なでしこリーグ・オルカ鴨川FC(オルカ)は4日、DF浦部美月副将(スポ4=スフィーダ世田谷FCユース)の加入内定を発表した。ア式蹴球部女子(ア女)から同リーグクラブへの加入内定は、DF夏目歩実(スポ4=宮城・聖和学園、4日、朝日インテック・ラブリッジ名古屋に加入内定発表)に次ぐ、今季2人目となる。
2001(平13)年6月24日生まれ。身長は159センチ。2020年にスフィーダ世田谷FCユースから早大に入学
今季、副将としてチームを引っ張る浦部。主戦場は両サイド後方だが、3バックであれば左センターバックや、ウイングバックまで広くカバーする。もちろん強みはユーティリティ性だけではない。フィジカルに関してはチームでも随一で、体格で劣る相手にも当たり負けしない。試合終盤まで上下動を繰り返しても運動量は全く落ちず、攻めては推進力あるドリブルや精度の高いクロス、相手の意表を突くロングスローなど、長所は挙げればきりがない。できないことを探す方が難しい、水準以上のディフェンダーである。
全日本女子選手権(皇后杯)2回戦(11月25日、スフィーダ世田谷FC戦、●0-1)でドリブルする浦部
高校時代はスフィーダ世田谷FCユースに所属し、関東プリンセスリーグや全日本U-18女子選手権関東予選などでプレー。早大進学後は1年時から関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)でスタメン出場を果たし、皇后杯や全日本大学女子選手権(インカレ)でもメンバー入りした。3年時にはケガによりシーズン中盤に離脱を余儀なくされたが、リーグ終盤戦で戦列復帰を果たす。皇后杯3回戦では内定先のオルカと対戦(2022年12月10日、◯0-0、PK5-4)し、浦部はスタメン出場。延長・PK戦までもつれ込んだが、他でもない浦部が最後の1本を決めて皇后杯ベスト16の躍進の立役者となった。最高学年となった今季は、関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)では20試合に先発出場。皇后杯本選は2回戦敗退となったが、関東予選から全試合に先発出場した。2回戦ではかつての同僚も所属するスフィーダ世田谷FCを相手に奮闘。90分間、対峙する相手を攻守両面で圧倒してみせた。
昨年の皇后杯3回戦、PKのシーン。覚えているというオルカファンもいるだろう
内定先のオルカは、なでしこリーグ1部の現チャンピオン。2023シーズン22戦を通して2敗、失点数はわずか18とリーグ屈指の堅守を誇るクラブから、白羽の矢が立った。過去にア女で活躍した並木千夏(令4スポ卒=現オルカ鴨川FC)も、現在チームの主力として活躍。浦部にとっては頼りがいある先輩が待つクラブで、新たなサッカー人生を迎えることになる。鴨川の地、そしてなでしこリーグの舞台で「浦部美月」の名が轟く日が待ち遠しい。
(記事 大幡拓登、写真 前田篤宏、大幡拓登)