第44回皇后杯関東予選2回戦 | ||||
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早大 | 2 | 0-0 2-1 |
1 | 流通経大 |
【得点】 (早大)39分:吉野真央、51分:髙橋雛 (流通経大)54分:オウンゴール |
4日、ア式蹴球部女子(ア女)はトーナメント方式の皇后杯関東予選に挑んだ。今季の目標である皇后杯ベスト8やWEリーグ撃破を達成するにはこの予選を勝ち抜き、本戦への切符を手にする必要がある。関東女子リーグ1部で戦うア女は関東予選2回戦からの参戦となり、今節はその初戦だ。相手は茨城県代表で、関東大学女子リーグでは2部で戦う流通経大。ア女は格下の相手に39分、51分にそれぞれFW吉野真央(スポ4=宮城・聖和学園)とFW髙橋雛(社4=兵庫・日ノ本学園)が得点。54分にオウンゴールで失点するも最後までリードを守り抜き、初戦を突破した。
2点目を決めた髙橋(写真右)。
群馬で行われた一戦は、終始ア女がボールを持つ展開となった。しかし、前半はボール保持をチャンスにつなげることができず攻めあぐねる。それでも8月に散見されたミスは減少し、試合自体はア女ペースであった。一方で、カウンターで勝機を狙ってくる流通経大に対し、その攻撃を未然に防ぐ守備も数多く見られた。裏を取られるシーンもあったが、最終ラインの駆け引きでそのほとんどをオフサイドで無効にした。すると39分、MFブラフ・シャーン(スポ4=スフィーダ世田谷FCユース)のロングボールにFW廣澤真穂(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)が抜け出しGKと1対1に。これはGKのファインセーブに阻まれたが、ここで得たCKに吉野が頭で合わせネットを揺らした。CKを決め切れず引き分けに終わった8月24日の日大戦を挙げ、「悔しい思いをした。絶対に決めてやると臨んだ」と、快心の先制弾となった。
吉野の先制ヘディング弾。流れでのチャンスがない中でセットプレーから得点できたことは、この試合を大きく動かした
苦戦した前半とは打って変わり、チャンスを多く迎えた後半。51分にいきなりビッグチャンスを迎える。「(吉野)真央が溜めを作ってくれた」(髙橋)と髙橋が裏のスペースに抜け出す。吉野からのパスは相手GKと髙橋の中間地点への際どいスルーパスだったが、何とか先にワンタッチし、ゴールに吸い込まれた。この2点リードで試合も決まったかと思われた直後の54分、相手の勢いあるハイプレスを前に最終ラインでボールを細かくつないで保持していたが、バックパスがそのままア女のゴールネットを揺らす形となり失点。その後は再びア女ペースに戻ったものの、終盤は1点という点差に相手が奮起。いくつか危ないシーンもあったがGK近澤澪菜副将(スポ4=JFAアカデミー福島)を中心に1点を守り切った。ア女は今季初のトーナメントに勝利し、準々決勝へと駒を進めた。
終始ボール保持する中で、最終盤から組み立てに貢献したブラフ。先制の起点も作り、終盤には惜しいヘディングシュートもみせた
まずは一勝することができた。トーナメントの初戦は難しい。「負けたら終わりというプレッシャーの中で緊張感はすごくあった」(髙橋)と、チーム内には緊張感が漂っていたという。前半はチャンスが少ない中で、セットプレーから得点。後半はFW陣の息の合った一連の流れからネットを揺らした。失点に直結する痛いミスはあったが、ここ数試合荒れ気味だった守備も安定感を取り戻しつつあり、ア女らしさが垣間見えた一戦となった。次は中一日での関カレを経て、10日には筑波大との準々決勝が控える。勝てば本戦出場が確定する。なんとしてでも勝利を収めたい。
(記事、写真 前田篤宏)
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | ◎1 | 近澤澪菜 | スポ4 | JFAアカデミー福島 |
DF | 2 | 夏目歩実 | スポ3 | 宮城・聖和学園 |
DF | 4 | 堀内璃子 | スポ3 | 宮城・常盤木学園 |
DF | 8 | 井上萌 | スポ4 | 東京・十文字 |
DF | 15 | 田頭花菜 | スポ2 | 東京・十文字 |
DF | 17 | 木南花菜 | スポ2 | ちふれASエルフェン埼玉マリ |
→ | 27 | 生田七彩 | スポ1 | 岡山・作陽 |
MF | 6 | ブラフ・シャーン | スポ4 | スフィーダ世田谷FCユース |
MF | 14 | 笠原綺乃 | スポ3 | 横須賀シーガルズJOY |
FW | 9 | 廣澤真穂 | スポ4 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
FW | 10 | 髙橋雛 | 社4 | 兵庫・日ノ本学園 |
