初戦突破も再び日体大に敗れ、東日本インカレは3位

男子ソフトボール

第39回東日本大学男子選手権 8月3・4日 岩手・東山多目的グラウンド

 男子ソフトボール部は、岩手県一関市で開催された東日本大学選手権(東日本インカレ)に出場。公式戦としては5月の全日本総合選手権大会東京予選(全総予選)以来2ヶ月ぶりの試合となった。2回戦から登場した早大は初戦、東海大に5―0で勝利。2日目に行われた準決勝では強豪・日体大と対戦し、序盤は善戦するも中盤以降失点を重ねると、打線も相手投手陣を攻略することができず0―9で敗戦し、3位で大会を終えた。

2回戦

TEAM合計
東海大
早大×

バッテリー

稲垣、佐藤、稲垣-鈴木

二塁打

なし

三塁打

なし

本塁打

なし

 初戦、先発マウンドに上がったのはエース・稲垣拓朗(スポ4=群馬・新島学園)。速球で相手を押し込み、初回を三者凡退として試合の流れをつくる。するとその裏、連続四球で満塁のチャンスを作ると、4番の齋藤向陽副将(社4=群馬・新島学園)が右翼手へ先制の2点適時打を放ち、幸先よく先制に成功した。その後、押し出しの四球で1点を追加し、このまま一方的な試合展開になるかと思われたが、2回以降はチャンスを作りながらもホームが遠い展開に。3回、5回には併殺打で好機を逃すなど相手内野手陣の守備に阻まれる場面もあった。


先制の適時打を放った齋藤向副将

 打線が苦しい中でも稲垣は好投を続け、3回に三者連続三振を奪ったところで佐藤玲弥(社3=静岡・飛龍)にスイッチ。後を託された佐藤はランナーを出しながらも2イニングを無失点にまとめるなど、2人で合計14個の三振を奪い、東海大に付け入る隙を与えない圧倒的な投球を披露。すると、投手陣の快投に応えるべく6回に待望の追加点が生まれる。金丸佳史(人2=東京・佼成学園)が四球で出塁し、犠打で1死二塁のチャンスを作ると、打席には代打・福永隆稀(スポ2=大阪・北野)。右中間を破る打球を放つと、福永はそのまま快足を飛ばして本塁に駆け込み、ランニング本塁打で2点を追加し初戦を突破した。


ランニング本塁打を放った福永

準決勝

TEAM合計
日体大 
早大 

※規定により6回コールド

バッテリー

稲垣-鈴木

二塁打

なし

三塁打

なし

本塁打

なし

 準決勝の相手は日体大。今年に入ってから2敗している相手であり、早大にとっては宿敵と言える。早大はこの日も稲垣が先発マウンドに上がると、要所を締めて序盤を無失点で切り抜けるが、4回に試合が動く。2つの四球でピンチを招くと、7番の打球が二塁手・畠山陸主将(スポ4=高知西)の左方へ。畠山主将はこの打球になんとか追いつくが、二塁への送球がそれてしまい失点を許す。ここから日体大打線が火を吹き、3連打を浴びて一気に6点を失った。6回にも連打で失点して点差が開くが、打線は相手投手に翻弄(ほんろう)され3回以降は走者を出すことができず、そのままコールド負けを喫した。


エース・稲垣はこの日も先発した


表彰状を受け取る畠山主将

 全日本大学男子選手権(インカレ)の前哨戦となった今大会。早大としては満足のいく成績ではなかっただろう。しかし畠山主将は「進んでいる方向は間違っていない」と前向きだ。9月7日に開幕するインカレ。優勝という目標に向け早大の戦いは続く。

(記事 西本和宏、写真 沼澤泰平、林田怜空)

試合後コメント

畠山陸主将(スポ4=高知西)

――2回戦を振り返って
  トーナメントの初戦で、コールドで終わらせたい試合でしたが、なかなか自分たちのソフトボールができず、結局7回までいってしまった点はインカレを勝ち抜く上で課題になるかなと思います。その中でも、勝ちきれていたり、0で抑えられていたりする点ではチームの最低限やらなければいけないところはできています。いつもと違った試合展開を経験できたことはインカレを見据えていい収穫になったかなと思います。

――好投した投手陣をどのように見ていたか
 特に稲垣は安心して見ていられる投手で、コースにいいボールを投げていましたし、タイミングも合わせられていない圧倒的なピッチングだったと思います。内野手が守る場面もあったので、東海大戦のようにピッチャーを助けながらやれればいいなと思います。

――この2ヶ月で取り組んだことは
 バント、バスターの部分には特に力を入れていました。かなり良くなってきていて、僕自身も手応えがあったので、東日本でどこまでできるかを試していました。自分たちの理想とはまだ程遠かっですが、進んでいる方向は間違っていないので、もう1段、2段成長しなければならないなと思いました。

――準決勝を振り返って
 3回まではいい雰囲気で試合ができていました。ピンチを招く場面もありましたが稲垣がピシャリと抑えてくれましたし、こちらもチャンスを作る場面があったというところで、先に先制点が欲しい展開でした。4回に崩れてしまった場面では、自分のミスからぷつんとチームとして切れてしまったとこがあるので、そこで踏ん張りたかったです。

