関東大学女子リーグ戦 | ||||
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早大 | 3 | 2-0 1-0 |
0 | 東洋大 |
【得点者】(早大)19’52’廣澤 23‘高橋 |
延期されていた慶應大戦が木曜日に行われた影響で、中2日での試合となった関東大学女子リーグ(関カレ)第6節。この日の相手は7月に関東リーグで対戦し、2-1でア式蹴球部女子部(ア女)が勝利を収めている東洋大。試合は前半にFW廣澤真穂(スポ2=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)、FW髙橋雛(社2=兵庫・日ノ本学園)のゴールでリードを奪うと、後半にも廣澤に得点が生まれ3点差とする。その後も危なげなくリードを守りきり、関カレでの連勝を4に伸ばした。前節まで首位だった筑波大が破れ、3節を残しア女は首位に浮上した。
早慶戦での勝利から中2日と、連戦になったア女だったが、スタメンの変更はGKのみ。主将の鈴木佐和子(スポ4=浦和レッズレディースユース)が復帰し、4-4-2の布陣で臨んだ。試合は序盤から両チームとも積極的に攻めに出る。9分、前線で粘りキープした廣澤がこの日ファーストシュートを放つがミートしきれず枠外へ。続く11分にはMF村上真帆(スポ4=東京・十文字)が相手陣内でボールを奪い髙橋へ縦パスを供給。受けた髙橋はペナルティアーク付近から右足を振りぬくが、これはGKの正面へ飛んでしまい先制点とはならない。しかし20分、DF浦部美月(スポ1=スフィーダ世田谷)が早めのタイミングでクロスを入れると、「スペースがあったので走り込んだらいいボールが来た」と廣澤が飛び込み、こぼれたところを押し込んで先制に成功。この日が誕生日だった廣澤にとって、自らを祝うバースデーゴールとなった。さらに3分後の23分には、またもサイドで起点を作り得点が生まれる。左サイドハーフでスタメン起用されたMF三谷和華奈(スポ1=東京・十文字)が切り返しから右足で鋭いクロスをゴール前に送ると、髙橋が飛び込みリードを2点に広げた。
クロスから得点を演出した三谷
迎えた後半、またもスコアを動かしたのはア女だった。後半開始まもなくの52分、MF並木千夏(スポ3=静岡・藤枝順心)が相手陣内でパスカットし前線の髙橋へ。パス交換から左サイドに開いた髙橋は、ファーサイドに構える廣澤へふんわりと浮かせたクロスを送ると、これを廣澤が頭で叩き込みこの日2点目。試合を決定づける3点目を奪った。守備では1年生CBコンビ、DF後藤若葉(スポ1=東京ヴェルディメニーナ)、DF堀内璃子(スポ1=宮城・常盤木学園)の危機察知が光り、決定機をほとんど作らせなかった。前線からのプレスも、「声をかけながら(プレスに行くか行かないかの)選択をみんなが意識出来ていた」(髙橋)とチーム内での統一がうまくいき、相手に思うようにボールを回させない。終了間際には、相手の直接FKを壁に入ったMF松本茉奈加(スポ4=東京・十文字)が顔面付近でブロックするなど最後まで集中力を切らさず体を張った守備で東洋大を完封。理想に近い試合運びで関カレ4連勝を飾った。
シュートを放つ廣澤
この試合を終え、5勝1敗で勝点15としたア女は、筑波大が大東文化大に敗れたことで首位に浮上した。次節の相手はその大東文化大だけに厳しい戦いになることも予想されるが、この4連勝中すべてで複数得点と攻撃陣は好調を保っている。さらにここ2試合は無失点と、守備陣も奮闘。関カレでは昨季まで4季連続で2位と苦杯をなめ続けているだけに、かける想いは強い。残り3試合、全勝して自力での優勝を目指したい。
(記事 山崎航平 写真 手代木慶)
スターティングメンバー
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | ◎1 | 鈴木佐和子 | スポ4 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 4 | 船木和夏 | スポ2 | 東京ヴェルディメニーナ |
→ | 3 | 佐々木呼子 | スポ4 | 宮城・常盤木学園 |
DF | 29 | 堀内璃子 | スポ1 | 宮城・常盤木学園 |
DF | 25 | 後藤若葉 | スポ1 | 東京ヴェルディメニーナ |
DF | 28 | 浦部美月 | スポ1 | スフィーダ世田谷 |
MF | 10 | 村上真帆 | スポ4 | 東京・十文字 |
→ | 26 | 笠原 綺乃 | スポ1 | 横須賀シーガルズJOY |
MF | 6 | 並木千夏 | スポ3 | 静岡・藤枝順心 |
