関東大学女子サッカーリーグ 後期第8節
2024年10月12日(土)14:00 Kickoff
神奈川大学附属中・高等学校中山キャンパスグラウンド
試合結果
チーム | 前半 | 後半 | 合計 |
---|---|---|---|
早稲田大学 | 0 | 1 | 1 |
神奈川大学 | 0 | 0 | 0 |
得点者
後半
71分 白井 美羽
前節、東京国際大との一戦を引き分けに終えたア女は、今節アウェイで神奈川大との試合に臨んだ。前半はスコアが動かなかったが、後半に入るとア女が攻勢を仕掛ける。すると71分にFW生田七彩(スポ3=岡山・作陽)のシュートのこぼれ球を、MF白井美羽(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)がつめて、先制に成功する。この1点を守ったア女が2試合ぶりの勝利を掴んだ。
前半は相手に押し込まれる時間が続いた。自陣で3バックと中盤の白井、MF築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)を中心にパスを回すが、敵陣まで前進できない時間が続く。自陣でボールを奪われ、相手のフォワードにゴール前まで侵入を許すなど落ち着かない展開となった。それでも、ゴール前では粘り強い守備を見せ、ゴールラインを割らせない。前半は両チームともに決定機をつくれずに、勝負の行方は後半に委ねられることになった。
ア女は後半の頭からMF大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)とDF左溝愛唯(社1=大阪・大商学園)を投入。「縦への突破、中盤の選手の枚数と立ち位置」を重視した指揮官の采配は功を奏すことになる。右ウイングバックで出場した左溝は再三ドリブルでサイドを突破し相手のフォーメーションに歪みを与え、大山は相手のスペースをついたポジショニングとパスで攻撃を司る。2人の投入を機に試合は徐々にア女ペースで進むことになった。すると迎えた71分、ア女はついに決定機をつくる。敵陣でのスローイン時に、給水タイム明けでバタついた相手の隙を突いた生田が右サイドから強烈なシュートを放つ。意表を突かれた相手キーパーは辛うじて反応したが、こぼれ球を白井が押し込んで、ア女が先制点を挙げる。その後はア女が使い点を狙いつつ時間を進めて試合は終了。1ー0と無失点で試合を終わらせた。
複数得点とはならなかったものの、クリーンシートを達成した今節のア女。相手に速攻を許す場面があったものの、GK石田心菜(スポ4=大阪学芸)と3バックを中心とした守備でゴールを守り続けた。「良い守備から良い攻撃」を理想とするチームなだけに、無失点は大きな意味を持つだろう。攻撃においてもU20ワールドカップから帰ってきた大山が後半から出場し、タクトを振るプレーを見せたりと、今後に向けての好材料があった。関カレの後期に入り、築地、MF宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)、大山と主力選手が試合に出られない状況が続いた中、ア女は着実にチーム全体の底上げを行ってきた。今節だけで7人の1年生が出場するなど成長が見られる。関カレは残り3試合となったが、その先にはインカレが待っている。ア女がどこまでチームとして進化を遂げるか楽しみだ。
(記事 荒川聡吾、写真 永田怜)
早大メンバー (数字は背番号、◎はキャプテン)
GK 1 石田心菜(スポ4=大阪学芸)
DF 3 杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)
DF 5 ◎ 田頭花菜(スポ4=東京・十文字)
DF 30 吉田玲音(社1=新潟・帝京長岡)
MF 8 白井美羽(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)
→77分、佐藤美海(スポ1=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 10 築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)
MF 33 望月美希(スポ1=INAC東京レオンチーナ)
→92分、米村歩夏(スポ1=宮城・聖和)
MF 24 三宅万尋(スポ1=東京・十文字)
→45分、佐溝愛唯(社1=大阪・大商学園)
FW7 﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
FW 9 生田七彩(スポ3=岡山・作陽)
→83分、福岡結(スポ1=岡山・作陽)
FW 15 千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)
→45分、大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
試合後インタビュー
後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)
ーーハーフタイムで2人選手交代しましたが、前半の内容をどう捉えていましたか
三宅に関しては、相手の左サイドバックがかなり警戒してしっかり引いていた状態だったので、三宅の良さである縦の突破がでなかったかなと。縦の突破をするためにはサイドチェンジが必要になってくるとなった時にどうしても中盤にボールが入らず、外回しが多くて三宅にボールが来る時が、後ろからでした。そういう状況しか生まれなかったので、 外にも内にもいける佐溝を入れました。三宅が対策されてきたのに対して、右のケアをしたかったのと、 千葉と白井のところでボールを受ける位置が定まらず、生田へのボールがなかなか出ない状況が続いてたので、そこの修正を選手の特性の部分でした感じです。
ーー外回りになっていた点は、大山選手の投入に合わせてどう改善しようとしましたか
相手のプレスのかけ方に対して、どこにボランチが顔を出すのか、どのタイミングで出すのか、インサイドハーフがどこに立つのかというところを再確認して大山を投入した形です。もう1個勢いが欲しかったので。
ーー戦い方がはっきりしてる相手に対しては、外回りになる回数が増えてくると思うのですが、そこは中央にボールを入れる試みという点で、どういったところが必要になりますか
基本的には前線からしっかりプレスをかけてくるチームが多い中で、 スカウティングの中では、前節の東洋もそこを狙われていた部分があったので、シンプルに中に入れるというのは整備されていました。 相手7番のプレスバックだったり、そこも含めてプレスがしっかり整備されてるので、 シンプルにアンカーを使ってビルドアップするのは難しいんですけど。ただ、うちは中盤が枚数多くいるので、ワイドの位置に入るとか、インサイドハーフとボランチが高さを変えるとか、 工夫があれば数的な優位を使いながら前進できると想定していました。これは言い訳だと思いますが、バスがギリギリに到着してしまってミーティングもできなかったし、 私がしっかりその短い時間の中でそういったところを千葉や白井に試合前に落とし込めきれなかったっていうのが、今日の外回しが多くなってしまった原因だと思います。 選手がというよりは私自身のマネージメントみたいなところです。遅刻はしょうがないので、端的にもう少し理解させられれば良かったなという反省はしっかりしたいと思います。
ーー次戦への意気込みをお願いします。
メンバーがどういう形になるかはわかんないですけど、前期に負けている相手にしっかり勝ち点3を取るというのもありますし、ここで最後の東洋大学に向けても、自分たちが積み重ねてきてるものをまさに積み重ねられるようにしていきたいです。今日クリーンシートで終わったのは素晴らしいことだと思うんですけれど、やはり得点を取る競技なので。そこの部分をさらに突き詰めていきたいなと思います。
DF吉田玲音(社1=新潟・帝京長岡)
――どのような準備をして試合に臨みましたか
勝ててなかったので、絶対勝つぞと思って入りました。
――試合全体を振り返っていかがでしたか
最初は相手がプレッシャーをかけてこなくてボールを回させてくれて、自分たちがボールを持っていたけれどあまり相手を崩すことができなくて苦しい時間が続いていました。後半は、相手がプレッシャーをかけてきてくれたので、しっかり前から裏返してから高い位置で攻撃することができ、点も決め切ることができたのでよかったと思います。
――ここ最近出番が増えてきていますが、入学してから成長や手応えは感じていますか
ずっと怪我をしていて、復帰してからチームのレベルがすごく高かったので、ついていくのに最初は必死でした。少しづつ頭の整理とかもできてきて、ちょっとづつ自分の良さもゲーム中に出せてきているところです。
――次戦への意気込みをお願いします
次も勝ちます。