最終盤にMF淀川がチーム初得点も ホーム東伏見で力負け

ア式蹴球女子
第29回関東女子サッカーリーグ
早大 0-1(前半)
1-2(後半)
神奈川大
【得点】
(早大)90+2分: 淀川知華
(神奈川大)39分:伊井つばさ、51分:浅田幸子

 ア式蹴球部女子(ア女)は関東女子サッカーリーグ(関東リーグ)第2節を迎えた。試合は、昨年から大いに苦しめられている神奈川大の強度の高い守備に苦戦。39分、相手に与えたコーナーキックから失点を喫し、1点のビハインドで前半を終える。さらに51分、再びコーナーキックのこぼれ球を詰められ0-2。追加タイムにMF淀川知華(商2=山梨・日本航空)が意地の1点を返したものの、試合は1-2で決着。ア女にとって今季初の黒星となった。

 

右サイドの突破で存在感を残したMF藤田智里(スポ4=神奈川・大和)

 西日が差す、ホーム東伏見グラウンド。関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)開幕戦からの、土日2連戦となった。前半序盤はア女がボールを握るが、中盤でのセカンドボール回収で後手に回る展開。プレッシャーを受けた中でのパスミスも増え、カウンターを食らうシーンも多かった。すると39分、ここまでGK丸山翔子(スポ3=スフィーダ世田谷FCユース)、DF小林舞美(スポ2=ちふれASエルフェン埼玉マリ)を中心に無失点を維持していた守備がついに崩れる。左サイドからのコーナーキック、こぼれたところを叩き込まれ0-1。苦しい時間帯での失点を喫し、前半を折り返すことになった。

 

関東リーグデビューとなったMF川本美羽(スポ1=新潟・帝京長岡)、中盤で貢献度の高いプレーを見せた

 まず1点返したいア女は、ハーフタイムにMF栗田彩令(スポ3=静岡・藤枝順心)を投入。2列目の関わり合いからミドルシュートを放つなど攻撃に厚みを増す。しかし51分、再びコーナーキックのこぼれ球を決められ0-2。流れを取り戻しかけていただけに、セットプレーからの悔しい失点になった。その後は互いにゴールを狙い合い、オープンな展開に。MF新井みゆき(スポ1=埼玉・浦和レッズレディースユース)、MF白井美羽(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)を連続投入し攻撃の活性化を図る。60分にはビルドアップのミスを奪われ、あわや3点目かと思われたがDF堀内璃子(スポ4=宮城・常盤木学園)が凄まじい速さで駆け戻りブロック。75分にはMF栗田彩令(スポ3=静岡・藤枝順心)がドリブルからミドルシュートを放ったが枠の外へ外れる。一進一退の攻防が続いた後半追加タイム、途中交代のFW﨑岡由真(スポ1=埼玉・浦和レッズレディースユース)のシュート、ブロックされたところに淀川が詰め1-2。「信じて走ったらこぼれてきてくれた」と淀川。試合はそのまま終了したものの、チームにポジティブな要素を持ち帰った。

 

スライディングで押し込んだ淀川。「気持ちがしっかりと出て取れた得点」と振り返った

 この日の結果で、今季初となる敗戦を喫したア女。関東リーグデビューを果たした川本は、「崩されての失点ではなかったので、すごく悔しい」、「個人的にはまだまだ走れていない」と反省の弁を口にした。試合直後のミーティングでは後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)が檄を飛ばす場面も。現状認識をしっかりとした上で自信を持って戦うことの重要性を強調した。前週は関カレメンバーを中心にスタメンを組んだため、この日の第2節が実質的な関東リーグ開幕戦と言っても良いかもしれない。難しいゲームにはなったが、今季チーム初得点が生まれたことは大きなポジティブ要素。次節こそ、勝利をつかみ取りたいところだ。

(記事、写真 大幡拓登)

 

スターティングイレブン

 

