第35回関東大学女子リーグ戦 後期第7節 | ||||
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早大 | 1 | 0-1 1-1 |
2 | 日体大 |
【得点】 (早大)53分 築地育 (日体大)38分 田村かのん、90+1分 知久奈菜穂 |
関東大学女子リーグ(関カレ)後期第7節。連覇を目指すア式蹴球部女子(ア女)は、試合数に差はあるものの、現在首位の日体大と対戦した。DF加藤希主将(スポ4=アンジュヴィオレ広島)が「(関カレ)首位を狙える位置での実戦だったので、絶対勝ちたい試合ではあった」と言うように、闘志あふれる試合を展開。相手に先制を許すが、後半開始直後にMF築地育(スポ1=静岡・常葉大橘)の同点ゴールで追いつく。しかし試合終了間際に痛恨の失点。関カレ後期初黒星を喫した。
相手をかわして先制点を奪った築地
序盤から素早いパスワークでスペースを創出し、隙あらばカウンターを仕掛けるア女。ゴールとの距離がある位置からでもシュートを放つ積極的な姿勢を見せる。だが組織的な相手ディフェンスに阻まれ、得点には至らない。守備面では、泥臭さを感じさせるプレーを織り交ぜ、危険なシーンを作らせない。それでも38分、混戦から先制点を献上してしまう。ボールは横っ飛びに倒れ込んだGK石田心菜(スポ1=大阪学芸)の脇の下をすり抜け、ゴールに吸い込まれた。ここで流れを渡したくないア女は、猛追を開始する。前半終了間際にFW廣澤真穂(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)がエリア内に侵入。シュートは枠を捉えたが、相手DFの手に当たってゴールとはならない。審判は手に当たったと認めた上でPKを与えず、1-0で試合を折り返した。
まずは同点に持ち込みたいア女だったが、右サイドのピンチから後半が幕を開ける。バーに救われ難を逃れた直後の53分、再三好機を演出していた築地が魅せる。果敢なプレスで相手DFのミスを誘発してボールを奪うと、「前の選手が動き出してスペースを空けてくれたので、いけると思った」(築地)と右足を振り抜き、試合を振り出しに戻した。その後もゴールの機運は高まるが、互いに譲らない時間帯が続く。そこで久々の公式戦出場となったMF蔵田あかり(スポ4=東京・十文字)らを投入し、さらなる得点を目指す。ところが、悲劇は90+1分に待っていた。浮いたクロスに触れることができず、2失点目。つかみかけた勝ち点1が、あと一歩のところでこぼれ落ちた。
2失点目を喫し、力なくポジションに戻る選手たち
強敵に物怖じせずゴールマウスを守った石田は「正直2本とも止められなかったシュートというわけではなかった」と言葉を絞り出した。今節は相手ペースの時間帯も多かったが、流れを渡し切らない驚異の粘りが幾度も見られたことは評価できる。「良いところまで来てはいるが、そこで終わらせてはいけない」(石田)。五分五分であった両者の明暗を分けたのは、少ない好機をものにする決定力だろう。延期された試合を含め、関カレは残り6試合。女王の誇りにかけて、栄冠を守り抜く。
(記事 手代木慶、写真 久家舞子、手代木慶)
スターティングイレブン
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 16 | 石田心菜 | スポ1 | 大阪学芸 |
DF | 2 | 船木和夏 | スポ3 | 日テレ・メニーナ |
DF | ◎10 | 加藤希 | スポ4 | アンジュヴィオレ広島 |
DF | 22 | 夏目歩実 | スポ2 | 宮城・聖和学園 |
DF | 29 | 田頭花菜 | スポ1 | 東京・十文字 |
MF | 6 | ブラフ・シャーン | スポ3 | スフィーダ世田谷FCユース |
MF | 18 | 三谷和華奈 | スポ2 | 東京・十文字 |
→92分 | 15 | 吉野真央 | スポ3 | 宮城・聖和学園 |
MF | 19 | 笠原綺乃 | スポ2 | 横須賀シーガルズJOY |
→83分 | 7 | 蔵田あかり | スポ4 | 東京・十文字 |
MF | 30 | 築地育 | スポ1 | 静岡・常葉大橘 |
FW | 9 | 廣澤真穂 | スポ3 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
FW | 11 | 髙橋雛 | 社3 | 兵庫・日ノ本学園 |
◎=ゲームキャプテン 監督:福田あや(平20スポ卒=神奈川・湘南白百合学園) |
