全日本大学女子サッカー選手権 2回戦
2024年12月26日(木)11:00 Kickoff
ヤンマースタジアム長居
試合結果
チーム | 前半 | 後半 | 合計 |
---|---|---|---|
早稲田大学 | 1 | 2 | 3 |
大阪体育大学 | 1 | 0 | 1 |
得点者
前半
27分 宗形 みなみ
45分 矢野 紗也佳(相手)
後半
55分 宗形 みなみ
83分 築地 育
ついに開幕した第33回全日本大学女子サッカー選手権大会(インカレ)。ア式蹴球部女子(ア女)は26日に3回戦・大阪体育大との一戦に臨んだ。ア女は、前半にMF宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)のゴールで先制点を決める。しかし、前半終了間際に同点弾を許す。追いつかれたア女だが、後半に入り宗形のゴールで再びリードを得ると、MF築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)の得点でダメ押し。3ー1で勝利と幸先良いスタートを切った。
この試合が今大会の初戦となったア女。前半の立ち上がりはFW生田七彩(スポ3=岡山・作陽)のスピードを生かした攻撃を展開する。すると、7分にMF大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)のパスを受けた生田がサイドを駆け上がりクロス。このボールにFW﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)が合わせたが、シュートは相手キーパーに止められる。その後は徐々にボールを保持する時間が増えると、27分に自陣でのパス回しから大山が右サイドへスルーパス。相手ディフェンスの裏を取ったMF三宅万尋(スポ1=東京・十文字)がグラウンダーのクロスを送ると、ボールはペナルティーエリア内へ侵入した宗形のもとへ。宗形が冷静にシュートを流し込み、ア女が先制に成功した。しかし、前半終了間際に自陣でのパスミスから相手に速攻を受けると、シュートを決められ同点に追いつかれる。振り出しに戻ったところで試合はハーフタイムへ突入。
相手より先にゴールを奪い優位に試合を進めたいア女は、後半立ち上がりから敵陣でボールを回す場面が増える。右サイドから左サイドへピッチの幅を使った攻撃で相手を揺さぶると、55分に左サイドタッチライン際でフリーになった宗形がパスを受ける。宗形は中央の選手たちを確認すると、シュートを選択。「キーパーが前に出ていることを確認した」(宗形)という言葉通り、ボールは相手キーパーの頭上を超えてゴールへと吸い込まれた。再び宗形の得点で勝ち越しに成功する。その後は途中交代を使い、フレッシュな選手を投入しながら試合をコントロールしたア女。すると、83分には敵陣中央でパスを受けた築地がゴールから30メートル程離れた位置から右足を振り抜く。築地の右足から放たれた強烈なロングシュートはゴールへと突き刺さり、貴重な追加点をゲット。そのまま試合は終了し、ア女がインカレ3回戦進出を決めた。
「そんなに硬くならずに選手たちは試合に入ってくれた」と試合を振り返った後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)。指揮官の言葉通り、ア女の選手たちは相手のハイラインな守備とブロックに動揺することなく試合を進めた。特に徐々にペースを握る中で見せた先制点の攻撃は、今季のア女が積み重ねてきた形。全国大会の初戦というプレッシャーのかかる試合でも慌てずにプレーする姿からは、優勝を目指すチームの強さが見られた。次戦の相手は、今季の関カレでも敗れた相手・帝京平成大だ。難敵を相手に勝負強さを見せ、昨季届かなかった頂上へ届くために、西が丘のピッチへ進みたい。
(写真、記事 荒川聡吾)
スターティングメンバー
早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン)
GK 1 石田心菜(スポ4=大阪学芸)
DF 3 杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)
DF 5 ◎田頭花菜(スポ4=東京・十文字)
DF 30 吉田玲音(社1=新潟・帝京長岡)
MF 8 白井美羽(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)
→57分、千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)
MF 10 築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)
MF 11 宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)
MF 14 大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
MF 24 三宅万尋(スポ1=東京・十文字)
FW 7 﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
→75分、佐藤美海(スポ1=埼玉・浦和レッズレディースユース)
FW 9 生田七彩(スポ3=岡山・作陽)
→57分、佐溝愛唯(社1=大阪・大商学園)
試合後インタビュー
後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)
--全国大会の初戦でした。振り返っていかがですか
大体大さんは前線に高い選手、小回りのきく選手がいる中でブロックを引いてきたので、最初は硬さもあるのかなと思いましたが、そんなに硬くならずに選手たちは試合に入ってくれました。ただ前半の最後の失点の場面はパスのズレから始まったと思いますが、相手がブロックを引いている中で、手数が多すぎた部分があったかなと。そのズレは次からは致命傷になると思うので、この中1日でしっかり修正したいと思います。
--インカレに向けてはどのような点を意識して練習してきましたか
最後は今季積み重ねたことの質を上げていく必要があるので、サッカーを大きく変えることはなく、自分たちの攻守における約束事の質を高めていくようにしました。
--先制点は綺麗にパスで崩した攻撃でした。あのような攻撃は取り組まれてきた点ですか
うちの選手たちは立ち位置がしっかりと取れていれば、少ないタッチであのように良い流れを作っていけるので、ああいった展開をもっと増やしたかったと思います。
--前半終了間際での失点でしたが、ハーフタイムにはどのようなことを選手に伝えましたか
0-0に戻っただけなので、選手たちも気落ちはしていませんでした。パスミスからの失点でしたが、後半に勝ち越せば良いだけだったので、そこまで雰囲気は悪くなかったです。「もう少しシンプルなボールを増やしてほしい」、どのような立ち位置でどのようにボールを回すのかといった点を選手たちが話せていたので問題はなかったかなと。あとはどのような形で交代をするかという点を考えていました。
--次戦に向けた意気込みをお願いします
次の試合に勝てば東京に戻れるということで、帝京平成大という関東のチームとの戦いにもなるので、東伏見に残っている選手たちのためにもしっかりと勝って東京に帰りたいと思います。
MF宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)
--試合を振り返っていかがですか
試合の入りは、相手がハイラインだったことでオフサイドに何度もかかってしまったりと自分たちの得意なことが出せない入りになってしまいました。
--先制点のシーンはどのようなイメージでゴール前へ向かいましたか
万尋(MF三宅万尋、スポ1=東京・十文字)がボールを持った時にクロスは上がってくると思ったので、縦に仕掛けてくれることを信じてしっかりとペナルティーエリア内へ入ることを意識した結果が得点につながりました。
--ご自身の2点目はどのようなイメージでしたか
最初にペナルティーエリア内を見た時に相手キーパーが前に出ていることを確認して、天然芝というところもあるのでゴールを狙おうと思って蹴りました。
--左サイドでウイングバックの選手と入れ替わるなど流動的に立ち位置を変化させていましたが、どのような点を意識していますか
前半の由真(FW﨑岡由真、スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)には由真の良さがあり、後半の愛唯(DF左溝愛唯、スポ1=大阪・大商学園)には1対1の仕掛けなどの良さがある中で、自分が良さを引き出す起点になるポジショニングとおとりになるポジショニングという部分でもう少しおとりになっても良かったのかなと思います。相手がブロックを敷いてきた分、自分が一つ落ちることを相手が嫌がっていたので、そこを継続していました。
--次戦に向けた意気込みをお願いします
中1日で帝京平成大さんとの試合ですが、自分たちが苦手な相手でもありますし、大会のブロック的にも一番キツいことは分かっています。やっぱり強いとこを倒して西が丘で戦いたいですし、たくさんの応援の方も来てくれているので、その応援にも応えたいです。しっかりと勝ち切って、笑って西が丘に進みたいです。