関東大学女子サッカーリーグ
2025年5月18日(日)16:00 Kickoff
@スポーツ日大アスレティックパーク稲城
試合結果
チーム | 前半 | 後半 | 合計 |
---|---|---|---|
早大 | 1 | 1 | 2 |
日大 | 0 | 1 | 1 |
得点者
前半
47分 佐藤 美海
後半
56分 柴田 瞳(相手)
90分 淀川 知華
関東大学女子リーグ(関カレ)前期第6節。ア式蹴球部女子(ア女)は、アウェイで日大と対戦した。序盤から相手に押し込まれる展開が続いたが、47分にMF佐藤美海(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)のスーパーゴールで先制点を挙げる。後半に入り同点弾を奪われたものの、試合終了間際にMF淀川知華副将(商4=山梨・日本航空)が決勝点。難敵相手に劇的勝利を飾った。

試合は立ち上がりから、日大がサイドバックの裏を狙ったロングボールを中心に攻撃を展開。相手の縦に速い攻撃に対し、ア女は守勢を強いられた。8分、自陣で相手の侵入を許し、強烈なシュートを打たれたが、GK勝間田葵(スポ1=大阪・大商学園)がファインセーブ。14、15分には相手の左サイドから決定機をつくられたものの、シュートは枠外に外れた。その後も相手のプレスに引っかかり、ボールを保持できない時間が続いた。しかし、ハーフタイムが近づくにつれて徐々にア女が押し込む展開になる。すると47分、右サイドのスローインから細かいパスをつないでボールは佐藤のもとへ。佐藤がカットインから左足を振り抜くと、ボールは相手GKの頭上を抜いてネットを揺らした。見事なゴールでア女が先制したところで試合はハーフタイムへと入った。

リードを守りたい後半。しかし、後半も前半同様に日大がボールを握る時間が続いた。56分、DFラインの背後へロングボールを蹴られると、抜け出した相手FWに合わせられて失点。プレスをかけるために陣形が前がかりになった隙を突かれた。試合を振り出しに戻されたア女は、左サイドを中心とした攻撃からチャンスを伺う。66分には淀川がサイドからペナルティーエリア内へスルーパスを供給。このパスに反応したFW生田七彩(スポ4=岡山・作陽)がゴール前でシュートを放ったが、枠を捉えきれない。その後は両チームともに粘り強い守備を見せ、拮抗した状態のまま時間が過ぎていった。刻一刻とフルタイムが近づく試合終盤、ア女がこの試合最大の決定機をつくる。右サイドでスローインのパスを受けたMF三宅万尋(スポ2=東京・十文字)が、相手をはがして一気に前進。ペナルティーエリア内へ侵入した瞬間にグラウンダーのクロスを送ると、走り込んできたのは淀川。この試合キャプテンマークを巻いた副将が値千金の決勝点を決め、ア女が見事に勝ち越した。

この日の午前中に関東女子リーグ(関東リーグ)の試合をおこなったア女。ダブルヘッダーの2試合目とフィジカル面で疲労があらわれるなか、精神的な強さが際立った。「タフでしたが、全員で最後まで集中を切らさず、勝ち切れた」と振り返ったのは先制点を挙げた佐藤。そんな選手たちの奮闘に対し、指揮官は「選手たちの頑張りを1番褒めたい」と称賛の言葉を送った。苦しいコンディションのなか、劇的な結果で得た勝ち点3は大きな自信につながるはずだ。ここからア女は、強豪ひしめく上位勢との対決に臨む。高い技術と精神的な勝負強さを備えたプレーをぶつけることができるか。ア女の真価が問われる。
(記事 荒川聡吾、写真 堤健翔)