DF加藤希主将(スポ4=アンジュヴィオレ広島)
――思ったより前向きな顔をされているという印象がありますが、今日の試合を振り返っていかがですか
首位を自分たちが狙える位置での実戦だったので、絶対勝ちたい試合ではあったかなと思います。
――終盤の失点シーンを振り返ってください
2失点目は特に、自分にサイドで最後の方からクロスを入れられて、誰も触らずにゴールに入ってしまって、そこは声で解決できる部分だったので、もったいないシーンだったと思います。
――相手にやりたいことをやらせきらず、自分たちもある程度やりたいことをできているという試合でしたが、手応えはありましたか
後半は特に切り替えも早くできたし、ゴールまでもテンポ良くできたので、最後まで決めきることだったり、回しの部分でのちょっとしたズレというのがこれからの課題かなと思います。
――攻守に渡って活躍されていましたが、ご自身のプレーの評価を教えてください
(教育)実習が空けて戻ってきて、だんだん調子が上がってきているなという感じはありますし、ピッチの中で4年生が自分しかいないので、盛り上げることはできたかなと思います。
――先ほど監督もおっしゃっていましたが、「この負けが全てじゃない、これからまたリーグ戦が続いていく」ことに関して、意気込みを教えてください
自分たちが大事にする試合というか、ここ一番というところで、今シーズンはまだ勝てていないという印象があります。大事な試合がリーグ戦終盤にあるので、毎試合これから高めていくしかないなと思います。
MF築地育(スポ1=静岡・常葉大橘)
――まずは今日の試合を振り返って率直な感想をお願いします
チャンスが何本もあって、攻守ともに自分たちのやりたいことをできている部分が多い試合だったので、そこでゴールを奪って勝ちきれなかったのが、すごく悔しいです。
――試合の中で、相手へどのような対策が必要だと思いましたか
奪いどころとなるチャンスの部分で,チームの中で出るタイミングをあわせたり、ボールを狙いに集めるような戦術を話し合ったりして、チーム全体としてもっと共有できたらいいと思います。
――今回はどのような戦術がチームに共有されていたのですか
相手側と自分たちの、選手のかたち(布陣)が違うので、その空いてるスペースを狙うのと、ボールを速く動かすことで、相手を揺すぶって、自分たちの攻めのコースを作っていくということでした。
――同点のシーンを振り返っていかがですか
ボールを良いかたちでもらえたので、自分で運びながらスペースを作っていたんですけど、前の選手が動き出して、スペースを空けてくれたので、いけると思って、思いきっていきました。
――最後に、今日の敗戦から生かしていきたいことを教えてください
自分たちができていることも多い中で、やっぱり、ボールを奪うというのと、フィジカル面で、浮いているボールをいかにマイボールにつなげて、1本のリズムを作っていくという細かい部分。それらをもっと突き詰めていかないと、これからますます強い相手と戦っていくので大事かなと思います。
GK石田心菜(スポ1=大阪学芸)
――試合全体を振り返って率直な感想をお願いします
自分たちが攻める時間が多くて、守備も集中して守れていたのですが、ちょっとした隙というのが出てしまって、そこが負けにつながってしまったなと思います。
――自分のプレーについてはいかがですか
正直2本とも止められなかったシュートというわけではなくて、本当に止められたのに、というような後悔があります。
――どのような後悔がありますか
本当にちょっとしたところで、味方DFにもう少し声かけていればとか、ポジションのちょっとしたずれとか、本当にちょっとした自分の判断ミスで(ゴールを)決められてしまいました。
――強敵に対して1年生の自分が迎え撃つということに対してプレッシャーはありますか
プレッシャーとか緊張を感じないタイプなので、あまりないです。
――球際の部分に関して、後ろから見ていてどのように感じましたか
やっぱり気持ちの入り方は違ったのかなと思うのと、試合を重ねていくごとにチームが良くなっているなというのは後ろから見て感じています。本当にあとちょっとというか、良いところまで来てはいるのですが、そこで終わらせてはいけないなと感じるので、練習から積み上げていきたいなと思います。
――この敗戦から次に生かせることを教えてください
悔しいですけど、個人のレベルも練習で積み上げていくしかないので、個人としてもチームとしても残り試合も少なくなってきているので、気持ちを切り替えて次頑張りたいと思います。