【女子サッカー】関カレ最終節を勝利で飾る 次戦からア女の戦いは皇后杯本選へ

ア式蹴球女子

関東大学女子サッカーリーグ 後期第11節

2025年11月2日(日)13:02 Kickoff

@大東文化大学東松山キャンパス総合グラウンド

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早大 3 1 4
大東文化大 1 1 2

得点者

前半

14分 米村 歩夏

18分 福岡 結

28分 米村 歩夏

39分 神立 美百合(相手)

後半

73分 岡山 菜月(相手)

89分 福島 茉莉花

 関東大学女子リーグ(関カレ)の最終節が2日に行われた。ア式蹴球部女子(ア女)は、アウェーで大東文化大と対戦。立ち上がりからア女が攻め込むと前半の内に3点を先取する。しかし、その後は相手の反撃を受けて2点を奪われると試合は1点差のまま終盤に入る。僅差の状況が続く中、89分にMF福島茉莉花(スポ1=東京・十文字)が勝利を手繰り寄せる4点目を決め、試合は終了。最終節を白星で飾ったア女は、関カレを5位で終了した。

ドリブルを仕掛けるMF三宅万尋(スポ2=東京・十文字)

 「宗形を含めてリーグを通して試せていなかった組み合わせを試した」(後藤史監督、平21教卒=宮城・常盤木学園)という指揮官の言葉通り、DF杉山遥菜(スポ3=東京・十文字)とDF佐溝愛唯(社2=大阪・大商学園)を中心とした3バックに加えてDF吉田玲音(社2=新潟・帝京長岡)とMF宗形みなみ主将(スポ4=マイナビ仙台レディースユース)の組み合わせで中盤を構成した今節のア女。立ち上がりからボールを握り、敵陣へと攻め込んだ。14分、敵陣でフリーキックを得るとキッカーの宗形がペナルティーエリア内へロングボールを送る。競り合いの末ボールがゴール前へとこぼれると、MF米村歩夏(スポ2=宮城・聖和学園)が押し込み、先制に成功。18分には右サイドからのクロスのこぼれ球を、MF福岡結(スポ2=岡山・作陽学園)が拾い左足を振り抜いて追加点。28分、再び右サイドで起点をつくると、ペナルティーエリア内へクロスが送られる。一度は相手がクリアするが、ゴール前へのこぼれ球をまたしても米村が押し込み3点目。開始30分でア女が一気に3点のリードを確保した。しかし39分、自陣で相手に押し込まれるとクロスを跳ね返せずシュートを決められる。3-1で試合は後半へと進んだ。

パスを出す吉田

 後半の立ち上がりは、相手がア女を押し込んだ。50分、自陣でボールを失うと相手の速攻からシュートを許す。枠を捉えた一撃だったが、GK田村亜沙美(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が好セーブを見せて失点を許さない。ところが73分、自陣右サイドで起点をつくられると、相手がゴールへと向かう低弾道なクロスを送る。ポストに当たり跳ね返ったこぼれ球を押し込まれて失点。相手が1点差へと迫り、試合は終盤へと向かう。両チームともに次の1点を目指す中、途中交代で投入された福島が試合を決めた。89分、細かいパスをつないで左サイドから相手を押し込むとボールはペナルティーエリア手前に位置する福島の下へ。福島がワンタッチでシュートを放つと、ボールは綺麗な弧を描いてゴールへと吸い込まれた。終了間際に4点目を決め、ア女が勝利を手にした。

ボールをキープするFW生田七彩(スポ4=岡山・作陽学園)

 「勝ち切れない試合が多かったシーズン」と今季の関カレを振り返ったア女。優勝を目標に掲げたが、結果は5位。接戦で決勝点を決められず、失点を許すことで勝ち点を落とす試合が順位に響いた。一方、チーム全体として大きく成長できたのも確かである。米村や吉田、三宅といったメンバーが主力として台頭。昨季からの主力が抜け、主将の宗形がチームを離脱する中、下級生を中心に出場機会を増やす選手が出てきた。次戦からア女は皇后杯本選に臨む。上位リーグに所属する高い強度を保つ相手に対し、試合を通して自らも成長し高めていくパフォーマンスに期待だ。ア女の戦いは新たな舞台へと進む。 

