【女子サッカー】ア女PK戦の末、大阪体育大に敗れる インカレは無念の初戦敗退

ア式蹴球女子

全日本大学女子サッカー選手権 2回戦

2024年12月26日(金)11:00 Kickoff
Jグリーン堺S1

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早稲田大学 0 0 0
大阪体育大学 0 0 0

得点者

前半

なし

後半

なし

PK結果

PK結果

順番 キッカー 結果 相手の結果
1 宗形みなみ主将 ×
2 生田七彩 ×
3 吉田玲音 ×
4 﨑岡由真
5 杉山遥菜

 全日本大学女子選手権(インカレ)の2回戦が26日に行われた。ア式蹴球部女子(ア女)は、インカレ初戦の相手として3年連続となる大阪体育大学(大体大)と対戦。前半序盤は両者の中盤での攻防が続くも、徐々にア女がボールを握る形となる。ボールを回すア女に対して、大体大はブロックをしいて守備を固める状態が続き、後半へ折り返す。後半も果敢に相手の最終ラインの裏を取りに攻撃を仕掛けたア女だったが、ゴールネットを揺らすことができず。PK戦までもつれこみ、3ー4でまさかの敗北。ア女はインカレをくしくも初戦敗退(ベスト16)で終えることとなった。

ドリブルを仕掛けるFW生田七彩(スポ4=岡山・作陽学園)

 試合開始から15分ほどまで両者共に攻守のせめぎ合いが続いていた中、MF吉田玲音(社2=新潟・帝京長岡)を中心にア女が徐々にボールを安定して保持し始める。一方大体大はブロックディフェンスをしくことで、ア女にボールは握らせているものの、最終ラインを崩さない堅守を見せる。拮抗状態が続いていた前半25分、右サイドのMF米村歩夏(スポ2=宮城・聖和学園)からの裏へのパスにFW生田七彩(スポ4=岡山・作陽)が抜け出す。シュートまで行かなかったが、以降ア女のサイドからのシュートやセンタリングが見え始める。しかし、大体大の堅い守備を突破することができず、スコアレスで後半へと折り返した。

パスを出すDF小林舞美(スポ4=ちふれASエルフェン埼玉マリ)

 後半に入ると、大体大の攻撃に勢いが出始める。49分、自陣でのパスワークミスから相手にボールを奪われミドルシュートを打たれるも、GK勝間田葵(スポ1=大阪・大商学園)がジャンピングの好セーブを見せピンチを防ぐ。69分には、左サイドを突破され上がったセンタリングを勝間田がパンチングでクリアするなど、大体大の攻撃がア女ゴールへと迫る。そんな中でも、MF宗形みなみ主将(スポ4=マイナビ仙台レディース)や生田を中心にア女は相手最終ラインの裏へとスルーパスやロングフィードを仕掛けていく。残り時間ない90分には、後半から投入されたMF福島茉莉花(スポ1=東京・十文字)、宗形、FW﨑岡由真(スポ3=浦和レッズレディース)の流れるパスワークから最後に抜け出した生田が体を投げ出してシュートを流し込むも、ゴールに吸い込まれる直前で相手ディフェンダーのスライディングに阻まれた。そのまま試合はフルタイムが経過し、両チームはPK戦へと向かうことになる。

戦況を見つめる宗形

 ア女の先攻となり、1人目キッカーはキャプテン宗形だった。宗形はゴール左隅を狙ったキックを選択。しかし、相手のキーパーにセーブされてしまう。大体大の1人目のキッカーは成功する。宗形に続くア女の2人目のキッカーはエース生田。生田も左下を狙うが、枠外。ア女はまさかの2人立て続けに失敗となる。それでもア女は続く吉田、﨑岡、DF杉山遥菜(スポ3=東京・十文字)が成功。しかし、大体大は4人がキックを成功させ、ア女はPK戦を3-4で敗北した。同時に、ア女のインカレ敗退が決まった。

 

