WEリーグ・ちふれASエルフェン埼玉(EL埼玉)は25日、FW生田七彩(スポ4=岡山・作陽)の加入内定を発表した。ア式蹴球部女子(ア女)からプロ・WEリーグクラブへの加入内定は、今季2人目となる。

早大入学後、1年時から関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)でスタメン出場を果たし、皇后杯や全日本大学女子選手権(インカレ)でもメンバー入りを経験した生田。しかし、2年時には前十字靭帯断裂の大ケガにより約8カ月の長期離脱を余儀なくされた。それでもシーズン終盤に復帰を果たすと、3年時には主力の座をつかみスターティングメンバーに名を連ねた。今季は、関カレでは全試合にスタメン出場。チームトップの8得点を記録している。ア女の攻撃の要であり、その存在感は生田のパフォーマンスがチームの勝敗を左右するほど。そんなプレッシャーがかかるなか、自らの得点でチームを勝利へと導いており、正真正銘「ア女のエース」と言えるだろう。

生田の最大の持ち味は、圧倒的なスピードだ。裏への抜け出し、サイドでのドリブル突破などスピードを生かしたプレーで一気にゴール前へと迫る。ゴール前では冷静なフィニッシュワークを兼ね備えている。虎視眈々と相手の隙を狙い、スピードで相手を置き去りにする生田。相手DFにとっては常に気が抜けない嫌なフォワードだ。今季は、スピードを生かしたプレーに加えて身体を張ったポストプレーや細かいタッチを使ったドリブルも目立っている。90分通して前線からハイプレスをかけ続ける姿も印象的だ。攻撃だけでなく、守備でもチームをけん引する。着実にオールラウンダーのストライカーとしての進化をみせている。

内定先のEL埼玉は、昨季のWEリーグで6位。WEリーグ発足後の数シーズンは最下位に沈んでいたが、2023-2024シーズンから急成長を見せている。過去2シーズンは8位、6位と右肩上がりで順位を上げており、クラブ創設40周年を迎える今季はさらなる上位進出を目指す。WEリーグの舞台でも快速でピッチを駆け回る生田の姿が見られることを楽しみにしたい。
(記事 荒川聡吾)