3得点で大東文化大相手に快勝 関カレを4位で折り返す

ア式蹴球女子

関東大学女子サッカーリーグ 前期第11節

2025年6月14日(土)16:00 Kickoff

@早稲田大学東伏見サッカーグラウンド

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早大 1 2 3
大東文化大 0 1 1

得点者

前半

29分 生田 七彩

後半

67分 生田 七彩

75分 吉田 玲音

76分 神立 美百合(相手)

 関東大学女子リーグ(関カレ)の前期第11節を迎えたア式蹴球部女子(ア女)。前期最後の試合となる今節は、ホーム・東伏見で大東文化大と対戦した。序盤からペースを握ったア女は、29分にFW生田七彩(スポ4=岡山・作陽)が先制点。67分にも生田が追加点を決めると、75分にはDF吉田玲音(社2=新潟・帝京長岡)がダメ押しの3点目を決める。その後1点を返されたが、最後までリードを保ったア女が3-1で勝利した。

ドリブルを仕掛ける生田

 開始直後こそ自陣でのミスからピンチを招いたア女だったが、徐々に主導権を握る。立ち上がりは右サイドのMF三宅万尋を中心に攻撃を展開。相手を敵陣内に押し込み、チャンスを伺った。その後はサイドチェンジを利用して両サイドの幅を取った攻撃を見せる。すると29分、DF佐溝愛唯(社2=大阪・大商学園)が最終ラインから左サイドのスペースへとパスを出すと、生田がいち早くボールに反応。武器であるスピードを生かして相手を引きはがすと一気にペナルティーエリア内へ侵入した。冷静にシュートを流し込み、先制に成功する。34分には競り合いのこぼれ球を拾ったMF米村歩夏(スポ2=宮城・聖和)がシュートを打つも、ボールは枠外へ。37分には三宅のクロスに生田が頭で合わせたが、枠を捉えられなかった。1-0で試合は後半へと入った。

サイドを駆け上がる﨑岡

 前半同様に後半もボールを保持してペースを握ったのはア女。しかし、ラストパスが合わずに、ゴールを決めきれない時間が続いた。64分には、自陣で与えたフリーキックからピンチをむかえることに。フリーキックのクロスからシュートを打たれたが、MF宗形みなみ主将(スポ4=マイナビ仙台レディースユース)のクリアで失点を免れる。すると67分、ア女がチャンスをつくる。左サイドでボールを運んだMF﨑岡由真(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)が前線の佐溝へパス。佐溝が手前にいた米村にボールを落とすと、米村はサイドの裏を取った﨑岡へスルーパスを供給。﨑岡がそのまま中央へクロスを送ると、このボールに生田がヘディングでシュートを決めた。左サイドでの見事なコンビネーションからア女が追加点を記録。75分には右サイドで三宅が相手を引き付けて後方の吉田へとパス。吉田がワンタッチでゴール前へとクロスを送ると、このボールがそのままネットを揺らして、3点目をゲット。短い時間でア女がリードを広げた。しかし、76分にビルドアップのミスから相手に1点を返された。それでも終盤はア女が落ち着いた試合運びを見せて試合は終了。ホームで勝ち点3を積み上げた。

ボールを運ぶMF福岡結(スポ2=岡山・作陽)

 前節に首位・東洋大との激闘の末、黒星を喫したア女。直近3試合勝ちが無いという悪い流れを止めるためにも勝利が必要となるなか、ホームで快勝を収めた。複数得点と攻撃力を武器とする今季のア女らしさを見せつけての勝利となった。ただ、試合後の選手が口にしたのは反省の言葉。この日2ゴールを挙げた生田は「失点ももったいなかったので、自分的にもチーム的にも納得はいってないです」と語り、﨑岡は「0点で抑えきれなかったことが反省点」と試合を振り返った。上位連戦で勝ち星を逃した要因でもある失点数に選手たちは意識を向けている。関カレは次戦から後期へと進む。上位進出へ、そして目標である優勝を果たすためにもまずは理想とする「堅守」を体現したいところだ。

(記事 荒川聡吾、写真 荒川聡吾、三浦佑亮)

スターティングメンバー

早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン)

GK 1 田村亜沙美(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
DF 2 新井みゆき(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
DF 3 杉山遥菜(スポ3=東京・十文字)
DF 13 佐溝愛唯(社2=大阪・大商学園)
MF 6 千葉梨々花(スポ3=東京・十文字)
MF 7 﨑岡由真(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 8 佐藤美海(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
→64分、吉田玲音(社2=新潟・帝京長岡)
MF 11 三宅万尋(スポ2=東京・十文字)
MF 17 米村歩夏(スポ2=宮城・聖和)
MF 18 河合結月(スポ2=福井工業大附属福井)
→HT、宗形みなみ(スポ4=マイナビ仙台レディースユース)
FW 9 生田七彩(スポ4=岡山・作陽)
→82分、福岡結(スポ2=岡山・作陽)