早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン)
GK 16 勝間田葵(スポ1=大阪・大商学園)
DF 2 新井みゆき(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
DF 3 杉山遥菜(スポ3=東京・十文字)
DF 13 佐溝愛唯(社2=大阪・大商学園)
MF 5 淀川知華(商4=山梨・日本航空)
MF 6 千葉梨々花(スポ3=東京・十文字)
MF 7 﨑岡由真(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 8 佐藤美海(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 11 三宅万尋(スポ2=東京・十文字)
MF 17 米村歩夏(スポ2=宮城・聖和)
FW 9 生田七彩(スポ4=岡山・作陽)
試合後インタビュー
後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)
ーー今日の試合を振り返っていかがですか
選手たちの頑張りを1番褒めたいと思います。
ーー日大相手にどのようなことを意識して臨みましたか
まず10時キックオフの関東リーグの試合を全員で戦ってきてるので、やっぱり疲労感を1番ケアしなければいけなかったです。そこは選手たちが精神的な強さで乗り越えてくれたかなと。多分身体は悲鳴をあげていたと思いますが、気持ちで今日は勝ってくれたと思います。準備してきたこと、やりたかったこと、積み重ねたかったことでできなかった部分も大いにありますが、今日は最後の最後まで自分たちを信じて走りきったことを、チームの強さとして1つ積み重ねられたところに目を向けたいと思います。
ーー精神的な強さの背景にどのような言動があると思いますか
4年生は、最上級生としての役割を果たしています。3年生や2年生は去年から試合に出てるメンバーも多いですし、1つ自覚を持って戦ってくれてる部分も非常に大きいのかなと思います。
ーー次戦からは上位対決が続きます。意気込みをお願いします
今季はどのチームが上位に上がってくるか分からない混戦状態なので、しっかり体を休めて、自分たちが積み重ねてるものを体現できるようにしたいです。強度が上がれば上がるほど、トライすることと結果にもこだわって、前半戦を折り返したいと思います。
MF淀川知華副将(商4=山梨・日本航空)
ーーどのようなことを意識して試合に臨みましたか
前節からサイドハーフで出場するなかで、前節は攻撃は正直分からないことが多くて、自分の得意な守備を頑張ろうと思っていました。ただ、今日は攻撃面で自分で前を向いてチャンスメイクすることを意識して試合に入りました。
ーー﨑岡選手とサイドで縦の関係になりますが、どのようなコミュニケーションをとっていますか
縦の関係になるので、同じラインで被らないことだったり、フリーで受けられるための一は意識してます。あとは由真(﨑岡)にたくさん声をかけてもらって、守備のところは本当に助けられてます。
ーー裏を狙うプレーが目立ちましたが、プレーの判断はどのような意識をしていますか
由真や愛唯(DF佐溝、社2=大阪・大商学園)がプレスかかってたら、寄りたいと思っています。フリーで背後が取れそうだと思ったら、できるだけ前に走って押し込めたら良いなという意識で判断しています。
ーー決勝点を決めた場面はどのようなイメージでしたか
これまでの関東リーグでも万尋(MF三宅、スポ2=東京・十文字)のクロスは狙っていました。万尋がドリブルしてきた時に「来るな」と思って突っ込んだら、上手く抜けて当てられたのでびっくりしましたが、入って嬉しかったです。
ーー得点後はチームメイトが駆け寄ってきました。どんな気持ちでしたか
自分が1年ぶりに点を決めて、やっぱりみんながああやって寄ってきてくれる瞬間は、サッカーをしていて1番嬉しいと思う瞬間です。あの時間に得点を決めることができたので、少しほっとした気分でした。
MF佐藤美海(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
ーー試合を振り返っていかがですか
今日午前中に1試合あり同日2試合というなか、人数も少なくタフでしたが、全員で最後まで集中を切らさず、勝ち切れたので、すごく良かったと思います。
ーー得点の場面はどのようなイメージでしたか
今週は自主練でもシュートの練習を多くしていて、調子が良かったので、思いっきり振りにいってみたら、入ったので良かったです。
ーー今季はここまで4ゴールと調子が良いと思われます。手応えはいかがですか
ゴールという目に見える結果を残してることはすごい良いと思うので、続けていきたいのと、それ以外にもしっかりチームにもっと貢献できるように頑張っていきたいです。
ーー次戦に向けた意気込みをお願いします
東京国際大は上位で勢いもあるチームだと思うので、その中でもしっかりと早稲田のサッカーを全員で体現して、勝ち切りたいと思います。