【連載】2018年度インカレ直前特集『克』第6回 石井智尋×梶谷陽介×高橋尚希×吉原陸

男子ソフトボール

今回登場するのは、早大ソフトボール部の未来を担う2年生四人組、石井智尋(スポ2=千葉敬愛)、梶谷陽介(法2=神奈川・柏陽)、高橋尚希(スポ2=宮城・泉館山)、吉原陸(スポ2=福島・安積)だ。上級生主体のチームで試合に出場し活躍する2年生は全日本大学選手権(インカレ)が目前に迫った今、何を思っているのだろうか。お話を伺った。

※この取材は8月21日に行われたものです。

磨いてきた小技

気さくに取材に応じる石井

――まずは新体制発足からこれまでを振り返ってください

吉原 春(東京都大学連盟春季リーグ戦)は中央に負けたり、日体のBチームに負けたり、日本代表(全日本大学選抜)組が抜けた国士舘に負けたりと、自分たちの思うようなプレーができませんでした。特に得点力不足ということで、本当にチームが深刻な状況だったのかなと思います。

高橋 (春季)リーグ戦4位ということでチームが深刻な状況になって、その中で自分は日本代表に選ばれた川上さん(卓也、スポ3=岡山・新見)が抜けてセカンドを守ることができたので、試合経験を積むことができた春だったのかなと思います。

梶谷 今まで勝てていた相手に勝てなかったりとか、今までできていたことができなくなってしまったりとか、チームとして機能していなかったことが多かったので、チーム状況はかなり悪かったのかなと思います。個人的には、試合にはそんなに出られていなかったので歯がゆい感じです。

石井 自分は1年生の頃から(試合に)出させてもらって、色々経験させてもらっている中で、思っている以上に自分のプレーができなくて、それもチームの勝敗に関わっていると思っています。ふがいない春リーグ(春季リーグ戦)だったなと思います。

――石井選手は春季リーグ戦の国士舘大戦で一時逆転となる満塁本塁打を放つなど、好機での一打も見られたと思うのですが

石井 チャンスでホームランを打てたんですけれども、逆転されて、その次の打席で三振してしまったので、そういうところはもっと突き詰めていかないとなと思います。

――4位に沈んでしまった要因をどのように捉えていますか

吉原 秋(秋季リーグ戦)はみんな良く打っていて、冬場の取り組みも決して間違っていたとは思いませんし、何でここまで点数を取れなくなってしまったのかっていうのはちょっと分からないです。

高橋 プレーでもそうなんですけれども、(早大所沢キャンパスグラウンドで行われた)中央大戦の後に自分たちのグラウンドなのでワセダが率先してグラウンド整備をやらなければならないのにやらずにというか、そういうプレー以外の面で怠ってしまいそういうところも4位につながったのかなと思います。

梶谷 自分も打線が全然機能していなかったと思いますし、秋は打てていたのが打てなくなったというのが一番大きいと思います。(ピッチャーの)杖子さん(量哉、スポ4=岡山・新見)にかなり頼り過ぎてしまったなと。

石井 打撃力不足です。

――東日本大学選手権(東日本)についてもお伺いします。石井選手と高橋選手は春季リーグ戦と同様、スタメンで出られていました。どのような思いで臨まれましたか

石井 去年は準優勝で東日本を終わることができて、やっぱりことしの目標としてはそれ以上、優勝ということで臨んだんですけれども、準々決勝で国際武道大学(武大)に負けてしまって。正直勝てなかったというのはすごく悔しいですね。普通にやったら、勝てない相手ではないという認識だったので。

高橋 自分と梶谷と吉原は6、7月くらいに小技のバッター、バントとかチャンスメイクをするバッターになってくれと言われてそれで初めて臨んだ公式戦が東日本でした。自分はその小技で結構出塁してチャンスはつくれたんですけれども、『あと一本』が出なかったということで、それで武大に負けてしまったのかなと思います。でも小技としては結構出塁できたので、いい結果というか成功体験を積めたかなと思います。

――小技は今も継続して練習されているのですか

高橋 そうですね。とりあえずインカレまではずっと。

東日本でスタメンに名を連ねた梶谷

――梶谷選手は東日本でスタメンに抜てき、一方吉原選手は梶谷選手にスタメンの座を奪われるというかたちになりましたが

梶谷 小技という役割をいただいて、なかなか難しい役割だなと感じていたんですけれども、練習していく中でちょっとずつですけれども手ごたえを感じつつあって東日本に臨みました。自分としてもここで一つ結果を残したいなと思っていたんですけれどもなかなか出塁も結局あまりできなくて。最終的に高橋が小技の役割を果たしていたので、まだまだというか、力量不足を感じた大会でした。