→ | 5 | 阪本未周 | スポ4 | 大阪・大商学園 |
MF | 14 | 加藤希 | スポ3 | アンジュヴィオレ広島 |
MF | 27 | 三谷和華奈 | スポ1 | 東京・十文字 |
→ | 11 | 松本茉奈加 | スポ4 | 東京・十文字 |
FW | 7 | 髙橋雛 | 社2 | 兵庫・日ノ本学園 |
FW | 9 | 廣澤真穂 | スポ2 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
◎はゲームキャプテン 監督は福田あや(平20卒) |
コメント
FW髙橋雛(社2=兵庫・日ノ本学園)
――試合を振り返っていかがでしたか
関カレ優勝のためには絶対負けられない戦いだったので、前半のうちに2点も取れて、いい流れで試合を進めることができて良かったです。
――得点を振り返ってください
和華奈からだったのですが、前回の試合のように中で我慢して待つということを意識していたのですが、すごくシュート性のいいボールが来たので飛び込むだけという感じでした。
――サイドからの攻撃が冴えた試合が多く見られますが、どのような意識をされていますか
今日の試合であれば、相手のサイドバックが食いつきやすいという的確な分析を、スカウティング班の人たちがしてくれて自分たちのやることがはっきりとしていました。それでチャレンジできて、サイド攻撃でディフェンスラインの裏を狙うことをみんなが意識してやれていたのが一つだと思います。また、サイドに強みがあるので速さを生かしたプレーだったり、まずは裏という選択肢があるので、チームとしてそれを共有で出来ていたのかなと思います。
――右サイドからの攻撃がなかなか思うようにいっていないように見受けられました
右サイドは(相手)を崩せる選手がいるので、味方の特徴を生かしたプレーができるように周りのサポートを早くして行けたらもっとチャンスにつながると思います。
――ご自身の得点後、相当マークされて相手のラフプレーが増えた印象がありました
相手にとって、プレッシャーをかけられていた方が絶対に嫌だと思うので、自分自身ハードワークすることを意識していましたし、それをやり続けた結果がんがんやられたことは良かったなと思います。
――前線からのプレッシングをするときとしないときの連携がうまく行っていたように思います
自分たちの判断でスイッチをかけることもあるのですが、後ろの人からの声で止めてくれたり、自分たちで声をかけながら自分たちの選択をみんなが意識していたことが、うまくはまった要因かなと思います。
――次戦への意気込みを教えてください
まだまだ勝ち点を積み重ねることが大切だと思います。私は攻撃陣なので得点をとり続けて無失点で勝ちたいと思います。
FW廣澤真穂(スポ2=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)
――試合を振り返っていかがでしたか
攻撃の狙いをしっかり持つことができ、守備の切り替えのところもよくできたと思うので、とても良い試合運びができたと思います。
――ご自身のゴールをそれぞれ振り返ってください
1点目は浦部のクロスからで、スペースがあったので走り込んだらいいボールが来ました。できるだけ足を延ばして触ったらこぼれてきて、押し込んだという感じです。
2点目は、高橋からクロスが上がってくるとわかったので、ファーに走り込んだらこれもいいボールが来ました。なかなかないヘディングゴールになって良かったです。
――本日はお誕生日ということで、それに関してはいかがですか
バースデーゴールは取りたいとずっと思ってたので、良かったです。チームのみんなのおかげです。
――攻撃のかたちという部分では、サイドからの攻めを中心にいいかたちが作れていると思いますが、チームとしてどのような意識をもっていますか
サイドの選手のスピードや1対1での強さを活かして、2トップは中に固めることでゴールに近くなりいい攻撃ができていると思うので、続けていきたいと思います。
――守備に関して、前線からのプレスに行く場面、自重する場面がチームで統一できていたと思います
スカウティングでしっかり話し合いができたのと、相手を見ながらチームの状況を把握して連動した守備ができていたので、ハマったなという感じがあります。
――4連勝で首位を追うという状況ですが、今後の意気込みを聞かせてください
筑波大が引き分けか負けを取らないと優勝できないという状況になってしまっているので、自分たちは勝ち続けるしかないと思います。絶対優勝したいのでたくさんゴールを取って勝ちたいと思います