第41回関東女子選手権(兼)皇后杯全日本女子選手権関東地区予選 | ||||
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早大 | 2 | 0-0 2-0 |
0 | 日テレ・メニーナ |
【得点】 (早大)58’、80’廣澤真穂 (日テレ・メニーナ)なし |
関東女子選手権初戦で前橋育英高に勝利を収めたア式蹴球部女子(ア女)は、準々決勝で日テレ・メニーナ(メニーナ)と相対した。今季の関東女子リーグ戦で1分1敗の難敵との一戦はスコアレスのまま後半に突入したが、MF松本茉奈加(スポ3=東京・十文字)のアシストからFW廣澤真穂(スポ1=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)が2ゴール。守備陣も最後まで集中力を切らさずにクリーンシートで締めくくり、準決勝への切符と全日本女子選手権(皇后杯)の出場権を手にした。
前半の立ち上がりに課題を抱えるア女であったが、この日はDF中田有紀(スポ4=兵庫・日ノ本学園)のオーバーラップや2トップのFW山田仁衣奈(スポ4=大阪・大商学園)と廣澤のボールを引き出す動きから主導権を握る。25分からは得点パターンとなっているCKを立て続けに3本獲得した。しかし、なかなか好機をものにできないでいると、メニーナがボールを保持する展開に。ただ、「回されることは分かっていたので、中央のスペースで自由にさせないようブロックを敷いた守備を徹底させました」とMF高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が振り返ったように、ア女は最終ラインで揺さぶりをかけてセンターバックの2人を中心にロングボールを供給してくるメニーナに対して、ハイプレスをかけずに4-4-2のブロックを敷いて対応。前半は両チーム無得点で終了した。
先制に成功し、喜ぶ廣澤(写真右)と松本
ボールを跳ね返すことにとどまっていた前半から一転し、後半は奪い切って攻撃につなげる機会が増加する。すると58分、試合の均衡が破れる。中盤でのボール奪取から松本が持ち上がって廣澤にスルーパス。これを廣澤が冷静に流し込んで先制に成功した。その後もア女は球際で優勢に立ち、敵陣でのプレー時間が長くなる。終了間際の80分には、左サイドでボールをカットした松本が放ったクロスを、「このかたちを練習していた」という廣澤が胸トラップして左足を振り抜き追加点。2-0で強敵を退け、準決勝進出を決めた。
ロブパスを狙う松本。この試合で2アシストを記録した!
「メニーナ対策でチーム全員が意見を出し合い、どう攻略するかを話し合えた」(廣澤)。今季メニーナのパスワークに苦戦を強いられていたが、選手同士の距離感をコンパクトに維持して対策を講じ、試合中の修正力も相まって完封勝ちを飾ったア女。戦術の柔軟性とそれを遂行する能力をこの日は見せ、チームの状態が上向いていることを感じさせた。次戦の東洋大戦は連戦となるが、この勢いで勝利へとまい進したい。
(記事 石井尚紀、写真 永池隼人)
※試合時間は80分(前後半各40分)
スターティングイレブン
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早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 16 | 川端 涼朱 | スポ3 | 東京・十文字 |
DF | 5 | 源関 清花 | スポ4 | ちふれASエルフェン埼玉 |
DF | 4 | 小林 菜々子 | スポ4 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディース |
DF | 35 | 船木 和夏 | スポ1 | 日テレ・メニーナ |
DF | 3 | 中田 有紀 | スポ4 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 17 | 阪本 未周 | スポ3 | 大阪・大商学園 |
→59分 | 2 | 冨田 実侑 | スポ3 | 岡山・作陽 |
MF | ◎8 | 高瀬 はな | スポ4 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18 |
MF | 10 | 村上 真帆 | スポ3 | 東京・十文字 |
MF | 11 | 松本 茉奈加 | スポ3 | 東京・十文字 |
FW | 9 | 山田 仁衣奈 | スポ4 | 大阪・大商学園 |
→75分 | 7 | 中條 結衣 | スポ4 | JFAアカデミー福島 |
