「楽しむためにどうしたらいいのか、後輩たちは突き詰めてやっていってほしい」(加藤)/インカレ優勝コメント集

ア式蹴球女子

 4年ぶりに『日本一』を奪還したア式蹴球部女子(ア女)。興奮冷めやらぬ選手たちに優勝コメントをいただきました。

※この取材は1月6日に行われたものです。

 

「楽しむためにどうしたらいいのか、後輩たちは突き詰めてやっていってほしい」(加藤)

優勝トロフィーを贈られる加藤

DF加藤希主将(スポ4=アンジュヴィオレ広島)

――様々な方が関わっての優勝であると思いますが、この優勝を報告したい人はいますか

やっぱり両親に伝えたいです。自分は東京出身ではないですが、東京に出させてもらえて、ここまでサッカーをやりたいようにやらせてくれた両親に一番に報告したいと思います。

――皇后杯関東予選で冠を逃すなど、チームとして苦しかったこともあったと思いますが、主将として苦しかったことはありましたか

どうしようと思ったときはありましたが、そんな時に副将の千夏(並木、スポ4=静岡・藤枝順心)であったり、3年生の和夏(船木、スポ3=日テレ・メニーナ)だったり、「やろうよ」と言ってくれた選手が多く、2年生も気が利く選手が多くて「やろう、やろう」と声をかけてくれました。しんどいときはありましたが、そういった選手にすごく助けられたなと思います。

――この決勝戦をもって、一度選手としてのキャリアを終えられると聞きました。後輩に向けてのメッセージをお願いします

今年やったことを来年もやったらうまくいくということは絶対にないと思います。今年優勝したことで連覇というまた新たな重みというのがありますが、そういったことはあまり気にせず、本当にサッカーを楽しむというところですね。日本一をとったら楽しいじゃないですか。楽しむためにどうしたらいいのか、後輩たちは突き詰めてやっていってほしいなと思います。

――同期に向けてのメッセージもお願いします

同期には助けられてばかりで、自分はキャプテンなんて名前だけじゃないかなと思うのですが、自分が気づかないところであったり、(試合に)出ていない後輩のケアだったりを、選手、学生スタッフ、主務、トレーナー、マネジャーがそれぞれで頑張ってくれました。その中で、日本一という同じベクトルに向けて進むことができたというのは同期のおかげだなと思います。本当に「同期ありがとう」と思っています。

――最後に改めてこの優勝に対する喜びの声を聞かせてください

自分たちが入学する前にア女は3連覇をしていて、自分たちも絶対に続こうと思っていた中で、準優勝、準優勝、2回戦敗退でなかなか勝てませんでした。でも、自分たちの代で勝つことができて、ア女30周年という記念すべき年に優勝し、歴史に名を刻めたというのは本当にうれしく思います。

 

「本当に1人も欠けてはいけない存在だった」(並木)

FKのキッカーを務める並木

MF並木千夏副将(スポ4=静岡・藤枝順心)

――優勝した今のお気持ちを聞かせてください

うれしいです!今シーズン本当にきついことが多かったのですが、がんばって踏ん張ってきてよかったなと思いました。

――個人的に一番キツかったなと思い出す場面はどこですか

けがしている中で、チームが勝てない状況の時が一番キツかったです。

――ピッチに立った1人として、この優勝をどのように捉えていますか

本当に全員でつかみ取った優勝だと思っています。みんながチームのためと思ってくれているというのがすごく伝わっていました。自分としては、本当に1人も欠けてはいけない存在だったんです。ひとりひとりが大きい存在だったので。ピッチに立っていた11人やベンチに入ったメンバーだけではなく、本当に全員で「何がなんでも!」とつかんだんだぞ、という感じですね。

――若葉さん(後藤、スポ2=日テレ・メニーナ)が得点を決めた時はどんな気持ちでしたか

自分的には、絶対に勝てると思っていました。誰が決めてもおかしくなかったです。前半からチャンスはあったので、やっと点が入ったという安心の方が大きかったですね。若葉が決めてくれたので「ああよかったなあ」と(思いました)。「ありがとう」という感じですね。

