをしようと決めて入ってます。

中畑 代打で出る時はスタメンで出る人が3打数1安打で褒められる世界だと思うので、1打席の機会で結果を出せる訳ないと逆に思って、思い切って来た球を振りにいけば抜ける時は抜けると思うので、「どうせ駄目だ」という気持ちで打席に入ってます。DPだと、例えば東日本は5番だったのですが3番の卓也(川上、スポ4=岡山・新見)さんが打線に入るまでは逆に準備をしないことを心掛けています。分かるとは思うのですが、行くぞと言われた時から集中をすると打席でガチガチになってしまうので。集中モードの時は集中し、そうでない時は皆と応援をしています。
打席が近づいたら切り替えるようにしないと自分は緊張してしまうので、オンとオフではないですが集中力を使い分けてます。

――ご自身の持ち味は

織部 うーん、何だろう。どう思う?

中畑 織部さんはホームランを打てるイメージがあります。

杉本 長打が打てる!

織部 長打…。あまり長打はイメージしてはいないかな。

中畑 右中間にライナーを打ったりとか。

織部 調子がいい時には右中間に打てるので、それが持ち味かもしれないですね(笑)。

杉本 自分はどちらかというと打つのは得意でなくて、走る方が得意なイメージなので、しっかり打つというよりかは塁に出て足をどのように生かすのかを考えているので、その結果としてバントをやることが多くなってるのかなと思います。

中畑 僕は追い込まれてからでもしぶとくヒットにできることかなと思います。

杉本 追い込まれてから強いというか、チャンスでも強いイメージ。

中畑 長打を狙ってるというか、力んでしまうと長打が打てなくなるので、三振をしないことは持ち味かなと思います。

――東日本を振り返ってもらえますか

織部 東日本は先程も言った決勝の日体大戦が鍵だったのかな、全てなのかなと。あの大会を通して代打で出ていたのですが、大会の中でヒットを打つなど調子自体は悪くないし、打てるイメージはあったのですが、ここぞという場面で打てないと意味がないと思うので、東日本では個人的な話となるとあそこの打席で打てなかったことが全てです。準優勝という結果も満足している訳ではないので、どちらかと言うと反省の多い大会でした。反省が多い分、インカレで改善するポイントが多く見つかったと言うことは、すごくいい大会でもあったので、個人的にもチーム的にも、インカレにつながる大会になったのかなと思います。

杉本 僕もずっとバントをやってきて小山投手を相手に決めれたことは良かったのですが、格下相手にも決めないと駄目なのですが、北大を相手にした時にバントでミスをしてしまったのは問題なのかなと思っています。バントの精度を磨いていかないといけないのと、普通のバッティングでいい当たりが出ていなかったので、そこを高めていかないとバントにも生きてこないかなと思っています。そこが課題でした。

中畑 自分は個人的には満足できたかなと思います。国際武道大戦は4打数1安打で3回くらいチャンスが回ってきたのに1回しか打てなくて、北大戦のようなランナーのいない場面で打って、逆にチャンスメーカーとなっていました。自分に求められてる役割はできていなかったかなというのはあって、実力不足は痛感しました。準決勝と決勝は死球の影響でほとんど出れなかったですが、決勝では小山投手を見ることができて、去年の関カレ(関東大学選手権)では3球三振をしたのですが、バットに当てれたりと進歩はしてるのかなと感じました。インカレまでに倒すべきライバルを見ることができたので、これを通過点にできればと思います。

――東日本で代打やDPで出番があった時に、監督からはどのような声を掛けられましたか

織部 僕の時はどの球を狙うのと聞かれて、それを答えるだけですね。言葉数は少ないですが、高杉さんの意図としては球を絞らせて、シンプルに強く内野の間を抜いて欲しい。その考えは感じられたので、その通りにできた部分もあったので、声掛けとしてはシンプルにそれだけですね。

杉本 僕は声はあまり掛けられてなくて。それも求められていることは分かっているつもりで、バントやゴロのヒットを打ち塁に出ろということなので、特に声掛けはないですね。日頃からチーム全体でバントやゴロで間を抜いてヒットを打てと言われてるので、特になくても…という感じです。

――中畑選手には特に声を掛けられてましたが

中畑 何回も(笑)。3打席の内で恐らく2回は。どんな球を狙うという話もあるのですが、大体ふざけてますね。例えば「5番じゃーん」と言われたりと、少しリラックスして打席に臨めました。自分は緊張する方なので、それを分かって声掛けをされてますね。

――日体大の小山投手の印象は

織部 いつ見ても速いなという印象はあります。関カレの時は一辺倒だったのですが、今回は抜いた球も多いし、ライズに加えてドロップも投げてました。向こうも考えてきてると思うので、打つべき球はより一層自分の中で絞らないといけないなと思いました。

