【ソフトボール特集・第1回】 ティーボール大会運営

男子ソフトボール

※この取材は11月16日に行われたものです

 前身であるソフトボール同好会が創設されてかららいねんで50周年となるソフトボール部。これまで男女合わせて計4度日本一を経験するなど強豪として名高いが、ソフトボール部の魅力はそれにとどまらない。吉村正監督(昭44教卒=京都・平安)のもと、世界のソフトボール界のリーダーとなることを目標に掲げ、人間力の育成にも積極的に取り組んでいる。その一つとして挙げられるのがティーボール大会の運営。まだ聞き慣れない人も多いであろうティーボールの紹介とともに、補助員としてグラウンドに立つ選手の活動に迫る。

 ティーボールは野球、ソフトボールなどのベースボール型競技の底辺拡大を狙いとした球技で、まだ発祥から20年余りと比較的新しい。打者がバットを用いて球を打ち、野手が守備をするといった形式は野球、ソフトボールと同じだが、それらと異なる点は投手がいない点だ。ティーボールでは打者はティー台の上に置かれた球を打つ。またルールが簡単であることから子どもから高齢者まで多くの人が楽しめるスポーツであり、近年では小学校の体育の教科書にも掲載されているなど徐々に普及しつつある。

女子部員も助っ人として子どもたちとプレーした

 この日、朝7時半にグラウンドに集合し、まず部員たちが始めたのはグラウンド作り。整備からライン引きまでそれぞれが丁寧に仕事をこなす。その後参加者が会場入りすると8時半から5面に渡ってトーナメントは開始された。この日行われたのは関東健康福祉ティーボールオープン大会、日生介護予防青木杯争奪関東福祉ふれあいティーボール大会、所沢市民・早稲田大学交流ティーボール大会の3大会。小学生やその保護者、また障がいを持つ人たちが共に汗を流し、大盛況の中大会が行われる。大人数が集結したグラウンドであったが、ティーボール委員として指揮を執る今村大樹(人3=大阪・早稲田摂陵)のもと全部員が記録係や球出し係としておのおのが役割を全うし円滑に進行。またグラウンド脇では大嶋翼(スポ2=群馬・新島学園)らが小学生向けに打撃指導を行うなどコーチ役としても活躍を見せた。

熱のこもった指導をした大嶋

 年に数回、定期的に行われる大会運営の仕事。「このような貴重な経験ができるのもソフトボール部の特徴」(大沼文乃、商3=北海道・立命館慶祥)と語るように、普段とは違った視点で試合に参加することは部員たちにとって試合進行を支える人々のありがたさを再認識できる良い機会となっている。この活動が心技体を兼ね備えるワセダ戦士の『心』の部分を支えていると言っても過言でない。

(記事、写真 盛岡信太郎)

コメント

今村大樹(人3=大阪・早稲田摂陵)、赤瀬公平(スポ3=愛知啓成)、池田康平(人3=長崎・佐世保西)

――きょうの活動の感想をお願いします

今村  きょうは関東健康福祉(ティーボールオープン)大会と、青木杯争奪大会と交流大会の3つが同時開催で本当にどうなるのか分からなくて 、その中で先生(吉村正監督、昭44教卒=京都・平安)の指示に従いながら行動して、しっかりと運営することができて良かったです。感想としては(ティーボールは)これだけ多くの人が参加していても全員で楽しめる素晴らしいスポーツなんだなということに気付けたことと学べたこととしては臨機応変に対応することや予期せぬことが起きたときの対応の仕方ですね。

赤瀬  健康福祉大会ということで障がい者の方や生化学研究所の方が参加する大会なのですが、先日雨で中止になった所沢の小学生向けのティーボール大会も行われたということでいろいろな年代の人たちが楽しそうにプレーしているのを見て非常に気分爽快でした。