(記事 荒川聡吾、写真 勝野優子)

スターティングメンバー

GK 1 田村亜沙美(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
DF 2 新井みゆき(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
→92分、小林舞美(スポ4=ちふれASエルフェン埼玉マリ)
DF 3 杉山遥菜(スポ3=東京・十文字)
DF 13 佐溝愛唯(社2=大阪・大商学園)
DF 30 吉田玲音(社2=新潟・帝京長岡)
MF 7 﨑岡由真(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
→72分、小島世里(スポ1=東京・十文字)
MF 10◎ 宗形みなみ(スポ4=マイナビ仙台レディースユース)
MF 11 三宅万尋(スポ2=東京・十文字)
→72分、千葉梨々花(スポ3=東京・十文字)
MF 17 米村歩夏(スポ2=宮城・聖和)
MF 19 福岡結(スポ2=岡山・作陽学園)
→HT、福島茉莉花(スポ1=東京・十文字)
FW 9 生田七彩(スポ4=岡山・作陽学園)

試合後インタビュー

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)
ーー今シーズンを振り返っていかがですか
 勝ち切れない試合が多かったシーズンでした。リーグ全体を通して決めきれなかったり、1回のカウンターでやられてしまったりと、そういう自分たちのウィークポイントが勝ち点につながったシーズンだったと思います。

ーーシーズンを通して成長できたと思うことはありますか
 シーズン前に愛笑(大山、現FCローゼンゴード)が抜け、宗形が途中でいなかったりと去年の中盤を担っていたメンバーが全員いない状況の中、チャンスを得た1年生から3年生の選手が試行錯誤しながら、苦しみながらも勝ち点と向き合ってきてくれた部分での成長はあると思います。

ーー今日の試合を振り返っていかがですか
 優勝の可能性がなくなり、インカレ(全日本大学女子選手権)の出場権が決まっている中、ひとつでも順位を上げることを意識していました。同時に、特別指定でWEリーグに出ていた宗形を含めてリーグを通して試せていなかった組み合わせを、試したいということがありました。

ーー皇后杯とインカレが続きますが、どのようなことを意識して臨みますか
 皇后杯とインカレは相手のサッカーも強度も異なる大会です。皇后杯に出るメリットとして、試合の中で強制的に強度を上げてチームを作っていけることがあります。大会の結果を出すという部分で違いがありますが、チームとしては皇后杯を経て、インカレに向けて完成度を上げていきたいと思います。

MF宗形みなみ(スポ4=マイナビ仙台レディースユース)
ーー久々にア女での試合出場となりました
 本当は先週から出る予定でしたが、足首の調子が良くなくて、最終節のみの出場になりました。自分たちがボールを支配することは前々から分かってた中での崩しの質だったり、コンビネーションの部分はチームを離れてましたけど、合ってるなと思いました。

ーー今シーズンを振り返っていかがですか
 優勝を目指してやってきた中、1勝2勝で順位が大きく上がる僅差が続いていました。その中で自分たちは負けてはいけなかったと思いますし、1点を決めきる力がない部分は前期から続いて勝敗を分けたと感じました。

ーー今日の試合を振り返っていかがですか
 攻めている中で相手に引かれた時に崩しきるところで難しさはありましたが、前半のように前線が流動的に動けば、相手が開いてゴールにも繋がると思いました。ただ、後半にメンバーが変わっても同じサッカーをすることと得点を積み重ねることは引き続き取り組まないといけないですし、1回のピンチを失点につなげてしまう弱さも改善する必要があります。

ーー失点の場面はどのような課題がありましたか
 3バックでプレーしている中、後ろがマンツーマンになるというリスクを承知の上で攻撃に出ているので、自分たちがプレーをやりきる必要があります。攻撃の選手の奪われ方が悪かった分、カウンターを招いています。

ーー皇后杯に向けてチームをどうまとめていきますか
 人数も少なく、怪我人もいますが、自分たちはWEクラブ撃破を目標に掲げてるので、1回戦は勝たないといけないと思います。なでしこリーグ2部のチームと格上の相手ですが、チャレンジャー精神を忘れずに自分たちのサッカーでしっかり勝って、次につなげたいと思います。