WEリーグ・マイナビ仙台レディース(仙台)は8日、FW廣澤真穂(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)の加入内定を発表した。ア式蹴球部女子(ア女)からはOG・村上真帆(令3スポ卒=現大宮アルディージャVENTUS)以来となる2季ぶりののWEリーグ内定選手となった。
2000年10月18日生まれ。身長は167センチ。2019年にノジマステラ神奈川相模原ドゥーエから早大に入学。ア女のWEリーグ内定選手としては史上3人目となる
廣澤は8日現在、今季公式戦13試合11ゴールで得点数はチームトップを記録している。今季はセンターフォワードとしての出場が多いが、左WGも主戦場のひとつ。データ通りの抜きんでた得点能力と足元の技術、そしてそれを生かしたボールキープが魅力の選手だ。仙台サポーターにとって気になるその実力だが、WEリーガー相手に戦えることはすでに証明済み。今年2月、関東学連選抜の一員として大宮アルディージャVENTOSとの試合に後半から左WGとして出場すると圧巻の2得点。“通用”どころではなくむしろ“圧倒”してみせた。これが大学リーグともなると相手のマークが集中することは自明。自身に講じられる対策をものともせず結果を残すあたりがエースストライカーたる何よりの証である。
強豪・帝京平成大との一戦ではなんと5人に囲まれた。まるでメッシの写真かのような1枚
大学女王であるア女のエースストライカーは在学中の実績、経歴も華やかだ。ア女では入部間もない開幕戦で4ゴールの衝撃デビューを果たすと、1年目から名門ア女で前線の重要なピースとして活躍。3年生で奪った得点数21はチームトップで、関東大学女子サッカーリーグではベストイレブンにも選出された。さらには1、2年では届かなかったインカレ優勝も経験。4年目はチームとしてインカレ連覇、皇后杯ベスト8とWEリーグ撃破を掲げるなか、その中心選手として躍動している。都の西北から一歩外に出れば、1年秋にはU―19日本代表として【AFC U-19サッカー選手権】で優勝。先述の通り4年春に関東学連選抜に選出され、その4か月後には全日本大学選抜にも召集されるとキャプテンマークも付けた。
6月19日には欧州で活躍する日本人チームと対戦。この試合の解説を務めた元なでしこJAPANの評論家は「欧州でも十分にやれる」と高評価
申し分ない実力とキャリアを引っ提げる廣澤に仙台サポーターが抱く希望は大きいはずだ。昨季は上位争いに食い込んだが終盤の3連敗が順位に大きく響き、最終的に5位でシーズンを終えた仙台。そして昨季トップスコアラー白木の現役引退を始め主力の退団が相次いだFW陣は今季、刷新の1シーズンを迎えることになる。東伏見ではイレブンから絶大な信頼を得る廣澤もプロの世界に足を踏み入れればまだ弱冠21歳の有望株。まずは試合に出場し、結果をもって定位置をつかみにかかりたいところだ。
仙台の主力へ、さらにはなでしこジャパンへ―――。廣澤の成長と活躍が待ち遠しいと共に、あと半年しか見ることのできない『臙脂(えんじ)の9番』を目に焼き付けたい――。
(記事・写真 前田篤宏、写真 大幡拓登)
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