第27回関東女子リーグ戦 後期第5節 | ||||
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早大 | 5 | 1-2 4-1 |
3 | 浦和レッズレディースユース |
【得点】 (早大)29分 吉野真央、48分 白井美羽、68分 後藤若葉、77分 吉野真央、81分 白井美羽 (浦和)8分 藤崎智子、45+3分 丹野凜々香、82分 平中響乃 |
関東女子リーグ(関東リーグ)後期第5節、ア式蹴球部女子(ア女)が本当の強さを証明した。前半は苦しみながら1-2で折り返したが、後半はFW吉野真央(スポ3=宮城・聖和学園)の勝ち越しゴールやDF後藤若葉(スポ2=日テレ・メニーナ)の入部後初得点を含む4得点の大爆発。前日、関東大学女子リーグ(関カレ)を戦ったばかりにもかかわらず、タフな週末を価値ある逆転勝利で終えた。
自身の1点目を決める吉野
スタメンには前日の日大戦(○2-0)に出場した5選手が名を連ねた。さらに気温が30度を超え、序盤から苦しむ時間が続く。先制したのは浦和レッズレディースユース。8分、相手FWがパスミスを見逃さず奪い取ると、前に出ていたGK石田心菜(スポ1=大阪学芸)の頭を超えるシュートを放つ。ボールはきれいにゴールネットの中へ吸い込まれた。流れを変えるべく後藤を中盤に置いたポジションに変更すると、徐々にリズムをつかむア女。すると29分、MF白井美羽(スポ1=ノジマステラ神川相模原ドゥーエ)のCKを吉野が押し込み同点。吉野は「足を伸ばせば決められるゴールだった」と淡々と振り返る。ここで一気に逆転したいところだったが、前半終了間際にDFのファウルでPKを献上してしまう。石田はコースこそ読めたが、キッカーが一枚上手。手痛い失点を喫し、1点のビハインドを背負った。
ハーフタイムが明け、FW廣澤真穂(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)が出場。この交代が起爆剤となり「勢いがつき、球際も全部勝てるようになった」(吉野)。まずは48分、右サイドの崩しを起点に白井が鮮やかなシュートをゴール右上の隅に決める。強い日差しの下で繰り広げられる激戦は、ここからア女のペースが続く。68分に決勝点を叩き込んだのは後藤。「パスが出てきた瞬間に、道が見えた」と公式戦初得点を振り返り、会心の笑みを見せた。ア女の勢いは逆転後も止まらない。77分に抜け出した吉野が相手GKとの1対1を冷静に沈めて2得点目を奪うと、81分には白井もCKをゴールに直接入れて今節2得点目。最後は相手も意地を見せてCKから失点するも、ア女は激しい打ち合いを制し、逆転勝利を飾った。
公式戦初得点の歓びから吉野(15番)に抱き着く後藤
後藤は猛暑の中で行われた連戦に対して「けが人も増えている中で本当に総力戦だった」と苦しそうに、しかし満足気に振り返った。タフな試合を逆転勝ちで締めくくったことに意味があっただろう。ア女がまた一段階ステップアップした90分を見ることができた。次週の関カレ東京国際大戦を区切りに約1カ月、リーグ戦も休止期間に入る。ラスト1試合、今節の勢いを万全なコンディションとともにぶつけ、勝利で終えたいところだ。
(記事 前田篤宏、写真 長村光、新井万里奈)
スターティングイレブン
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 16 | 石田心菜 | スポ1 | 大阪学芸 |
DF | ◎3 | 桝田花蓮 | スポ4 | ちふれASエルフェン埼玉マリ |
DF | 5 | 後藤若葉 | スポ2 | 日テレ・メニーナ |
→79分 | 11 | 髙橋雛 | 社3 | 兵庫・日ノ本学園 |
DF | 20 | 浦部美月 | スポ2 | スフィーダ世田谷FCユース |
→83分 | 25 | 藤田智里 | スポ2 | 神奈川・大和 |
DF | 22 | 夏目歩実 | スポ2 | 宮城・聖和学園 |
DF | 26 | 木南花菜 | スポ1 | ちふれASエルフェン埼玉マリ |
DF | 29 | 田頭花菜 | スポ1 | 東京・十文字 |
MF | 28 | 白井美羽 | スポ1 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
→89分 | 24 | 大森美南 | スポ2 | 八王子学園八王子 |
MF | 30 | 築地育 | スポ1 | 静岡・常葉大橘 |
→89分 | 14 | 關陽南子 | 文構4 | 大阪教育大附 |
FW | 15 | 吉野真央 | スポ3 | 宮城・聖和学園 |
MF | 27 | 栗田彩令 | スポ1 | 静岡・藤枝順心 |
