ダブルヘッダー2戦目は一時反撃見せるも0-3の力負け

ア式蹴球女子
第28回関東女子リーグ後期5節
早大 0-1
0-2
神奈川大
【得点】
(早大)なし
(神奈川大)30分:唐沢、74分:加田、79分:小林

 ア式蹴球部女子(ア女)は2日、関東女子リーグに挑んだ。2日は関東大学女子リーグ(関カレ)とのダブルヘッダー。直前に行われた関カレ出場メンバーが見守る中での一戦となった。ア女は苦しい試合を強いられる。序盤のピンチをしのいできたものの、30分に華麗な崩しで最終ライン突破されついに失点。その後状態が上向き好機も演出したが、74分に再び被弾すると直後の79分にダメ押しとなる3点目を決められあえなく敗戦となった。

 

戦いの様子を見守る関カレ出場メンバーたち。声掛けが90分間絶えなかった

 

 一戦目のスコアレスドローを挽回するためにも、敵地で勝ち点3を奪いたいア女だったが直前の関カレ同様、神大の巧みな守備に苦戦。5、7、17分と立て続けに右サイドを突破されピンチを迎える難しい立ち上がりとなった。ここまでは何とか持ちこたえたア女だったが、30分に均衡が破れる。今度は中央での華麗なパスワークからGKとの1vs1に持ち込まれると、相手はシュートではなく冷静にゴール前の味方へのパスを選択。フリーで至近距離のシュートを打たれ失点した。

 

復帰を果たした浦部。左SBに入ると復帰早々に攻守で質の高いプレーを見せた

 

 それでもア女は挽回を図る。攻守において互いの距離感が改善されると、個々にも好プレーが生まれた。35分には2トップの一角を担ったMF大森美南(スポ3=東京・八王子学園八王子)が個人技で相手をはがし一気にゴール前へ侵入し好機を演出する。44分にはDF間に空いたスペースを使われ1vs1のピンチとなったが、GK丸山翔子(スポ2=スフィーダ世田谷FCユース)が右手を伸ばし間一髪のシュートストップを見せた。丸山は74分にも、1失点目と同じ崩しで迎えた1vs1をセーブ。しかしこの直後にまたもゴール前でシュートを放たれ失点した。すると79分にはロングボールから裏抜けされ、豪快なダメ押し弾で3点差に突き放された。それでも89分に相手のビルドアップのミスを見逃さず大森が遠目からゴールを狙うなど、最後まで戦う姿勢を見せた。反撃も結果には結びつかず、終わってみれば0-3の大敗となった。

 

スタメンで公式戦デビューを果たした淀川は9月に入部。半年以上のブランクがあるなかでの競技復帰に「(長所の)スタミナを取り戻したい」と1年目の目標を語った

 

 結果は残念ではあったが、明るいニュースもある神奈川大戦となった。この日キャプテンマークを身に付けプレーしたのはDF浦部美月(スポ3=スフィーダ世田谷FCユース)。6月18日の関カレ山梨学院大戦の試合中に足首を負傷し長期離脱を強いられたが、約3カ月のリハビリを経て今節復帰した。敗戦の悔しさと同時に「やっぱりサッカー楽しいなって」と久しぶりの公式戦を戦い終え笑顔を見せた。そしてDF淀川知華(商1=山梨・日本航空)とDF馬場祥華(スポ1=アクアLFC)、2人の1年生が新たにア女の一員として公式戦デビューを飾った。右SBとしてスタメン出場した淀川は推進力のあるドリブルを見せるなど好プレーを見せ「後半は積極的になれた」と振り返った。負けられない戦いが続いた9月とは違い、10月は土日に関カレと関東リーグの連戦が残り2回控えている。復帰選手や新入生などピッチで戦える選手が増えているア女。勝利から遠ざかっている2022年秋の総力戦を全員で乗り切る。

(記事 前田篤宏、写真 大幡拓登、髙田凜太郎)

