WEリーグ・三菱重工浦和レッズレディース(浦和)は21日、DF後藤若葉主将(スポ4=日テレ・メニーナ)の加入内定を発表した。ア式蹴球部女子(ア女)からプロ・WEリーグクラブへの加入内定は、今季初となる。
2001年6月4日生まれ。身長162センチ。2020年に日テレ・メニーナから早大に進学。ア女からは今季初のプロ内定者となった
今季主将として、チームを引っ張る後藤。ア女が年間を通じて主戦場とする関東大学女子リーグ(関カレ)では、現在(後期第3節終了時点)ほぼすべての試合でフル出場を果たしている。今季序盤はインサイドハーフやアンカーなど中盤でもプレーしたが、本職はセンターバック。決して圧倒的な体格があるわけではないものの、ずば抜けた「読み」の力でフィジカルで劣る相手にも全く引けを取らない。空中戦やデュエルのシーンでも大学レベルでは負け知らず。加えて左右両足から繰り出される長短の精確なパスに、推進力のあるドリブルなど、攻撃面においても後藤のストロングポイントは挙げればきりがない。
4年目にして実質初となる、早慶クラシコ出場を果たした後藤
もちろん実績も十分だ。2017、18、19、20年とアンダー世代の日本代表に選出され、AFC U-19女子選手権2019では4試合にフル出場し、優勝に貢献した。ア女に入部してからは、1年生時から主力として活躍。2年時には全日本大学女子選手権(インカレ)で優勝し、決勝では得点を決め大会MVPに選出された。現大学女子サッカーにおいて、名実ともにナンバーワンのセンターバックと言って良いだろう。
また後藤は今年、浦和と対戦している。2023シーズン関カレ開幕前に行われた関東大学女子サッカーオープニングフェスティバルで、後藤は全日本学連選抜のキャプテンとして、浦和とのエキシビジョンマッチにフル出場。試合には敗れたものの、未来のチームメイトとなるプロ選手を相手に奮闘した。
関東大学女子サッカーオープニングフェスティバルでは、大学選抜のキャプテンとしてプレーした
内定先の浦和は、現WEリーグチャンピオン。2023女子W杯では、同クラブから4人が日本代表メンバーに名を連ね、それぞれが出場・活躍を果たしたことも記憶に新しい。そんな日本女子サッカー界をけん引する強豪クラブの最終ラインは、W杯メンバーで、かつてアンダー世代の代表活動で共にプレーしたDF高橋はな(浦和)をはじめ、リーグ屈指の実力者がずらりと並ぶ充実の陣容だ。まずは出場機会を得ることが、大卒ルーキー・後藤の現実目標。その先の未来は、自らの手で切り拓いていくことだろう。浦和の地に若葉が萌ゆるその日まで、今は臙脂(えんじ)を纏ったその姿を目に焼き付けたい。
(記事、写真 大幡拓登)