杉本 今打席の印象を語ってくれましたが、打席に立つと怖いなと思いました。体がデカくて、すごい前にいるような感覚で、肩幅も広くていかついサングラスを付けているので、何がしたいんだろうなと。投手にサングラスが必要なのかなと思いますし、技術的なことは織部さんが言ってくれたので、そのような感じです。

中畑 亮太が言ってくれた様にサングラスいるのかなと。怖いと思いながら走りましたり。追い込まれたら低めのワンバンになるくらいの球でドロップを投げます。あの速さが見切れないと思いながら、追い込まれるまでが勝負かなと思います。

――杉本選手は以前、IPU戦の活躍をここまでのベストプレーと挙げられてましたが

杉本 関西遠征は冬を越えて最初の試合だったのですが、相手もレギュラーの力が高い中で1回で決められたので、印象に残った試合です。

――3人は去年からプレースタイルで変わった部分はありますか

杉本 僕は去年の4年生から好きなように打てと言われていました。長打とかでも期待されている場面はあったのですが、ことしはバントや早稲田っぽいことをやるなどチームの中ではプレイスタイルが変わった方です。

織部 去年から打つことの役割は変わらないので、昨年よりも長打をどうするのか。

中畑 バッティングフォームは変わったですが、プレイスタイルは変わらないです。少し長打を期待されることも増えたし、昨年よりはどうしたら長打が打てるかを考えて、大幅には皆変わってないです。

丼コーナー

中畑選手のエピソードには事を欠かないソフト部の姿がありました

――他己紹介に移るのですが、織部さんから後輩をまずは紹介してください。

織部 まず杉本から紹介すると、自分が所沢で彼は本キャンなので普段は少し分からないですが、選手としては小技するようになってからチーム1の俊足という武器が磨かれてきたのかなと。打つだけだと、普通に足があるのにフライアウトなど勿体ないと思っていたので、ことしからバントを交えることでやりたいことをできる選手になったのかな。去年よりもレベルアップしていて、すごいなという感情はしました。左の小技は多いのですが右の小技は少ないので、走る時は右よりも左の方が有利なので、右でバントを決める人は多くないですが、杉本の場合はそこを足の速さでカバーしているのですごい武器があっていいと感じます。プライベートに関してはどうなの?仲いい奴は誰、梶谷とか。

杉本 本キャンだったら梶谷とか。梶谷は小学校からの仲だったりするので仲はいいです。

織部 意外と山内と仲いいイメージはあるかな。

杉本 そうですね。帰りは電車が池袋まで同じなので、話す機会は多いのかなと思います。本来話してるタイプなんで、全員と仲いいです。

織部 杉本に関してはこのような感じです。遊びに行くこともないので。中畑に関してはたまに吉原(陸、スポ3=福島・安積)と一緒に行ったりしています。プライベートで飲みに行っても話しますし、部活の中と外で仲がいいです。どんな話をしてたっけ。馬鹿話しかしてないか(笑)。中畑は、こういうことが多い印象にですね。チームの中でも元気がいいので色々と盛り上げてくれますし、自分たちの学年が静かな方なので色々と好き放題にやっているのかな。そこはいいことでもあり、悪いことでもあるけど(笑)。そこは元気良くやってくれるので、4年生が引っ張っていくべきことですが、そういう面では感謝をすごくしています。

――どこに行かれて呑まれるのですか

中畑 半兵衛。

織部 その時の印象は強いね。その後ダーツ行ったね。丹野、吉原と一緒にカラオケ行った時は荒れたな(笑)。

中畑 まあ、そういうこともありましたね(笑)。

――それでは先輩の紹介を後輩の二人からお願いします

杉本 僕が感じるのは、自分にないものを持っている。その中で一番羨ましいのは肩の強さ。あとはチャンスに強いイメージがあるので、自分はチャンスに弱く次の人に頑張ってもらおうという人なので、そういう部分は羨ましいです。あとは髪型とかもです、こだわりがあってカッコいいです。

中畑 亮太と一緒で僕にないものを持っています。自分が入学した時にグラウンドで練習するのを見たのですが、織部さんと前多(悠登、平31人卒)さんは打球すごいなと思って。代打で出てきてホームランを打ったりなどすごいと思いました。また練習熱心でロングティーを30分から40分近くしているのを見て、そういう人が最後に活躍するのかなと思っています。そういうのを見ると練習しないといけないと思えるので、織部さんはそういう面でも引っ張っていると思います。

――ここで3年生を紹介して欲しいのですが、まず松下投手の家に杉本選手がよく行くと聞きましたが

杉本(笑)。最近は実はあまり行ってなくて、1学年下の竹村(侑大、スポ2=埼玉・早大本庄)が小手指に引っ越してきたので、綺麗なので結構流れてます。松下の家も独特な生活感の家がある家です。