――日体大とは3回目の対戦。チームで話し合ったことは
 相手ピッチャーがすごく良くて、打席の中で後手に回ってしまうと太刀打ちできなくなってしまうので、ファーストストライクから積極的に狙っていこうという話はしていました。相手投手の変化球も対戦経験からそれぞれ頭に入っていて、あとは初球から仕留められるかどうかというところでした。

――全日本インカレに向けて取り組みたいことは
 正直稲垣のピッチングは素晴らしかったですし、終わってみれば彼1人に戦わせてしまった部分を感じています。やっぱりエラーした方が負けるので、いかに稲垣を楽に投げさせられるかという点が最後の最後まで課題になると思います。早稲田は東日本が終わってからの夏休み練習でぐっと伸びるチームなので、インカレ優勝という目標は変わらないですし、組み合わせも決まって対戦相手もイメージできています。今日は悔しい思いをしたので、後1ヶ月、しっかりと練習したいと思います。 

齋藤向陽副将(社4=群馬・新島学園)

――東海大戦を振り返って
 そこまで球の速い投手ではなく、自分たちがどんどん点をとってコールドにしたい相手でしたが、打つ方で自分たちを苦しめてしまった試合でした。

――先制のタイムリーを振り返って
 0アウト満塁で打順が回ってきて、自分の仕事は走者をかえすことだったので、ボールを引きつけてヒットにすることができてよかったです。

――日体大戦を振り返って
 みんな気合いも入っていましたし、春リーグが終わってからの期間でやってきたことの成果を出して勝ちたかったですが、まだ日体大は強いなという印象と、自分たちにも攻守で見つめ直さなければいけない課題があるなと感じました。

――日体大の救援投手に苦しめられましたが、対戦を振り返って
 日体大は先発した新井(大和)と2番手の吉本(和央)が2枚看板として昨年から投げていて、去年の秋は関東インカレで打って勝つことができましたが、春リーグ、東日本とやられてしまっている状況なので、インカレで当たった際には相手を分析することもそうですし、攻撃のスタイルを見つめ直してやっていきたいと思います。

――インカレに向けて取り組みたいことは
 実力が急に伸びることはないと思うので、一つのプレーに対していろんな選択肢で迷う、という状況ではなく迷いなくプレーの選択ができるように、残り1ヶ月で練習していきたいです。

――インカレへの意気込みは
 初戦の中京学院大は結構手ごわい相手だと思うので、そこをしっかりと勝ち切って勢いに乗りたいと思います。

稲垣拓朗(スポ4=群馬・新島学園)

――今大会を振り返って
 全日本インカレの前哨戦で勢いをつけたい試合でしたが、なかなか攻撃がつながらなくて、チームに勢いがつけられなかったところは反省点です。ただ、トーナメントで1つ勝ったことは大きいと思います。チームとしては、準々決勝から準決勝で相手のレベルが上がるので、切り替えることがすごく大事だということは全員の認識としてありました。今日(日体大戦)に向けても、アナリストの田島(春樹、スポ4=長崎・上五島)を中心にデータミーティングをして、明日どういう戦法で行くかを話し合っていた中で、相手の流れになったときに大量失点してしまったところは、バッテリーのミス、守備のミスや、(プレーが)後手後手に回った結果かなと思います。大会全体としては、インカレまであと1ヶ月というなかで課題が見つかった点で、収穫としては良かったと思います。このままでは終われないので、インカレではしっかり頑張ります。

――東海大戦では奪三振ショーとなりました。ご自身の投球を振り返って
 相手のレベル的にもそこまで力を入れるバッターでなかったので、無駄な失点がないようというところを意識した結果かなと思います。

――佐藤選手も好投を見せました。稲垣選手から見て、佐藤選手の印象は
 彼は力がある球を持っているので、そこでどんどん押してっていけるところがストロングポイントかなと思います。

――日体大戦の投球を振り返って
 前半はいい形でバッテリーの思い通りにできてた部分はありますが、相手の流れを止められなかったところがあります。バッテリーとして、相手が流れに乗った時にどういった投球をして流れを断ち切るか、三振を取れるかというところがこれからの課題かなと思いました。日体大には連敗しているので、 インカレでは絶対に勝ちたいです。

――序盤の好投の要因は
 ストライク先行だったのが良かったかなと思います。それと、ランナーを出したところでも三振が取れたので、相手の流れを切れたことがすごく良かったです。

――失点がありながら、1人で投げ続けました。日体大打線と対戦した印象は
 甘い球をしっかり捉えてくるなというところで、日体大打線のレベルの高さを痛感しました。 簡単に三振してくれる回数も少なかったです。ただ、見逃し三振が無くて、積極的にスイングしてくるので、そこを逆手に取って、振ったけど打ち取られるという投球にこれからはしていきたいと思います。

――最後にインカレへの意気込みは
 今回は負けてしまいましたが、やっぱ落ちたら上がるだけだと思うので、インカレは悔いのないような結果にしたいですし、あと1ヶ月悔いのない日々を送りたいと思っています。