2試合連続のクリーンシートを達成したア女が日大相手にリベンジを果たす

ア式蹴球女子
試合結果

関東大学女子サッカーリーグ 後期第9節

2024年10月19日(土)16:00 Kickoff
東伏見サッカーグラウンド

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早稲田大学 0 1 0
日本大学 0 0 0

得点者

後半

74分 生田 七彩

 前節、拮抗した展開を制し勝利を掴んだア式蹴球部女子(ア女)。今節は、前期敗北を喫した日本大学との一戦に臨んだ。試合開始直後からア女が積極的な攻撃を仕掛ける。良いかたちで何度もボールをつなぐも得点は生まれず、前半を0-0で折り返す。後半になると、徐々に相手も勢いを取り戻し一進一退の攻防が続いたが、75分、MF大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)のスルーパスにFW生田七彩(スポ3=岡山・作陽)が反応し先制。そのままリードを最後まで守りきり、2試合連続の勝利、前期のリベンジを果たした。

ワールドカップ後、初のスタメン出場となった大山。攻撃の起点となった

 試合開始のホイッスルが鳴ると、MF吉田玲音(社1=新潟・帝京長岡)、DF杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)のロングボールを皮切りに相手陣地でパスを次々とつなぎ、ア女が試合の主導権を握る。22分には大山の正確なコーナーキックに築地が合わせるもボールは枠外へと飛んでしまう。その後もア女がチャンスを作るなかシュートは決まらず、相手も40分に豪快なミドルシュートを放つなど攻撃のリズムを取り戻し始めたところで前半が終わる。

パスを出すDF田頭花菜主将(スポ4=東京・十文字)

 後半に入ってもア女は怯まず、果敢に攻撃を仕掛ける。55分にMF三宅万尋(スポ1=東京・十文字)が得意のドリブルで右サイドを突破し、コーナーキックを獲得。大山のキックに今度は吉田が長身を生かしヘディングで合わせるもボールは相手キーパーにキャッチされてしまう。自分たちの流れに持ち込みたい日大は、65分、ア女からボールを奪うと素早いカウンターでゴール前まで迫り、何度もシュートを打つ。ア女が粘り強い守備を見せなんとか難を逃れたが、その後も攻めては守りを繰り返す。試合が動いたのは74分、「愛笑がボールを持った時の動きだしや体の向きっていうのはとても意識している」と話す生田は、大山のスルーパスで見事に抜け出し相手キーパーと1対1に。キーパーの動きを確認して冷静に決め切り先制点を上げる。その後、相手のカウンターやコーナーキックにより攻め込まれるも、先日セレッソ大阪ヤンマーレディースへの来シーズン加入が決定したGK石田心菜(スポ4=大阪学芸)を中心に守りきり、試合は終了。勝ち点3を掴み取った。

生田のゴールを喜ぶ選手たち

 今季、試合の入りが課題として上がることも多かった中で、今日は試合開始直後からボールを保持しパスをつなぐ、主導権を握ったサッカーを見せた。また、前節の神奈川大戦に続き2試合連続でのクリーンシートと、主将の田頭花菜(スポ4=東京・十文字)や杉山といったDFを筆頭に固い守備を徹底し、それが攻撃の後押しとなった。関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)は残り2試合。東洋大、山梨学院大と現在ランキング上位2校との対戦だ。後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)も「私たちはチャレンジャーなので、自分たちが今積み重ねてるところを思いっきりぶつける」と意気込む。上位相手にア女らしいサッカーを見せ、来たる全日本大学女子選手権(インカレ)に向け、良い流れを掴みたい。

(記事 熊谷桃花、写真 荒川聡吾)

スターティングメンバー

早大メンバー (数字は背番号、◎はキャプテン)
GK 1
石田心菜(スポ4=大阪学芸)
DF 3 杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)
DF 5 ◎ 田頭花菜(スポ4=東京・十文字)
DF 30 吉田玲音(社1=新潟・帝京長岡)
→80分、福岡結(スポ1=岡山・作陽)
MF 8 白井美羽(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)
MF 10 築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)
MF 14 大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
MF 24 三宅万尋(スポ1=東京・十文字)
→66分、佐溝愛唯(社1=大阪・大商学園)
MF 14 大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
FW7 﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
FW 9 生田七彩(スポ3=岡山・作陽)
FW 15 千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)
→61分、望月美希(スポ1=INAC東京レオンチーナ)