吉原 正直なところ、試合に出られなくなって、武大戦も1打席しか立っていないので、チームの勝利に貢献できなかった悔しさが大きいですね。やっぱり、僕も一緒に小技を2ヶ月前からやってきて、特に高橋とかがしっかりチャンスメイクする姿を見て、刺激になりました。あとは打つべき人が一本打てるようになればインカレでの勝利が見えてくるのかなと思います。

――準々決勝敗退という結果は、チームとしてどのように受け止めましたか。また東日本で得られた収穫などはありましたか

石井 やっぱり三人(髙橋、梶谷、吉原)が小技に徹してくれたおかげで、打線のつながりというのが現実的になってきて、今後得点力アップにつながっていくと感じましたし、だからこそ小技じゃない人たちが打たなければ勝てないので、さらに練習に対する意欲も上がってきていると思います。

高橋 東日本が終わった後のミーティングで、監督か「この敗戦がインカレ優勝のためには必要だったなと思えるようにこれから過ごしていこう」というお話がありました。悲観的になることはなくて、前向きにこの敗戦を捉えることはできているのかなと思います。

ディズニーランドで・・・

人一倍練習するという高橋

――お互いを紹介してください。まず石井選手は普段どのような方ですか

高橋 とりあえずマイペースな人ですね。

吉原 集合がかかった時とか、石井がいればみんないる、みたいな(笑)。とにかくマイペースで、トイレに行っていたり、飲み物を飲んでいたりして。集合には遅れてくるようなタイプの人です(笑)。

梶谷 いつも力が抜けている感じで。自分はそういう感じじゃないのでいいなと思いますね。

――次に梶谷選手を紹介してください

高橋 すごい真面目なんですけれども、結構ふざけますね、梶谷は。

吉原 この風貌からかは分からないんですけれども、みんなから「兄さん」と呼ばれていて。僕は浪人しているんで(梶谷より)歳は1個下ですけれども、お兄さん的な存在です。

石井 最初は真面目な印象だったんですけれども、最近いいキャラ出してるなと思っていて。ちょっとずつ本性を出してきているなと(笑)。特にこれというエピソードはないんですけれども、普段生活している中でのキャラというか、うまく言葉じゃ言い表せないですね(笑)。

――次に高橋選手の紹介をお願いします

吉原 いつもアホみたいに練習していて、一人だけユニフォーム真っ黒になっています。顔も真っ黒になっている時もありますし、黒過ぎてグラウンドに同化して見えない時もあります。

一同 (笑)。

石井 とりあえずヘッドスライディング大好きです。

梶谷 本当にソフトボール大好きなんだなっていうのがすごい伝わってきます。

――オフの日の過ごし方を教えてください

石井 きのう(8月20日)みんなはオフだったらしいんですけれども、僕は国体の関東予選(国民体育大会関東ブロック大会)に行っていて。だいたいみんながオフの日に限って僕だけ予定があって、合わないですね(笑)。なので一人でいる時間はとりあえず寝ています。あとはマンガ読んだりっていう感じです。

梶谷 ボーリングとかよく行きますね。ソフトボール部のメンバーとも行きますし、高校時代野球部だったので、その同期だったやつと行きます。

高橋 僕は結構映画とか見に行きます。きのうは『ジュラシックワールド』見てきました。一人で(笑)。

――DVDとかでも見られるのですか

高橋 そうですね。DVDも見ますけど、映画館の方がポップコーン食べられるし(笑)。塩味が好きです。

――吉原選手はいかがですか

吉原 この部活って、この日オフって決まっているわけだはなくて。前日の夜に明日はオフですと知らされるので、特に予定を立てられることもなく、寝るだけって感じですね。とにかく寝てバイト行ってみたいな。

――バイトは何をされているのですか

吉原 居酒屋です。僕は部内でも結構アルバイターな方です(笑)。

――最近あった面白い話などはありますか

吉原 梶谷って普段、感情出したり怒ったりすることを見たことがなくて。ただ、杉本(亮太、教2=神奈川・柏陽)から聞いた話なんですけれども、梶谷が怒ったことを一回だけ見たことがあるそうで。それが一緒にディズニーランドに行った時に、お腹が空き過ぎて一人で怒っていたという話が面白いなと思いました(笑)。

