ア女、インカレ4強入り!PK戦を制し、西が丘の舞台へ駒を進める

ア式蹴球女子

全日本大学女子サッカー選手権 3回戦

2024年12月28日(土)11:00 Kickoff
ヤンマースタジアム長居

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早稲田大学 0 0 0
帝京平成大学 0 0 0

得点者

前半

なし

後半

なし

PK結果

PK結果

順番 キッカー 結果 相手の結果
1 築地育
2 宗形みなみ
3 大山愛笑
4 千葉梨々花 ×
5 杉山遥菜

 全日本大学女子選手権(インカレ)準々決勝を迎えたア式蹴球部女子(ア女)。勝てば東京開催の準決勝に進める一戦の相手は、難敵・帝京平成大となった。前半は相手にボールを保持される時間が続いたが、堅い守備で相手をブロック。後半に入り、ア女が攻勢に出たものの、90分で決着はつかず。勝負の行方がPK戦に委ねられる中、GK石田心菜(スポ=大阪学芸)が相手の4人目のシュートをストップ。一方のア女は5人全員が決めた。激戦を制したア女は、昨季あと一歩で夢を逃した西が丘のピッチへ舞い戻る。

話し合う選手たち

 試合開始直後は両チーム間で攻守が入れ替わる時間が続いた。ア女は相手ディフェンスラインの裏を狙った攻撃でチャンスを伺う。16分にはMF大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)が、飛び出している相手キーパーの頭上を狙ったシュートを放つが、枠を捉えられない。その後はなかなかシュートまでたどり着けないでいると、時間が経つにつれ帝京平成大がボールを握る展開となった。相手にボールを保持をされる中、ア女は4ー4ー2のブロックを徹底。フィールドプレーヤー全員が連動した守備で相手をペナルティーエリア内へ侵入させない。 守備に回る時間が続いたが、決定機をつくらせないまま前半は終了した。

ドリブルを仕掛ける三宅

 前半とは一転し、後半に入ってからはア女が攻勢に出ることになった。大山、MF宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)、 MF築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)の中盤3人を経由したパス回しで徐々に敵陣へと入り込む。サイドと中央を上手く活用したボール保持で相手に揺さぶりをかけた。すると、68分に右サイドでパスを受けたMF佐藤美海(スポ1=埼玉・浦和レッズレディースユース)がペナルティーエリア内へアーリークロス。このクロスに逆サイドから走り込んできたDF佐溝愛唯(社1=大阪・大商学園)がフリーで合わせたが、相手DFの身体を張ったブロックに遭い、得点とはならない。75分にはコーナーキックのこぼれ球を拾った佐藤がシュートを放つも、ボールは惜しくも枠外へ。その後も攻勢を続けたア女だが、最後まで得点は奪えずタイムアップ。試合はPK戦へと突入することになった。

途中出場から攻撃でチャンスをつくった佐藤

 帝京平成大が先攻で始まったPK戦。両チーム共に3人目までしっかりとシュートを決める展開となる中、先に勝利へと近づいたのはア女だった。帝京平成大の4人目のキックに護神・石田が完璧に反応。シュートコースを読み切り、ゴールラインを割らせないスーパーセーブを披露する。石田のPKストップに応えるように、ア女のキッカーFW千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)がシュートを決めア女が優位に。5人目のキッカーとなったDF杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)も落ち着いてシュートを流し込み、ア女がPK戦の末、準々決勝を制した。

試合後に石田に駆け寄る選手たち

 PK戦にまでもつれ込んだ一戦を制したア女。この勝利で年明けから始まる東京開催での準決勝進出を決めた。石田のPKストップと5人全員が決めたPK戦はもちろん、90分通して相手をシャットアウトした守備を忘れてはならない。相手にボールを保持される時間帯であっても、連動したチャレンジ&カバーで要所を締めた。最後まで決定機をつくらせず、粘り強い守備を徹底。この試合内容は「堅い守備」というア女の理想を体現したと言える。負けたら終わりという一戦において自分たちのサッカーを披露したア女は、笑顔で東京に帰還する。

(記事、写真 荒川聡吾)

スターティングメンバー

早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン)
GK 1
石田心菜(スポ4=大阪学芸)
DF 3 杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)
DF 5 ◎ 田頭花菜(スポ4=東京・十文字)
DF 30 吉田玲音(社1=新潟・帝京長岡)
MF 8 白井美羽(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)
→66分、佐藤美海(スポ1=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 10 築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)
MF 11 宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)
MF 14 大山愛笑(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 24 三宅万尋(スポ1=東京・十文字)
FW 7 﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
→81分、千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)
FW 9 生田七彩(スポ3=岡山・作陽)
→58分、佐溝愛唯(社1=大阪・大商学園)

試合後インタビュー
後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)
--試合全体を振り返っていかがですか

 2回戦を踏まえて相手のDFライン裏の怖いところにボールを供給することを前半は意識していました。その中でもう少しインサイドハーフが受けるとボールが良く回るので、ハーフタイムではそこを修正してみなみ(宗形)が前を向くようにしました。試合全体を通して守備もしっかりと最後まで体を張って守りました。ただ点を取れていないことは、ここから修正して、次の試合は点を取って勝てるようにしたいです。

--90分通してチャレンジ&カバーの徹底した守備が印象的でした。どのような準備を守備面ではしたのでしょうか

 元々しっかりと(守備)ができている中で、一昨日の試合では緊張もあったのかなと。一昨日の試合では失点に絡んでしまったれのん(DF吉田玲音、社1=帝京長岡)も今日は素晴らしかったですし、たがし(DF田頭花菜主将、スポ1=東京・十文字)もゼロで抑えることを徹底させて相手の狙いを潰すことをしっかりとやってくれたと思います。

--帝京平成大は今季の関カレでは敗れた相手でした。どのようなことを準備してきましたか

 帝京平成大さんは前線からプレスをかけてボールを奪ったら素早く前に供給し、セカンドボールを拾うというはっきりとした狙いを持っているチームなので、そこをしっかりと潰せたことが無失点の要因だと思います。

--準決勝への意気込みをお願いします

 東伏見に残っているメンバーのためにも何がなんでも東京に戻ることを1番意識していた中で、選手たちがそれを果たしたことをまずは喜びます。残り2試合も戦って最後まで成長したいですし、このチームでもっと面白いサッカーをして強い早稲田を体現したいと思います。

GK石田心菜(スポ4=大阪学芸)

--試合全体を振り返っていかがですか

 本当に厳しい試合展開でしたが、攻撃でもできてた部分があったりとア女の良さが出た試合だったと思います。ただ最後の得点を奪えなかったことは練習でしっかりと中身を積み重ねていく必要があります。守備ではゼロで抑えられたことは良かったなと思います。

--今大会にはどのような心境で臨んでいますか

 落ち着いて、特に緊張もなく臨めています。

--PK戦に向かうまでに監督や選手とはどのようなやりとりがありましたか

 みんなから「頑張って」、「頼んだよ」といった言葉をかけてもらえました。

--PK戦では相手との駆け引きも含めてどのようなことを意識していましたか

 相手との駆け引きというよりも「絶対に止める」という気持ちで1本1本臨みました。この大会に入るまでの練習や試合でもPKを止めることができていたので、自信はありましたし、止めるモチベーションもありました。

--次戦に向けた意気込みをお願いします

 まずは東京に帰って、ここにいないメンバーも含めて全員で戦えることが強い早稲田をみんなで再現できることなので、課題をしっかりと修正して準決勝も勝てるように頑張りたいです。