第25回関東女子リーグ戦 | ||||
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早大 | 2 | 0-1 2-0 |
1 | 浦和レッズレディースユース |
【得点】 (早大)68’松本茉奈加、82’廣澤真穂 (浦和レッズレディースユース)35’島田芽依 |
前節昇格組の群馬FCホワイトスターに敗戦を喫したア式蹴球部女子(ア女)。何としてでも勝ち点を積み上げ、関東女子リーグ戦11連覇に向けて流れを引き寄せたいア女は、ホームで同じく前節黒星の浦和レッズレディースユース迎え撃った。互いに負けられない一戦であったが、序盤は相手に押し込まれア女の思い描くプレーはできず、34分自陣でのミスからサイドを崩され失点。しかし68分にMF松本茉奈加(スポ3=東京・十文字)がPKを決めるとア女はリズムを取り戻す。続く82分にはCKの混戦からFW廣澤真穂(スポ1=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)がゴールを奪ってそのまま逃げ切り、試合は2−1で終了のホイッスル。内容は満足のいくものではなく課題は残ったが、しっかりと勝ち点を積み上げ、平成最後の試合を白星で締めくくった。
前節ジェフユナイテッド市原・千葉レディースユースに0−6の大敗を喫していた浦和レッズレディースユースだったが、今節にその面影は一切なく序盤から果敢に攻める姿勢を見せた。前半立ち上がりの2分、自陣右サイドをFW井戸ケイトが攻め上がったところをDF船木和夏(スポ1=日テレ・メニーナ)がクリアしたものの、9分にも右サイドをFW島田芽衣に裏を取られ突破される。一方ア女は怪我人の影響や4―1―4―1へのシステム変更もあって選手間の距離感がつかめず、なかなか自分たちの流れに持っていくことができない。12分、廣澤が左サイドを上がってシュートに持ち込むもゴールは奪えず。15分にはMF村上真帆(スポ3=東京・十文字)が起点となり、上がってきたDF吉野真央(スポ1=宮城・聖和学園)へパスを出して左サイドに流し、MF並木千夏(スポ2=静岡・藤枝純心)へと繋ぐもペナルティーエリア中央の村上には合わずシュートへは持ち込めない。しかし19分、積極的にボールを持った廣澤が松本へ繋ぎ、それを村上がスルー、再び廣澤へと渡り、シュートまではいかずともいい連携を見せた。その後右サイドから船木がクロスを上げたが、キーパーにキャッチされてしまう。30分、村上が前を向き廣澤へパス。それを収めた廣澤は再び戻して村上がシュートを放つもGK福田史織の好セーブでゴールネットは揺れないまま。嫌な時間が続く中34分、ビルドアップの途中で起きたパスミスからカウンターを浴びてサイドを崩され、最後はFW島田のゴールで先制を許す。その後も村上を中心にゴールへ向かうも、得点は奪えず0−1で前半を折り返した。
自ら獲得したPKを決めた松本
1点を追うア女は後半開始とともにFW土居明日香(スポ4=ちふれASエルフィン埼玉)を投入。52分にDFブラフ・シャーン(スポ1=スフィーダ世田谷FCユース)がペナルティーエリア中央で待つ土居へロングパスを出すなど、途中出場の土居も積極的に攻撃参加を見せる。続く54分、船木がペナルティーエリア内へ侵入し、その後廣澤がこぼれ球に反応するが惜しくもポスト左脇に逸れる。後半になって徐々にかみ合い始めた攻撃だったが60分、前線で活躍を見せていた並木が負傷交代という不運に見舞われる。ここで代わって入ったのは前節までサイドバックとしてスタメンに名を連ねていたDF源関清花(スポ4=ちふれASエルフィン埼玉)。本来のポジションより1列前でのプレーとなったが、源関が中盤で一度落ち着かせることで攻撃のバリエーションを増やし、チームに変化をもたらした。そんな中迎えた67分、右サイドで源関が打ったシュートのこぼれ球を廣澤が中央へ流し、ペナルティーエリア内で松本が倒されPKを獲得した。松本が打ったシュートは左ポストに当たって角度は変わったもののしっかりとゴールネットを揺らし、同点に追いつく。しかし、「勝ちたいという気持ちがもっと強くなった」(松本)とア女は攻撃の手を緩めない。71分、源関のパスから廣澤がゴール前まで詰め寄り、74分には得点には至らなかったもののゴール前で土居がキーパーと1対1になる決定機も生まれた。度重なる積極的な攻撃により、82分コーナーキックを獲得する。キッカーのMF高瀬はな主将(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースユース)が蹴ったボールはゴール前で混戦を生み、最終的にはこぼれ球に反応した廣澤がネットに押し込み2−1へと逆転させる。その後も87分、船木が右サイドを駆け上がり自らシュートに持ち込み、続けて88分には土居がポスト直撃のシュートを打つなど最後まで果敢に攻める姿勢を貫き、試合を1点リードのまま終えた。
逆転し喜びを分かち合う選手たち
「1点を追いかける時間帯が長かったが、同点に追いついてからも、もう1点取ろうという前向きな気持ちになれた」と高瀬が話すように、苦しい時間が続く中でチーム全体が諦めずに粘って攻撃を仕掛けたことが勝利に繋がったと言えよう。しかしながら、内容に目を向ければ決して満足のいくものではなかっただろう。「ファーストディフェンスやビルドアップの共通理解が課題」(DF小林菜々子、スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースユース)と、以前から挙げられていた不安材料は未だ消えないままだ。次節は2週間後の神奈川大戦。その間どこまで課題を修正していけるかが、今後チームが成長していく上で大きな鍵となるに違いない。今節粘って勝ち取った勝利を糧にさらなる飛躍を期待したい。