――ご自身は準決勝の時、「あまりファーストタッチがよくなかった」というお話をされていました。決勝のプレーの評価はいかがですか

立ち上がりはよかった気がするのですが、寒くて足が動きませんでした。満足がいった試合ではないです(笑)。今シーズンらしい終わり方かなと感じています。

――後輩たちは今季の優勝を通過点にして連覇を目指すこととなります。後輩たちへのメッセージをお聞かせください

そんなにプレッシャーにならないでほしいと思っています。4年間優勝から遠ざかっていて、自分はその4年目でやっと優勝をつかみました。周りの目などもあると思うのですが、自分が4年間早稲田で過ごして感じたことは、早稲田は常勝のチームではないから、そんなに気負わずにということ。プレッシャーも感じずに楽しんでもらえたら、自ずと結果はついてくると思います。みんなには楽しんでもらいたいです。

――最後に苦楽をともにしてきた7人の同期に向けて一言お願いします

いろんな思いがあると思います。全員がいい思いをしたとも思っていないし。それでも後輩たちが「4年生のために」と言ってくれる学年になれた、チームにできたということが、すごく誇らしいことだと思います。ここまで一緒に頑張れたのは7人がいたからというか、7人だからできたのだろうなと思っているので、感謝ですね。一緒に頑張ってこられてよかったです。

 

「やっと今年、強い早稲田を取り戻せた」(山下)

決勝キックオフ前に笑顔でベンチに向かう山下

山下夏季主務(スポ4=静岡・浜松北)

――優勝した今の率直な気持ちを聞かせてください

4年間辞めずにやってこられて、本当に頑張ってよかったなというのが今の率直な気持ちです。本当に後輩たちに助けられた1年だったので、最後の最後までついてきてくれてありがとうという気持ちです。

――得点シーンを振り返ってください

時間的にはまだ後半(残りが)全然あったので、油断はしちゃいけないと思っていました。そこからは早く終われ、早く終われ…と。4年間で一番長いラスト40分だったなと思います。

――無失点優勝を実現できたことはどう感じていますか

今年、DF陣は入れ替わりが激しかった中で、若葉(DF後藤、スポ2=日テレ・メニーナ)や歩実(DF夏目、スポ2=宮城・聖和学園)、澪奈(GK近澤、スポ3=JFAアカデミー福島)が練習からコミュニケーションをたくさん取ってくれました。終わってみて「無失点だったのか!」と思ったのですが、来年も期待できるなというか、すごく誇らしい気持ちで見ていました。

――後輩に向けて激励のメッセージをお願いします

早稲田は勝って当たり前のチームで、やっと今年強い早稲田を取り戻せたと思います。今日はたくさん喜んで、また来月から新しいチームが始まります。新しいチームの良さは今の3年生がたくさん持っているので、その3年生についていけば間違いなく日本一が取れるはずです。もっといいチームをつくっていってほしいなと思います。

――ア女での4年間はどのようなものでしたか

正直苦しかったです(笑)。でも、「結果よければすべてよし」ではないですが、ひとつひとつの出来事に意味があって、それに自分自身いい方向に捉えられるようにと思っていました。後輩たちが今悩んでいることは絶対に意味があるし、そこを乗り越えれば、私たち4年生のように報われたと思えるような瞬間が絶対にあると思います。今のア女の子たちならできると思うので、諦めずに頑張ってほしいなと思います。

――最後に、同期へメッセージをお願いします

私は直接愛を伝えるタイプではないんですが、誰よりもみんなのことを応援していました。選手以外にも学生トレーナーの2人がいてくれたのも、私にとっては本当に心強かったので、いいバランスで、最後8人という形でしたが、最高の結果で終わることができました。マネジャーとして受け入れてくれて本当にありがとうという気持ちでいっぱいです。

 

「4年間ア女でサッカーができたことを、とても誇りに思う」(蔵田)

ドルブルで中央突破する蔵田

MF蔵田あかり(スポ4=東京・十文字)

――優勝した今の気持ちを聞かせてください

あまり実感が湧かなくて、試合後の表彰式でのんちゃん(加藤希主将、スポ4=アンジュヴィオレ広島)がカップを掲げて、そこでやっと私たち優勝したんだなと実感しました。一戦一戦、目の前の試合を戦った結果、最終的に優勝したと言う感じで、あっという間でした。

――ご自身は中に切り込むプレーで好機をつくっていましたが、無得点でした

自分自身の結果が欲しかったのも事実ですが、それ以上にチームが勝つことの方がうれしいことなので、本当に決めるべき時に後輩が決めてくれたのでよかったです。

――後藤若葉選手(スポ2=日テレ・メニーナ)がゴールを決めた時はどう感じましたか

今大会は無失点優勝だったのは若葉をはじめ、守備陣が体を張って頑張った結果だと思います。それに加えて若葉も(前線に)上がりたい人なので、それがゴールと言う形で結果につながったのはうれしいです。けがもあったので報われたのではないかなと、とてもうれしかったです。

