第28回関東女子リーグ戦 前期第1節 | ||||
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早大 | 1 | 1-1 0―0 |
1 | 南葛SC |
【得点】 (早大)13分 MF築地育(スポ2=静岡・常葉大橘) (南葛SC)36分 佐藤幸恵 |
ア式蹴球部女子(ア女)が10日、新シーズン開幕を迎えた。大学女王として迎える今季は皇后杯ベスト8進出とインカレ連覇を目標に定めた。そのなかで一足先に幕を開けるのが関東女子リーグだ。昨季とは違い、主力組の多くをベンチ入りさせずに挑むという方針をとったア女。開幕戦から新入生2人を起用するなどその方針通りのメンバーを組んだ。対するは2部からの昇格を果たした南葛SC。ア女は13分、MF築地育(スポ2=静岡・常葉大橘)が自ら獲得したPKを冷静に沈め先制する。しかし36分、相手に左サイドで突破を許し、ネットを揺らされた。攻撃が機能した後半は好機を決め切れず、ドローに終わった。
ゲームキャプテンを務めたのはMFブラフ・シャーン(スポ4=スフィーダ世田谷ユース)。持ち前の展開力と守備でチームを支えた
序盤は相手陣地でボールを回し、クロスで好機を生み出した。開始直後はFW生田七彩(スポ1=岡山・作陽)からFW栗田彩令(スポ2=静岡・藤枝順心)が、7分にはDF浦部美月(スポ3=スフィーダ世田谷FCユース)から築地がゴールを狙うも枠は捉えられない。すると13分、裏に抜け出した築地がペナルティエリア内で相手GKと接触。PKを獲得すると築地が自ら決め、先制に成功した。「自分が勢いを持って動き出したり、ボールに関わることでチームに流れを作れるように」(築地)と、インサイドハーフとして出場した築地が2列目からの積極的な飛び出しで得点をもたらした。これを機に相手の守備強度が上がったこともあり、中盤でのボールロストが目立ち始め、相手に効果的なカウンターを許すようになる。すると36分、左サイドを突破され同点に追いつかれた。
昨季に引き続き開幕戦でゴールを決めた築地。学年が上がり責任感も増している
後半に入ると、幅を使った攻撃にリズムが生まれ、おのずとチャンスも増加。52分、裏に抜けた栗田が至近距離でのGKとの1対1を迎えたが、シュートは好セーブに阻まれた。60分にはDF木南花菜(スポ2=ちふれASエルフェン埼玉マリ)が強烈なシュートを打ち込むがゴールとはならず。好機をものにできないア女は、相手の反撃を受ける。後半の中盤には高く設定されたDFラインの背後を取られることがしばしばあったが、必死のディフェンスで耐えしのいだ。新チームの初陣を勝利で飾りたいア女は、終盤に再び息を吹き返す。アディショナルタイムには、90分を通して相手の裏を狙う動きで存在感を放ったルーキー、生田がバー直撃のシュートを放つなど、猛攻をかけるも一歩及ばず。開幕戦は1-1の引き分けに終わった。
デビュー戦からスピードと技術をいかし印象的なプレーをみせた生田。後藤監督からも高評価を得ている
ポテンシャルがありながら押し込みきれなかったところが勝ち点3に及ばなかった原因とも言える試合だった。特に先制してからの20分間は、細かなミスもありリズムを掴めなかった。ディティールに関して後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)は「練習でできないことは試合でもできない」と、日々のトレーニングから選手に『競創』を求めた。主力組が本格参戦する関東大学女子リーグの開幕も近づく中、まずは次節に今季初勝利を達成しておきたいところだ。
(記事 前田篤宏、写真 前田篤宏、水島梨花)
スターティングイレブン
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 16 | 石田心菜 | スポ2 | 大阪学芸 |
DF | 4 | 堀内璃子 | スポ3 | 宮城・常盤木学園 |
→72分 | 22 | 藤田智里 | スポ3 | 神奈川・大和 |
DF | 8 | 井上萌 | スポ4 | 東京・十文字 |
DF | 13 | 浦部美月 | スポ3 | スフィーダ世田谷FCユース |
DF | 17 | 木南花菜 | スポ2 | ちふれASエルフェン埼玉マリ |
DF | 28 | 小林舞美 | スポ1 | ちふれASエルフェン埼玉マリ |
MF | ◎6 | ブラフ・シャーン | スポ4 | スフィーダ世田谷FCユース |
MF | 18 | 白井美羽 | スポ2 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
MF | 19 | 築地育 | スポ2 | 静岡・常葉大橘 |
FW | 23 | 栗田彩令 | スポ2 | 静岡・藤枝順心 |
→64分 | 20 | 大森美南 | スポ3 | 東京・八王子学園八王子 |
FW | 27 | 生田七彩 | スポ1 | 岡山・作陽 |
