ア女の猛攻が止まらない!! ”無慈悲”4発で神奈川大破る!

ア式蹴球女子
第37回関東大学女子サッカーリーグ
早大 2-0(前半)
2-0(後半)
神奈川大
【得点】
(早大)6分: 笠原綺乃、10、47分: 﨑岡由真、90+4分: 千葉梨々花
(神奈川大)なし

 関東大学女子サッカーリーグ後期第3節、ア式蹴球部女子(ア女)は神奈川大と対戦した。序盤から主導権を握ったア女は、6分にMF笠原綺乃(スポ4=横須賀シーガルズJOY)のゴールで先制に成功。10分にはFW﨑岡由真(スポ1=埼玉・浦和レッズレディースユース)が追加点を挙げる。後半立ち上がりにも崎岡が決めてリードを広げると、追加タイムには途中出場のFW千葉梨々花(スポ1=東京・十文字)がチーム4点目となるゴールを決め、見事神奈川大を下した。

 

2得点目を喜ぶ崎岡(右)とMF三谷和華奈(スポ4=東京・十文字)

 試合は開始早々に動いた。右サイドでMF浦部美月(スポ4=スフィーダ世田谷FCユース)とMF白井美羽(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)のパス交換から、MF宗形みなみ(スポ2=マイナビ仙台レディースユース)が受ける。その宗形からゴール前に走りこんだ笠原にパスが出ると、キーパーとの一対一を鮮やかに左足ループで制し1-0。この1点で勢いに乗ったア女はその後も攻勢に出続ける。8分に白井、9分には宗形が際どいミドルシュートを放つが、いずれもゴールとはならず。10分、前線で三谷が相手ディフェンダーからボールを奪うと、逆サイドに飛び出してきた崎岡にパス。「中に走っていって、後は良いボールが来たので決め切るだけだった」(崎岡)と、トラップからシュートまで落ち着いたフィニッシュワークで決めきった。今季課題とされていた立ち上がりでの見事な2得点。しかしこのような展開の中でも、ア女に気を緩める様子は一切なかった。35分には左サイド深みで混戦になったところを拾われクロスを上げられたが、DF堀内璃子(スポ4=宮城・常盤木学園)が体を張ってブロック。追加タイムにも相手コーナーキックから際どいボールが上がるが、シュートは打たせなかった。

 

先制点の笠原。今季は大事な局面で得点する勝負強さが目立つ

 後半に入ると、再び立ち上がりにア女がスコアを動かす。左サイドの高い位置で宗形が奪ったボールを、崎岡、築地、再び宗形とテンポよくパスをつなぎ相手守備陣を翻弄。宗形からラストパスを受けた崎岡が右足で冷静にゴールに流し込み、3点目を決めた。そこからは膠着気味になりながらも相手に決定機を作らせない、盤石の試合運びが光る。しかし74分、相手のフリーキックのシーンでは、上手く中で合わせられたがポスト脇をすり抜けピンチを逃れる。この試合唯一と言っても良い、ひやりとするシーンであった。そんな中迎えた追加タイム。中盤での良い守備で相手のカウンターを封じると、最終ラインの堀内が右サイドへ鋭い浮き球のパスを送る。途中出場のMF新井みゆき(スポ1=埼玉・浦和レッズレディースユース)が浮かせたままフリックパスで前線に送ると、反応した千葉が相手キーパーとの一対一を制して4点目。半ば悲鳴のような歓声が上がり、終わってみれば4-0の快勝で試合は幕を閉じた。

 

チーム4点目を決めた千葉。関東リーグの神奈川大戦(7月30日、●1-2)に続き公式戦2戦連続ゴールだ

 この日のゲームの勝敗を分けたのは、間違いなく立ち上がりでのクオリティの差だろう。これまでチーム内で幾度となく課題として挙げられていた、前後半それぞれの立ち上がりの集中力は、今季ここまでの試合で最も高いものだったと言っても過言ではない。加えて、1年生の働きも目覚ましい。関東リーグだけでなく、関カレでも1年生の活躍が目立ってくれば、チーム全体としての底上げにつながるだろう。次節は前期苦杯を喫した山梨学院大戦。勝って兜の緒を締めて臨みたいところだ。

(記事 大幡拓登、写真 髙田凜太郎)

 

スターティングイレブン

 