――ご自身もけがに悩まされましたが、4年間を振り返るとどうでしたか

終わったからこそあっという間だと思うのですが、振り返れば自分のけがやチームの課題などがありました。それでも自分たちがいつも前を向き続けてきたからこそ、最後こうして笑って終えることができたのかなと思います。

――最高の幕の閉じ方だと思いますが、後輩に向けてのメッセージをお願いします

今シーズン4年生は出場選手が少なくて、頼りない部分もあったと思いますが、後輩たちがしっかり結果を出してくれて勝つことができました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。来年はインカレ連覇と言う目標になると思いますが、気負わずに頑張ってほしいと思います。

――同期に対してメッセージをお願いします

1年生の頃から仲が悪くはないという感じの仲で、先輩からも不安に思うと言われたこともあった同期でした。自分自身も不安でしたが、一人一人尊敬できる部分がありますし、頼もしいので同期がいたから今回インカレ優勝や関東リーグ優勝と言う結果につながったと思います。一人一人ができることをやり続けた結果、最後に笑顔で終わることにつながったと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

――これからどのようなプレイヤーを目指していきますか

4年間ア女でサッカーができたことをとても誇りに思うし、心身ともに成長できたと思います。仲間の大切さや、もどかしくて苦しかった時があっても前を向く力も学びました。それらを次のステージで生かしていきたいと思います。

 

「自分にしっかり向き合い続けることが最終的にチームのためになる」(黒柳)

インカレ初戦でエリア内に侵入する黒柳

FW黒柳美裕(スポ4=宮城・聖和学園)

――今日の試合を終えて率直な感想をお願いします

いろいろな方々の支えがあって今日優勝をつかむことができたと思っているので、率直にうれしいです。感謝の気持ちしか無いです。

――今日の試合はベンチで見守るかたちとなりましたが、ピッチで戦っている仲間の戦況をどう見ていましたか

スカウティングや分析をしていて、相手のウィークポイントを取れたことが、チャンスづくりにつながったのかなと思いました。

――優勝後に交わした印象的な会話はありましたか

自分自身がピッチで貢献することができなかった中、後輩たちに「美裕さんの言葉で腐らずやれたよ」と言ってもらった時に、自分もチームのためになれていたんだなというのを少し感じたので、それがシンプルにうれしかったです。

――今大会は初戦と準決勝で終盤に出場されましたが、振り返っていかがですか

ひとつひとつ試合を越えてきて、その先に優勝を手に取ることができたという感覚が強いです。自分が出させてもらえることも仲間のおかげで、本当にみんなに感謝しているし、送り出してくれる時に「美裕さん頑張れ!」と言ってくれたこともすごくうれしかったです。そうやって送り出してくれる子たちの分、自分はピッチでやるべきことをやらなきゃいけないという気持ちでやっていました。

――この4年間ア女部員として活動されてきましたが、同期への思いは

各々の良いところでカバーし合っているからこそ、今のチームができていると思っています。本当にいろいろなことがあって、そんな中でも同じ方向を向いてずっとやって来られました。自分たちが1年生の時に掲げた目標をこの仲間と達成することができたのはすごくうれしいし、ありのままの自分を認めて受け入れてくれて、「美裕は美裕でいいよ」と言ってくれたことはすごくありがたかったです。

――来年も戦っていく後輩たちへ伝えたいことはありますか

自分にしっかり向き合い続けることが最終的にチームのためになると思うので、今がうまくいかなくても、けして下を向くことなく、そのまま頑張れって思います。苦しい時もあると思うけど、それはきっと最後に笑うために必要なことでもあるから、何かあったときは私に連絡ください(笑)。

――改めてこの4年間を振り返ってください

確実に人としても、選手としてのプレー幅も広がったと感じているし、いろいろな経験をしてここまで成長することができたと思っています。早稲田に来たことも本当に良かったと思っているし、早稲田に入るために力を貸してくださった先生方やいろいろな方々、そして親にすごく感謝しています。

――これから黒柳さんは在籍していたチームに戻ってのプレーとなります。ア女での経験を生かしてこういったプレーをしたいなど、将来に向けての意気込みを

より自分次第な部分が多くなると思うので、この早稲田での経験を必ず生かして、やっぱりピッチで活躍したいと思っています。

 