一同 (笑)。

梶谷 中学校の卒業遠足みたいなので行って、歩き疲れていたり、色々と溜まったものがあったりして、座り込んじゃいました(笑)。ちょっと黒歴史ですね(笑)。

吉原 怒ったというよりは、みんなが色々話しかけてくれたのにずっと黙り込んでしまったらしくて(笑)。

――石井選手は最近面白かったことはありましたか

石井 嬉しかったことならありますね。さっきの話とかぶってしまうんですけれども、国体の関東予選で本国体に出場することが決まったことですね。めっちゃうれしかったです(笑)。

4年生のために

スラップの練習に取り組んでいるという吉原

――石井選手以外の三人は小技を磨いているという話でしたがが、現在、何かインカレに向けて取り組んでいることはありますか

高橋 特に特徴的な練習をしているというわけではないんですけれども、マシンでバントとか、流して三遊間の間を抜く打球とかを徹底して練習しています。

吉原 僕はソフトボール特有のスラップという技で、走りながら打つんですけれども、これをやっています。あとはバント練習とか。ひたすらこれしかやっていないですね。

梶谷 実戦形式の練習だったら、毎打席出塁できるようにという気持ちでやっていますし、あとは吉原も言ったようにマシンを使ってひたすらやるというだけです。

石井 僕は特にないですね。普通に打って、普通に守備して。特に変わった練習をしているとかはないです。すみません(笑)。

――インカレにはどのような思いがありますか

石井 鳥岡さん(健主将、スポ4=岡山・高梁)の代になってから、まだ一つもタイトルを取れていないということで、優勝したいという気持ちはあります。やっぱり去年も国士舘にコールド負けしてしまっているので、リベンジしなければいけないという気持もありますし、とりあえず勝ちたいですね。

梶谷 去年はベンチの外で声を出すことしかできなかったので、今回のインカレも試合に出られるかどうかまだ分からないですけれども、少なくとも去年よりかは実際に試合に出てプレーするチャンスはあると思うので、直接的にチームの勝利に関われるチャンスがあると思います。そこは去年とだいぶ違うところでもありますし、自分も頑張りたいなと思っているので、チームの勝利に、というか4年生が最後なので、少しでも4年生の力になれるように頑張っていきたいと思います。

高橋 僕は日本一になるためにこの部活に入ったので、インカレで優勝して、日本一になりたいと思っています。その中で、自分は小技としてチャンスメイクをしっかりして、あとは打ってもらうというかたちにつなぎたいなと。何はともあれ、日本一になれれば、それでもういいです。

吉原 去年を見ていても、東日本でコールド勝ちした相手にコールド負けしてしまうような、本当に独特な緊張感がある大会です。どんな相手でも初戦から気が抜けるわけではないので、僕も秋リーグのこととか考える余裕は全くなくて、4年生と一緒に引退するくらいの気持ちで、しっかりいい準備をしていけたらいいなと思います。

――最後にインカレに向けて意気込みをお願いします。

石井 打ちまくります!

梶谷 つなぎます!

高橋 出塁率8割で!

吉原 試合に出られるか分からないですけれども、出た時は暴れます!

――ありがとうございました!

(取材・編集 石﨑開、写真 宅森咲子)

若き2年生がチームの未来を担います!

◆石井智尋(いしい・ちひろ)(※写真右)

1998(平10)年6月16日生まれのA型。178センチ76キロ。千葉敬愛高出身。スポーツ科学部2年。外野手。右投左打。リーディングヒッターとしてチームをけん引している石井選手。普段は非常にマイペースな性格のようですが、「鳥岡さんの代になってからタイトルを取ったことがない。(インカレで)優勝したい」と力強く語ってくださいました!

◆梶谷陽介(かじや・ようすけ)(※写真中央右)

1998(平10)年6月25日生まれのA型。168センチ67キロ。神奈川・柏陽高出身。法学部2年。内野手兼外野手。右投左打。東日本でスタメンの座を射止めた梶谷選手。最近本来のキャラを出してきたと部内で言われているチームの『兄さん』は、インカレでもチームを勝利に導きます!

◆高橋尚希(たかはし・なおき)(※写真中央左)

1997(平9)年6月13日生まれのB型。169センチ65キロ。宮城・泉館山高出身。スポーツ科学部2年。内野手。右投左打。オフになると映画を見に行くという高橋選手。お気に入りの作品は『少林サッカー』だそうです。磨き上げた小技を駆使し、北陸・石川の地で相手野手をかき回す高橋選手に注目です!

◆吉原陸(よしはら・りく)(※写真左)

1997(平9)年9月17日生まれのAB型。169センチ70キロ。福島・安積高出身。スポーツ科学部2年。外野手。右投左打。吉原選手は、チーム随一のアルバイターだそうです。東日本では控えに甘んじてしまいましたが、インカレでの結実を虎視眈々(たんたん)と狙っていました!