試合後インタビュー
後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)
ーー序盤からハイプレスが意識されてるのかなと感じたんですが、狙いでしたか
 ハイプレスというよりもすごく切り替えが早く見えたんだと思います。それができてたのは、やはり攻撃の繋がりがすごく良かったので、奪われた瞬間で、味方が近い状況でそのままプレスをかけられている状態だったので。どちらかというと、その攻撃の繋がりの良さが即時奪回に繋がったっていうところです。

ーーフィールドプレーヤー全員の距離感が良かったということでしょうか
 フォワードとインサイドハーフとワイドと出し手というような同サイドや中盤での3人、4人、5人ぐらいの繋がり、タイミング、立ち位置のところがすごく良かったので、序盤から自分たちがボールの主導権を握りながらやれたところに繋がってると感じます。

ーー練習の時から、攻撃における繋がり重視しているのか
 そうですね。今週に関してはそれを攻撃の中で、 ミーティングから始まりやっていったなかで、木曜日の練習からすごく感覚を掴んだようなと私含めみんなも感じたので、しっかりと試合でも出たというところですね。

ーー先週の神奈川大戦と合わせて2試合連続クリーンシートですが、守備の固さの手応えは感じてますか
 もちろん中盤だったり、全体の献身性はもちろんありましたが、今日は 後ろの3枚が出所をしっかり潰してくれたり、相手のロングボールやクリアボールの回収もしっかりと勝ってくれたことが非常に大きかった部分があります。なので攻撃のところでも良さが出たかなと。

ーー前期はトップで出場することの多かった﨑岡選手の左ウイングバック起用が続いていますが、どのようなところに期待していますか
 3-4-3の中のワイドというのは非常に重要なポジションで、 このワイドのところで高い位置取りをすることで非常に攻撃のスピードだったり、ボールの回し方が変わってくるので。ただ、今年に入ってからというわけではなく、以前から﨑岡はサイドに入っても、非常に気の利くクレバーな選手なので、元々ワイドで起用したいなというのがありました。前線で活躍してくれる部分もあった中で、今はワイドでしっかりと仕事をしてくれてます。

ーーラスト2試合は東洋大、山梨学院大と強豪相手との2連戦になります。そこに向けて意気込みをお願いします
 この勝ち点3というのは非常に大きいと思いますが、上位2校に対して、私たちはチャレンジャーなので、 自分たちが今積み重ねてるところを思いっきりぶつけるための準備を1週間やりたいと思います。

FW生田七彩(スポ3=岡山・作陽)
ーー本日は日大戦という事でどういう意識で臨みましたか
 前期負けている相手でもあって、今チーム状況的にもインカレ前に残りのチームに勝っていきたいということで、絶対勝とうという気持ちで試合に臨みました。

ーー前半相手陣地で攻め込む時間帯が多くありながらもシュートを決めきれずスコアレスで折り返しましたがどういったことを考えて後半に向かいましたか
 今週特にゴール前の動きとか、崩しとかをやっていて前半も良いイメージがあったなかで決めきれなかったので焦りもあったんですけど、良いイメージのまま後半も落とすことなくやろうと思いました。

ーーご自身のゴールで1-0の勝利となりましたがゴールシーンは振り返っていかがでしたか
 結構練習からやっていて、愛笑(大山愛笑、スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)がボールを持った時の動きだしとか体の向きっていうのはとても意識していて、そこにピンポイントにボールが来たので練習通りやったら入ったという感じでした。

ーーここ最近欠場の試合もあり、今日はフル出場でしたがコンディションは現在いかがですか
 去年復帰してずっと時間調整って感じでやってるなかで、やっぱり90分を目標にしていたのでそれは良かったかなと思うし、得点という形でチームの勝利に貢献できたのは、これからの自信につながったと思います。

ーー最後に次節以降に向けて、意気込みをお願いします。
  次は上位の山学、東洋との試合になってくるのでインカレ前にここを必ず勝って、良い流れでインカレに臨めるようにチーム一丸となって頑張りたいです。