FW | 11 | 吉野真央 | スポ4 | 宮城・聖和学園 |
◎=ゲームキャプテン |
スターティングフォーメーション
FW吉野真央(スポ4=宮城・聖和学園)
――皇后杯ベスト8に向けた初戦を終えて、感想はいかがですか
圧倒して勝った内容ではないし、ハラハラした場面もありましたけど、前節から自分たちのサッカーを見直して、課題とかを改善しようとして挑んだ試合だったし、そういう部分はみんなのいいところが出てたし、もっと圧倒して勝ちたかったのは本音なんですけど、でもチームの状況があまりよくない中で1人1人が戦ってチーム全員で勝てたゲームだったので、その部分では大きな勝利だなと思います。
――相手は関東2部の格下ではありますけど、何が起こるか分からないトーナメントを前に、チームとしてはどういう雰囲気で向かっていきましたか
トーナメントの初戦って本当に難しい試合だし、どんなに相手が下のリーグでも、自分たちはチャレンジの精神を忘れないですし、そういった中で相手ではなくて自分たちの最大限のサッカーをやろうと臨んでいきました。
――先制点を決めましたが、チャンスが少ない状況でCKから一発で決めたという点ではどう振り返っていますか
日大戦の時にCKで5本くらい1本も決まらなくて、そういう悔しさもあったからこの試合は絶対決めるという気持ちを持って入ったので、その通りになって本当に良かったですし、どんどんこういうゴールを増やして行けたらなと思います。
――前半はトップで、後半は廣澤選手とポジションを入れ替えてのプレーでしたけど、ここの意図とかえてみた感想はいかがですか
クロスに対して自分は競りやヘディングが強いのでクロスに合わせるイメージとか、(廣澤)真穂が落ちて作るタイプなのでそこのスペースを自分が後ろから越していったりするイメージだったし、そういう意図で監督も使ってくれたと思います。そこで落ちたときにスペースを使ったり、ファーのクロスに合わせたるはできたのでもっともっと回数を重ねていけば、もっよ良くなるんじゃないかなともいます。
――前回の日大戦から期間が少し空きましたけど、流れがそこまで良くない中でチームとしてはどう取り組んでいましたか
最近のア女のサッカーがうまくいかない状況が続いていたので、もう一回原点に立ち返って自分たちのサッカーは何をしたいのかをみんなで話して原点に返って一から作ってきた感じでした。
――勝てば本戦出場が決まる準々決勝に向けて意気込みをお願いします
次の試合もこの試合で得たことと、出た課題をしっかり1週間で調整してチーム全体でもっともっといいサッカーができるように頑張っていきたいと思います。
FW髙橋雛(社4=兵庫・日ノ本学園)
――皇后杯ベスト8をかけた初戦でしたけど、振り返っていかがですか
今季初のトーナメント戦で、負けたら終わりというプレッシャーの中で緊張感もすごくあったし、その中でみんなで挑めて勝利できたのはよかったなと思います。
――髙橋選手自身は公式戦3戦連発となりましたけど、得点という部分についてはどう捉えていますか
最近は自分ができることと、一つ一つのプレーにこだわるとか、そういうことを大事にしている中で、得点に結びついている感覚なのでまずは目の前のことに目を向けて全力を尽くすということをやったうえでのその先の結果だと思うので、ゴールで貢献できるのはすごくうれしいことだし、これからも目に見えるものもそれ以外のものでももっと引っ張っていきたいなと思います
――ゴールシーンを振り返っていかがですか
あのシーンは(吉野)真央が溜めてくれてそのタイミングで裏が空いたので思い切り走って、ギリギリでしたけど触れると思って触った結果、入ってよかったと思います。
――皇后杯の準々決勝にむけて意気込みはいかがですか
次勝ったら本戦決定なので、それに気をとらわれ過ぎてプレーが悪くなるのはなくしたいし、うまくいかない時もあると思うんですけど、今日よりも厳しい戦いになってくると思います。そういう時こそもう一歩踏ん張るとか、そういうことで一戦一戦やっていきたいと思います。
――内容の部分の改善点はどう捉えていますか
危ないシーンも何個かあったし、それは全体の意識とか流れとか時間帯とか、そういうのを考えることもトーナメントを戦っていく上では大事なことだと思うので、ちょっとずつ意識しながら日々のトレーニングからやっていきたいと思います。
――最近はスタートから少し後ろ気味のポジションでやっていますけど、ここについてはどういう感覚を持っていますか
そこは課題だと思っていて、今はどこのポジションに立つべきなのか、チームが今どういう状況で、自分が助けに行くべきなのか、前で関わるべきなのか、と自分も探り探りの中でやっているところなので、そういうところも周りとコミュニケーション取りながら突き詰めていきたいなと思います。