「自分だからこそできることは何か、すごく考える機会をもらえた」(關)

優勝後のロッカールームで同期と満面の笑みを見せる關(上段右端)(ア式蹴球部女子提供)

MF關陽南子(文構4=大阪教大付)

――優勝を決めた今の率直な思いを聞かせてください

とにかくうれしいです。

――スタンドで観戦されていましたが、最後の瞬間はどのような気持ちで見ていましたか

ここまでの3年間で日本一というのが1回もありませんでした。日本一を目指してやり続けてきて、全員で『挑み越え』続けるというところと、楽しんで謙虚にやるところを、チームで気持ちを一つにしてやり続けられたと思います。その部分で「みんな楽しんで!」と思いながら見ていました。

――試合前に、試合のメンバーに声をかけたりしましたか

吉野真央(スポ3=宮城・聖和学園)が「陽南子さんの分まで頑張ってくるからね」と言ってくれたり、同期の伊代(安住、スポ4=宮城・仙台二)がお守りを渡してくれて、「頑張ってくるね」って言ってくれたり。ひとりひとりの思いやりが伝わってくるし、ピッチに立っている選手やベンチに入っている選手が、11人だけじゃなくて周りの子たちのことを考えてプレーしているのが伝わってきました。

――この4年間を振り返って、同期の皆さんに対してどうお感じですか

同期に対しては「ありがとう」しかないです。正直4年生になってからもピッチの上で引っ張っていけていないということがあったけど、それでも自分を見放さないでいてくれて…。大好きです。

――来年、連覇に向けて戦う後輩たちに伝えたいことはありますか

一番伝えたいのは、自分自身と向き合ってほしいなということです。「チームのため」、「仲間のため」もとても大事だし、絶対に力になることだとは思います。でも、それを自分自身が本当に望んでいるのか。後悔のないようにと言ったらありきたりではありますが、楽しんでやってほしいなと思います。

――ア女で過ごした4年間を振り返っていかがでしたか

長かったけど、あっというまでした。ア女の先輩、後輩、同期はもちろん、その他でもたくさんの人に支えられていることを実感できた4年間でした。それこそ自分自身と向き合えたとも思っています。ア女は学生主体ということも謳っていますが、自分がサッカーであまり貢献できないこともあったので、どうしたらチームのために動けるか、自分だからこそできることは何か、すごく考える機会をもらえた4年間でした。

――改めて4年間のア女生活を終えて、どんな気持ちですか

正直、苦しかったこととかつらかったこととかたくさんあったんですが、でもやっぱりみんなと出会えてみんなと過ごせた4年間が楽しかったし、幸せでした。

 

「この4年間が走馬灯のようになって、色々なことがフラッシュバックしました」(金城)

祈るように戦況を見つめる金城

金城実希トレーナー(スポ4=沖縄・開邦)

――優勝した瞬間の気持ちを教えてください

なんだろうな…景色が真っ白でした(笑)。優勝した瞬間は、両隣に夏季(山下、スポ4=静岡・浜松北)と伊代(安住、スポ4=宮城・仙台二)がいてうれしいの一言でした。でもまだ実感はないです。ベタだけどこの4年間が走馬灯のようになって、色々なことがフラッシュバックしましたね。

――どんなことを思い出されましたか

決して楽しいことばかりではなかった4年間でした。チームとしてうまくいかない時だったり、(トレーナーという)立場上試合を左右できない時に、何もできない自分が苦しかったり。色々ありました。

――雪もありましたが、今日はどんなことを考えて選手の準備をしていましたか

雪が降るというのは昨日おとといから把握していて、でもここまで降るというのは想定外でした(笑)。選手が冷やさないこと一番考えていて、魔法瓶持てるだけ持ってきてお湯を用意したりとか、できるところは最後までやろうというのは伊代と話していました。後半36分あたりに雪かきの時間があったので、その時も選手の体が冷えないようにというのを最優先にしていました。個人的には南国生まれ南国育ちなのでちょっとはしゃいでしまいましたけど(笑)。優勝してもっとはしゃげたのでそこは良かったです。

