第35回関東大学女子リーグ戦 前期第3節 | ||||
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早大 | 4 | 2-0 2-1 |
1 | 武蔵丘短大 |
【得点】 (早大)7分 笠原綺乃、36分 髙橋雛、65分 廣澤真穂、75分 ブラフ・シャーン (武短大)68分 宍戸七海 |
関東大学女子リーグ(関カレ)前期第3節、武蔵丘短大戦がホーム東伏見で行われた。現在、連勝街道をひた走るア式蹴球部女子(ア女)は、前半の早い時間帯にMF笠原綺乃(スポ2=横須賀シーガルズJOY)が先制。そのまま順当に得点を重ねていく。後半にPKを献上して失点したものの、終わってみれば4-1の大勝で関カレ3つ目、今シーズン7つ目の勝利を収めた。
先制点を決め、得点力に磨きがかかる笠原
未だ無敗で女王の風格漂うア女は、序盤から快調に試合を進める。7分、左サイドでボールを受けたFW吉野真央(スポ3=宮城・聖和学園)からFW髙橋雛(社3=兵庫・日ノ本学園)を経由したボールは、右サイドから中に走り込んだ笠原のもとに。今季7試合中6試合に出場し5得点と好調の笠原は、そのまま冷静に流し込んで先制に成功した。さらに得点を求めて「パスで相手をゆっくり動かして、空いているスペースで一気に隙をつくように攻撃のタイミングをそろえることをチームで意識」(笠原)し、機をうかがう。ついに36分、右サイドで相手DF3、4人に囲まれながらも粘った吉野の絶妙なアシストで、中央で待ち構えていた髙橋が追加点を奪取。その後も安定した試合運びを見せ、2点差をつけて試合を折り返した。
後半に入っても、効果的なサイドチェンジを交えながらボールを回して主導権を握るア女。すると65分、前半から再三得点機をつくるも枠を捉えきれていなかったFW廣澤真穂(スポ3=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)が、吉野のパスに反応する。相手GKと1対1に持ち込み、3点目を追加した。これでさらに勢いづくア女だったが、直後の63分にファールを取られFKを与えてしまう。GK石田心菜(スポ1=大阪学芸)が対峙するが、落ち着いて沈められ失点。それでもすぐに切り替え、75分にCKのチャンスを得る。MF並木千夏(スポ4=静岡・藤枝順心)のボールに、MFブラフ・シャーン(スポ3=スフィーダ世田谷FCユース)がファーサイドからダメ押しの4点目を叩き込んだ。守備も最後まで相手にパスの出しどころを作らせず、カウンターに持ち込まれても即座に対応。判定による失点はあったものの、4-1で勝ち点3を手にした。
公式戦初得点を飾り、攻守に渡る活躍を見せたブラフ・シャーン
DF加藤希主将(スポ4=アンジュヴィオレ広島)は「四冠を目指している中でいい流れで来ている」と試合を振り返った。得点力は充実し、「セットプレーでも流れの中でも得点は取れている」(加藤)。一方でさらなる飛躍のためには、ピンチに対して冷静に対応し無失点に抑える守備力が不可欠だ。強みには磨きをかけ、完封勝利を目指してア女は突き進む。
(記事 手代木慶、写真 朝岡里奈)
スターティングイレブン
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 16 | 石田心菜 | スポ1 | 大阪学芸 |
DF | 4 | 堀内璃子 | スポ2 | 宮城・常盤木学園 |
DF | ◎10 | 加藤希 | スポ4 | アンジュヴィオレ広島 |
→82分 | 20 | 浦部美月 | スポ2 | スフィーダ世田谷FCユース |
→89分 | 26 | 木南花菜 | スポ1 | ちふれASエルフェン埼玉マリ |
DF | 22 | 夏目歩実 | スポ2 | 宮城・聖和学園 |
→80分 | 17 | 井上萌 | スポ3 | 東京・十文字 |
MF | 6 | ブラフ・シャーン | スポ3 | スフィーダ世田谷FCユース |
MF | 8 | 並木千夏 | スポ4 | 静岡・藤枝順心 |
MF | 19 | 笠原綺乃 | スポ2 | 横須賀シーガルズJOY |
FW | 9 | 廣澤真穂 | スポ3 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
→89分 | 28 | 白井美羽 | スポ1 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