(記事 堤春嘉、写真 石井尚紀、永池隼人)
スターティングイレブン
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早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 鈴木 佐和子 | スポ3 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 4 | 小林 菜々子 | スポ4 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディース |
DF | 35 | 船木 和夏 | スポ1 | 日テレ・メニーナ |
DF | 36 | ブラフ シャーン | スポ1 | スフィーダ世田谷FCユース |
DF | 37 | 吉野 真央 | スポ1 | 熊本・聖和学園 |
MF | 7 | 中條 結衣 | スポ4 | JFAアカデミー福島 |
→46分 | 30 | 土居 明日香 | スポ4 | ちふれASエルフェン埼玉 |
MF | ◎8 | 高瀬 はな | スポ4 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18 | →85分 | 19 | 桝田 花蓮 | スポ2 | ちふれASエルフェン埼玉マリ |
MF | 10 | 村上 真帆 | スポ3 | 東京・十文字 |
MF | 11 | 松本 茉奈加 | スポ3 | 東京・十文字 |
→90+2分 | 20 | 秋山 由奈 | スポ4 | 東京・八王子 |
MF | 12 | 並木 千夏 | スポ2 | 静岡・藤枝順心 | →61分 | 5 | 源関 清花 | スポ4 | ちふれASエルフェン埼玉 |
FW | 34 | 廣澤 真穂 | スポ1 | ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ |
リザーブ:GK16川端涼朱(スポ3)、DF27黒柳美裕(スポ2)、MF14田中実夏(スポ4)、MF17阪本美周(スポ3)、FW18荻原優花(スポ3) | ||||
◎=ゲームキャプテン 監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘) |
コメント
MF高瀬はな(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
――きょうの試合を振り返って
きょうも前回同様に前半のうちに失点してしまったので、ちょっと嫌な空気が流れたというか、全然自分たちのプレーもできないし、嫌な時間帯が続いたんですけど、結果的に2点取って勝利につなげられたのは自分たちの自信にはなったのかなと思います。
――前節から意識してきたことは
前節とはシステムが少し変わっていて、初めてのシステムということもあって、守備の面でも課題が出ていたんですけど、前回は点が取れなかったので点を取りたいというのはみんな意識していて。後半にようやく点が入ったということで、まだまだそこらへんが課題かなと思います。
――前節同様サイドからの失点となりましたが
最後はサイドなんですけど、(ボールの)取られ方が悪かったので、守備の面でも全体的にサイドだけじゃなく中盤からリスク管理をする必要があると思います。
――フォーメーションが変わった中でまだ選手間の距離感はつかめていないでしょうか
そうですね、距離感が今の一番の課題だと思います。
――攻撃は後半から徐々にかみ合ってきた印象でしたがハーフタイムで話し合ったことは
けっこう前半は焦ってしまった部分があって、何かがうまくいかないとかではなく、自分たちのミスでリズムを崩してしまったので。まず自分たちのサッカーをしっかりするということと相手に走り負けないことっていうシンプルなことなんですけど、そういうところからやっていこうという話はしていました。
――勝ち切れたことは非常に大きいですね
1点を追いかける時間帯が長かったですけど、同点に追いついてからも気持ち的にもう1点取ろうという前向きな気持ちになれたので、そこまで持っていけたのはいい部分かなと思います。
――けが人が多い印象ですが
けが人も多いですし、5月に入ると教育実習とか代表とかでいなくなってしまうので。でもそういう時に一番チーム力が試されると思うので、4年生としてもキャプテンとしてもみんなを引っ張っていければなと思います。
――次節は神大戦です
神大は前からけっこう対戦してるんですけど、自分たちも去年とは違うチームなのでお互いわからないことが多いです。この勢いをさらに増して、勝ちにつなげられれば一番いいと思います。
DF源関清花(スポ4=ちふれASエルフェン埼玉)
――前半ベンチから試合を見ていていかがでしたか
相手が広くとってるのに対して、どこから行くのかとか、タイミングとかがはっきり合っていなくて、行けないで裏を取られて、ディフェンスラインもきつかったですし、自分たちでそういうところはアクションを起こしてやっていかないと、自分たちで自分たちを苦しめるていると見ていて思いました。