――ア女での4年間を振り返っていかがですか

やっぱり結果が出ない時は苦しかったです。でも、正しいと思うことをやってきたつもりなので、それを自分自身に証明できたことがうれしいです。

――後輩へのメッセージをお願いします

自分たちが信じてきたこと、信じてやっていることを疑わずに最後まで信じて、自分たちがやるべきことを一つ一つ謙虚に、感謝の気持ちを持って積み上げていってほしいなと思います。結果が全てだと言われるスポーツ界で、ア女はプロセスも大事にしていたので、こだわるところはこだわって、ア女らしく連覇目指してやっていってほしいです。また後輩の2人、弥弥子(津田、スポ1=東京・武蔵野北)と舞水(黒澤、スポ2=埼玉・伊奈学園総合)には期待していて、来季はこの2人が引っ張っていくと思うので、選手のみんなも2人を信じて最後までついていってほしいなと思います。

――最後に同期へのメッセージをお願いします

本当に色々なことがありました。、最初は12人でスタートしたのですが、それぞれがそれぞれの信じる道を行きました。それを引き止めることはできないですし、全員のことを同期だと思っているし、まだつながっているので、そこは良かったなと思います。本当にみんなを信じてやってきて良かった、愛があふれるばかりですね。

 

「夢の舞台で、最後までみんなのことを送り出せたのは最高でした」(安住)

『冠』を奪還し、4年生スタッフ陣と写真に納まる安住(左)

安住伊代トレーナー(スポ4=宮城・仙台二)

――優勝を決めた今の気持ちを聞かせてください

率直にめちゃくちゃうれしいです。

――4年間いろいろなことがあったと思います。振り返っていかがでしたか

本当にたくさんいろいろなことがありましたが、「終わりよければすべてよし」というのはこういうことなんだなと感じています。

――山下マネジャー(夏季、スポ4=静岡・浜松北)、安住トレーナー(伊代、スポ4=宮城・仙台二)とスタッフの3人で何かお話しされていましたか

この最後の試合で感情を爆発させるのが夢だということをずっと言ってきたので、それができたことが何よりうれしいです。

――改めて同期の皆さんへの思いを教えてください

感謝しかないですし、この同期でなければここまでくることはできなかったと思うので、この景色を見させてくれてありがとうという気持ちです。

――次のシーズン、連覇に向けての戦いとなります。後輩へのメッセージをお願いします

自分たちはとても後輩たちに助けられました。連覇が簡単じゃないことはわかっていますが、みんなならできると思っています。ずっと応援したいです。

――2日前の試合ではベンチを外れていたと思いますが、本日はベンチに入ってウォーミングアップを指揮されていました。西が丘はいかがでしたか

いまはとてもうれしく感じていますが、実感があるかというとあまりありません。でもこの夢の舞台で、最後までみんなのことを送り出せたのは最高でした。

――改めてこの4年間を振り返ってください

長かったなという感じなんですけど(笑)、幸せな4年間でした。

 

「来年も(西が丘に)戻ってきて優勝したい」(近澤)

無失点優勝が決まり、ガッツポーズをする近澤

GK近澤澪菜(スポ3=JFAアカデミー福島)

――優勝した感想を聞かせてください

優勝できてほっとしています。

――目標としていた無失点優勝を成し遂げました

30周年の中でも無失点優勝は初めてだということを聞いて、GKをやっている以上本当に誇りに思います。でも自分だけではなくて、守備陣、特にセンターバックの二人は身体を張って守ってくれたので、みんなでつかみ取った勝利だと思います。

――そのDF後藤選手(若葉、スポ2=日テレ・メニーナ)が得点されました

決勝戦だからと言って特別なプレーがあったわけではなくて、いつもの若葉らしく安定感のあるプレーを求めていましたし、してくれると思っていました。雪という難しい試合でしたが、いつも以上に安定していて、苦しい時にあそこで足を振り抜いて点を決めてくれたというのは本当にうれしかったです。

――雪でスリッピーだったり、逆にボールが止まってしまう時間帯もありましたが、何を心がけていましたか

ボールにも雪がつくし、足の裏にも雪がたまってしまっていました。自分がボールを持っている時に相手の左利きの8番が来ていたりして、つなぎたくてもつなげられないから、割り切って前に蹴るという判断をしました。裏返すボールの質だったり、クリアする方向を意識していました。寒かったし、雪もあって自分のプレーに納得はしていませんが、みんながカバーしてくれたのでありがたいなと思います。

――後半押し込まれる時間帯がありました。ラスト9分くらいに雪かきで中断されたことは大きかったですか

プレーしていて、(積もった雪で)ゴールエリアやペナルティエリアが見えなくて、自分が手を使っていいか分からなかったです。そこで雪かきをしてピッチのコンディションを整えてくれたのはありがたかったですし、みんなと戦い方を確認できたので良かったなと思います。

