地力の違いを見せつけ慶大を圧倒!

男子ソフトボール
TEAM
慶大
早大
○吉田、杖子―山本
◇(本塁打)山本、川上◇(二塁打)増形

 寒空の下、ことしも恒例の早慶定期戦(早慶戦)が行われた。早大は、初回に川上卓也(スポ1=岡山・新見)の適時打で先制点を奪うと、その後も手堅く加点する。投げては吉田尚央(人3=長崎・佐世保西)と杖子量哉(スポ2=岡山・新見)の投手リレーで慶大打線を1安打完封。8-0の快勝で伝統の一戦を飾った。

 対戦相手の慶大は2部に所属。地力で上回る吉田、杖子の両投手は、力強い速球をベースに、危なげない投球を披露した。二人のボールを受けた捕手の山本修平(スポ3=大阪・清風南海)も「いい球がきており、成長を感じる内容になってよかった」と振り返る好投。先発の吉田が4回を被安打1に抑えると、5回からマウンドに上がった杖子もパーフェクトピッチングで慶大打線をねじ伏せた。ともに四死球を与えず、毎回奪三振も達成。一度も得点圏に走者を置かれることなく、7回を打者22人で終えるほぼ完璧な内容で完封した。

圧巻の投球内容を見せた吉田

 打線は初回、四球での走者を犠打で得点圏に進めると、この日4番に座った川上の二遊間を破る鮮やかな適時打で先制に成功。既にチームの主軸となっている1年生プレーヤーは、6回にもダメ押しの本塁打を放ち、この日も存在感を見せた。試合後、最優秀選手賞に選出されたのは同様に複数安打を記録した山本。1回に2死満塁から左前に弾き返して追加点を奪うと、走者をひとり置いて迎えた3回の第2打席。放たれた力強い打球は、きれいな放物線を描いて左翼手の頭上を軽々と超え、これが本塁打となった。チームに勢いをもたらしてのMVP受賞を、「このような伝統ある大会で獲れたことは嬉しい」と喜んだ。

3回に本塁打を放つ山本

 関東大学選手権(関カレ)や秋季リーグ戦(リーグ戦)で悔しさを味わい、仕切り直しで臨んだこの日の試合では、戦力の底上げを狙った選手起用も目立った。独特の雰囲気の中で行われた試合だったが、スタメン出場を狙う選手たちにとって、貴重な実戦経験の場となったことは間違いないだろう。「チーム一人ひとりがレベルアップし、全体の底上げにつなげていきたい」(山本)。春に雪辱を果たすべく、この勝ちをひと回りもふた回りも成長するための足がかりとしたいところだ。

(記事 守屋郁宏、写真 岡田静穂)

最優秀選手賞に輝いき、表彰される山本

コメント

山本修平(スポ3=大阪・清風南海)

――MVPを獲られた今の気持ちを聞かせてください

きのうからMVPを狙っていたので、このような伝統ある大会で獲れたことは嬉しく思っています。

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

やはり吉田(尚央、人3=長崎・佐世保西)、杖子(量哉、スポ2=岡山・新見)の投手陣2人は冬にしっかりトレーニングを積んでいたので、いい球がきており、成長を感じる内容になってよかったと思うのですが、バッティングに関しては、序盤に点を取りきれなかったり、三者凡退した回もあったので、まだまだ課題は多いと思いました。また今回試合で打ったのも川上(卓也、スポ1=岡山・新見)などの普段試合に出ているレギュラーメンバーで、控えメンバーの活躍があまり見れなかったので、そこが課題かなと思います。

――1回に適時打を打ったときのお気持ちを聞かせてください

MVPを狙っていたので、打てたときはほっとしました。先制していい流れで回してもらっていたので、しっかりつなごうという意識で(打席に)入りました。

――3回には本塁打も打ちましたが、打ったときの感触はいかがでしたか

1打席目に打てていたので、2打席目は楽に(打席に)入ることができて。打った瞬間いったかなと感じたので、とても気持ちよかったです。

――最後に来シーズンに向けての意気込みをお願いします

関東インカレ(関東大学選手権)では日体大、リーグ戦でも日体大、国士館大に勝つことができず、そこのライバルチームも冬場しっかり練習を積んでくると思うので、自分たちも負けないように。そして春には秋で負けた悔しさをぶつけられるように、トレーニングを積んで、チーム1人1人がレベルアップし、全体の底上げにつなげていきたいです。そこで自分が先頭に立って頑張っていきたいと思います。

川上卓也(スポ1=岡山・新見)

――はじめての早慶戦はいかがでしたか

早慶戦がどういったものなのかわからなくて、きょう初めてだったんですけど、まずはしっかり勝つことを第一に考えて、試合に臨みました。

――きょうのご自身の出来を振り返って

バッティングではもうちょっと打てたかなというのはあるんですけど、最初にタイムリーヒットを打てて、最後にはホームランを打てて、良かったかなと思います。

――その2本の安打を振り返っていただけますか

最初の1打席目のタイムリーはある程度芯で捉えられて、自分でもいい打球だったかなと思っていますけど、最後のホームランはちょっとバットの先で、芯じゃなかったので、ちょっと捕られちゃうかなと思ったんですけど、思ったより伸びてくれたので、結果的にホームランになってくれたと思います。

――1年生ながらスタメン出場を続けてきました。ことしはどんな1年でしたか

夏からスタメンでずっと使っていただいて、ほんとうに試合経験を詰めて、とてもいい1年になったなと思います。今回こういう形で締めくくれたんで、これを来年にも生かしてやっていきたいと思います。

――今後の抱負や目標をお願いします

やっぱりまずはチームとしての目標であるインカレ優勝というのを第一に見て、来年もしっかりレギュラーのメンバーとして出ることができるように、自分自身としてもチームとしても頑張っていきたいと思います。