――投入された時にどのようなプレーを心掛けましたか
1点取られていたので、絶対に点を決めて、勝ちに行くしかないと思っていました。
――本来起用されているサイドバックの一列前でプレーされてみていかがですか
プレー自体に収まりがなかったので、一回落ち着ける位置をつくりたいと思って、結構内側でもらっていたんですけど、そしたら和夏(DF船木和夏、スポ1=日テレ・メニーナ)が上がってくれるタイプなので、ためると上がってくれたりとか、足元で受けると、はな(MF高瀬はな主将、スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)とか土居ちゃん(FW土居明日香、スポ4=ちふれASエルフェン埼玉)とかが入ってきてくれるので、そこで1個リズムをつくれたというのがあったと思います。
――今回の逆転勝利はどのように捉えていらっしゃいますか
結構反省点が多い試合だったと思うので、もっと自分たちで主導的に試合を進められるように、これ以降は負けられないので、自分たちでできるサッカーを突き詰めていかなければいけないと思います。
DF小林菜々子(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
先制点を決められて苦しい展開になったんですけど、自分たちのペースを崩さずに、結果的には勝ててよかったです。
――先制点は前節同様に左サイドを崩されてしまいました
始めに取られたところがビルドアップの途中で、中盤での安易な横パスからだったんですけど、連係だったりで欠けている部分があって、ちょっとのミスが大きな失点とかにつながってしまうので、まだ細かい部分の擦り合わせをやっていかないといけないと思います。
――やはりビルドアップはチームとして課題に挙がっているのでしょうか
怪我人が多くて、スターティングメンバーも変わってくるので、特に1年生も多い中で、ビルドアップとかの共通理解の面が課題です。
――ラインコントロールの面ではいかがでしたか
やっぱりファーストのボールに対して行けているか行けていないかで最終ラインの位置も変わってくるので、ディフェンスラインだけではなくて、もう少しボールに対して誰が行くのかをはっきりとさせた中で、ディフェンスラインを押し上げるのをやっていきたいと思っています。まずはファーストディフェンスを誰が行くのかという部分をはっきりしてから、ディフェンスラインをそろえていきたいです。
――後半は無失点に抑えました
システムも変わって、ディフェンスのやり方も全員でこうやっていこうというのがあって、それがうまくはまったのが良かった部分かなと思います。それをもっと前半から気付けて修正できる力がこれから大事だと思います。
――今後に向けて意気込みをお願いします
1試合1試合集中と言っていても、4年生の頭の中には11連覇というのはあると思いますし、そういうプレッシャーの中でやっているのは事実なんですけど、そのプレッシャーをネガティブに捉えるのではなくて、挑戦という意味を忘れずに、出ていない4年生も含めた4年生全員で11連覇に向けて頑張っていきたいです。
MF松本茉奈加(スポ3=東京・十文字)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
前節負けているので、きょうは勝ててよかったと思うんですけど、内容はもう少しこだわっていかないといけないなというのは前節から変わらず思っています。
――前節の敗戦を踏まえて、きょうに向けてどのような準備をしてきましたか
まず守備の面で相手が4−1−4−1というのは分かっていたので、自分は守備の面を気にして、失点しないことが目標だったんですけど、失点してからの勝ち越しは良かったなと思います。
――前半は押し込まれる時間や単調な攻撃が続く場面が多かったように見えました
そこはもう少し質というより、自分たちが何をしたいのかをもっと明確にしなきゃいけないなと思います。それはチームが始まってからずっと課題としてあります。また5月に試合があるので、それまでにもっとコミュニケーション取って変えていかなきゃいけないと思っています。
――後半はどのような気持ちで試合に入っていきましたか
前半は0−1で負けているという状況だったので、まず1点返して自分たちのペースを掴んで、勝ちに行くつもりでいきました。
――果敢に攻める姿勢を見せ続け、PKを獲得しました
ヒロ(FW廣澤真穂、スポ1=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)がボールを持っているときは大体チャンスになると思うので、そこまでヒロが粘ってくれたからこそのPKだったと思います。決め切れてよかったです。
――ご自身のゴールを振り返っていかがですか
緊張しました(笑)
――松本選手のゴールでチームも変わったのではないでしょうか
自分としても勝ちたいという気持ちがもっと強くなったし、この粘って勝ち取った勝利というのは今後成長につながるんじゃないかなと思うので、内容は良くないとは思うんですけど、そこを変えていければもっと良いチームになるのかなと思います。
――次節に向けて、意気込みを聞かせてください
おごらずに、謙虚に、チームに貢献できるプレーをしていきたいなと思います。