PKを蹴る杉山

 ア女の2025年シーズンが終了した。関東大学女子リーグ5位、インカレ初戦敗退と優勝を目指していた両大会で目標とした結果に届かなかった。良い試合をしていても勝利につながらない。「勝ち切れないところの課題を最後の最後でまた突きつけられてしまった」と指揮官の言葉通りシーズンを通しての課題がまたしても立ちはだかった。試合を振り返った宗形主将も「悔しい」の一言。ただ、今季を振り返れば悔しい結果の中にも歓喜の瞬間があったのは確か。昨季の主力が多く抜けた中、下級生を筆頭に新戦力が台頭。そして後輩の活躍の背景には、5人の4年生の存在がある。例年よりも少数な学年であるにもかかわらず、チームをまとめてけん引。スローガンに掲げた「躍道」するプレーを個々が披露。4年生が目指したチームの姿は、体現されていた。この悔しさと今季見せた成長をバネに、ア女の挑戦はこれからも続く。

(記事 髙橋彗人 写真 勝野優子、荒川聡吾)

早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン)
GK 16 勝間田葵(スポ1=大阪・大商学園)
DF 2 新井みゆき(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
DF 3 杉山遥菜(スポ3=東京・十文字)
DF 4 小林舞美(スポ4=ちふれASエルフェン埼玉マリ)
DF 13 佐溝愛唯(社2=大阪・大商学園)
MF 7 﨑岡由真(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 10 ◎宗形みなみ主将(スポ4=マイナビ仙台レディースユース)
MF 11 三宅万尋(スポ2=東京・十文字)
→HT、福岡結(スポ2=岡山・作陽学園)
MF 17 米村歩夏(スポ2=宮城・聖和学園)
→61分、福島茉莉花(スポ1=東京・十文字)
MF 30 吉田玲音(社2=新潟・帝京長岡)
FW 9 生田七彩(スポ4=岡山・作陽学園)

試合後インタビュー

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

ーーインカレに向けてどのような準備をしてきましたか
 WEリーグにキャプテンの宗形が参加していた部分もあったので、リーグで積み重ねきれなかった部分を、最後のインカレまでの期間でしっかり積み重ねてきました。

ーー試合を振り返っていかがですか
 やはり得点を取らないと勝てないという中で、シュートを打たせてもらえてなかったところが1番の敗因だと思います。

ーーPKに向けての準備はありましたか
 通常通りPK練習はしてました。ただ、PK戦になる前にしっかり決め切る準備をしてきた中で、勝ち切れないところの課題を最後の最後でまた突きつけられてしまったと思います。

ーー今季を振り返っていかがですか
 まず4年生が5人という少ない人数の中で一生懸命彼女たちなりにチームをまとめてきてくれたと思います。(3年生以下の選手たちは)まだこれからがある子たちなので、あえて厳しく言いたいと思いますが、おそらくピッチの中で自分の力を出せなかったと悔しい思いをしてくれている選手たちが必ずいると思います。人間は忘れる生き物なので、その悔しさは忘れずに来年と言わず、明日からやるべきことをやりなさいと言いたいです。

 

MF宗形みなみ主将(スポ4=マイナビ仙台レディースユース)

ーー試合を終えてどのような気持ちですか
 悔しい思いが1番大きいです。

ーー試合を振り返っていかがですか
 風もあった影響で自分たちのペースをつくれずに押し込まれるシーンもありましたが、前半のうちに自分たちで持ち直してゴール前まで行けたのは良かったです。ただ得点の形が正直見えていなくて、押し込んだ展開の中でどう崩すかという部分を相手のラインが下がってる中で背後に蹴ってしまったり。そういう細かいところがシュートを打ち切れてないことにつながっていることは感じていました。後半はサイドからのクロスだったり、相手の間を刺すことは意識しましたが、ゴールまでの得点パターンが見えず、スコアレスに持ち込んでしまったと思います。

ーーPK戦では一番手のキッカーを務めました
 練習して自信もあったので、自分が1番に蹴ってみんなを安心させようと思って蹴りに行きました。

ーー主将として過ごした今季を振り返っていかがですか
 WEリーグやケガで離脱したりと思うようにいかない、これまでで1番苦しい1年間だったと思いますが、がむしゃらについてきてくれる後輩がいて、たくさんチームのことを考えてくれる同期がいて、最後までこのメンバーでやれて本当に良かったです。

ーー後輩にはどのようなことを伝えたいですか
 最上級生になって気づいたこととして、やっぱり(自分たち)より上の人たちは偉大だなと思ってました。自分も去年の映像を試合前に見ましたが、すごく伸び伸びプレーしている自分がいて、そういう環境を次の4年生につくってほしいですし、そういう環境のもとで成長してほしいです。