中畑 タンスが閉まらない。

杉本 ペットボトルが飾ってあるよ。

中畑 タンスの前に物が流れてきていて、タンスを閉めようとしても物が多すぎて閉まらない。タンスの容量に物が入りきらない。

織部 それやばくない。

中畑 やばいですよ。

杉本 ほこりがやばいと言われます。

中畑 梶谷が寝転んだらほこりが服に沢山付いた。

杉本 ちょっとあるかな。

中畑 たまに自分も行くんですけど、1時間か2時間すると胃炎になるとか。

一同 (笑)

――杉本さんは結構オブラートに包みましたね

杉本 お世話になってますから(笑)。

中畑 でも何か安心感はあるよな。

杉本 一番生活感があるからかな。

中畑 謎の家かな。

――中畑選手はトミーと呼ばれているそうですが

中畑 ツイッターのニックネームの愛称で留学した時に英語で『Tomy』と設定していて、そういうのを知らない吉原とかがいじられました。色々とあだ名があります。

織部 ソフト部は基本適当なあだ名を付けるから。

中畑 松下だって『シータ』だから。

――中畑選手は高校時代にソフトボールやってなかったそうですが、大学でソフトボール部に入った動機は

中畑 高校時代に野球ができなくて、入ったのが2年の夏から3年にかけて留学するコースで、野球部から野球はできないと言われていたので、英語劇部に入りました。英語劇部で全校生徒の前で白雪姫をやり、皆にじわると笑われながらやりきったんですよ。でもこれが終わって、これじゃないな感があったので、大学に入って野球系のスポーツをやりたいと入りました。サークルの新歓でもこれじゃないな感が拭えなくて、迷った結果、『WASEDA』と書いてあるのが好きでカッコいいと思って、そこで織部さんと会いました。

織部 自分は新歓の担当だったのですが、中畑が新歓でサークルに行った先に自分の友達がいて、その友達からソフト部に興味ある子が来たよと聞いて連絡を取り始めたのがきっかけです。懐かしいな。1番最初に「織部さん、お昼食べませんか」とラインがきて、なぜか(1年次の演習とかの友達でなく)自分に。
その時いいよとなって、一緒にご飯を食べたのは謎ですね。客観的には面白い話ではないですが、その時に自分が先に買ってるから待ってるよと話をすると、自分の場所が分からないとラインがきて、人が行き交う中で丼の定食を持ちながらずっと回っていた光景は客観的に見て面白く、今でもそれを使って皆がいじったりしています(笑)。

杉本 僕は体育会にどうにか入りたいと思って最初はアメフト部に入ってたのですが、流動的な練習が多い野球の競技が好きだったので、ほれに比べてアメフトは最初だからか単調な練習が多く、ボールが20万くらいと高かったので辞めました。新歓でビラを貰ったソフト部に5月と遅めだったので迷ったのですが、先輩も優しかったので入りました。サークルの試合だけが嫌で、練習するのが好きだったので。喜久井は気楽な感じでやれたのが合ってたのかな、毎回所沢だと続けられてたのか分からないですね。

織部 自分もサークルを回っていて、野球をやろうと思っていたのですが自分の高校の頃の同期が入ってる野球サークルに誘われていたのですが、元々早稲田に来たのがスポーツトレーナーになりたいという思いがあったので、しっかりとしたチームに入りたいなと思いました。あとサークルも楽しく仲良くさせていただいたのですが、自分としてはあまりにも暇な時間が多い。サークルの良さでもあると思うのですが、ずっと部活をしてきた自分にとっては暇な時間が多いことは最初友達と遊ぶだけに使うことが多く、楽しい反面何のために来たのか。遊んでばかりは違うなと思って見始めた部活の中でソフトボール部を見た時に先輩方も優しく、トレーナーとしても活躍できる場が一番合ってるのがソフト部かなというのがありました。その時出会った先輩トレーナーは今でも相談に乗ってくれるのですが、その方の存在もありソフト部が合ってると思い入りました。

――逆にソフト部が終わると暇な時間が増えますが、やりたいことはありますか

織部 自分は大学院に行きます。決定はしてないので準備もありますが、もう一回大学院に行くこともあり、勉強をし直したい。英語の勉強も必要なので、今も勉強をしています。あとは旅行したい。暇な時間が全くなく帰省をこれまではするだけだったので。あとスポーツ観戦も好きなのですが、行く暇がなかったので行きたいです。卒業するまでは少しだけ大学生っぽいことをしたいです。

特別な力が働く残酷な大会(中畑)