→HT | 9 | 廣澤真穂 | スポ3 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
◎=ゲームキャプテン 監督:福田あや(平20スポ卒=神奈川・湘南白百合学園) |
FW吉野真央(スポ3=宮城・聖和学園)
――今日の試合を振り返ってください
先制点を許してしまったので、試合の流れとしてはあまり良い流れではなかったですが、失点はあっても前線にいて手応えはあったので、そこまで焦らずにいれたかなと思います。
――相手にはどんな対策をして臨みましたか
結構ビルドアップしてくる想定で入って、前線が方向づけして、サイドにはめて取るという形でやっていこうとなっていました。でも結構相手が蹴ってきたので、最初は競ってセカンドボールを拾おうというかたちでやりました。
――自身の1つ目の得点シーンを振り返ってください
美羽(白井、スポ1= ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)からコーナーで良いボールが入ったので、足を伸ばせば決められるというゴールでした。
――2つ目はいかがでしたか
育(築地、スポ1= 静岡・常葉大橘)からそこしかないというとても良いボールが入って、キーパーも出てきているのが分かったので少し浮かせば入るかなと。真穂(廣澤、スポ3= ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)が左に走っているのが見えたので、浮かせたら真穂か直接ゴールかなという感じでした。
――後半にチーム全体として球際で勝てるようになった要因は何でしょうか
サイドに真穂が入ったことによってチームに勢いが出たし、そこでの球際も全部勝てるようになったので、1個前でボールが取れるようになったと思います。
――次の試合に向けて抱負をお願いします
次は関東大学女子リーグ戦の東京国際大戦で、1ヶ月の準備期間前の最後の試合なので絶対に勝ちます。みんなで頑張っていきたいと思います。
DF後藤若葉(スポ2=日テレ・メニーナ)
――まず試合を振り返っていかがですか
最初に失点して追い付いてまた失点してバタバタした試合になってしまったのですが、総合的に見て昨日からの連戦というところを見て、勝ち切れたというのは大きな勝ち点3に繋がったと思います。
――2日連続の試合はどうでしたか
高校時代、去年も含めてなくて今年入って関カレが通年になってずっと続いてきた連戦でした。夏これだけ熱くなっての連戦というのは今週が初で、怪我人も増えている中で本当に総力戦だったんのですが、それでどっちの試合も勝ち切れたというのはチームとして次の前に良い収穫だったと思います。
――前半途中のポジションチェンジされました
意図が伝えられたりはしなかったですけど、結構前にボールが入ることが多くてそこに関わりに行くというので自分をインサイドにして花菜(木南、スポ1=ちふれASエルフェン埼玉マリ)をサイドバックにして、という感じだったと思います。それに自分も関われるように前にというところだったんですけど、正直結構きつかったので。しかも慣れないポジションでどこでどう触って良いのかが分からなくて。でもその中でセカンドボールの回収だったり、守備の強さっていう部分を生かしてければなと思っていました。
――ハーフタイムの指示はありましたか
ハーフタイムは、サイドに真穂(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)さんを入れるっていう部分でもっと前がかりに、負けてたところだったので良い崩しをしていこうというかたちでした。負けてたところだったので点を取りに行こうという部分はありました。
――後半に勢いがついた要因はなんでしょうか
早稲田の関わりが良くなったと思います。前半、失い方が悪い、前にかけているところを失ってカウンターとなっていたところをひとつそこが繋がるようになりました。相手コートで崩し、自分たちがボールを持てる時間が増えたのが良かったのかなと思います。
――入部後初ゴールについて感想を聞かせてください
深い位置でスローインで真穂さんがターゲットで入ったときに収まると思ったんで人を作りに行こうと思って。パス出てきた瞬間に道が見えて、左足振り抜いた!って感じです(笑)
――次の試合に向けて
とりあえず来週末の関カレの東京国際大戦で夏前は1回落ち着くので、そこに向けて、その週は1試合なのでその試合は絶対に勝ちます。前節は2-1で逆転でギリギリだったんで、その試合の課題だったルーズボールだったりというところをはっきりとして前半戦勝って終われるように、一週間良い準備をしていきたいです。