――改めて、西が丘でのプレーはいかがでしたか

2年ぶりに戻ってこれて、有観客でプレーできたのは本当にうれしかったです。準決勝での風、決勝での雪には困らされましたが、来年も戻ってきて優勝したいです。

――今大会全体を振り返ってください

ピッチに立っていたのは11人ですが、東伏見で待っていてくれたみんなやスタンドで見ていてくれたみんな、全員でつかみ取った優勝だと思います。すごく苦しい時もありましたが、報われて良かったなと思います。

――同期へのメッセージをお願いします

試合に出ている人が多くて、出ているからこそ責任もあるし、結果も求められます。そこで目に見える形で残してくれたり、ベンチで声を出して応援してくれて、試合に出たら爪痕を残して流れを変えてくれたり、試合には出れなかったけどいつも愚直にトレーニングしてくれた選手もいて、素晴らしい動機だなと思います。

――これで4年生は引退となります

いろんな部分で引っ張ってもらって助けてもらって、本当に感謝しています。でも笑顔で終わらせられて、4年生もそれぞれ苦しかったこともあると思いますが、最後泣きながら「ありがとう」って言ってくれたので良かったなと思います。

 

「自分は早稲田を選んで間違いはなかった」(後藤)

得点直後にベンチに走っていく後藤

DF後藤若葉(スポ2=日テレ・メニーナ)

――日テレ・メニーナから早稲田に来てからの2年間、どのように振り返りますか

選手としてもっと成長するために早稲田大学を選びました。今シーズンはメニーナが皇后杯で結果を残したり、ベレーザが苦しい状況で頑張っていたりと周りで色々なことがあった中で、今日優勝できて自分は早稲田を選んで間違いはなかったと心から思いました。もちろんこの優勝も通過点でしかないですが、この道を選んで良かったともう一度自分に言い聞かせて、また2年間頑張りたいと思います。

――足の状態が良くない中でここまで続けてこられました。どのような思いでこの大会に臨みましたか

関カレという一番大事な時期にけがをしてしまい、チームの調子も悪くなってしまいました。そんな中でも4年生は声をかけ続けてくれましたし、復帰後の皇后杯で負けてしまった時も、自分たちにはまだインカレがある、と切り替えることができました。痛みがあっても、「やり切るんだ、戦い抜くんだ」という強い気持ちがあったからこそ、これまで突っ走ってくることができたんだと思います。

――昨シーズンのインカレ初戦で敗退をし、今シーズンも皇后杯でメニーナに負け、敗退しました。苦しい1年間だったと思いますが、ご自身の中でこの優勝のきっかけになった、そんなポイントがあれば教えてください

4冠を目標として今シーズン臨んだ中で、皇后杯予選を一番最初に逃してしまいました。対戦相手だった自分の古巣でもあるメニーナは、その後のチームの活躍を見ていてもとても良いチームだと思いますし、後輩たちの成長に喜びも感じました。ただ、そこまでの関カレで自分たちがうまくいっていたこともあって、その敗退で喝を入れられたようにも感じました。それ以来一つ一つできるところ、小さいところから見ないふりをせずに解決していったことが、少しずつ積み上がって、このような結果につなげることができたんだと思います。

――涙を見せるメンバーも多かったと思います。やはりご自身の中でもあの敗戦は大きかったですか

あの時は自分も強がっている部分があったんですが、守備としては6失点してしまい、DFとしてももっと成長しなければならないと思いました。チームとしても出ている選手、出ていない選手、皆色々なことを考えたと思います。シーズンを振り返ると、自分としてはあの試合が大きかったかなと思います。

――4年生のために、という言葉を何回もお聞きしてきました。改めて最後に4年生にどんな言葉を送りたいですか

本当に「ありがとう」という言葉しかないです。些細なこと一つ一つでもいつも支えてきてくれましたし、4年生がいなければこのような結果は得られませんでした。今日ピッチに立った3人、マネジャーやトレーナーさん、ベンチやスタンドから支えてくれるメンバー、そんな4年生全員を見ているからこそ、みんなで頑張ることができたんだと思います。心から「ありがとう」と「お疲れ様」、そして「これからも応援よろしくお願いします」と伝えたいです。

 

(取材・写真 手代木慶、橋口遼太郎、朝岡里奈、長村光、山崎航平、前田篤宏、有川隼翔、荒井結月、大幡拓登、髙田凜太郎、松永拓朗)

 

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