◎=ゲームキャプテン |
スターティングフォーメーション
築地育(スポ2=静岡・常葉大橘)
――今日のプレーを振り返っていかがですか
この初戦まで全部がすごい調子がいいという感じではなかったんですけど、(試合が)始まる前に気持ちを自分であげて、緊張せずに思い切りプレーできるいいプレーができたので良かったです
――序盤からゴールに向かっていくプレーが多かったですけど、そういうプレーを今季も心掛けていきたいですか
はい。自分が勢いを持って動き出したり、ボールに関わることでチームに流れを作れるように、今シーズンは学年も上がったのでそういう選手になりたいです。
――そういったプレーの中で、PKを獲得されてご自身で決めましたけど、あのシーンを振り返っていただいても良いですか
裏に抜けたボールに前線の選手としてしっかり反応しようというのは意識していて、キーパーに恐れずに向かっていった結果がPKという形でチャンスをもらえました。落ち着いて決め切れたので、チームの初戦の1点目として勢いを持たせられたかなと思います。
――チームとしては同点に追いつかれて後半あと一歩というところでしたが、試合全体を振り返ってどういうふうにこの試合を見ていますか
通用している部分も多い中でゴールを決め切るところと、守備の部分で疲れてきたときに最後まで声をかけて連動したり、一歩足を動かす部分がこれからもっとできたらチームとして逆転して勝てるのかなと思います。
――去年は中盤の重要なピースとして活躍されましたが、今シーズンはどういったプレーでチームに貢献したいかという目標を伺ってもいいですか
起点になってボールを動かしてチームの流れを引き寄せたり、得点に絡んでいけるような勢いを持ったプレーでチームを活気づけられるようにしていきたいです。
――シーズンオフはどういったところを重点的にトレーニングしていましたか
体力を落とさないように山の中を走ったり、お兄ちゃんを引っ張り出して1対1に付き合ってもらったり、休養はしながらもサッカーから離れ過ぎないように体を動かしていました。
――では次の試合への意気込みをお願いします
やっぱり勝ちが一番チームに勢いを与えられると思うので、またゴールを奪ったりチャンスを作って、チームがまた新たに勢いを持ってスタートできるような試合にしたいなと思います。
生田七彩(スポ1=岡山・作陽)
――早稲田に入学されて何試合か練習試合もされてると思いますけど、ア女でのプレーにはどういう感触を持っていますか
まず個のレベルが高くて、組織としてもやるべきことが明確になっていて、日本一を目指すチームはチームワークも大切にしているんだなと思いました。
――ご自身のプレーはどういうふうに特徴づけていますか
自分はスピードに自信があるので、背後への抜け出しとかサイドへのドリブルとかで得点のチャンスを生み出すことが得意です。
――今日は2年前まで12連覇していて去年も優勝したリーグでしたが、関東女子リーグにはどういう印象を持っていますか
A(主力組)じゃないメンバーが出るんですけど、そういうところで試合出場のチャンスをもらえることは当たり前じゃないと思うので、そのチャンスをしっかり掴んでインカレとかに出場してチームに貢献できたらなと思います。
――今日のご自身のプレーはどういうふうに評価されていますか
今日は監督からも背後に抜け出して得点を狙ってと言われていたんですけど、結果としては点を取れなかったので、まだまだ練習していかないといけないなと思いました。
――ひとつ惜しいシーンがありましたけど、悔しいですか
はい。次は頑張ります。
――次節に向けて一言お願いしてもいいですか
次節は、シュートとかを練習からこだわっていって得点でチームを勝たせられるように頑張ります。
小林舞美(スポ1=ちふれASエルフェン埼玉マリ)
――ご自身のプレーの特徴を教えてください
今日はサイドバックをやっていたのですが、本来はセンターバックを務めています。粘り強いディフェンスが自分の特徴だと思っています。
――練習試合含めて大学でのサッカーどういう印象ですか
今まではそんなにハイプレスという感じのチームではありませんでした。前からどんどんハイプレスをかけていって奪いきるというのは大学らしい力強さを感じます。
――初の公式戦、関東リーグはいかがでしたか
関東リーグはメインの選手じゃなくて自分達が出させてもらっています。メインで出ている先輩たちの標準に自分が合わせていけるように試合に出る機会がある際には全て吸収していきたいです。
――今日のプレーを振り返っていかがですか
今日は自分が意図したプレーと味方が意図したプレーが食い違っていて、まだタイミングが合わないこともありました。それは練習で合わせていきたいです。
――次節に向けて意気込みをお願いします
次節はもっと攻撃面でも守備の面でも自分から積極的に行くことと味方とプレーを合わせていくということを突き詰めて行きたいです。