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 石田心菜 スポ3 大阪学芸
DF 夏目歩実 スポ4 宮城・聖和学園
DF 堀内璃子 スポ4 宮城・常盤木学園
DF 田頭花菜 スポ3 東京・十文字
MF 浦部美月 スポ4 スフィーダ世田谷FCユース
MF 笠原綺乃 スポ4 横須賀シーガルズJOY
MF 白井美羽 スポ3 ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
→77分 26 千葉梨々花 スポ1 東京・十文字
MF 10 築地育 スポ3 静岡・常葉大橘
MF 11 宗形みなみ スポ2 マイナビ仙台レディースユース
→90+1分 29 川本美羽 スポ1 新潟・帝京長岡
FW 28 﨑岡由真 スポ1 埼玉・浦和レッズレディースユース
MF 三谷和華奈 スポ4 東京・十文字
→70分 27 新井みゆき スポ1 埼玉・浦和レッズレディースユース
◎=ゲームキャプテン
コメント

千葉梨々花(スポ1=東京・十文字)

――途中出場となりましたが、どのようなことを考えてピッチに入りましたか

 高校の時から途中交代で出場する機会が多かったので、自分が入ってチームの流れを良くすることと、FWである以上、得点という部分にはこだわりたいと思っていたので、点を決めて最後良いかたちで勝って終われるようにしたいなと思ってピッチに入りました。

――関カレ初ゴールとなったゴールを振り返ってください

 やっと点が取れたなという感じです。関東リーグの方も自分が点を取って勝たせられているわけではなかったので、今日は自分が途中から入って最後にチームを締めるという意味でも自分が点を取って終わりたいと思っていました。最後まで諦めず(ボールを)追っていたから、自分のところにボールがこぼれたのかなと思うので、そこはすごく良かったなと思います。

――クリアボールがこぼれたところを押し込むかたちとなりましたが、狙っていましたか

 みゆき(新井みゆき、スポ1=浦和レッズレディースユース)がロングボールをアウトで触って流れて、相手が後ろ向きになったと思うのですが、最後の時間でしたし、自分は途中交代でみんなより体力は残っていたので、最後出し切って終わるという部分でも、ああいうところでフォワードが追うべきところだったと思います。そこでしっかり追った時にこぼれてきたので、追うべきところで追えたからこぼれてきたのかなと思います。

――ア女としては得点力のところが課題としてある中で、間違いなく千葉選手の活躍も求められてくると思いますが、そこは意識されていますか

 今、けが人もいたりしてザ・フォワードという選手あまりいない中で、自分がその1人として、FWとしての役割を果たしたいという部分はすごくありました。今日はそういう部分で点が取れたので、そこは良かったなと思います。

――ここからの試合に向けての意気込みをお願いします

 今日みたいに早い時間帯で点が取れたら、試合のペースが自分たちのペースになると思うので、そこは意識しつつ、自分が最初から出ても途中から出てもチームの勝利のために活躍できる選手になりたいというのはずっと思っているので、最初から出ても今日みたいに点を取れる選手になりたいですし、途中から出てもチームの流れをもっと良くできる、今日以上の活躍をできる選手になりたいと思うので、個人としてもチームとしてももっと成長できればいいなと思います。

 

﨑岡由真(スポ1=浦和レッズレディースユース)

――率直に試合を振り返っての感想お願いします

 4得点でしっかり勝ち切ることができたので、とても良かったなと思います。

――2得点の活躍でした、得点シーンをそれぞれ振り返ってください

 1点目は、和華奈さん(三谷和華奈副将、スポ4=東京・十文字)に入った時点で一生懸命走って、2枚で有利な状態をつくろうと思いました。中に走っていって、後は良いボールが来たので決め切るだけでした。2点目は流れの中でワンタッチ、ツータッチのプレーでゴールの方に向かって、最近ゴール前の練習もしていた中で、ああいった得点ができたのはとても良かったなと思います。

――前節の東京国際大戦で関カレ初ゴールを決められたことが自信につながりましたか

 そうですね。この得点から自分の中でもう1個頑張ろうという、チャレンジしたいなという気持ちも生まれたので、今日は連続ゴールを決めることができて、さらに自信につながりました。

――今節は1試合を通して左ウイングでの起用でしたが、手応えはいかがでしたか

 前半はあまりボールが来なかったので、クロスに入ることを意識しました。ボールが来た時はいろいろ動きがある中で 自分で選択肢をしっかり持ってプレーすることを意識しました。

――チームとして得点力不足という課題があった中で、ここ最近は複数得点を挙げられていることは攻撃陣として手応えがあるのかなと思いますが

 まず良い守備があって、良い攻撃に繋がっていると思うので、チーム全体としてチーム力が上がってきている証拠かなと思います。

――後期開幕3連勝となりました。ここからの戦いに向けての意気込みをお願いします

 今回も最後まで気を抜かずに全員で戦い切れたので、この結果になったと思います。給水の後の入りとかは課題かなと思ったので、そういう部分は改善しつつ、また勝利を積み重ねていきたいです。