FW | 34 | 廣澤 真穂 | スポ1 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
リザーブ:GK33近澤澪菜(スポ1)、MF14田中実夏(スポ4)、MF26加藤希(スポ2)、MF32高橋雛(社1)、FW土居明日香(スポ4) | ||||
◎=ゲームキャプテン 監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘) |
コメント
MF高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
――きょうの試合を振り返って
今シーズン一度も勝てていなかった相手だったので、無失点勝利できたことは素直にうれしいです。
――きょうのゲームプランは
(相手にボールを)回されることはわかっていたので、中央のスペースで自由にさせないようブロックを敷いた守備を徹底させました。
――後半の途中までなかなか攻撃がかみ合っていなかった印象ですが、攻撃の狙いはどのようなものでしたか
攻撃でかみ合わなかったというより、守備で体力を奪われていたのは事実です。ですが必ずチャンスはあると思っていましたし、少ないチャンスをものにできたのは狙い通りでした。
――ハーフタイムで確認したことは何かありますか
前半は試合中も守備の面で修正し合うことができていたので、とにかくこの状態を続けて失点をしない、相手が変化をつけてきても慌てず対応することを再確認しました。
――相手は最終ラインからつないでくる攻撃でしたが、それに対してチームとしてどのように対処しようと考えていましたか
普段は前からプレスをかけにいく守備でしたが、今回はそれを完全に封印させて、とにかく中央のスペースを空けないことを徹底しました。
――後半ははめるポイントに共通理解があったように見えましたが、この点いかがですか
前半は相手のプレースピードや判断スピードに順応しきれなかった部分もありましたが、前半のうちにそれを修正できたことで、後半は奪い切るところまでできた場面が増えたと思います。
――FW廣澤真穂(スポ1=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)選手が試合を決めてくれました
ずっと守る時間が長くて精神的にも苦しかったですが、ヒロ(廣澤)の点でみんな元気を取り戻したような感じでした。少ないチャンスをものにしてくれたのは本当に大きかったと思います。
――最終的に集中力を切らさずにクリーンシートでしたが、この点はどう評価していますか
勝った試合でも失点があるとやはり自分たちは満足できなくて。以前からその傾向はありましたが、ここ数試合でさらにその気持ちが強くなった実感はあります。今後もこだわりを持って戦いたいです。
――連戦となりますが、次節への意気込みをお願いします
とにかく目の前の試合に勝つことだけを意識して、自信を持って戦うだけだと思います。必ず勝って、決勝に行きます。
FW廣澤真穂(スポ1=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)
――きょうの試合を振り返って
メニーナとは関東リーグであたって1敗1分という結果だったので、とにかくこの試合は勝つことだけを考えて挑みました。メニーナ対策でチーム全員が意見を出し合い、どう攻略するかを話し合えたので、とてもよかったと思います。
――FW山田仁衣奈(スポ4=大阪・大商学園)選手との関係性で、どのようなことを意識していますか
一番は距離感を意識しています。仁衣奈さんがボールを持った時にはいつでも動き出せる準備をしていて、普段からよくコミュニケーションを取ってイメージを共有しているのでプレーしやすいです。
――1点目を振り返って
いい位置でボールを奪えて、茉奈加さん(松本)が持っていた時に前にスペースがあったので抜け出しました。すごくいいボールが出てきたので決めるだけでしたが、チャンスが少ない中で決め切ることを意識して試合に臨んだので、しっかり決め切ることができてよかったです。
――2点目を振り返って
茉奈加さんがボールを持っていた時に「来るな」というイメージがあったので中で準備していました。速いボールでしたが、トラップでしっかり収められて、シュートのタイミングもよかったと思います。このかたちを練習していたので、決めた時はとてもうれしかったです。
――代表に召集されましたが、何か収穫はありましたか
代表では前の選手のハードワークが徹底されていて、守備への高い意識がついたと思います。
――明日に向けて一言お願いします
私たちの目標は関東予選(関東女子選手権)優勝なので、明日の試合も勝ちにこだわって次につなげたいと思います。