主導権を握られるも、集中した守備を披露 日体大との接戦は引き分けに終わる

ア式蹴球女子

関東大学女子サッカーリーグ 後期第4節

2025年7月12日(土)18:00 Kickoff

@東伏見サッカーグラウンド

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早大 1 0 1
日体大 1 0 1

得点者

前半

39分 三宅 万尋

44分 朝倉 加奈子(相手)

 関東大学女子リーグ(関カレ)は後期第4節を迎えた。ア式蹴球部女子(ア女)は39分にMF三宅万尋(スポ2=東京・十文字)のゴールで先制に成功する。しかし、前半終了間際にコーナーキックから失点。後半は相手にチャンスをつくられたが、要所で堅い守備を見せて相手に追加点を与えない。ただ最後まで勝ち越し点を奪えず、試合は1-1の引き分けに終わった。

ドリブルを仕掛ける三宅

 序盤から主導権を握ったのは日体大だった。相手がボールを保持する展開が続き、ア女は自陣に押し込まれる。それでもしっかりとブロックを敷いて連動した守備を見せることで、ペナルティーエリア内へは相手を侵入させない。時間が経つにつれア女もビルドアップに試みる。GK田村亜沙美(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)を交えたパス交換から相手の陣形を揺さぶった。すると迎えた39分、最終ラインからDF杉山遥菜(スポ3=東京・十文字)が鋭い縦パスを送り、一気に敵陣へと侵入。中央から左サイドへとボールを展開すると、再び中央でパスをつないで右サイドの三宅にパス。ペナルティーエリア手前でボールを持った三宅がカットインから左足を振り抜くと、ボールは相手GKの届かないコースへと吸い込まれた。苦しい展開のなか、先制に成功したア女。しかし44分にコーナーキックから失点を許し、同点で試合を折り返した。

好パフォーマンスを見せたMF米村歩夏(スポ2=宮城・聖和)

 後半も日体大がボールを持つ時間が長く続いた。そんな相手に対し、ア女は前半同様に統率のとれたディフェンスを見せる。だが時間が経ち体力が消耗するにつれ、徐々に相手がゴール前へと迫った。60分には自陣でDFライン裏を取られてシュートを打たれるも、ボールは枠外へ。71分には自陣の左サイドからクロスを放たれると、ゴール前で相手FWがシュート。枠を捉えたシュートだったが、ボールは田村の正面へと飛んだ。ア女もチャンスをつくる。77分、ピッチ中央でボールを奪うと、FW生田七彩(スポ4=岡山・作陽)がドリブルで前進して右サイドの三宅へとパス。三宅は勢い良く右足を振ったが、シュートはゴール上へそれた。終盤に入ると流れは再び日体大へ。パワープレーでゴールへと迫る相手に対し、ア女は防戦一方となった。88分、自陣で相手にクロスを送られると、ペナルティーエリア中央で相手FWがヘディングシュート。完璧に合わせられた一撃だったが、田村がスーパーセーブを披露し、何とかゴールラインを割らせなかった。その後も相手がチャンスをうかがったが、追加点は与えずに試合は終了。勝ち点1を分け合う結果となった。

関カレ初出場となったMF福島茉莉花(スポ1=東京・十文字)

 前後半通じて相手にボールを支配された今節。なでしこリーグでの出場経験もある選手が揃った相手に対し、ア女は苦戦を強いられた。それでも球際での勝負では粘り強さを見せ、選手全員が好パフォーマンスを発揮。実力のある相手に対し屈するのではなく、むしろ自分たちを高めていく果敢な姿勢が光った。90分通して相手の高い基準に適応し、選手一人一人が成長を見せたのは明らかだった。次節、強豪・山梨学院大との一戦でもア女はさらなる成長を見せてくれるはずだ。

(記事 荒川聡吾、写真 和田昇也、上田浩誠、綿貫竜之介)

先制点喜ぶ選手たち

早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン)