池田   いつも思うことなのですが、プレーしている小学生や障がい者の方たちが純粋にティーボールを楽しんでいる姿を見て、僕たちも改めて楽しもうと思えるいい機会となりました。

――ティーボール委員としての仕事はどのようなものでしょうか

今村   まず大きな行事が4つあります。今回の健康福祉(大会)と12月の総会と1月のセミナーと夏に西武ドームで行われる全国大会です。それらを運営するに当たっての会議があって、僕は主にその会議で議事録を書かせてもらっています。あとはセミナーで使う資料の手直しやホームページをいじったりしますね。

赤瀬   さっき挙げられた大会以外にもいろいろな(ティーボールの)大会が行われていて、大体吉村先生が行くときに学生も同行するといった活動がたまにあります。ことしは国体(国民体育大会)があって、っそのプレ大会などもありました。

今村   大会の運営ではグラウンド作りとかね。

池田   基本は補助に徹していますね。

――そういった補助や運営の仕事の中で得たものはありますか

今村   仕事をするのはこういうことなのかなあと感じたりしますね。ホームページを操作したり、案件まとめや議事録作りなど今後にも生きるのではないかと思うことが経験できていると思います。

赤瀬   簡単に言うと運営をやることでやりがいや快感を得ています。誰かのために行動するということは非常に充実しています。やはり人間として、世のため人のために働くことはやはり大事だと思うので、このティーボール委員に限らず、貢献するということは楽しいです。愉快です。

池田   僕らは基本的に補助で支える側なのでプレーしている人たちが楽しんでいるとやはり一番(ティーボール委員を)やってて良かったなと思いますね。

濱田のぞみ(人3=徳島・脇町)、丹下裕加里マネジャー(人3=東京・日大二)、大沼文乃(商3=北海道・立命館慶祥)

――きょうの感想をお願いします

大沼   小学生や障がいを持っている方とかいろんな方がいたんですがみんな同じように楽しんで一つのスポーツをやっていて見ている方もすごく楽しかったです。

丹下   自分は普段はプレーしないのですが、きょうは社会人のチームに交じってプレーして、駄目だったのですがすごく楽しくて盛り上げているこっちも楽しかったのでとてもいい行事だなと思いました。

濱田   笑顔いっぱいのティーボールになったと思うのでまたこれからもがんばっていきたいなと思いました。

――ティーボール委員としての仕事はいかがですか

濱田   基本的には今村が多くのことをやって、女子の分を私たちがサポートするといった感じですね。

――主に補助をする中で感じたことはありますか

濱田   審判のありがたさとかですね。運営することはすごく大変だし、一から作ることも大変なことなので一つ一つの大会に対しては運営の人たちに対して「本当にありがとうございます」という気持ちがあります。

丹下   西武ドームの全国大会の時とかもそうなのですが、小学生にとって真剣勝負の場なので、自分たちが適当に審判できないなと思います。

――活動を通して得たものなどはありますか

濱田   終わった後にみんなが「きょうは楽しかった」とか言ってくれるとすごくうれしかったですし、準備とか頑張って良かったなと思います。あとは初心を思い出します。

大沼   みんな一生懸命やってるからこっちも応援したくなるよね。

丹下   あまりいつもプレーしないのでレフトとかに急に入っても動きとか分からなくてみんなすごいなと思います。

――今後のティーボール委員としての活動は

濱田   今後はティーボールセミナーがあって、8月の西武ドームでの全国大会が私たちの活動の中心となってきます。その中でも8月のティーボール大会は大変で毎年上級生は忙しそうでした。それを今度は自分たちがやるので、みんなで協力して今村を支えたいと思います(笑)。

丹下   自分もらいねんの夏まで言われたことをやってティーボールがもっと普及すればいいなと思っています。

大沼   普通部活ではこういった経験はなかなかできないと思いますし、このような貴重な経験ができるのもソフトボール部の特徴だと思うので、責任を持ってやっていきたいと思います。