FW | 11 | 髙橋雛 | 社3 | 兵庫・日ノ本学園 |
→83分 | 30 | 築地育 | スポ1 | 静岡・常葉大橘 |
FW | 15 | 吉野真央 | スポ3 | 宮城・聖和学園 |
◎=ゲームキャプテン 監督:福田あや(平20スポ卒=神奈川・湘南白百合学園) |
DF加藤希主将(スポ4=アンジュヴィオレ広島)
――試合を振り返っていかがですか
無事勝利できたことは良かったですが、判定の部分もありましたが失点してしまって、0(点)でいけなかったのはチームの課題なので、そこは悔しい部分かなと思います。
――前半は主導権を握っての2-0でした。感触としてはいかがでしたか
特段勝てているという感覚ではなかったんですが、点は入ってますし、そこまで焦ることなくいこうということをハーフタイムで話していました。感触としてはぼちぼちだったと思います。
――ハーフタイムではどのようなことを話されていましたか
まずファーストディフェンスがあまり決まってなかったのでそこを決めようというところと、後ろとの距離が空いてしまって間延びすることがあったので、ベースラインがしっかり押し上げようと話していました。監督からは一つ一つのポジショニングとか少しずつ雑になっている部分があるので、そこをこだわろうという話をしていました。
――失点はありましたが、後半も2点を追加しました。得点力は充実しているなという印象なのですがいかがですか
そうですね、セットプレーでも流れの中でも得点は取れているので、それは強みにしていきたいです。
――今日は不用意なパスがいつもより多かったかと思ったのですが、いかがでしたか
自分自身も一つ危ないパスがありましたし、一人一人の距離とか出した後に動き直すとかの細かい部分が、大きく試合の流れを変えるところになるので、そこにもっとこだわっていかなければいけないなと思います。
――そんな中でも7連勝しています
四冠を目指している中でいい流れで来ていると思います。これから連戦が続くので、明日からも頑張らないとなと思います。
――次に出場するのは5月22日の東洋大戦だと予想されます。それに向けての意気込みをお願いします
東洋大も自分たちと同じように負けていなくて勢いのあるチームだと思うので、今の課題であるポジショニングや距離感を修正して次の試合に臨みたいです。
MF笠原綺乃(スポ2=横須賀シーガルズJOY)
――試合を振り返っていかがですか
今日はいつもより暑かったので、終盤とかでみんないつもより動きがなくなってきてしまって、ジャッジとかもいろいろあったんですが、それがあってもしっかり勝ち切れたので良かったです。
――先制点を振り返っていかがですか
チャンスがあれば点を入れることをずっと狙っていました。雛さん(髙橋雛、社3=兵庫・日ノ本学園)のいいボールが来たので絶対決めきるという気持ちで打って、決まったので良かったです。
――出場したら必ず点を決めるほどの勢いがありますが、好調の要因はどんなところにあるのでしょうか
なんでしょうね…。でも出るタイミングでは絶対決めるとは思っているので、気持ちですかね。あとはこぼれ球とかは狙っています。逆サイドにボールがあってもいつボールが来てもいいような準備をしています。
――今日はどういう試合のプランニングで臨んだのでしょうか
相手が結構スカウティング(分析)をしている中で、引いてくる、相手が前からあまりかけないというスタイルだったので、早めに縦で動かず、パスで相手をゆっくり動かして空いているスペースで一気に隙をつくような、攻撃のタイミングをそろえるということをチームで意識していました。
――そういった意思疎通はどのように行っているのですか
同じエリアへの縦パスだったり、サイドから斜めに入れるパスだったり、横パスからの縦パスとかでスイッチを入れたりしていました。
――前半は2点、後半にも2点でした。今日は予定通りの勝ち方でしたか
前半に2点でしたが、できればもう1点取りたかったですね。あと失点のタイミングがクーリングブレイクの少し手前だったので、少しもったいない部分ではありました。でもそこから相手のペースに巻き込まれず勝ち切れたので良かったと思います。
――守備でも貢献していました
そうですね、笛が鳴るまで集中を切らさず走り切ることは意識していました。
――次戦に向けての意気込みを
まずは1試合1試合大切にして、全員が貢献して勝ち切るということを意識して、個人では点が取れるプレーに絡んでいきたいです。