上位相手に無失点の堅守見せるも得点を奪えず スコアレスドローに終わる

ア式蹴球女子

関東大学女子サッカーリーグ 後期第3節

2025年7月6日(日)19:00 Kickoff

@十文字学園サッカーグラウンド

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早大 0 0 0
筑波大 0 0 0

得点者

なし

 関東大学女子リーグ(関カレ)の後期第3節、アウェーで十文字学園女子大と対戦したア式蹴球部女子(ア女)。快勝を収めた前期の対戦に続いてシーズンダブルを狙った今節、ア女は両サイドから多くのチャンスを作り出すも、無得点に終わった。一方、守備面ではア女の最大の特徴でもある「堅守」を体現することで対戦相手にゴールを割らせず、試合はスコアレスドローに終わった。

チャンスを逃し頭を抱える生田

 試合開始早々、ア女はチャンスを作る。2分、自陣でパスカットしたMF佐藤美海(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)が右サイドに走り出したMF三宅万尋(スポ2=東京・十文字)にスルーパスを出す。ボールを収めた三宅は縦に運び、ペナルティーエリア内で待ち構えていたFW生田七彩(スポ4=岡山・作陽)にクロスを上げるも、生田のシュートはわずかに枠の右側へ。守備陣も奮闘する。19分、相手選手に自陣でドリブル突破され、ボックス内に侵入されるもGK田村亜沙美(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が身を乗り出して、シュートブロックをする。その後も三宅や生田ら攻撃陣を中心にゴール前に迫ったが、決め切ることができずに前半を終えた。

シュートを打つMF米村歩夏(スポ2=宮城・聖和)

 後半は前半に比べるとボールを多く握り、かつ相手陣地でプレーすることの多かったア女。得点を取ることができず、少しもどかしさを感じる展開の中、67分にこの日最大のチャンスが訪れた。右サイドから主将のMF宗形みなみ(スポ4=マイナビ仙台レディースユース)がコーナーキックを蹴ると、ボールに反応したのはDF吉田玲音(社2=新潟・帝京長岡)。ヘディングでシュートするも、惜しくもポストに当たってしまい、セカンドボールは相手GKに抑えられた。この場面を吉田は試合後に振り返って、「決めたかったです」と悔しさを滲ませていた。その後もいくつかチャンスを作ったものの、決め切れなかった。試合終盤の86分、この試合何度も見られた宗形の正確なサイドチェンジを起点に、右サイド三宅へボールが渡り、カットインして左足を振り抜くもシュートは相手GKが正面でキャッチした。

シュートを打つMF佐藤美海(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)

 今節は90分で計13本のシュートを放ったア女だったが、ゴールまでが遠かった。スコアレスドローに終わり、非常に悔しい結果となった。ただ守備において、クリーンシートで試合を終えたことは収穫であり、ア女の良さが発揮された。次節以降、中断まで残り2試合はホーム・東伏見にて開催される。慣れ親しんだグラウンドで勝ち点6を獲ることで、8月の早慶クラシコ、そして中断明けの関カレに勢いをつけたい。

(記事 堤健翔、写真 荒川聡吾)

パスを出す吉田

早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン)

GK 1 田村亜沙美(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
DF 3 杉山遥菜(スポ3=東京・十文字)
DF 13 佐溝愛唯(社2=大阪・大商学園)
DF 30 吉田玲音(社2=新潟・帝京長岡)
MF 6 千葉梨々花(スポ3=東京・十文字)
MF 7 﨑岡由真(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 8 佐藤美海(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 10宗形みなみ(スポ4=マイナビ仙台レディースユース)
MF 11三宅万尋(スポ2=東京・十文字)
MF 17 米村歩夏(スポ2=宮城・聖和)
FW 9 生田七彩(スポ4=岡山・作陽)

試合後インタビュー

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

ーー試合を振り返っていかがですか
 湿気がすごかったなか全員が走りきってくれたことと自分たちの積み重ねてきたことに関しては、ポジティブに捉えられる部分は大いにありますが、やはり勝ち点3を取りたかったところが1番大きいので悔しい試合です。

ーー右サイドの三宅選手を使った攻撃が多かったです。どういった狙いがありましたか

 右サイドは自分たちのストロングポイントでもありますし、相手の守備の仕方も踏まえて狙いどころに定めていました。今日は特にサイドが生きるような展開でした。

ーー千葉選手が左サイドハーフとして起用されました。どのような役割を求めていましたか
 しっかりタメを作れる選手なので、中で起用しても外で起用しても、千葉には千葉らしさを発揮してほしかったです。十文字さんに強度と勢いがあって、球際や切り替えの速さといったところを考えたなか、このメンバーをピックアップしました。

ーー強度の面では、佐藤選手の豊富な運動量とカバーが印象的でした。どう評価しますか
 彼女はすごくクレバーな選手で、IQが高いプレーを常に見せてくれていたので、体がフィットしてくれれば必ず活躍してくれるだろうなと思っていました。身体は小さいですが、ヘディングもしっかりできますし、守備も低いところから体を入れてボールを奪い切ることができるので、まだまだ伸びていくと思います。得点もかなり決めていて、伸びしろがある選手なので、もっと上を目指して伸びてほしいです。

ーー中断まで残り2試合です。意気込みをお願いします
 リーグ戦の順位表を見ていただいたら分かるように、勝ち1つで順位が大きく変動するような試合が続いています。これは大学女子サッカー界としてはすごく良いことだと思います。各大学がお互い切磋琢磨できることは、やっぱり自分たちが成長する上でも必要なことなので、そこをポジティブに捉えて、勇気を持って自分たちの躍動するサッカーを続けていきたいです。残りの対戦相手は日体大、山梨学院大と強度の高いチームで、日体大戦に関してはなでしこリーグの試合が無いことから上のカテゴリーで戦っている選手たちと戦えるかもしれないので、楽しみにしたいと思います。

DF吉田玲音(社2=新潟・帝京長岡)

 ーー試合を振り返っていかがですか
 自分たちがボールを持って、しっかり組み立てて、最後のところで点を取ろうという意図で試合に挑みました。守備は無失点で抑えることができましたが、攻撃のところでは最後に出し切るというところにおいて課題が残る試合となりました。

 ーー守備面では無失点に抑えることができました。手応えはありますか
 あります。やはりゼロという数字にこだわって、練習でも最後シュートを打たせないところであったり、体を張ることにこだわってきたので、守備としては今日の試合でその部分を達成できたと思うので、コツコツ積み上げてきていることが発揮できていると思います。

 ーーセットプレーのターゲットになる場面が多く観られました。そこの部分に対して、普段からどのように意識していますか
 自分はDFで、点を取る機会がセットプレーしか無いので、そのチャンスを絶対にやってやろうという思いと、(チームに)点が入らない時にセットプレーで流れを変えるという意味でも練習でもその部分を強みとして持っているので、決めたかったです。

 ーー吉田選手は昨年と比較してスタメンの機会が増えていて、守備の要となっています。監督から求められていることはありますか
 試合状況において、ボールを落ち着かせる時間帯であったり、逆にラインコントロールをして、バックラインからラインを前に押し出して、(ボールを)奪いにいくというところで、自分で主導権をもって、やるという面で変わりました。

 ーー関カレ中断まで残り2試合です。次戦への意気込みをお願いします。
 順位的にも今厳しい位置に立っているので、次戦は絶対に勝ち点3をとって、インカレに繋がる試合ができるように次戦は点取ります。勝ちます。