第35回関東大学女子リーグ戦 前期第8節 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 2 | 0-0 2-0 |
0 | 山梨学院大 |
【得点】 (早大)65分,69分 木南花菜 (山梨学院大)なし |
冷たい雨が降るアウェイ会場で、ア式蹴球部女子(ア女)は山梨学院大と対戦した。序盤こそボールを落ち着かせられなかったものの時間の経過ともに主導権を握り、何度もペナルティエリア内に攻め入る。しかし決定機が訪れないまま後半を迎えた。すると62分にMF木南花菜(スポ1=ちふれASエルフェン埼玉マリ)のクロスボールが直接ネットを揺らし、続く66分にも木南がCKの折り返しに合わせてゴールを決める。最後は相手の猛攻からゴールマウスを守り切り、2-0で勝利を収めた。
木南(26番)の得点を喜ぶ選手たち
1年を通して、関東大学女子リーグ(関カレ)と関東女子リーグ(関東リーグ)の2つのリーグを戦うア女。この試合は関カレの第9節にあたる。過密日程を戦い抜き、未だ負けなし。今試合はDF堀内璃子(スポ2=宮城・常盤木学園)やMF笠原綺乃(スポ2=横須賀シーガルズJOY)を起用し、DF夏目歩実(スポ2=宮城・聖和学園)が右サイドバックを務めるなど新しい布陣で臨んだ。試合開始直後はボールが収まらず、自陣と敵陣をハイペースで往復する時間が続く。しかし、さすがは絶好調のア女。徐々にボールを支配する時間を長くしていく。観客のいないグラウンドには「取り切るよ」という選手の声が響き渡り、流れは完全にア女ペースに。相手のゴールを執拗に攻めるが、決定打は生まれない。そのままゲームは動かず、0-0で前半を終えた。
後半も主導権を握ったのはア女。前半の勢いそのままに攻め込み、試合が動いたのは62分のことだった。ハーフタイムに「サイドを使えるように幅を取ってプレーする」(木南)役割でピッチに送り出された木南が、FW髙橋雛(社3=兵庫・日ノ本学園)のパスでエリア内にクロスを上げると、ボールはそのままゴールに吸い込まれる。その直後の66分には、CKから笠原がファーサイドに蹴ったボールをMFブラフ・シャーン(スポ3=スフィーダ世田谷FCユース)が折り返し、またも木南が頭にあててゴール。あっという間に山梨学院大を突き放した。しかし、それからは反対に山梨学院大に攻め込まれる時間が長く続く。それでも「他のDF陣が個でも勝っていたし、カバーし合いながらプレーしていた」と夏目。守備陣を中心に落ち着いて試合を締め、2―0で山梨学院大を下した。
最終ラインからビルドアップに参加する夏目
今試合も90分を通じて相手に自由なプレーをさせなかった。「(新しい布陣に)自分自身戸惑いがありましたし、思うようにできなかった」と夏目は振り返るが、変化と挑戦を恐れない姿勢で新しい可能性を感じさせたゲームとなった。複数点を取る得点力と0点に防いだ守備力を持つア女に、もう隙はない。明日から関東リーグの後期が始まる。相手は大東文化大だ。スタメンだけではなく、チームで『四冠』を目指すために、ア女のやるべきことは一つ。目の前の試合に勝利していくのみだ。
(記事 内海日和、写真 ア式蹴球部女子部提供)
スターティングイレブン
早大メンバー | ||||
---|---|---|---|---|
ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 近澤澪菜 | スポ3 | JFAアカデミー福島 |
DF | 4 | 堀内璃子 | スポ2 | 宮城・常盤木学園 |
→HT | 26 | 木南花菜 | スポ1 | ちふれASエルフェン埼玉マリ |
DF | 5 | 後藤若葉 | スポ2 | 日テレ・メニーナ |
DF | 20 | 浦部美月 | スポ2 | スフィーダ世田谷FCユース |
DF | 22 | 夏目歩実 | スポ2 | 宮城・聖和学園 |
MF | 6 | ブラフ・シャーン | スポ3 | スフィーダ世田谷FCユース |
MF | ◎10 | 加藤希 | スポ4 | アンジュヴィオレ広島 |
MF | 19 | 笠原綺乃 | スポ2 | 横須賀シーガルズJOY |
FW | 9 | 廣澤真穂 | スポ3 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
FW | 11 | 髙橋雛 | 社3 | 兵庫・日ノ本学園 |
FW | 15 | 吉野真央 | スポ3 | 宮城・聖和学園 |