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 21 丸山翔子 スポ2 スフィーダ世田谷FCユース
DF ◎13 浦部美月 スポ3 スフィーダ世田谷FCユース
DF 17 木南花菜 スポ2 ちふれASエルフェン埼玉マリ
→62分 24 生谷寧々 スポ2 東京・吉祥女
DF 22 藤田智里 スポ3 神奈川・大和
DF 33 淀川知華 商1 山梨・日本航空
MF 18 白井美羽 スポ2 ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ
MF 20 大森美南 スポ3 東京・八王子学園八王子
MF 25 澤田美海 スポ2 栃木・宇都宮中央女
→82分 30 馬場祥華 スポ1 アクアLFC
MF 29 阪本環 スポ1 日体大FIELDS横浜U18
FW 23 栗田彩令 スポ2 静岡・藤枝順心
◎=ゲームキャプテン

 

DF浦部美月(スポ3=スフィーダ世田谷FCユース)

――久々の試合でしたけど、今感想はいかがですか

楽しいと悔しいが体の中で真っ二つに分かれています。4カ月ぶり(の試合)とか今までのサッカー人生でなかったから最初は緊張していたんですけど、終わってみてやっぱりサッカー楽しいなって、負けちゃったけど思います。

――(山梨学院大戦での)ケガの瞬間はみんなよく分かっていなかったですけど、どういう感じだったんですか

自分の中ではバチンと音が鳴って何か外れたなと思って、足首動かしたらはまった感じがしたからやろうと思ったんですけど、一歩の踏み込みでまた外れちゃったりして無理だと思って×を出しました。

――今季はどちらのリーグでも頻繁に出場していた中での怪我でした。どういう思いでリハビリに取り組んでいましたか

直近だと皇后杯予選とか、なかなか勝てない試合が続いてたりとか、中でプレーしている姿や言動でチームの士気を上げられないことへの悔しさはありました。だからこそ復帰したら流れを変えてやるんだという気持ちはありました。

――これからシーズンも終盤に向かっていく中で大きな大会が続きますけど、待ち遠しさみたいなものはありますか

この2年間振り返ってみたら(そういう大会に)全然関与してないんですよ。ア女にいる以上、そういう舞台に立てるって当たり前じゃないと思うし、せっかくなら自分がピッチに立って経験したいという気持ちはあります。今できることをやって11人の椅子を取りに行きたいなと思っています。

 

DF淀川知華(商1=山梨・日本航空)

――9月に入部して、これがア女での公式戦デビューとなりましたけど今試合が終わって感想はいかがですか

(競技)復帰してから短い間でしたけど、公式戦に出場できたことはプラスかなと思います。

――ア女での練習の日々はどうですか

周りの高いレベルの中で自分が一緒にサッカーできるのは良いことだし、今は試合の中でできることはチャレンジして経験を積み重ねて、先輩と同じように戦えるように成長していきたいなと思います。

――個人として前半後半で内容が変わったと思いますけど、手応えはいかがでしたか

前半は自分のサイドを崩されることが多くてやりたいことができないむずむずした部分がありました。でも気持ちを切り替えて後半は積極的になれた部分はあったので後半の方がプレーは改善できたのかなと思います。

――自身のプレースタイルはどう形容しますか

春学期分休んでいたから体力はだいぶ落ちてるんですけど、自分の売りが体力、ハードワークだと思っています。サイドバックでも上下運動して攻撃にも関わって行く部分は、今後体力を上げてやっていきたいと思います。

――今季はこれから1カ月リーグが続きます。1年目の目標とア女での4年間の目標を教えてください

1年目の目標は自分自身に挑戦する1年にしたいなと思います。できないことも多いですけどどんどん挑戦して失敗しても下を向かないで一歩ずつ成長していきたいなと思います。ア女での目標は、ア女という組織が1人1人意識も高いし去年も日本一を獲っているチームなので、自分自身にも厳しくしてサッカーでも人としても成長したいなと思いますけど、一番はサッカーを好きでやっているのでサッカーを楽しむ4年間にしたいと思います。