試合後インタビュー

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

ーー今日の試合を振り返っていかがですか
 今日の試合に限らないですが、今日は特に勝ち点3を必ず取らなければいけない試合だったので、しっかりと勝ち点3を積み重ねられたことが重要でした。

ーーボールを保持する時間が長く続きました。要因はどこにありますか
 やはり点が決まったシーンは良いテンポでパスを回せたところがあるかなと。何度かサイドチェンジといった今取り組んでることも表現できた部分はあるので、そこに関してはしっかりと積み重ねられた結果だと思います。

ーー後半途中から佐溝選手を前線に上げました。どのような意図がありましたか
 左サイドの佐溝と﨑岡に関しては、どちらも前でしっかり仕事してくれる選手です。今日は、佐溝はヘディングが強いので三宅からのクロスといったところに絡んできてくれることを期待して上げました。今日、途中から吉田や宗形が入ったように怪我で休んでいた選手たちが戻ってくるなか、やっとチーム内での競争が生まれるかなと期待しているので、佐溝もセンターバックだけでなく、サイドバックやサイドハーフで競争してほしいなと思っています。

ーー関カレは前期が終わりました。ここまでを振り返っていかがですか
 人数が想定していたよりも少ないなか勝ち切れなかった部分は、精神的な点だけでなく疲労感の蓄積といった点が少なからず影響していたと思います。そうした蓄積からの失点もあったので、悔しい試合が多かったなというのが1番の感想です。今年の関カレは順位が詰まっていて、1試合ごとに順位が大きく入れ替わるなか、引き分けで終わってしまったり、勝ち切れなかったり、最後に負けてしまった試合がやはり悔しかったなと。失点に関しては、様々な要因が重なってると思うので、セットプレーの課題などは必ず後期には修正してリーグを優勝してインカレ(全日本大学女子サッカー選手権)を迎えるようにしたいと思います。

 

FW生田七彩(スポ4=岡山・作陽)

ーー試合を振り返っていかがですか
 結果としては3点取れましたが、もっと取れたシーンもありましたし、失点ももったいなかったので、自分的にもチーム的にも納得はいってないです。

ーー1点目はどのような意識でシュートを打ちましたか

 あの場面は愛唯(DF佐溝、社2=大阪・大商学園)が良いパスを送ってくれて、自分が得意とするゾーンにボールが落ちたので、シュートを打ってチームに勢いづけようかなと思って打ったら入ったので良かったです。

ーー2点目はクロスに合わせる形でした。ペナルティーエリア内での駆け引きはどういったことを意識していますか
 前半にもクロスが何回かありましたが、中の入り方でもったいないシーンがあったので、最初はスペースを開けてキッカーが蹴るときにタイミング良くニアに入っていくことは意識していました。

ーーポストプレーでも起点になることが多いですが、そこでの手ごたえはありますか
 今年は裏抜けだけでなく、ポストプレーで味方を使いながらの動きを練習でもできていて、自分的にも感覚は良いと思っています。プレーを使い分けて、相手を怖がらせられるような選手になれたらいいなと思います。

ーー今季のここまでを振り返っていかがですか
 上位相手になると1点差で勝ちきれない試合が続いていて、順位が落ちることになったなと。上位にはまだ踏み込んでいけるチャンスは全然あると思うので、後期はしっかりと上位相手に対して得点を重ねて、勝ち進めてインカレに臨めるように頑張りたいな。

MF﨑岡由真(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)

ーー試合を振り返っていかがですか
 3得点してしっかりと勝ち切れたことは良かったですが、最後に失点してしまったこと、0点で抑えきれなかったことが反省点だなと感じました。

ーー今季はサイドバックでのプレーが続いています。どういった役割が求められていますか
 4バックでプレーするなか、攻撃参加もできるサイドバックというのを自分の中では意識してますが、攻撃に絡む回数が少なかったり、ディフェンスのスキルの部分で足りてないと感じるところがあるので、さらに成長しないといけないと思っています

ーー今日はクロスから2点目をアシストしました。どういったことを意識していましたか
 あの場面では良いテンポでパスを繋げていて、自分のイメージ通りに裏へ抜け出すことができました。アシストという形で結果を出せたことはすごく嬉しかったです。

ーー関カレここまでを振り返っていかがですか
 一人一人がそれぞれの役割を求められているなか、前線の選手が身体を張ってボールを収めたり後ろの選手が最後まで足を出したりと、個々の頑張りが見えてるからこそ、もっとチームとして改善できることがあると思います。後期はチームとしてまとまりを持って、勝利を続けられるようなチームをつくっていきたいです。