GK 1 田村亜沙美(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
DF 2 新井みゆき(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
DF 3 杉山遥菜(スポ3=東京・十文字)
DF 25 小林睦(スポ1=湘南ベルマーレU18ガールズ)
MF 5淀川知華(商4=山梨・日本航空)
→66分、福島茉莉花(スポ1=東京・十文字)
MF 6 千葉梨々花(スポ3=東京・十文字)
MF 7 﨑岡由真(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 8 佐藤美海(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 17 米村歩夏(スポ2=宮城・聖和)
MF 11 三宅万尋(スポ2=東京・十文字)
FW 9 生田七彩(スポ4=岡山・作陽)

 試合後インタビュー

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

ーー初出場の小林選手が好パフォーマンスでした
 小林が潰すところをしっかり潰してましたし、ビルドアップでも遠くの選手を見ることができていました。彼女自身は色々できなかったことも感じてると思いますが、関カレデビューであれだけ戦えたことは自信にしてほしいです。ここからまた競争して、高めていってほしいです。本当に良く頑張ったと思います。

ーー試合全体を振り返っていかがですか
 前半しっかりと狙いをもって戦えてた部分がありましたが、やはり奪いきれないところは私たちのフィジカルの課題として、夏に上げていくことが必要になったなと。後半に関しては、奪いきれないことによって、2回3回スライドすることで体力をどんどん奪われてしまった部分があります。最初の狙いのところで奪えたら、自分たちが楽にできたので、うまくできてた部分と明確な課題と両方見えた試合でした。

ーー日体大相手にどのような準備をしてきましたか
 ブロックを引いてズルズルと下がるのではなく、最初のゾーンでコンパクトにすることを準備しました。

ーー中盤の3人も良いパフォーマンスでした。どう評価しますか
 佐藤と千葉はスライドがかなり多かったと思うので、後半体力的にきつい部分は非常にあったと思いますが、頑張ってくれたなと。宗形がいないなかサイドチェンジを使った攻撃が少なくなりましたが、良いプレーもありました。米村はこれまで相手の強度でボールを奪われてしまうことがありましたが、コツコツと彼女がフィジカルを鍛えていく中で、そう簡単にロストしなくなりました。元々フォワードの選手だったので、ターンしてシュートまで持っていくプレーもできます。最初は難しかったと思いますが、だいぶ視野も広くなってきて、前期に見られたシュートシーンも期待できると思います。

ーー次戦に向けた意気込みをお願いします
 前期の山梨学院大との試合は悔しい結果で終わっているので、ハードな試合にはなると思いますが、早稲田としてしっかり戦えるように1週間準備して勝ち点3を取りたいと思います。

MF米村歩夏(スポ2=宮城・聖和)
ーーこの試合に対してこの1週間、どのような準備をしてきましたか

 最近、勝ち切れてなくて今節こそは、勝ち点3を取れるように、守備の部分も切り替えとか、球際にもこだわってきたし、強度の高い練習で、勝ち切れるように練習してきました。

ーー実際に試合を振り返ってみて、いかがでした
 やっぱまだ相手のほうが、上回ってる部分もあったし、自分たちの課題である。決めきれないとか、もう一歩出せないというところが結構顕著に出てたかなと思うので、それが結果につながったと思うので、ついこそは勝ち点3を取れるように、そういう決め切るとかという部分を今週やっていきたいなと思っています。 


DF小林睦(スポ1=湘南ベルマーレU18ガールズ)

ーー関カレ初出場でした。どのような意識で試合に臨みましたか
 まず初出場ということで凄く緊張していました。ただ、周りの先輩方が「自信持って堂々とやってこい」と声をかけてくれて、自分のプレーを発揮できるように無駄なことは考えずに臨みました。自信持ってプレーして無失点で抑えることを意識していました。

ーープレーを踏まえて手ごたえはありますか
 まだ追いつけていない部分もありましたが、自分が通用する部分も見つけられたので良い経験になったと思います。

ーーご自身のどのようなプレーが強みだと思いますか
 自分の1番の強みは球際の守備だと思っているので、他の部分であるビルドアップを今後もっと極めていけるように頑張りたいです。

ーー大学サッカーにはどのような印象がありますか
 高校の時とは違うレベルと雰囲気を感じています。毎回の練習を100パーセント以上でやらないとついていけないと感じています。

ーーこれからに向けた意気込みをお願いします
 今日通用した部分をもっと出していけるように、そして自分がうまくいかなかった部分を今後もっと極めていけるように日々練習を頑張りたいと思います。