TEAM | 1 | 2 | 3 | 計 | |||||
早 大 | 3 | 4 | 10 | 17 | |||||
埼 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||||
(3回コールド) ○豊田―吉野、松木―山本 ◇(本塁打)金子、西岡 |
秋季リーグ戦(リーグ戦)を2位で終え、確かな手応えを感じたワセダ。新体制初のトーナメント戦である関東大学選手権(関カレ)の初戦で、埼大と対戦した。初回、大嶋翼(スポ3=群馬・新島学園)の適時打などで3点を先制する。その後も打線の勢いは止まらず、3回には打者14人の猛攻で一挙10得点。計17点を奪い、早々に試合を決定づけた。投げては豊田誉彦(スポ1=兵庫・滝川)、松木俊皓(スポ2=宮崎・日向)が安定した投球を披露し、許した安打はわずかに1本。3回コールドで埼大を下し、2回戦へと駒を進めた。
「初回に先制するかたちを確立する」(溝口聖主将、人3=長崎・佐世保西)。その言葉のとおり、初回からゲームを動かした。2死二塁の場面で打席に入ったのは大嶋。捉えた3球目は三遊間を抜け、先制の適時打となる。この打球を相手の左翼手が後逸する間に、大嶋は一気に生還。その後も塩沼泰成(スポ1=福島・安積)の適時打で加点した。また初回だけで3盗塁を決め、機動力も見せつける。続く2回には金子祐也(スポ2=長崎・佐世保西)の中越え本塁打、大嶋のこの日2本目となる適時打などで4点を追加。試合の主導権を完全に握り、豊田も初回、2回と被安打0に抑え埼大に付け入るスキを与えない。
先制打を放った大嶋
3回、大量リードの場面で代打攻勢に出る。「リーグ戦では選手を代えると点が取れないという状況が続いていました」(溝口主将)。しかしこの日のワセダは一味違った。安打こそ出ないものの、代打で出場した選手たちが出塁し、相手の失策なども絡んで次々と得点していく。その代打陣の中でもひときわ異彩を放ったのが西岡卓哉(スポ1=香川・高松)だ。トレーナーとして入部したが、今大会からは選手としても登録された期待の選手。迎えた公式戦初打席、真ん中に入った3球目を振り抜くと打球はそのまま右翼フェンスを越える。「打った瞬間入ったなと思いました」(西岡)と会心の当たりを見せ、17点目のホームを踏んだ。その裏に登板した松木は先頭打者に安打を許したものの、後続を抑え試合終了。圧倒的な強さ、そして選手層の厚さを見せつける結果となった。
公式戦初打席初本塁打の西岡
リーグ戦で思うように実現できなかった全員ソフトボールを、初戦から見事に披露したワセダ。控え選手が活躍したことで、主力の選手たちにも良い影響を及ぼすであろう。そうした影響が表れることはチーム力の向上にもつながるため、関カレ制覇に向けて非常に良い結果を残したといえる。「ワセダらしさを出して勝ち進みたい」(溝口主将)。勝利の先に見据えるものは、頂点のみだ。
(記事 中丸卓己、写真 加藤万理子)