◎=ゲームキャプテン 監督:福田あや(平20スポ卒=神奈川・湘南白百合学園) |
DF夏目歩実(スポ2=宮城・聖和学園)
――試合を振り返っていかがでしたか
アウェイのピッチということで雨でグラウンド状況に慣れない中で、前半は自分たちのサッカーを体現できなかったです。押し込まれる時間も多かったのですが、ハーフタイムの改善点を踏まえて後半に改善できて、最後2点入れて無失点で勝ち切れたのはよかったかなと思います。
――前半は上手く行かなかったとのことですが、ボールを保持している印象はありました
ボール保持もできている時間帯もあったのですが、失うところやカウンターも何回もあって、そこからの逃がし方やつなぎ方は上手くいきませんでした。相手のリズムをひっくり返せなかったところが、前半攻めきれなかった部分なのかなと思っています。
――ハーフタイムではどんな確認をしましたか
ビルドアップした時の雛さん(髙橋、社3=兵庫・日ノ本学園)や綺乃(笠原、スポ2=横須賀シーガルズJOY)のインサイドハーフのポジショニングや、アンカーのシャーンさん(ブラフ、スポ3=スフィーダ世田谷FCユース)の競りが強くてそこは任せようと話しました。セカンドボールを拾おうというところや、真央さん(吉野、スポ3=宮城・聖和学園)の裏のスペースが空いているということですね。
――前半は右サイドバックで後半は左センターバックでプレーしていました
左サイドバックは経験したことがあるのですが、右サイドバックでプレーしたことがあまりなくて、(右サイドハーフの)のんさん(加藤、スポ4=アンジュヴィオレ広島)と組んだのも初めてだったのでいつもと景色が違いました。自分自身戸惑いがありましたし、思うようにできなかったのですが、いつもの位置に戻ったことで落ち着いてコミュニケーションをとりながらできたと思います。前半はもうちょっとできたかなと悔やまれる部分もあったのですが、後半はそれ以上に落ち着いて自分のいつも通りのプレーができたかなと思います。
――後半に2得点しましたが、終盤は猛攻を受けました。無失点に抑えましたが、何を意識していましたか
最後の終わり方もそうですし、前線陣が2点取ってくれたので、「無失点に終わらせないと!」という意識はありました。若葉が結構カバーしてくれて、のんさんも美月(浦部、スポ2=スフィーダ世田谷FCユース)も1対1で絶対に勝ってくれていたので、自分が何かしたというよりは他のDF陣が個でも勝っていたし、カバーし合いながらプレーしていました。
――14連勝していますが、次戦に向けての意気込みを教えてください
今週から2連戦が始まって、ハードスケジュールでけが人も増えると思うのですが、それをカバーできるように総力戦で挑みたいです。一戦一戦積み重ねて、その結果が勝ちだったというようにしていきたいです。
MF木南花菜(スポ1=ちふれASエルフェン埼玉マリ)
――試合を終えての感想をお願いします
前半押されていた中で、後半自分たちのペースに変えられたことが良かったかなと思います。
――前半はベンチで見守っていましたが、試合状況をどう感じていましたか
相手がディフェンスラインから結構切り込む感じだったのと、(ア女は)競ったあとのセカンドボールが拾えていない感じがしていたので、そういうところを改善していければいいなと感じていました。
――ハーフタイムでピッチに入りましたが、監督からはどのような言葉を掛けられましたか
サイドハーフとして入ったので、コンディションが悪い中でサイドを使えるように幅を取ってプレーするように言われました。
――先制点のシーンを振り返ってください
1点目は雛さん(髙橋、社3=兵庫・日ノ本学園)が中央でボールを持った時に、ハーフタイムでサイドを広く使うように言われていたので、きちんとポジションをとってからボールをもらえました。その後クロスを上げようと思ったときに真穂さん(廣澤、スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)が走り込んできたのが見えたので、そこ目掛けたボールがそのまま入っちゃった…っていう(笑)。
――2点目はいかがでしたか
CKだったのですが、シャーンさん(ブラフ、スポ3=スフィーダ世田谷FCユース)がヘディングしたボールが自分のところに来たのでちょっと触ったら入りました。最後「ごっつぁんゴール」みたいな感じで(笑)。
――2得点という大きな結果を残しましたが、次戦に向けて抱負を聞かせてください
チームが連勝している中で、自分も前のポジションでやるときはしっかり点を取ってチームに貢献していきたいです。