TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 計 | ||||
専 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||
早 大 | 0 | 13 | 0 | X | 13 | ||||
(4回コールド) ○豊田、杖子―山本 ◇(二塁打)前多、丹野 ◇(本塁打)豊田 |
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 計 | ||||
明 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||
早 大 | 7 | 0 | 4 | X | 11 | ||||
(4回コールド) ○吉田、杖子―実重 ◇(二塁打)川上、吉田 ◇(本塁打)前多、飯泉、織部 |
もうひとつの全国を目指す戦いが始まった。全日本総合選手権東京都予選(全総予選)は、大学からクラブチームまで、所属するカテゴリーに関係なく日本一を目指す全日本総合選手権出場への第一関門となる。早大はその初戦で専大と、2回戦で明大とそれぞれ対戦し、いずれも4回コールドで大勝。準決勝に駒を進めた。
初戦の先発投手は豊田誉彦(スポ4=兵庫・滝川学園)。格下との対戦に、「ほとんどやったことのないチームで、少し怖さもあった」と語るが、その心配は杞憂に終わった。初回から三振の山を築き、3回を投げ7奪三振。ほぼパーフェクトな投球で、守備からリズムを作った。一方、初回に2死満塁の好機を逸した打線は、0-0のまま迎えた2回裏に爆発。先頭の豊田が初球を捉え、鮮やかに中前へ弾き返すと、この日ケガから復帰を果たした山本修平(スポ4=大阪・清風南海)の打球を相手三塁手がさばけずに好機となる。すると、丹野太郎(スポ2=兵庫・滝川学園)の先制打を皮切りに、2つの四球をはさんで7連打。打者16人で13得点を奪う猛攻で、勝負を決めた。その後、3回を両者ともに無得点で終えると、4回表を杖子量哉(スポ3=岡山・新見)が無失点に抑え、コールド勝ち。危なげなく専大を退けた。
攻撃でも存在感を放った豊田。2打席目には中堅へ2点本塁打を放った
2回戦も終始相手を圧倒した。初回、1死満塁の好機で前多悠登(人3=東京・小山台)が2点左前安打を放ち先制に成功すると、続く飯泉召副将(教4=埼玉・与野)が左翼へ3点本塁打を放つ。その後も打線がつながり、早々と7点を奪った。さらに、3回には無死1、2塁の好機を作り、代打で出場した織部雅之(スポ2=宮崎南)が初球を豪快に引っ張って左翼へ3点本塁打。直後に前多も2者連続の本塁打を中堅に放ち、ダメ押しに成功した。先発の吉田尚央(人4=長崎・佐世保西)は各回で先頭打者を出したが、速球で押し、要所で緩急をつける投球で相手打線を手玉に取った。捕手の実重僚右(人3=島根・高卒認定)も2度盗塁を阻止するなど、一度も得点圏に走者を進めさせず、1回戦の豊田同様に3回を投げて7つの三振を奪った。この試合も最終回を杖子が締め、2戦連続のコールド勝ちとなった。
明大戦の初回、本塁打となる打球の行方を追う飯泉副将
二桁得点に加え、無失点。東京都大学連盟春季リーグ戦(リーグ戦)では2部リーグを戦った両チームを相手に、力の差を見せつけた。「自分たちのかたちでしっかり勝ち抜くということができた」(豊田)と、思い描いた展開通りでの大勝。今後に向けて弾みをつけることに成功した。次週に控える準決勝の相手は国士舘大。リーグ戦で苦しめられた強豪とのリベンジマッチとなる。「ここをどうしても勝ちたいとやってきた」(飯泉)。ひとつのピークと目してきた大会で、リーグ戦の借りを返し、東京都代表の座をつかみ取りたい。
(記事、写真 守屋郁宏)
コメント
飯泉召副将(教4=埼玉・与野)
――この大会は勝負にこだわりたいとおっしゃっていました。改めてチームが目指す戦いを教えてください
一昔前のようにスター選手が多いわけではないので、しっかり全員がやれることをやって、塩沼も言ってますけど役割に徹して、チーム力で勝つっていうのを目指していけたらいいなと思います。
――この全総予選に向けて、どんな準備をしてきましたか
紅白戦であるとか、実戦を意識した練習を多くやりました。状態は上がってきているのかなと思います。
――きょうの2試合を振り返って
序盤に先制してコールド勝ちにするっていう展開は目指していたものなので、きょうの2試合はそこに関しては良かったかなと思います。
――本塁打もありましたが、個人としての出来はいかがですか
バットは触れているかなと思うんですけど、大事なのは次の試合のいいところで1本出せるかどうかということだと思うので、状態どうこうよりも、次も結果を出せるように頑張っていきたいかなと思います。
――来週は春季リーグ戦でも苦しめられた相手との対戦になります
当然難しい相手にはなってくるんですけど、ここをどうしても勝ちたいと、ピークを持ってこようと塩沼を中心にやってきたので、絶対に2つ勝ちたいと思います。
豊田誉彦(スポ4=兵庫・滝川学園)
――特別ページシステムが終わってからきょうまでの間、どのような準備をされてきましたか
チームとしてこの大会に合わせてきたので、ピッチャーが投げてバッターが打つっていう実戦的な練習を増やして、試合に近づけて、この大会をよりイメージするという練習を多く取り入れていました。
――1戦目に先発出場されましたが、いかがでしたか
相手が今までほとんどやったことがないチームで、少し怖い部分もあったんですが、まずは抑えて、先に点を取ればいい感じに持っていけるだろうと。変に崩れずに、いつもどおりにピッチングをして、こっちが点をしっかり取るまで自分が抑えれば、バッティングの方にもつながるだろうという風には思っていたので、守備から作り上げていくというのはできたんじゃないかなと思います。
――そんな中で、攻撃の部分でも大量点の皮切りとなるヒットがありました
監督からホームランを狙っていいよというサインのようなものが出たんで、僕も思い切り振って、少し打ち損じたんですけど、思い切り振っている分、早い打球が転がって内野の間を抜けていったので、結果オーライじゃないですけど、強いスイングをするといいヒットになるなとは感じました。
――続く打席はセンター方向への本塁打でした。あの場面はいかがですか
あそこも監督からホームランを打ってこいと言われていたので、1打席目は弾道が少し低かったので、それを上げつつ、芯で捉えて強く振り抜くというのを目標にしました。いいところにボールが来て、しっかりいつも通りのスイングができたので、きれいに飛んでいってくれて良かったかなと思います。
――この2試合のチームのパフォーマンスをどう見ていますか
つながればたくさん点が入るというのが2試合通して出たと思うんですけど、1回戦だと2回に13点、2試合目だと初回に7点ということで、誰かがヒットとか(相手の)エラーでつなぎ始めると止まらずに打線がつながるというのがこのチームのスタイルかなと思いました。
――準決勝の相手は国士舘大になりました。意気込みをお願いします
この2試合は自分たちのかたちでしっかり勝ち抜くということができたので、残り2試合もしっかりと、トーナメントなので1試合1試合を大事にして、自分たちの思うように試合を進めていって、自分たちのかたちでしっかり勝ち抜きたいなと思っています。