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 16 丸山翔子 スポ3 スフィーダ世田谷FCユース
DF ◎堀内璃子 スポ4 宮城・常盤木学園
DF 田頭花菜 スポ3 東京・十文字
DF 13 木南花菜 スポ3 ちふれASエルフェン埼玉マリ
DF 15 小林舞美 スポ2 ちふれASエルフェン埼玉マリ
MF 17 藤田智里 スポ4 神奈川・大和
→52分 27 新井みゆき スポ1 埼玉・浦和レッズレディースユース
MF 19 淀川知華 商2 山梨・日本航空
MF 22 阪本環 スポ2 日体大FIELDS横浜U18
→45分 18 栗田彩令 スポ3 ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
MF 29 川本美羽 スポ1 新潟・帝京長岡
MF 12 大森美南 スポ4 東京・八王子学園八王子
→67分 白井美羽 スポ3 ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
FW 26 千葉梨々花 スポ1 東京・十文字
→84分 28 﨑岡由真 スポ1 埼玉・浦和レッズレディースユース
◎=ゲームキャプテン

MF淀川知華(商2=山梨・日本航空)

――率直に今日の試合振り返っていかがですか

 押し込まれる時間帯もあるだろうなというのを前提に自分たちで粘り強く戦って勝ちに行こうという話を試合前にしていました。試合の中でも一人一人が戦えていたので負けたことは悔しいですけど、そこは今後自信につなげていきたいなと思いました。/p>

――最後のゴールはいかがでしたか

 0-2で負けていて、あの時間帯で1点取っても勝てないけど、0-2で終わるのか1-2で終わるのかは今後得失点も変わってきますし、自分も含めチーム全体も勝つぞという気持ちで臨んだので、最後の得点は自分の気持ちがしっかり出て取れた得点かなと思います。

――あそこはこぼれてくるのを感じましたか

 崎岡(由真)選手がシュートを打つと思って、こぼれるかもしれないというのを予測して、信じて走ったらこぼれてきてくれましたね。

――今日は中盤でセカンドボールの回収などかなり運動量多くプレーしていましたけど、相手のプレスなどはどう感じましたか

 大きいボールに対しては競り勝ったりすることもできたんですけど、疲れてきたときに足が止まって相手の方が出足が早くて拾えなくてそのまま攻め込まれてしまったり、中盤でのどっちのボールになるか分からない球際のところで負けてしまうことが多かったので、中盤でマイボールにできるかできないかはゲームを左右と思うので今後改善していきたいです。

――個人としてはそこが課題ですか

 今はそこを中心に克服していきたいなと思います。

――関東リーグは1分1敗で始まりましたけど、どういうふうに改善していきたいですか

 今日の失点シーンはセットプレーで、ゲームの中ではしっかり守れていたので練習の中でセットプレーひとつだったり、練習メニューの1対1とか、そういうところからもっとこだわってやっていきたいですし、試合をやるたびに自分たちの課題はいろいろ見えてくると思うので、しっかりそこに向き合って次の試合に向けて毎回修正して行けたらなと思います。

 

川本美羽(スポ1=新潟・帝京長岡)

――悔しい敗戦になりました。率直にいかがですか

 崩されての失点ではなかったので、すごく悔しいです。

――リーグ戦デビューという形になりましたが、どのような感触ですか

 個人的にはまだまだ走りきれていないですし、チームとしてもコミュニケーション不足の部分はあったので、1週間かけてしっかりと修正していこうと思います。

――ア女に入っての印象はいかがですか

 まずすごく雰囲気が良くて、先輩も優しくて、楽しくサッカーができる環境だなと思います。

――中盤はかなりプレスも激しく受けていたように思いますが

 速いプレスに対しても焦らずに、後ろや周りの選手を上手く使いながらプレーすることを意識しました。

――敗因を挙げるとしたらどういったところになるでしょうか

 ファーストは結構競ることができていたのですが、セカンドは拾えていなかった部分が課題だと思います。

――試合後ミーティングで監督からどのようなメッセージをもらいましたか

 自分たちはしっかりと戦えているから、自信を持ってプレーしよう、課題となったセットプレーはしっかりと向き合って1週間練習しようという話がありました。

――これから関東リーグを中心にリーグ戦を戦っていくことになると思いますが、どういう風に強みを生かしたいですか

 とにかく運動量を落とさず、終盤でも前線のプレーに関われるようにプレーを続けていきたいです。