三選手ともインカレではやってきたことを披露したいと語ってくれた

――これまでのインカレのイメージは

織部 自分の今までの大会を振り返ると、1年生の時は主将が交通事故でいない、主務も行けないなど当時の幹部が二人もいない。そしてエースがシートノックの球が直撃し、急遽先発できなくなるとハプニング続きでした。その中でチーム一丸として戦ってはいたのですが、準々決勝で格下である岡山大にまさかの敗戦。インカレでは今まで戦ったことのないチームともやるので、その中での怖さを感じました。何があってもチームとしてどう戦うのかを感じたインカレでした。2年生の時は東日本でいいかたちで国士舘大に勝てたのにインカレで返り討ちにあった。インカレでは今まで勝ったチームが別チームのようになった勢いでくるので、そういうチームにいつも通りのソフトボールができなければすぐ負けてしまうなと。インカレ怖いというのが、1、2年生の印象でした。去年のインカレは逆にチーム状況が良くなく結果も残せてないチームだったのですが、結果としては優勝の手前までいい流れで来れた。自分たちからしたらいい手本のようなチームでした。これまでのチーム振り返ると、いい面も悪い面も見れたのがインカレでした。

杉本 自分は1、2年生の頃は試合にほとんど出なくて、去年も決勝までいったいい思い出はあるのですが、1試合で全てが決まるという意味ですごい残酷な大会だなと思います。去年も一昨年も練習すごくしてるのに、一瞬の流れでコールド負けしてしまうなど怖いとこだなと感じました。ことしは流れに流されないようにやっていかないといけないと思いました。

中畑 インカレは4年生の大会だなと思っていて、小技が武器の萩野谷(知大、平30人卒=茨城・水戸一)さんがホームランを打ったり、去年の前多のサヨナラ、そして不調だった鳥岡(平31スポ卒=岡山・高梁)さんが関大戦でホームランを打ったりとミラクルが起こりやすい。4年生が打てれば勝てる大会だなと感じます。インカレで勝てず初戦負けしたら、それまでどんなに勝ち続けていても初戦敗退の代になってしまうので、特別な力が働く残酷な大会です。だからインカレは面白いのだと思います。

――インカレではどのようなプレーをしたいですか

織部 チームに貢献するというのは言わずもがなです。個人的なことを言うと、親がインカレには来てくれる。親が見に来てる時に目の前でヒットを打ったことがないので、最後くらいはヒットを打って、4年間やってきたことを残したいというのが個人的な思いとしてあります。

杉本 どの大会や試合でもチームから求められることは変わらないし、そういう意味で小技や足を生かした走塁という今までやってきたプレーをより精度高くできればいいかなと思います。

中畑 僕はチャンスで打つことしか考えてなくて、基本的にアウトにならないようにしたいです。13打数10安打打った先輩もいたりするので、そうなれればいいなと。なかなか難しいですが、全打席で出塁できるように頑張ります。

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

織部 もう最後の大会なのでとにかく有終の美を飾りたいです。

杉本 1年間このチームでやってきた集大成の大会なので、自分の結果だけでなくチームの結果も求めて優勝できればいいなと思います。

中畑 ことしは何が何でも優勝しないといけないと思っているので、優勝するために自分ができることをして頑張り、優勝をしたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 大島悠希 写真 石﨑開)

三人のバットがインカレでは火を吹いてくれるだろう

◆織部雅之(おりべ・まさゆき)(※写真中央)

1996(平8)年9月3日生まれのA型。176センチ、63キロ。宮崎南高出身。スポーツ科学部4年。外野手。右投右打。スポーツトレーナーを目指して早稲田に進学した織部選手。成績も優秀で大学から表彰されるなど、文武両道を象徴する選手です。大学院に進学する予定の織部選手は、引退後に少し大学生らしいことをしてみたいと語ってくださいました!

◆杉本亮太(すぎもと・りょうた)(※写真右)

1998(平10)年5月20日生まれのB型。169センチ、70キロ。神奈川・柏陽高出身。教育学部3年。外野手。右投右打。同期の梶谷選手とは10年来の仲。梶谷選手と一緒に松下選手の家によく行ってたこともあり、決して松下選手の家を良く伝えようとする姿が印象的でした!

◆中畑友博(なかはた・ともひろ)(※写真左)

1997(平9)年12月31日生まれのB型。175センチ、71キロ。愛知・清林館高出身。スポーツ科学部3年。内野手。右投左打。部内では珍しい高校で野球やソフトボールをプレーしていなかった選手。ですが中畑選手の打撃は、今ではチームの持ち味に。特にことしに入ってから打席に考えて入っていて、頼もしくなったと松下選手は語ってくれました。インカレの舞台でも中畑選手の打棒に期待がかかります!